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飛んで!飛んで!飛んで!飛んで!イスタンブール! ① [2010 夏 イスタンブールの旅]

~ まえがきに代えて ~

多分、オストドは“旅”に出るために働いているのだろう。いや、正確にはオストドの稼ぎは、

日々の生活費等に化けるわけだから、メストド1号の稼ぎで旅行をしているのかもしれない。

まあ、今回の旅立ちのために、少々、いや、相当に“身体を酷使”した。

ブログすら更新することが出来ないくらい、心身共ボロボロ状態だった。

多忙極める莫大な量の仕事をこなし、時には山へ拉致され、酷い目にもあった。

左足を一本持って行かれるか?思われる怪我もした。「旅行までに治るだろう!」などと

呑気に病院にも通ったのだが、完治には未だ至っていない。

そもそも有給休暇も腐るほど存在するはずなのだが、そんなものはドブに流すか、建物の基礎に

怨みを呟きながら、埋め込んでしまうしかない。

毎年の様に「大体この辺ね!」と無理やりオストドのスケジュールにメストド1号が合わせる。

そうして、なんとかやりくりをしてスケジュールを合わせ、旅に出ることになる。

今回のルートは、前回の残りのシンガポール航空のビジネスクラスのチケット。

つまり、成田~シンガポール~コロンボと飛ぶ。飛ぶのはいいのだが、もうちょっと乗りたい。

何しろ、オストドの趣味は飛行機に乗ること。付き合わせて気の毒ではあるが、メストド1号は、

オストドに異論はなるべく唱えない様にしているらしい。何しろ、飛行機の事に関しては、

言いだしたら聴かないのが、オストドのクセである。

「じゃあ!どこへ行くの?」 その一言で終わりである。

「そうねえ~イスタンブールはいかがかな?」

「いいわね・・・」

何気なく、メストド1号は呑気に答えたのである。「してやったり!」と内心ガッツポーズをした。

早速、エミレーツ航空の片道航空券を手配して、コロンボ~ドバイ~イスタンブールへと航空券を

繋げたのである。つまり、トルコのイスタンブールへ到着するのに・・わざわざ・・・

そう飛んで、飛んで、飛んで、飛んでと4回も飛行機に乗る行程を組んだのである。

しかも、全行程ビジネスクラスの旅。子育ても無事かはどうか?定かではないし、知らないが、

とにかく、上級クラスの旅がしたい。すっかり、ビジネスクラスに無理やりかもしれないが、馴染ませた

メストド1号と旅に出るのである。

多分、いや、正確には絶対に駄文になると思うのだが、最後までお付き合いの程をお願い申し上げる。

まあ、ノー天気な二人なので、どこそこを観てきましたとかは、ナイ。

ひたすら歩きまわり、素肌で感じた“イスタンブール”の魅力をお伝え出来ればと思っている。

「熱中症になるな」

「だから、持って行こうと言ったのよ!」

こんな会話が何度繰り返されたか、数えもしなかったけど、毎日の様にお互いの口を出た。

第一章 旅立ち前の大仕事? -オストド脳神経科と神経科へ行く- に続く


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飛んで!飛んで!飛んで!飛んで!イスタンブール! ② [2010 夏 イスタンブールの旅]

第一章 旅立ち前の大仕事? -オストド脳神経科と神経科へ行く-

オストドの会社の社長。つまり、オストドを“コキ使う張本人”でもある。お父様の様子がおかしい。

まあ、元々“常人離れ”をしている人で、主語・述語をぶっ飛ばす人だった。

おかげで、トンチンカンな答えをしてよく怒鳴られたものだったのだが、どうもここ数週間、様子がおかしい。

元々と言えばそうだけど、とうとうプッツンしてしまったのかもしれない。

おかげで、面白い話やネタも沢山仕入れる事が出来たし、聖人君子みたいな人?と思っていたのは

とんでもない大間違いだと言う事も解ったのは、良いとしても“身内”だけならまだしも、お取引先にまで

迷惑を掛け始める様では、そろそろ“引導”を渡すしかない。まあ、最後に燃え残っていた導火線に

着火したのは、オストドの一言であろう。「会社辞めます!もう疲れました!」かもしれない。

どうやら、オストドの旅行中に脳神経科に通うとのことなので、病院の先生に本人には、ナイショで

相談に行く事にした。親族にも連絡をし、協議の結果「病院に収容してもらうしかない!」

全員の意見が一致したのである。実の子以上に手間を掛けさせ、お金も使わせてきた身としては、

少々、辛い面もあるが、本人のためでもあるし、会社のため、そして働く多くの社員である職人’s

そしてその家族。協力企業の人々の生活を考えれば、実害のない最後の花道を用意せねばならない。

そのために、急遽12日から休暇に入る事に表面上しておいて、脳神経科へ赴いたのである。

まあ、オストドが受診をしたら、多分、旅行にも出発させて貰えず、鉄格子の取りつけられた

“病室という名の監獄”へ放りこまれる恐れは十二分にある。

取りあえず、脳神経科の先生に相談をして、精神安定剤を処方してもらう事にした。

これは、オストドが自宅へ届けた“痛み止め”として服用させる事にしたのである。

まあ、この作戦は薬袋を捨て忘れ、失敗に終わったと、帰国後に聴かされることになるのだけど

その後、神経科つまり・・昔で言うところの精神病科のカウンセラーと打ち合わせをする。

どう転んでも、神経の病らしい。これで、根回しは完了したつもりだった。

脳神経科へ診察に訪れたら、緊急MRI→神経科受診の道筋をつけた。

「これも、本人の為だよな!」と自分に言い聞かせることにした。

もしかしたら、オストドの旅行中に“静養”名目で隔離されることになるかもしれない。少々後ろ髪を

引っ張られる思いだが、この休暇を逃すわけにはいかない。代わりにオストドが病院になるのか?

刑務所になるのか知らないが、収容されかねない程、精神的にも肉体的にも、目に見えるダメージと

目に見えないダメージを追っている。

「気にしなくていいから、旅行楽しんでおいで!」

そう言ってくれた従姉には、感謝しなければならない。

言葉に甘え、ついでに買い物に付き合って貰う事にした。何しろ、一時だけ!そう一時的にはである。

細くなっていたハズのウエスト。いつの間にかまた元に戻ってしまったのだ。

「けっ!こんなズボンもういらないよ!」 そう言って投げ捨てたズボンの怨念かもしれないし、

ストレスによるものか?どうも腰回りがキツイ。

従姉に見立ててもらい、ユニクロでズボンを一本購入して、その場で裾上げをしてもらう。

その間、従姉にはまるで着せ替え人形の様に、あれやこれやと着せられたが、どうもヤクザか

父っちゃん坊やか・・場末の飲み屋のポン引きにしか見えない服ばかりである。

所用?を済ませ、JRに乗りこむ。駅に着いたら土砂降りの雨。まあ、少々懐が温かいので、

タクシーに乗りこみ、長距離飛行前(旅行前)の最終整備(治療)を受けるべく、ドック(病院)へ向かう。

鍼治療を受け、念のため、消炎剤のクリームを一個分けてもらい、自宅へ戻った。

この時点で午後5時近く。まだ荷造りがひとつもされて居ないとは、知らなかったのだが、

「何時に出発する?」

「出来れば午後7時過ぎには、家を出たいよね!」

「解ったわ!」

そう言うなり、メストド1号は古回転じゃなくて、フル回転でスーツケースとキャリーバックに荷物を

放りこみ始めた。今夜発の飛行機でなくて良かった。これからもなるべく前泊をしようと心に決める。

それでもPM7時すぎには、自宅を出発できたわけだから、伊達にツアコンの妻をやっていたわけでは

ないらしい。メストド1号の頭の中には、何をどれだけ持って行けばよいのか?

既に出来上がっていたのである。

PM7:20 自宅を出発。一路、幕張ICを駆けあがり、幕張PAで夕食。

それでも、成田ICを駆け降り、今夜の目的地である。成田ヒルトンホテルへ到着したのは、PM8:15.

ホテルの駐車場に車を放りこみ、HHオーナーズカウンターでチェックインの手続きを行う。

二人で1泊9000円の料金で、12階。しかもエアポートビューの部屋。1223をアサインされる。

駐車料金は一泊200円だから、1200円を帰る際に払えばいい。

最初から使う気はないのだけど、フィットネスクラブの利用券と朝食券を渡される。

まあ、ここにはエグゼクティブラウンジはないのだから、その代わりののだけれど・・・

PM10:30 明日は長い一日になる。イスタンブールのホテルへ辿りつくまで、約37時間

今日は早目に“いつものお薬”(そう言われて渡される・・寝るためのお薬)を飲み、

意識朦朧となりそのまま・・頭の中身だけは一足先にイスタンブールへ飛んで行った。

第二章 ファーストフライトは、A380に乗って・・・へ続く。




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飛んで!飛んで!飛んで!飛んで!イスタンブール! ③ [2010 夏 イスタンブールの旅]

第二章 ファーストフライトはA380に乗って・・・

13,AUG,2010

AM7:00 起床。やはり、永年の習慣は恐ろしいもので、AM5:30には薬が切れ、目覚めてしまう。

「ああ・・そうか!旅に出たんだっけ・・・」 ひとりごとを言う習慣になってしまってもいる。

「しかし・・夢の中まで仕事させられるとは・・もう一回寝るか!」そう呟いたのも事実だ。

しかし、旅立ちへの興奮なのか?それとも、少々、後ろ髪を引かれる思いで旅立ったわけだから、

そのせいなのかもしれないが、そんなものはどうでもいい話であって、話を先に進めねば、いつまでたっても

日本をウロウロしている事になる。

スヤスヤいや、グウグウ寝ているメストド1号をベッドサイドの目覚ましとモーニングコールの電話。

それを合図に叩き起こすのは、毎度お馴染の・・・まあ、恒例行事。

「ほら!起きろぉ~」と夢の世界を彷徨っているメストド1号を、文字通り叩き起す。

さっさと着替え終わり、悠々とタバコに火を点けテレビを眺めているオストド。

いつの間にか用意万端になったメストド1号に、今度はこっちが急かされる番だ。

「ほら!行くわよ!もう戻って来ないんでしょ?」

「まあね!」

「荷物は?」

「面倒だから自分たちで降ろす。」

少々、くたびれたダンヒルショルダーを背負い、スーツケースを引き摺るのは、オストドの役目。

その横でリュックを背負い、キャリーを曳くのは、メストド1号のいつものパターン。

「しかし・・・」

「何?」

「いい加減それ・・・」

「ああ!これね。愛着があってね。」

「もう!修理にでも出したら?」

「いいの?捨てろとこの間シンガポールで言ってたけど・・・」

「丁度いいのがないんでしょ?」

「そう・・・」

「2万円まで!それまでなら掛けてもいいから・・・」

これで・・この旅で「そんなボロ!捨てろ!」と言われなくて済む。

ベルサービスの女性にスーツケースとキャリーを預け、朝食を摂ることにした。

「こちらはコンチネンタルの券ですけど、追加料金なしで温かいお料理もお取りいただけます」

何やらよく解らない。解らないけど・・それはそれでありがたいので、黙っておく。

しかし・・・しかしである。オストドはある言葉を思い出していた。

「秋になったら、強制ダイエットね!重すぎるから足が治らないの!解る?」

そう言われたら・・・今から少しずつ、ダイエットを始めた方が楽である。



これはメストド1号の朝ごはんではなく、オストドの朝ごはんである。バスの時間も迫っていたし、

メウトド1号の冷笑は、雷と地震より少々怖い部分もあるから、これだけで我慢したのだ。

あんまり、我慢したおかげか?清算を終えても、予定より1本前のバスに乗りこむことができた。

さっさと手続きを済ませ、手荷物検査場の長蛇の列にうんざりしたので、スーパーフライヤーのカードを

提示して、専用の手荷物検査場をすり抜け、出国審査場は大人しく並ばねばならない。

出国審査を終えると、今度はメストド2号リクエストの“出国税”ならぬ、メストド2号への貢物を探す。

1点は見つかったのだが、もう1点は品切れだと言われる。どこを探してもないものは、無い。

これは、シンガポールでのトランスファーの際、免税店を覗いたら、腐るほど売っていたのだけれど・・・

ゲートは46番。つまり、延々と歩かねばならない。途中、スモーキングラウンジで一服し、ついでに

会社等へ出発の連絡を入れることにした。


メストド1号は「歩け!ブタになるから・・・ラウンジでも喰う気でしょ?」とのたまう。

言われなくても喰う気満々である。そのために、大人しく色々な香りが混じり合う化粧品売り場を

延々とウロウロしたのだ。これ以上続いたら、オストドは呼吸困難になる。

何しろ、なるべく息を止めていたのだ。頭は痛くなるし、異臭としか良い様のない売り場。

よく女性陣は平気だなぁ~と常々思っているからだ。

「タバコの煙も害には違いないけど、これも・・・公害の一種だよな!」

余計な一言が多いのは、どうやら生まれつきらしい。

「一服でしょ?機嫌悪そうだもの・・・」

そう言われて、スモーキングラウンジへ放りこまれたのである。

その後は大人しくANAのラウンジを目指した。「喰ってやる!」とぶつぶつ言いながら・・・・

ラウンジへ到着して。搭乗券を差し出す。

食べるのとタバコどっちがいい?どうせすぐ機内食よね・・」

「じゃあ・・タバコ・・・」

別に縁起を担ぐわけでもないのだが、離陸前と着陸後の一服の儀式は欠かせない。

オストドにとって究極の選択を迫られたわけだ。コーラーを2杯飲み、立て続けにニコチンを供給すると、

もう、ボーディング開始の時刻になっている。ラウンジから階上の出発ゲートへ行くと、優先搭乗が既に

始まっていた。

今回のお伴はこの間手に入れたコンデジ。ギリギリまで迷ったのだが、歩く=負担を考え、

更に完治していない足。これも考慮して、泣く泣く一眼レフを置いてきたのだ。



オストド&メストド1号の席は11Aと12A。つまり前後である。11Aに窓はない。

窓が無い席にメストド1号を座らせ、寝させなければならない。

何しろ、長旅になるのだが、成田/シンガポール間のフライトが一番時間を要するからだ。


A380のビジネスクラスの配列は、1-2-1。お隣はだれが来るのかな?


勿論!Aコン。


オストドの席。脱ぎ捨てたジャケットと共に・・・(預けませんよ!カーディガン忘れたんで・・[ふらふら]


気を取り直して・・ジャケットを除けて・・もう一枚。


本邦初公開パート1 うちの奥さん!メストド1号です。


この階段を下れば・・・憧れのスイートなんですが・・・・


またまた・・本邦初公開パート2 モニターに映るオストド。馬鹿でしょ?


嬉しい!ウエルカムドリンクのオレンジジュース。飲んじゃいましたが・・・・グラスです。


足元も広々・・・


お隣さんは可愛い女の子で良かった!目線ありがとう!


外は雨が降り出しまして・・・きっと職人’sの怨みの雨かな?


気を取り直してと・・・もう飛行機乗っちゃいましたからね・・何を食べようかな?


なるほど・・・この人たちのレシピのお料理なんですね。


う~ん!迷うなぁ~和食にするか?ステーキか・・・・えっ?


ねえ!美人のCAさん!機内食はねえ~

オストド&メストド1号がボーディングしたのが、AM10:55。ボーディングブリッジが離れたのが、

AM11:25。SQ637便シンガポール行きは、同11:29にプッシュバックされ、11:37に滑走路へ向かう。

RUNWAY16Rより、オストド&メストド1号が、名付けた。

愛称“ベルーガ”はそのエンジンを轟かせ、11:49。その雄姿を空に浮かべるべく、テイクオフ。


雨の中ご苦労さま!行ってきま~す。


シブタイ・・いや渋滞。離陸を待つ飛行機たち。どうか安全をお祈りしてますよ!


どうも・・シブチンの様な気がする。アメニティー


ドリンクは?勿論、「コーク!プリーズ!」お酒飲むと暴れるんで・・・・・

「機内食はいかがいたしましょう」

他の席。つまりメストド1号はそう尋ねられたはずだ。しかし、オストドには尋ねない。

オストド用としてシーフードヌードルが既に積み込まれている。

「オストド様。スペシャルミールとして、シーフードヌードルを積み込んでおります。」

「やだ!」

「はい?」

「それ食べなきゃいけないの?」

「いいえ、メニューからもお選びいただけます。」

「じゃあ・・ヒレステーキね!」

オストドはチキンアレルギーとして登録されている。つまり、クック・ザ・ブックでオーダーしないと、

シンガポール航空の方で、配慮を重ねてくれ、スペシャルミールが積み込まれる。


オストドのために積み込まれたもの・・・サテーの代わり・・・

他の席にはサテーが配られたが、オストドにはくれない。横に座る女の子に見られながら、

特別に誂えられた前菜をいただく。


フムフム!今どこかな?


サラダまで・・・特別誂えか・・・・スモークサーモン。美味しかったよ!


ヒレステーキのメインデッシュ。美味しく頂きました。


チーズの盛り合わせとフルーツは遠慮させていただきましたが・・・コレは別。


“空のレストラン”からの眺め・・・気分最高!


美人のCAさんたち・・・

所用のついでに所用を思い出し、カメラを持ってトイレへ行く。食後の歯磨きをするためだ。

何しろ、せっせと磨かないと、オストドの通う歯医者さんのDrスランプアラレちゃん風の衛生士さんに

また、嘆かれるからだ。

「お暇なときには歯ブラシ咥えておいてくださいね!」と言われている。


SQに積み込まれている歯ブラシとクシをゲットしておく。(ホテルに歯ブラシがないことがある。)


常にキレイに清掃されているトイレ。


“さりげないおもてなしの心”が嬉しい。

PM04:58(日本時間PM05:58以下、JPTと記す。)懐かしいチャンギ国際空港のRUNWAY0Lに、

ランディング。第3ターミナル。ゲートB4へ静かにベルーガことA380は、成田/シンガポール間の

フライトを終え、その翼を休めたのだ。最高高度38000ft。所要6時間7分の飛行時間だった。

第三章 トランジットタイム・・・・に続く。








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飛んで!飛んで!飛んで!飛んで!イスタンブール! ④ [2010 夏 イスタンブールの旅]

第三章 トランジットタイム

13,AUG,2010 PM05:10 (JPT PM06:10)

真っ先に降りるのはいつものオストドのパターンと言うべきか?癖である。

メストド1号はのんびり屋さんと言うべきか、マイペース型。

この旅がヤロー同士の旅なら、「じゃあ!あとで!ゲート集合ね!」とでも言ってしまえば、

気楽なのだが、オストドは今ではメストド1号の専属ツアコンである。

それに、オストドのパスポートとトランスファーチケット(乗継の搭乗券)は、メストド1号の

リュックの中に仕舞われている。先日のパスポート紛失騒ぎ以来、メストド1号が保管係りなのだ。

だから、自由行動はない。言い換えれば、人質ならぬモノ質を取られている。

早速、インフォメーションボードを確認する。

シンガポール/コロンボ間のボーディングパス(搭乗券)は、成田で既に受け取っている。

しかし、ゲートオープンの時間もゲート番号も入っていない。

ただ、何便で座席はどことしか書いていないのだから、インフォメーションボードで確認をする。

これだって、あまりあてにはならない。時々ゲートがとんでもない所へ移動することもある。

「ええとぉ~あっ!あった。F54。定刻どおりか・・・」

「どこ?」

「あそこ!」

「あった!あった!」

「さてと・・では恒例の・・んっ?」

「何?」

「あそこにさ・・ランコム置いてあるけど・・・あそこにアレ!ないかな?」

「どうかな・日本で売り切れだったし・・・覗くだけ覗いて見る?」

「覗くのはタダ!シンガポールドルならあるし・・・ゲンクソ悪いけど・・・」

タバコに課税されなきゃシンガポールは天国なのだ。いくら、日本でTAXを払っていると言っても、

「そんなの知らん!」とばかりに、ご丁寧にも日本語で書かれた税関手引きを渡される。

3340945

それ以来、「二度と来るか!シンガポール!」と喚く様になってしまった。

せめて、滞在日数x一箱(出来れば、二箱)くらい。持ち込ませて欲しい。そうすれば、

有意義なシンガポールトランジットタイムを満喫できる。

MRTに乗って、チャイナタウンをぶらつき、飲茶とC級グルメを堪能できるのだが・・・・

「まだ根に持っているの?」

「当たり前じゃん!好きな国だったんだけど・・・くたばっちまえ!」

「はいはい・・ニコチン切れね?」

「残念でした。コッソリ“ゼロ”咥えていたもんね!強いて言えば煙切れ・・・」

「解ったわよ!じゃあお店覗いてから、スモーキングルームでいいんでしょ?」

「まあ・・そんなとこ・・・」

メストド2号の出国税は、“物納”である。それも、「どこそこの何で、品番は・・・・」とくる。

「確かアレ・・色黒だったはずなんだけど・・・・」

「昔はね!日焼けはどうのと言い続けたけど・・・真っ黒だったわね。」

「それが何で・・・女心は解らん!男で良かったな!俺・・・・」

成田の免税店では、欠品。つまり、売り切れだった。それが、覗いた化粧品売り場では、

山の様に残っているのを発見した。

「あるじゃん!」

「日本製かしら?メイドインジャパンじゃないとダメって言っていたから・・・・」

手にとって見ると、確かめる必要もなかった。何しろ、裏書きは日本語。それでも、注意して、

よく見ると、日本製と書いてある。

「これで・・出国税は無事揃ったと・・・」

手持ちのシンガポールドルを吐き出すと、気持ちがラクになった。

もう・・当分、いや、禁煙でも気がおかしくなってしない限り、入国することのない国の紙幣を

エイヤーと吐きだせたこと。それに、出国税の延滞金?を徴収されなくても済む。

スモーキングルームに駆けこみ、一服、また一服と着陸後の儀式を行う。

「さてと・・・ラウンジへ行って、昼寝してメシ喰って・・・・」

「駄目!ウォーキングに出かけるわよ!」

「げっ!」

「絶食とウォーキングどっちがいい?」

メストド1号の目は、オストドにまた。究極の選択を強いている目だった。

「う・・・ウォーキング」

「でしょ?」

「でもさ・・・」

「何?」

「俺、左足靱帯損傷なんだけど・・・・」

「知っているわよ!湿布も消炎クリームもサポーターまでそのオンボロカバンに入っていることもね!」

「ら・・ラジャー!」

こうなってはいくら喚こうが、あがいても無駄な話。それでなくても、今はエコブームである。

省エネの世界。オストドも体力を温存しなければならない。イスタンブールのホテルに辿りつくまで、

まだ24時間以上タップリとあるのだ。こんな行程を組んだ自分が恨めしくなった瞬間でもある。

「あ・・あのさ!ゲート確認しとかなきゃ」

「そうよね・・・」

「俺の記憶によれば・・あっちのスカイトレインに乗れば、すぐのはずだけど・・・」

せめても“歩行量”を減らし、体力温存を図ろうとするオストド。我ながら涙ぐましい努力である。


(第3ターミナルから、第2ターミナルのFゲート出発にはこっちが便利)

「ほら!あれ!覚えてる?」

「えっ?」

「この前、泊まったホテル」

「ああ!あの時はドライバーさん酷かったわね。居眠り仕掛けるし、道間違えるし・・・」

「だから、チップやらなかったけどね」


(向かって正面が第2ターミナルです。)


(まあ・・どこかの空港とは偉い違いですね。心なごみますから・・・)

スカイトレインを降りて、F54ゲートを確認する。ラウンジから直行から考えると、おおよではあるけど、

20分の時間をみておけばいい。荷物検査もあるので、所用時間を含めて45分前とする。

「さてと・・・カバンでも見ようかな?」

「修理するんでしょ?」

「するよ・・・でもね。代わり買わないとね・・・」

「何で?」

「修理に時間かかるでしょ・・毎日使うもん!」

オストドにアレほど口うるさく、代わりを買えと言っていたのを逆手にとることにした。

まあ、それに予備はあっても困らないわけだし、きょっとすればひょっとすることもある。

オストドの欲しいのは、シンプル・イズ・ベスト。そんなにブランド・ブランドしていないもの。

まあ、なんでも放りこめる様に厚み10cm以上、面倒なモノは省いてもらい・・・

ショルダー式で、まあ・・レポーターバックみたいでちょっとだけ固め。

お値段も希望がある。お財布がそんなに軽くならないものが望ましいのだ。

「だけど・・注文が多いわよね!」

「どこが?」

「デザインがどうのとか・・・ちゃんと収納すればいいんじゃないの?」

「まあね。でも、元々大雑把で片付けるのヘタだから・・それに、気にしないで使えるものが・・・」

「つまり、その・・・オンボロになったダンヒルのバックがいいわけね?」

「うん。」

希望に近いものがあっても、お値段がどうのとか言い、結局は買わないはず。

オストドのポリシーは“良いものを安く。そして、長年使う”なのだ。

前に乗っていた車だって、新車で納入され、17年乗り続けボロボロになって廃車したのだ。

その理由だって、部品がないのと、引っ越しの荷物運びのため仕方なくだから・・・・・

「ええと・・そろそろですね・・・」

「一服ね?不思議なのはよく飛行機の中で我慢出来ることだわ・・・」

「それはね・・・飛行機大好きだからね!我慢できるの・・・乗っている間は・・・仕方ないでしょ?」

「どなたでしたっけ?JALのシカゴ行きの機内で傍若無人の振る舞いをされた方は?」

「えっ?ああ・・ジャンボのアッパーデッキでね。でも、機長の許可も得たし、売上にも貢献したよ・・・」

「脅したんでしょ?」

「あれは脅してないの!スモーキングエリアを寄越さなかったJALが悪い。」

「それで・・文句を付けたのよね?」

「文句じゃなくて、要望!お客様の大半が喫煙者だったし・・暴動起きちゃうじゃない!それに・・・」

「それに?」

「俺一人だけなら・・ギャレーに闖入して吸えばいいことだもの。スッチー達と一緒に・・・」

「やってたわけ?」

「やってた。顔馴染みが多かったし、ちょっとした有名人だったし・・・いや、要注意添乗員かな」

「呆れた・・・」

「まあ!若かったから・・無茶もやったけどね。飛行機の中にスモーキングルーム作ってくれないかな」

「有料でも?」

「うん。1000円なら払うよ・・空の一服には価値があるもの・・・」

観念したのか?どうかは定かではないが、オストドをスモーキングルームに連行するメストド1号。



「ああ!美味い・・」

「もし、飛行機が墜ちそうになったら?」

「吸うね!きっと・・墜ちると判って助かりそうもなければだけど・・・」

「その時は許す!」

「あんがと・・じゃあ・・行きますか?」

オストドの目論みでは、ターミナル間はスカイトレインを使うつもりだった。まあ、希望的観測と言う奴は、

99.9%叶えられた試しはない。絨毯の上を引っ張っているキャリーは、体力を奪っていく。

「ええと・・スカイトレインはと・・あった!」

「何が?」

「だから、次のターミナルへ移動するでしょ?」

「するけど?」

「スカイトレインに乗るでしょ?」

「乗らない!歩くの!」

「げっ!」

「動く歩道は使ってもいいから・・・」

「うわーい!」

半分、いやそれ以上だったはず。やけになって喜ぶオストド。既に足は悲鳴を上げている。

「ええと・・いいもん見っけ!」

カートが置いてあるのを見つけると、それにキャリーを積み、肩に食い込んでいるレポーターバックを、

積み込んで動く歩道に戻ろうとすると・・・・

「駄目!」

「何で?」

「ラクになったでしょ?動く歩道は禁止!」

こうして延々と第ニターミナルから、第一ターミナルを抜け、第三ターミナルへ戻ることに・・・

第三ターミナルに戻り、スモーキングルームに駆けこむと、時計はPM17:54(JPT18:54)を

表示していたのである。



放っておくと、もう一周でも二周でもさせられそうな勢いだったので、喉の渇きを訴えることにした。

「ねえ!喉渇かない?」

「そうね!ちょっと渇いたわね・・・」

「ラウンジ行こうか?お金勿体ないしね・・・」

「そうよね・・・」

勝手知ったるラウンジへ向かうことになった。やれやれである。


(ラウンジへの入り口)


(ラウンジの中は広い)


(喰えないと言う選択もあるので・・・本日、3食目)

ラウウンジには様々な食事や軽食が用意されている。巻きずしや茶そば、普通のそばまで、

バリエーションは豊富にある。オストドはサンドイッチ8個(一包み2個を4包)と茶そば2杯。サラダ2皿。

缶コーラを2本にミネラルウォーター1本を、今にも空腹のあまり泣き叫びそうな胃袋に流し込む。

メストド1号は、サンドイッチ等をやはりその胃袋に収めている。

ラウンジでまったりして、離陸前の儀式に臨むことにした。

「さてと・・・」

「はいはい・・・何らかの理由付けるわよね?」

「嫌ならいいけど・・・ジンクスみたいなもん?俺はいいけどね。墜ちたって・・・」

「はいはい。大勢の人のためにお吸いになってください。」

「だよねえ~」

スモーキングルームに立て篭もり、2本立て続けに吸う。

一本は空を飛ぶ飛行機たちの安全を祈って・・・もう一本は、そのれらの飛行機に乗る人々の

安全を願っての大切な儀式だ。

「そろそろ行く?」

「いや、もう一本!」

「今度のは?」

「旅の安全を祈ってかな・・・」

合計3本を吸い、階下へ降りる。フットマッサージ器が無料で備え付けられている。

15分ほど揉んでもらうと、心身共リラックスして、次の経由地に向かえるのだ。

第4章 人騒がせな人たち。シンガポール~コロンボそして、ドバイへ・・・に続く。







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飛んで!飛んで!飛んで!飛んで!イスタンブール! ⑤ [2010 夏 イスタンブールの旅]

第4章 人騒がせな人たち。シンガポール~コロンボ そしてドバイへ

「まさか・・歩いて行かないよね?」 と懇願するメストド1号。

「歩きたいの?」 悪戯っ子の様に笑いながらも、ご要望でしたら?と言う顔をしている。

「勘弁!歩いたら・・死ぬ!」

それでなくても、今回の旅での、オストドの体調は万全ではない。

いつもの旅のスタイルをジェット機。それも戦闘機並みに例えるなら、プロペラ機それも単発機並み

そのくらい満身創痍とストレスによるダブルパンチを浴びている。

足は悲鳴を上げ、「これ以上喰うな!」とオストドの脳みそに訴えているくらいだ。

「冗談よ・・行きましょうか?」

「うん。でも、もう一度ゲート確認しなきゃ・・・」

シンガポールに到着時に確認したゲートは、F54だったのだが、F34に変更になっている。

「やっぱりな・・変更になってる」

スカイトレインで第2ターミナルへ移動する。念のためにもう一度ゲートを確認すると・・・

「ん?F34からF54にまた変更になっている。」

「えっ?どういうこと?」

「さあねえ~もうゲートはオープンになっているはずの時間だから・・・F54に行けば判るよ!」

ところが、ゲートは閉まったまま。多分、コロンボ行きに乗務するCA達が不安そうにしている。

「間違えていない?」

「間違えていないと思うよ!行き先にコロンボって書いてあるもの・・・」

その時にアナウンスが流れ、オストドの耳はダンボになり、オストドの指は口に当てて、

メストド1号に静かにする様に合図を送る。

「はは~ん!やはりいいみたい。」

「どうして判るの?」

「シップチェンジだってさ・・・まあ、墜ちる可能性があるより、無い方がいいし・・・」

「まあねえ~」

「それにほら・・・パイロットに他のCAたち。ついでに乗客も集まってきたでしょ?」

いくら、上級クラスの乗客とはいえ、ゲートでの手荷物検査等は平等である。列を作っているので、

並ぶ事にした。やっとゲートの係員がやってきて、ゲートがオープンする。

「なるほど・・ゲート係も荷物検査するのね。」

「そりゃそうでしょ・・そうでなきゃ・・ハイジャックは出来るでしょ?グルになればね・・」

「違いないけど・・・」

そんな会話をボソボソと話していると、オストド&メストド1号の眼の前に並んでいる3人組の漫才が、

幕を開けたのである。どうやら、日本企業からコロンボへ出張する3人組だった。

「あのぉ~ボーディングパス落としたみたいで、探してきます。先に行っていてください。」

若い青年が標的になっていたのだ。勿論、仕掛け人はオストドではない。

同行者の中年おっさん2人組だ。

「どこへ?」

「さっきの店とか・・・」

「どこへ入れていたんだ?」

「ズボンの尻のポケットです・・・」

「大丈夫だよ!俺も前に無くしたけど・・Eチケットの控えあるだろ・・」

「でも・・探してきます。」

「いいから・・・」

列はどんどん短くなってゆく。まあ、ブログネタにもなるし、いつかオストドもやりかねない。

大人しく見ておくことにした。

「本当に・・・」

「いいから・・・」

手荷物検査の直前でタネばらし・・・同行者のおっさん二人組が、片方がポケットから抜き取り、

もう片方が大事にしまってあったのだ。

「あっ!それ!俺の・・・」

「俺のじゃねえ~まったく・・・落としたらどうするんだ」

「俺が抜き取らなきゃ・・誰かに盗られていたかもしれないんだぞ?」

「ひどいっす!帰国したら社長に言いつけます・・・」

まあ、オストドが思うには、海外出張で浮かれている青年に、少々キツイお灸を据えたのだろう。

「昨日!俺が一人で遊びに行ったのを根に持っているんでしょ?」

「いいや・・俺・・元気・・・・」

ここまでにしておくけど、どうも・・日本の恥を輸出している気がする。

「まったく・・・男って・・・」 メストド1号が耳うちをする。

「あのね!男がスケベじゃなかったら・・人類破滅よ!」 少々からかってみたら、思い切り尻を抓られた

可哀そうなオストドである。抓っておきながら・・・・

「そりゃそうだけど・・・」 と答えるメストド1号。オストドは抓られ損である。


わざと?ピンボケにさせた・・・お騒がせ3人衆。

ボーディング開始アナウンスが流れる。勿論、さっさと乗ってさっさと降りるのがオストド流である。

SQ468便 A330-300に乗りこむ。従って、同行しているメストド1号もオストドと行動する。

まあ、指定された席に先に座っているか?ギャレーで立ち話をしている馬鹿を探せば、よい。

乗り遅れなければ、合流するわけだから、ゆっくりしていてもいいのだが、いつも一緒に動く。

空港で別々の行動をしている時は、多分、トイレに行っている時くらいかもしれない。



機体に乗りこみ、操縦席のドア開かないかな>と思っていたら、案の定開く。

勿論、カメラを構えるのが、毎度おなじみのオストド流である。

さっき乗ってきたA380よりは劣るけど、まあ・・昔のファーストクラスよりは、座り心地はよい。

まあ、アメニティーグッズは少々不満だけど、ウエルカムドリンクが出るだけ、

マシと思える様になってきた。



PM10:35 (JPT PM11:35)ドアクローズ。5時間35分のトランジットタイムは幕を閉じた。

PM10:52 (JPT PM11:52)にトーイングカーにより、ゲートF54より押しだされ、

その6分後には、タキシングを開始した。RUNWAY02Cより、PM11:05(JPT AM0:05)に離陸する。

チャンギ国際空港の夜景は大好きである。

シンガポールは、今のところ好きな国から、二度と来るかに格下げになったけど、

この空港は大好きなんだから、仕方がない。まあ、当分立ち寄ることもこれでなくなる。

見納めになるかもしれない。

浮いてしまえば、こっちのもの。さて、何を喰うか?考える。

折角、シンガポール航空が用意しておいてくれたスペシャルミールは、シンガポールへ到着する前に、

CAに断わってもらってある。

「ミスターオストド。お食事前のドリンクは?」

何を喰うべきか迷っていたところへCAがやってきた。

機内では飲まない事に決めているので、ノンアルコールのカクテルを頂くことにした。

メストド1号はミネラルウォーターを所望した。




とりあえず・・・サラダ。フムフム・・ドレッシングがなかなかのもの。


オストドは・・・お魚さんをチョイス。


メストド1号はチキン。ハズレを引いたとはメストド1号。トマトソースも嫌いなメストド1号・・・・


優雅にお茶をいただきまして・・・・・

喰うもんを喰ったら眠くなるのがオストドの習性。

それでなくても様々な激務をこなし、オマケにお父様をそれなりの収容所へ、

放りこむ手筈を整えてきての旅立ち。いつもなら、睡眠薬を飲まなければ眠れないオストドだけど、

飛行機の中は爆睡できるから、これまた、不思議なものである。

一眠りすれば、もう最終着陸態勢に入るとのアナウンスで、夢の中を彷徨っていたオストドは、

現世に引き戻される。

メストド1号をいつものごとく叩き起すが、そのまままた、眠りの世界へ引き摺りこまれてゆく。

まあ、自称“眠り姫”とほざいているくらいだから、仕方がない。

だから、成田・シンガポール間で、充分に睡眠を摂る様に言っておいたのだが、

ゲームに嵌ってしまったのは、メストド1号である。

PM23:47(JPTAM2:17)約11カ月ぶりにコロンボへ帰ってきた。

帰ってきたと言うのは、オストド&メストド1号のチケットはここコロンボで発券されたチケットである。

ゲートA7に滑り込んだ機体に別れを告げ、トランスファーカウンターへ向かう。

ここまでが。シンガポール航空で、ここからが、エミレーツ航空での旅になる。

一予約をつなぎ合わせ、記載しきれずに2枚になってしまったクレームタッグが付いたスーツケースは、

無事に積みかえてもらえるのだろうか?ふと・・キャセイ→キャセイを思い出した。

成田→香港→バンコク→コロンボ→バンコクと馬鹿をやった時、危く荷物が、

行方不明になりかけたのである。

「ねえ!大丈夫かな?荷物・・」 メストド1号もどうやら忘れないタチらしい。

「そうねえ~大丈夫じゃない?」 ノー天気なオストドはこれからやることがある。

トランスファーカウンターで、Eチケットとパスポートを二人分ていじして、乗継の手続きをする。

「バッゲーッジ?」

「パルドン?」

「バッゲージ・・ワン?」

「イエス!ワンバッゲージ・・・」

どうも・最近、必要な単語がスラスラと出てこなくなった。

元々キャパの大半は、別な事に占められており、少ない部分しか活用できない様になっている。

4枚のボーディングパスと、2枚のラウンジインビを受け取る。

「いつになったらラクな旅が出来るのかな?」

「来年はね!カイロで一泊する行程になるから・・・さてと・・・」

「一服でしょ?」

「残念でした!トイレ!」

「それじゃあ・・あたしも・・・」

喰ったら出す。飲んでも出す。これが自然の摂理である。



内戦でドンパチやっている時に、異国の地でこのターミナルを作り上げた技術者たち。

旅客機が撃ち落とされた際も、いちはやく現場に駆けつけて救助をしたエンジニアたち。

ふと・・その話を思い出したオストドである。

「ずいぶん・・・明るいイメージになったな・・・内戦終って良かった・・・」

ボツンとひとりごとを漏らしていると、メストド1号が戻ってきた。勝手知ったるコロンボの空港。

スモーキングルームにまっしぐらに駆けこむ。前は、ラウンジで喫煙できたのだけど、今は禁煙。

したがって、空調が余り聴いていない煙たなびく中へ、突進して一服、二服と立て続けて、

ニコチンを供給する。

「しかし・・まあ、内戦が終ったら手のひらを返す様に色々な航空会社が戻りつつあるな・・・」

「いいんじゃない?」

「いいけどさ・・・あんなアホやるビジネスマンも乗りこんでくるんだよ・・」

「いいことじゃないの?」

「そりゃね・・・でも・・・興味はなくなってきたな・・・」


昔はちょっと・・薄暗かったアラリアラウンジ


日本語が聴こえたのはきのせいかな?

メストド1号にキャリーとバックを託し、再び、スモーキングルームに立て篭もるオストド。

「ライター貸して・・・」

「あいよ・・・」

知らない者同士でも、タバコが取り持つ不思議なご縁もある。二言三言言葉を交わし、お互いの旅の

安全を祈りながら別れるのだ。ゲートに確認に出かけ、ゲートオープンを確認して、ラウンジへ戻る。

「ゲート開いたよ!行こうか?」

必死に睡魔と闘っているメストド1号を、促してA7ゲートへ向かう。乗ってきたSQの機体が無くなり、

代わりにシンガポールから飛んできたエミレーツ航空の機体がスポットインされている。

14,AUG AM2:45(JPT AM6:15) 

エミレーツ航空349便ドバイ行きB777-300ERに乗りこむ。まだまだ・・先は長い。






相変わらず・・・ウエルカムドリンクでビタミンCを補うオストド・・・・

機内食は喰わないと言う選択を行使することにして、早速寝る準備を始める。

機内食を食いっぱぐれても、ドバイノラウンジで、好きなモノをチョイスして喰えるのだ。

それよりも、睡眠を多少でも摂っておかねばならない。

AM3:15(JPTAM6:45)ドアクローズ。AM3:30にプッシュバックされるまでは、起きていたけど、

隣のお姫様は爆睡モードに突入している。その姿を見ていたらオストドも眠りの世界へ引き込まれた。

第6章 ドバイでトランジットへ続く・・・・
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飛んで!飛んで!飛んで!飛んで!イスタンブール! ⑥ [2010 夏 イスタンブールの旅]

第5章 ドバイトランジットタイム

「ありゃ・・・また飛んじゃった!」 どうも飛行機の中は良く眠れるのだろうか?

いつの間にかシートベルト着用のサインが消えている。

隣の席ではメストド1号が寝ているが、少々寝苦しいだろうと思い。シートをスリーピングモードにする。

誰も褒めてはくれないので、自分で「旦那の鏡だな・・」と褒めておくことにする。

お互いのシートに、“ドント・ディスターブ”つまり、起こすな!のシールを貼りつける。

そうしないと・・CAの職務なのか?嫌がらせなのか起こされるケースがある。

考えてみれば、もの好きな二人である。コロンボ発券のループから抜け出すために、

エミレーツ航空から、直買いで、ド・ノーマルのチケットを買った。

「お前等アホか?」 そう言った悪たれ連の連中の顔が浮かぶ。

「土産なんか買って来ないからな・・アホと言ったから・・・」

「そんなもんいらねえよ・・・ゆっくりしてこい!ドアホ!」

まあ、毎度おなじみの言葉が飛び交う。まあ、彼等の喜ぶ土産は持ち帰りが出来ない。

彼等だって・・そんなもん貰っても、カミサン連中に怒鳴られるか?離婚届を突きつけられるし、

オストドだってその後始末の紛争に巻き込まれるのはゴメンである。



いつの間にか夜が明けたらしい。自称、眠り姫ことメストド1号はぐっすりと眠っている。

「サーお食事をお持ちしましょうか?」

「ノーサンキュー。ラウンジで喰うからいいよ!」

どうも・・オストドの英語はいつも酷いものである。ブロークンイングリッシュのオンパレードだ。

「ったく・・これだから・・進化しないと言われるんだよなぁ~」

自らを諌めるのだが、最初にスピーキングを習った相手が悪いのか?

それとも・・単に化けの皮が剥がれかけているだけである。



最終着陸態勢に入ったとのアナウンス。まだ眠っているメストド1号を叩き起こす。

「夢見てた・・・」

「あっそう・・・もう・・着陸らしいよ!」



配られてあったミネラルウォーターを飲み干す。メストド1号は飲みかけをリュックにしまう。

「あのね!持ち込めないと思うけど・・・」

「判ってるわよ!飲んじゃうでしょ・・・いつも」





14,AUG AM5:52(JPT10:52) RUNWAY12Lに静かにランディングする。

オストド&メストド1号を乗せたB777-300ERは、もうひと踏ん張りとばかりに、B20ゲート目指す。

AM6:02(JPT11:02)ゲートに滑り込む様にスポットイン。

「さてと・・・乗継まで時間あるし・・・」

「どのくらい?」

「5時間ちょっとかな・・・」



乗継客が多いのは知っていた。ドバイで降りる人々には、ファーストトラックと言うカードが配られる。

優先入国扱いらしいのだが、運が悪いのか?いつもその恩恵に預かったことはない。

正確に言えば、途上国等で昔はやった事があるし、今でも“地獄の沙汰も金次第”とでも

言えばいいのか?それなりの手数料を払えば、並ばなくて済むところもある。

「んっぎゃ・・・乗継多いのは知っていたけど・・・ここにもファーストトラック欲しいな!」

「乗継時間がなかったら・・・どうなるのかな?」

「やったでしょ?お嬢(メストド2号)を連れてスリランカへ行った時・・・」

「ああ!バンコクでね・・・歩いた方が早かったと思うけど・・・」

「まあ・・正確に言えば、やられたと言えばいいのか・・・」

「やけに余裕あるわね?」

「まあね!さすがに疲れてきたのかな・・」

長蛇の手荷物検査を受け、ラウンジへ向かいながらも、お目当てのモノを探した。

「なにキョロキョロしているの?美人でもいたかな?」

「違うよ・・・エネルギー切れ・・・」

「ああ・・なるほど!ニコチン切れね・・・」

「いいや・・ニコチンはコレで補給していたけど・・強いて言えば、煙切れ・・・」

「ったく・・・」

探しても見つからない。お目当てを探すことが出来ないほど、疲れているらしい。

まあ、ラウンジで聴けば教えてくれるだろうと言う事になり、ラウンジへ向かうことにした。


(ラウンジ内の拠点!勿論・・・です。[るんるん]


(サービス満点!2~3本吸うと取り替えてくれる・・・・)

「さてと・・・何か喰う?」

「今は・・いい」

「あっそ!俺は喰うよ!」

「どうぞご自由に・・・・」

ここで間違えてはいけないのである。まずはメストド1号のため、コーヒーとミネラルウォーターを運ぶ。

順番を間違えると、自称“眠り姫”が、時に怖~い存在になる。ふて寝なんぞされた日は、

飛行機に乗せるのに苦労する羽目になる。

ちゃんと順番を間違えることなく・・ついでに、メストド1号も食べれそうなモノを探す。

そして・・やっと自分が朝食にありつけるのだ。


(一皿め・・・都合、3皿分・・平らげた)


(座るところを探すのに苦労した・・スモーキングエリアがいつの間にか・・・)


(ラウンジからの眺め)


(結構・・広いラウンジ)


(お買い物する気力は残っておりません・・・)


(ドバイ・・初上陸かな?無煙タバコとオストドのタバコ・・・・)

「頭痛くなってきた・・・」

「寝不足かな・・・」 そう言いながらも、俺より寝てるじゃんと突っ込みたくなる衝動を抑える。

「何か食べなきゃ・・薬飲めないよ!各種ご用意してありますんで・・・」

オストドのオンボロになったレポーターバックには、ほとんど各種の薬が備えられている。

常備している喘息の咳止め、胃薬、ロキソニン、、喉用のスプレーに消炎剤クリーム。ついでにシップ。

その他あらゆるものが詰め込まれている。中にはこんなもんまだ必要かな?と思われる。

某三鳥ーのマカとか、いいかげんあきらめればいいものを、抜け毛予防の薬。

つぃでに・・・処方はされたけど、使い道に困る薬まで・・・幅広く備えられている。

「そうよねえ~バファリンある?」

「バファリンはないけど・・ロキソニンなら腐るほどある。何か食べて胃薬と一緒にどうぞ!」

「判ったわ!それに少しお腹も減ってきたし・・・」

メストド1号がビュッフェスタイル形式から、食べられそうなモノを選びに行った。

まあ、その前にスモークサーモンやら、パイを味見させてはいたのだが・・・・

「おっ!おしいなぁ~連れの男がいなきゃ・・・な」

別にオストドがどうのの話ではない。誰とは書くわけにはいかないけど、883会の一員の

某クンの好みを発見したのだ。



「こらぁ~何見とれてるの?」

「ああ・・お帰り!○の好み発見したんで・・・」

「どの人・・・」

「斜め・・右後方・・約5メートル」

「なるほどね・・あっ!まさか・・お土産にって・・・」

「そこまで・・しないけどね・・・写真くらい・・」

隠し撮りをして・・その写真だけをお土産にすることにした。多分、いや・・絶対に

あいつらは大挙して行くかもしれないなぁ~と思いながらも・・・・

「ねえ!気のせいかな?ラウンジ内が空いてきてない?」

「まあねえ~そうだ!今のうちに歯を磨いて、ついでに髭を剃って・・おまけに顔洗って来る!」

「おや!めずらしいこと・・・」

「衛生士さんに怒られるしね・・・Dr.スランプのアラレちゃん似に・・・」

まあ、オストドに限らないと思うが、オスは痛みに弱い。特に歯医者は嫌いなはず。

しっかり言いつけを守り、歯ブラシを咥えていれば、優しくプニで済む。

しかし、衛生士の言いつけを守らなければ、グリグリのガギガギに・・下手をすれば・・・

チュィィィィ~ンと音が響く機械のお世話にならなければならない。

それだけは、避けねばならない親知らずが残り3本に虫歯になりかけもある。

一応、ド・ノーマルを自称するオストドは、どっちが99%でどっちが1%とは言えないけど、

そんな機械のお世話になるのもごめんだし、アラレちゃんにグリグリとやられたくもないし、

ついでに?悲しい顔をさせたくもない。まあ、本能が命じるわけだから、大人しく歯ブラシを咥える。

ラウンジ内のシャワールームへ向かう。洗面台の一部を占拠して、歯磨きを行い、髭を剃る。

おまけに顔をジャブジャブと洗い、男性スタッフが手渡してくれる肌触りのよいタオルで、

ゴシゴシと顔を拭った。出来れば、シャワーも浴びたかったのだが、生憎“渋滞”していたので、

断念して戻ることにした。

メストド1号がオストドと入れ違いにシャワールームに消えた。そこまでは知っていたのだが、

ラウンジで面白い光景を見つけた。エミレーツのグランドホステスだろうか?

制服姿で帽子を外しても判るのだが、友達がラウンジにいたのか?

一緒にタバコを吸いだしたのである。まあ、色々な国へ行くとスモーキングルームでその様なものを

見る機会が多いが、ここは一応、旅客専用のビジネスラウンジである。

「お国変わればと言うけど・・・レベルは低いな・・・教育水準は並みクラスか・・・」

ポツンとオストドが呟いた途端、メストド1号が遅めの朝食を皿に盛り付け、運んできた。

「ねえねえ・・あの人の洋服。どこかの制服みたいだけど・・・」

「エミレーツだよ・・・そこに座るまで帽子ちゃんと被って歩いていたしね・・・」

「そうなの?勤務中かしら?」

「でしょ!まあ・・関係ないし、それに、もう暫くは乗らないからね・・」

メストド1号が本人言うところの軽めであり、遅めの朝食を済ませ終えたのを確認して、少々早いが

ゲートに向かうことにして、いつもの儀式を行う。まあ、タバコの吸いたいだけなのだが・・・・

ゲートはF19。乗るのはエミレーツ123便。

「ハブ ア ナイス トリップ!」

この言葉はラウンジカウンターに居た職員により、オストド達に掛けられた言葉ではない。

ラウンジの清掃を行っていた人から、受けた言葉だ。

「ありがと!あんたにも幸運があることを・・・」

まあ、オストドの英会話のレベルはやはり、低い。どうもスラムイングリッシュが抜けない。

カウンターの職員は誰ひとり声を掛けてこない。

「やはり、レベル低いわ・・・」

ひとりごとをつぶやき、メストド1号を促して、階下の出発階に降りる。



ボーディングパスの半券をもぎ取られ、ゲート前の待合室に入ると、エコノミーとビジネスに椅子が、

分けられているのである。

まあ、正規に航空会社から直買したわけだから、勿論、ビジネスクラスエリアに座る。



「後は・・イスタンブールに飛ぶだけよね?」

「まあね!お疲れ様・・・」

「そちらこそ・・・ところで、空港からどう移動するの・・まさか・・・・地下鉄とトラム・・・」

「いいや・・予定通り、バスにするよ・・・10TLもするけど、さすが疲れた!」








おっちゃ~ん!荷物ちゃんと積んだ?


足元も広いし、モニターも大きい。


出ないかと思っていたウエルカムドリンク飲んで・・・靴は脱いでます。隠してあるでしょ?

14,AUG AM11:32(JPT PM4:32) プッシュバック。

オストドとメストド1号を乗せたB777-300はゆっくりとRUNWAY 30Rへ向かう。






ビジネスは空席だらけ・・・儲かるのかしらん?



AM11:50(JPTPM4:50) 亀さんは一瞬にしてフルパワーに叩きこまれ、駿馬のごとく

一路、イスタンブールに向け、その進路を取ったのだった。


第6章 飛んで飛んで飛んで飛んで・・やっと着いたに続く


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飛んで!飛んで!飛んで!飛んで!イスタンブール! ⑦ [2010 夏 イスタンブールの旅]

第6章 飛んで飛んで飛んで飛んで・・やっと着いた!

「浮いた!浮いた!あとは・・・降りるだけ!墜ちなきゃね!」

オストドはハイテンションである。入国カードの作成もいらないし、ビザもいらない。

後は、機内食を喰って一眠りでもすれば、イスタンブールに到着する。

「ねえ!バスよね?」

「うん!タクシム広場まではね・・その後どうしようかな?」

「機内食食べるんでしょ?」

「そりゃね・・・腹減ったもん!」

「だったら・・歩きね!」

「げっ!」

そんな会話が飛び交う中、確かに駿馬と化したB777-300はイスタンブールを目指している。







「おお!クエートから、イラク上空通るのか・・・撃ち落とされねえだろうな・・・」

「もう!大丈夫でしょ?」

「多分ね!だけど・・大丈夫!」

「なんで?」

「だって・・離陸前に神の思し召しのままにて祈ったら、いらん!って・・・」

「もしかして?イランといらん掛けてる?」

「いや・・天然!」


食前酒ならぬ・・・食前コーラ。レモンは頼んでないけど入っている。





「あっ!いけねえ~駄目だね!俺・・グルメ写真は駄目だわ・・・」

「また・・撮影前に食べちゃったの?」

「まあねえ~半分残っているけど・・・」

オストド&メストド1号を乗せた機体は、イラク上空を通過してゆく。








(ガラガラなので・・・誰も座る前にセットされた状態を撮影)


(メストドが化粧室へ消えている瞬間に・・・オタク状態でしょ?)



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(Bコンは貸し切り状態でして・・・)



トルコ上空に入り、グングン高度をさげてゆく。EK123。

「さてと・・もうすぐだよ!」

化粧室から帰ってきて、爆睡状態のメストド1号を叩き起こす。機内食を喰ったら寝ると言っていたが、

オストドは一睡もせずにゲームをやっていたことになる。



モニターを切り替えると、高度がどんどん下がってゆくのが見える。眼の前の数字がどんどん減る。





PM2:52(JPT PM8:52) 緩やかに旋回しながら、高度を下げ、ごく当たり前の様に、

ゆっくりと駿馬は、中近東の空を駆け、イスタンブール・アタルチェルク空港のRUNWAY18Rに、

ランディングをする。

「まあ・・当たり前と言えば、当たり前だけど・・・」

「何が?」

「何でもないよ!」

日本を出発して、約34時間が過ぎようとしている。

「ねえ!なんで・・ゲートに入らないの?」

「それはだ・・推測するところによると、入るべきゲートがまだ、前の機が塞いでいると・・・」

「どうして判るの?」

「ほれ!モニター見て!」



モニターに映し出される映像は前方、下方と切りかえられる。明らかに、先行機がいる。

PM15:12 (JPT PM21:12)21番ゲートへスポットイン。

入国手続きを行い。一番端にあるターンテーブルに辿りついても、まだ荷物は出てきていない。

「ちゃんと・・積んでいるんだろうな・・・」 そう呟いた途端、ターンテーブルが動く合図が流れ、

ベルトコンベアーから、ひとつめの荷物が吐き出され、そしてオストドが成田でチェックインした

荷物が2番目に吐き出されてきた。その間、メストド1号は毎度のことながら、ベンチでパズル誌を

拡げている。まあ、彼女にしてみれば、専属のツアコンがいるわけだし、どこの空港でもそうだが、

当たり前の様にしていればよい。

「お待たせ!行こうか?」

オストドはオンボロになりかけたダンヒルノレポーターバックを背負い、スーツケースを引き摺る。

メストド1号は、使い慣れたリュックを背負い、キャリーを引き摺り、オストドの後ろを歩く。

「どこのレートがいいかな?」

「レート違うの?」

「うん。あっ!ココが一番いいみたい・・・」

試しに、オストドが2万円を窓口に差し出すと、初めて見るTL紙幣が出てきた。

「まあまあ・・かな?1TLあたりはと・・・面倒だから、65円でいいや・・・」

続いて、メストド2号が8万円を差し出す。同じく65円ほどの交換率である。

「さてと・・バスに乗る前に・・・・」

「はいはい・・・到着の儀式でしょ?」

空港の外に出て、喫煙出来る場所を探す。ターミナルの端に灰皿を確認する。

そこで、一服をしていたら、トルコ航空のCA達と合流?する形になった。

「ん?日の丸だ・・・」

「えっ?」

そこへトルコ航空のクルーであり、日の丸のピンバッジを付けた男性が、声を掛けてきた。

「日本からですか?」

「日本語出来るんですね?」

「少しね!」

他愛もないお喋りをして、別れ、オストドとメストド1号はリムジンバス乗り場へ向かう。

「タクシム?」

それだけで充分であった。乗れ!の合図にスーツケースとキャリは、瞬く間にバスの腹の中へ

通路を挟んで並んだ席を見つけ、座ると、チケット売りのお兄さんが、一人10TLを徴収する。

「良かった!バスが遅れていたみたい。これ・・16時発のバス」

「ラッキーだったわよね・・・」









タクシム広場の先にあるリムジンバス乗り場まで、30分ほどの道のりで着く。ここから宿泊先である

ヒルトンホテルまでは、約1キロの道のり。大体の位置関係は既に頭の中にインプットしてある。

所々、昔の石畳の風情が顔をだす所を、ガタガタと言わせ、スーツケースを引き摺るオストド。

そして、その後ろをyはり、ガタガタと音を響かせながら、歩くメストド1号。

「ええと・・・この辺なんだけどね・・・あっ!やはり・・ここだ!」

「ここ?」

「そう・・あそこにヒルトンマーク見えるでしょ・・・」

「なかなか・・近いじゃない!」

「まあね・・ただ、部屋は期待しないでね。一番安いレートでブチ込んだから・・・」

ホテルの回転ドアを抜け、ピンポンゲートを潜る。まあ、おざなりと言う奴に等しい。

フロントのチェックインカウンターへ行く。

「ミスターオストド。上ノラウンジでお手続きする様になっております。」

まあ、一応、なんちゃってGOLDメンバーであるから、予想はしていたのだ。

男性フロントマンに案内され、最上階のエグゼクティブラウンジへ案内される。

うら若い美人だが、どうも早口になる英語。疲れている頭では半分以上、聞き流すしかない。

「ウエルカムドリンクは何が宜しいですか?」との問いに・・「SUIプリーズ!」と答える。

ウエイター氏が冷たいおしぼりとミネラルウォーターを運んでくれる。

水を飲み、額をながれる汗を拭うと、少し、しゃっきりとする。どうやら、エグゼクティブフロアーに

アップグレードされ、なお且つ、希望していた高層階で、エレベーターからほど遠い部屋で、

しかも、スモーキングルームを希望していたので、その条件が全て満たされたのである。

「案内させましょうか?」

「いいや・・自分で行けるから・・・」

それでなくても、ベルボーイの姿は見えなかったし、自らここまで荷物を運んで来ている。

「どうする?先に荷物置いてくるでしょ?」

「うん!」

ハッピーアワーになる前に、荷物を解き、小休止したい。まあ、荷物を解くのも荷造りも全て、

オストドは関与しない。それはメストド1号に任せておいたほうが、快適なのだ。

指定された部屋は、ボスフォラス海峡を望む部屋であった。本来ならシティービューの朝食付き

それも、最低レートで予約してあったわけだが、レートは変わらず、最高の環境を手に入れた。


ウエルカムフルーツとウエルカムチョコ&ゼリー


部屋からの眺め。こりらはヨーロッパサイド。海の向こうがアジアサイド。



メストド1号がせっせと荷ほどきをしている間は暇である。

室内の金庫を物色し、テストを行う。間違いなく動作することを確認して、パスポートやら、家の鍵、

E-チケットに、当分不要になる日本円が入っている財布に、シンガポールドルの残りやらを、

金庫へ放りこみ、メストド1号にも動作の確認を教え、鍵を閉める。

ここで、永年の経験からか、テンキーについた指紋を拭う。こうすれば、万一も逃れることになる。






片付けに忙しい・・・メストド1号の足・・・


(食べられちゃうまえに・・・・)




(ボスフォラス大橋・・・)

「外へ出る元気ある?」

「ないけど・・・ベリーダンス観たいし・・・」

「予約するにはちょっと・・遅いからね・・・今日はゆっくりしよう!」

「じゃあ!明日は?」

「イスタンブールの散歩かな・・・ハマムも行きたいしね!」

「サバサンド食べるの?」

「どうだろ・・・体調次第かな・・・あと・・・衛生面も気を付けないと・・・」

そんなわけで、まだ日は高いが、まったりとここまでの旅の疲れを癒すことにした。

ガンガン突っ走っていた若いころと違い、自分の体調もそうだが、互いの体調を気遣わねばならない。

そんな年齢になってきているのだ。だから、エコノミーでの移動でなく、贅沢な奴とか分不相応と陰口を

叩かれても、ビジネスクラスの格安航空券を探し、旅をしているのだ。


エグゼクティブ・ラウンジ


お好きなモノをお好きなだけどうぞ・・・全て、無料。


夕焼けに染まるイスタンブール






第7章 イスタンブールの街を歩く。極楽コースは天国への近道?に続く・・・・




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飛んで!飛んで!飛んで!飛んで!イスタンブール! ⑧ [2010 夏 イスタンブールの旅]

第7章 イスタンブールの街を歩く。極楽コースは天国への近道?

旅に出るとまるで嘘の様に体調が良い。体調が良いのは良いことなのだけど、少々“躁”になる。

まあ、特に今回の旅は“少々いや・・・ほんのちょっぴり、後ろ髪を引かれる思い”で旅立った。

取りあえず、自分の携帯電話は自宅で静かに眠りについている。

持参した方は、会社からの貸与品。ありとあらゆる指示は飛ばしてきたけど、何があるか?

一抹の不安があるので、常に連絡を受けれる様にしなければならない。

「テメェ~一人だけ優雅に旅行かよ?」

「うるせーお前等とは働きが違うんだ!」

まあ、俗に言う。売り言葉に買い言葉。職人’sは夏休み没収で働いている。

その代わり、職人’sが賭けた賭け金で、普段は入らない旅行傷害保険に入っている。

「宝くじより確率高そうだから・・・」

集まったお金は結構な額である。でも彼等は気付いていないのだが、受取人は法定相続人。

つまり、メストド2号の懐に転がりこむ形にしてある。

だから・・・何かあっても彼等には一文の得にもならないのだが・・・











交代でバスタブにゆっくり浸かり、さっさと寝ることにした。

メストド1号は、「ベリーダンス」と喚いていたのだが、席も予約してないし、観たい気もあるのだが、

気力<体力もしくは、気力=体力ならまだしも、年々、体力の衰えは隠せない。

「最終日の夜でいいじゃん!ちゃんとお席ご用意しますから・・・」

「ホント?」

「もちろん!明日はハマム行こう!グルグル歩くし・・早寝したほうが・・・・」

「そうよね!じゃあ!お薬・・・」

「あいよ・・・」

そう言いながら、”寝るためのお薬”を万一のために服用して、旅の疲れとの相乗効果で、

バタン・キューと夢の世界を彷徨うことになるのだが、メストド1号より、早寝するわけにはいかない。

朦朧とする頭でNHKの海外放送を観ていると、寝息が聴こえて来たので、ベッドへ潜り込む。

15,AUG AM7:00

薬の効き目が切れると、自動的に眼が醒めるし、また、「何時に起きる!」と決めれば、ちゃんと起きる。

まあ、一番正確なのは、食欲魔人と自称しているわけだから、腹時計が正確である。

「朝だぁ~起きろぉぉぉぉぉぉ~」

叫ぶのは毎朝の習慣である。騒がないのは、メストド1号がお休みの日だけに限られる。

「寝た子を起こすな!」オストドが学んだ言葉である。どこかへ行く用事がなければ、

延々と毒づかれる。ホテルでゆっくりする旅のコンセプトでは、一人でラウンジへ出かけて朝食を

摂り、ついでにウエイターに早変わりして、眠り姫のために朝食を部屋に運ぶことが多い。

しかし、今回の旅のコンセプトは、メストド1号言うところの“オストドダイエット作戦”

普段、数千歩/日程度しか歩かないオストド。最低、1万歩は歩かせたいらしい。

しぶしぶ、起き出したメストド1号と共に、エグゼクティブラウンジへ行き、朝食を摂る。



「喰えるうちに喰っておけ・・・」

オストドの本能がオストドに命令をする。どっちかと言うと、何でも喰らうはずのメストド2号でさえも、

「もう!トルコ料理はコリゴリだぁ~」とほざいていたし、眼の前に座るメストド1号さえも、

多分、喰わないはずだ。それに何よりも微笑んでいるメストド1号が何を考えているのか?

容易に、まるで赤子の手を抓るがごとく判る様な気がする。

まあ、旅立ち前に“オストドの腹の肉”を摘まんだメストド1号が宣言した言葉

「そろそろ・・強制ダイエットさせなきゃね。体重が重いから怪我をするのよ!」

これを思い出したのだ。つまり、詰め込める時は詰めておけ!これが正解だったことは、

後で・・「いやぁ~」と言いたくなるくらい

身を持って知らされることになるのだ。

「よく・・毎度飽きもせず・・・」

「はぁ?」

「大体、ヒルトンの朝ごはんて同じメニューじゃない・・・」

「だよね・・・でも、喰えるよ・・・喰っておかないと・・バテそうだしね・・・」



「おっ!船が・・・・」

海峡に大型客船が入ってきたのだ。

「そりゃそうでしょ?ここ黒海に繋がっているのよねえ~」

「客船だよ・・大型」

オストドはナイフとフォークを投げ出し、ラウンジの窓越しに見るボスフォラス海峡を進む船を眺めた。





「ちくしょ~乗りたいな・・・」

「そうねえ~でも・・ダンス出来ないでしょ?」

「ダンス?ああ・・社交ダンスね・・・あれは無理!」

「やりもしないで?」

「そうねえ~若い女性の先生が教えてくれるなら考えても・・・・」

「おっさん!」

「おっさんですけど?それが・・・・」

後の言葉は言わぬが花である。


食後にチャイをいただく・・・・


イスタンブール・ヒルトン エグゼクティブラウンジの朝


お食事はセルフサービスですけどね・・ビュッフェですから・・・


廻りは殆ど・・・居ませんけどね・・・

部屋へ一旦戻り、身支度を整える。まあ、オストドのバックに二人分の水着を詰めるだけだ。

「それじゃあ・・行きますか?暑くなりそうだけど・・・」

「歩きよね?」

「でしょうねえ~ガイドはおろか、車も手配してないし・・タクシーはビミョーだもんね!」

元気にホテルを出発するオストド&メストド1号。その数時間後には、ヘトヘトになるのだが・・・


ヒルトン・イスタンブール


ホテルの前は芝生になっていて・・・


通りからはちょっと奥まったところに・・・


奥さん!写ってまっせ!顔判らないけどね・・・・


日曜の朝は車も少ない・・・


タクシムのバス乗り場に停まっている。空港リムジンバス。お一人10TL


アタルチュルク行きは大体この辺に・・・


昼間は30分に一本・・・ちゃんと確認しとかないと・・・・帰りもバスに決定!


新聞スタンドにいるニャンコ!招きネコかな・・・・


タクシム広場・・・路線バスは1.3TLね・・了解!


タクシム広場・・・


タクシム広場・・・


イスティクラル通り・・・

「あっ!」

「何?」

「SUI忘れた・・・」

「どうするの?」

「買えばいいじゃん・・・」

タクシム広場からイスティクラル通りを下る寸前にコーヒーショップで、SUIを2本購入することにした。

10TL紙幣を出したが首を横に振る。どうやら、コインを出せと言う。

何しろ、英語が通じないオストドが手のひらに拡げたコインから、1TLを見える様に取ったので、

「ははん・・1本0.5TLか・・」 

面倒なので、1本40円と覚えておき、トコトコと歩きだす。

「飛んでイスタンブールが今度は、異邦人になっちゃったね。」

「だねえ~」

頼りになるのは、一冊のガイドブックとオストドの野性的カンだけである。





「朝ごはん・・・」

「食べたでしょ?」

「あれも名物で焼き立ては美味しいらしいけど・・・」

「今度ね!」

やはり・・・そう来たか!オストドは確信した。どうやら、本気でダイエットさせる気らしい。


近代的なビルの中で・・・まるでタイムスリップした様な気が・・・・


お世話になりたくありませんが・・・・トルコ版の交番?


気分はやはり・・異邦人!


(ノストラジックトラム・・・乗りませんけどね!)



所々のお店を覗き、涼を求める。午前中でこの有り様。一瞬、体力持つかな?と心配になる。



やっとテュネルに辿りつく。もうちょっと歩けばガラダ塔なのだが、お互いの利害は一致。

「いいよね!次回で・・・」

「うん・・何度も来そうだしね・・・」

今回のテーマは微妙に修正され、観光(見学)から、彷徨うことに変更された瞬間でもあった。

テュネルから一気にカラキョイへ下ることにした。勿論、一気にと言うことは、乗り物での移動。

タクシーなんざ乗りたくないし、乗ったら最後、暑い日差しの中降りたくなくなる。


一人・・1TL。あっという間に終点だけど・・・・



カラキョイに辿りつく。これからガラダ橋を渡り、旧市街へ行くのだが、折角なので歩いてみる。




ガラダ橋・・・勿論、上を歩く気はありませんね・・・


カラキョイからガラダ橋とイェニ・ジャミイを臨む・・・





「無いなぁ~」

「何が?」

「さっきから・・探しているんだけど・・サバサンド・・・」

「食べる気?」

「食べちゃ駄目なの?」

縋る気持ちを瞳に込め・・まあ、哀願の眼差しを送ったのだが、朝食を食べ過ぎた様で、却下を喰らう。

「でも・・ないでしょ?」

「まあね・・・」








ガラダ橋からみたガラダ塔

「あっ!あった・・・でも・・・」

「食べてもいいけど・・・」

「暑くて・・どうも食欲が・・・朝飯食い過ぎた!」

「帰りに食べる?」

「そうだな・・・」

サバサンドを売っている所を発見したのだけれど、暑さで体力が奪われている。

そうなれば、いくら喰い意地の貼っているオストドでさえも、防御本能が働く。

「やっぱり・・次回にしよ!楽しみは取っておくよ!」



いつの間にか、彷徨っているうちにエジプシャンバザールへ闖入する。

「今日は見るだけね!価格調査!」

「うん・・・荷物増やしたくないんでしょ?」

「そう・・・」





香辛料の匂いに腹の虫が鳴きだす。しかし、胃袋は拒絶反応を起こしている。

それに、メストド1号の体調も考えねばならない。SUIはとっくに一人一本を飲み干している。

スタンドで一本だけSUIを購入する。やはり、0・5TL。すぐ温くなるので、一本ずつ買う事にする。


イェニジャミィ



「しかし・・暑いわよね?」

「うん。一服もしたいし・・・チャイでもいかが?」

「いいわね・・・」

トラムのエミノミュ駅に面するオープンカフェになっている所へ行く。

「ツーチャイプリーズ!」

これで充分である。瞬く間にチャイが運ばれてくる。オストドはここぞとばかりに砂糖を

しこたま投入する。メストド1号は呆れながら、ストレートティーで頂く。

「いいんだよ!砂糖は頭の栄養だからね!」

我ながら・・少々強引に言いながらも、砂糖を追加しようと手をだすと、メストド1号の眼付が

ネコ科の眼になる。これは要注意の信号だ。晩ゴハンまでカットされたら溜まらないので、

大人しく手を引っ込めておくことにした。

「暑い時はやはり・・・熱いお茶がいいねえ~」 とほざくオストドに対し、少々グロッキー気味の

メストド1号が頷く。

「トラム乗る?」

「乗らない・・歩くの!」

その顔色はほんのりと赤みを帯びている。熱中症になりかけているかもしれない。

まあ、お互いの首にはクールネックを巻いているけど、石畳の反射熱は凄い。

「やっぱ・・熱中症予防ドリンク持ってくればよかったかな・・・」

オストドが職人’sのために導入した専用ドリンクは、市販のものより、カロリーが低く、必要とされる

成分が吸収されやすい。どうしようか?迷ったのだが、ややこしい事になると面倒なので、

持ってきていなかった。

とりあえず・・近場には、シルケジの駅がある。そこにいけば涼を得られるはずだ。

日陰に入り、風通しのいい場所なら、体感気温は下がる。


オープンカフェから見たガラダ塔








シルケジ駅構内 ヨーロッパ方面への起点。オリエント急行もここから出ていたそうだ。





メストド1号の体力の回復を待ちつつ、自分の左足の回複を図る。既に体重の重さと怪我によって、

左足は悲鳴を上げ始めている。

「来年も来るのよね?」

「うん。しばらくね・・・だから、他の観光客みたいに廻る必要はないよね・・・」

そう言いながら、ガイドブックの地図を睨む。間違えたフリをして、ギュルハネ公園へ行き、

トプカプ宮殿は次回に廻すことにした。その後、アヤソフィア・ブルーモスクのそばへ行って、

入場出来る様だったら、入場すればいい。その後、地下宮殿もある。

まあ、汗を掻くからと言う理由で、あまり水を飲みたがらないメストド1号の体力もあるし、

その前にオストドの左足は、さっきから「ギブ・ギブ」と喚いている。

平気な顔をして歩くには、熱を帯びてきている。消炎クリームを取り出して塗ることにした。

これで、しばらくは持つはず。まあ、万一様にはサポーターもあるけど、暑い中装着したくない。


旧市街の名も知らぬ通りで・・・


木陰は涼しい・・・


ギュルハネ公園入り口




道の左右には・・・門番みたいなものかな?


やはり・・木陰は・・出たくない気が・・・


アヤソフィア


ブルーモスク



何処へ行っても・・人・人・人・・・・

「これじゃ・・1日に1か所くらいよね・・・」

「だね!来年からは、1か所ずつ制覇するか・・・ハマム行く?」

「近いの?」

「勿論、そのためにルート組んだもん!」

目指すCAGALOGLU HAMAMは、スルタンアフメット駅から近い。探しながら歩いても5分ほど。





受付でどのコースにするか選ぶ。ユーロ建だが、TLでも支払うことができるのだが、レートは悪い。

チンプンカンプンのメニューを見せられても判らない。

「アーユーフロム?」

「ジャパン・・・」

そうすると・・日本語で書かれたメニューが出てきた。

折角なので、極楽コースを選択する。入浴にマッサージがダブル。ボディーに頭まで洗ってくれる。

これで、50ユーロ。オストドはユーロを持っていないので、二人分で200TL払う。

受付を終えると、売店に連れて行かれる。洗う布を購入しろと言う。

柔らかい布を買う。1枚10TL。計20TL支払う。

ここで、メストド1号は別棟に連れて行かれる。オストドは受付のそばの10号室に案内される。

つまり、この部屋の使用料も含まれる。別に、この個室で何かあるわけでもない。

マッサージも特殊マッサージもあるわけもなく、ベッドがある個室更衣室と言えばよい。


第8章 イスタンブール街歩き。オストドの悲鳴に続く・・・・・












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飛んで!飛んで!飛んで!飛んで!イスタンブール! ⑨ [2010 夏 イスタンブールの旅]

第8章 イスタンブールの街を歩く。オストドの悲鳴・・・

個室に案内されたオストド。ひとつ疑問があった。

「スッポンポンでいいのかな?タオルは腰に巻けと言っていたけど・・・」

聞けばどっちでもいいとのことなので、濡れた水着をバックに仕舞いたくないし、面倒。

「別に取って食われるわけでもなし・・・」

(個室から・・)

ひとりごとをブチブチと言いながら、スッポンポンになって、少々出張り気味の腹にタオルを巻く。

「結構!いい肌触りだな・・・コレ!」またもや、ブチブチ言いながら、用意されていた突っかけを履く。

どうみてもビア樽に髭を生やしたおっちゃんが手招きをする。おっちゃんに伝票を渡す。

おっちゃんの話すトルコ訛りのイングリッシュとオストドのハーレム仕込みのイングリッシュの

“バトル”が始まる。まあ、おっちゃんが言うには、「迎えに行くから、よく温まっておけ!」と

言っているらしい。

らしいと言うのは、どうもイングリッシュに聴こえない、お互いの発音にその理由はあると思う。

「まあ・・5ミニッツオア10ミニッツと言ってたっけ・・・」

腰にタオルを巻いたまま、しばし・・・観察をする。

観察も混浴ならまだいくらでも、倒れようが何しようが頑張るのだが、ヤロー専用では、

眼の保養もない。

「一体、なんで・・・」

そうである。オストドの廻りには、類が友を呼ぶのか?友が類を呼ぶのか知らないけど、

どうも・・・スキモノばかり集まっている。

「トルコに行って来る!ついでに・・本場のトルコの風呂入ってくる」とでも言えば、

アッチの方。つまり特殊浴場と取るアホが、ゴマンと存在する。

先客に見習い、まずは洗面台といえばいいのか?大きい流し台。ただし、排水溝なしとでも

言えばいいのか?そこにお湯と水を適量にして、水を貯め、小さなお盆とでも言えばいいのか?

まるで、ペット用の深皿とでも言いたくなる。金属製の器でそこに貯めた温めの水をジャボジャボと

浴びる。まあ、シャワー代わりである。まあ、カラスの行水はお得意なので、そのまま真ん中の

ヘソ?大理石の台に横たわる。

「いい加減に来てくんねえかな?無私トドになっちまう・・・」と呟いた途端。

さっきのおっさんことケセジがやってきた。

「ここへ横たわれ!」

「さっきから・・横たわってるけど・・・」

大理石の台の上でグリグリとオストドのマッサージを始めたのである。

まるで・・蒸してはいるのだが、柔らかくならない肉の塊を骨ごと砕く気になっているらしい。

「こりゃあ・・極楽コースじゃなくて、地獄への近道コースじゃねえか?」

そう考えた途端・・・悲鳴を上げている左足に集中砲火を受け・・・

「んっぎゃああああ・・・モア、ソフトリー・・プリーズ!」と喚き、懇願せねばならなかった。

「お前の腹はシシカバブだな?」と言われたオストド。言われっぱなしじゃ腹が立つ。

「おっさんの腹はビアー樽だな・・・」

負けじと言い返す。すると嬉しそうに・・・

「勿論!ビアーだ!この腹はね!」と言う。どうやら、ジョークになった様で、お互い大いに笑う。

「ほれ!こっちへ来い!」

大理石の上でのちょっと痛いマッサージの後、洗い場へ連れて行かれる。

ここで、おっさんが持参した大型の洗面器と言うより、鍋と言った方がいいモノ。

これにぬるま湯を入れると、あら不思議。タオルから泡が吹き出す。後で、良く見せてもらうと

その洗い桶?ならぬ、鍋の内側一面に石鹸が貼りついている。

道理で、泡が吹き出すはずである。

「そこへ座れ・・・」

おっさんにこれでもか!と言うくらい頭から次々に水を汲み上げては掛けられ、危く窒息するところだ。

オストドの買ったタオルはどうやらアカ擦りのためのタオルらしい。ゴシゴシと磨きあげられる。

そのたびに、オストドの繊細な皮膚は右へ左へ上へ下へと引っ張り廻されている。

「一皮剥くつもりか?このおっさん・・・」

やわらかめのアカ擦りタオルで良かった。そうでなきゃ、オストドの絶叫は浴室中に響いたかもしれない。

「ホレ!寝ろ!」

次はタップリと石鹸の泡で身体を洗われ、ついでに・・「んぎゃぁぁぁぁ~」とマッサージが待っていた。

「だ・か・ら・・モア・ソフトリーと言ったろうが!」

「そうだった・・・」

「ったく・・・やはり、地獄への近道コースの方が合ってる」

全身を洗い終えると、次はシャンプーの番だった。

「シャンプー?」

言い終わらないうちに・・タップリと洗い鍋の中の石鹸を大量に頭に塗りつけ、ゴシゴシと洗いはじめる。

ついでに、頭のマッサージも兼ねているのだろう。オストドの脳みそがシャッフルされてゆく。

何十杯もの水を大量に掛けられ、これで極楽コースの一連は終わり。

「よく温まれよ!後でタオルチェンジするから・・」

そう言い残し、おっさんは浴室から出てゆく。

「温まれ?冗談でしょ!これ以上居たらトドの姿蒸しになっちまう。」

10分ほど、水を被ったりしながら、浴室を出る。おっさんがタオルを拡げて待っていた。

「出来れば、若いのとは言わないけどね・・・」

腰のタオルを取り替えてもらい、おっさんが振り回すタオルの風に当たっていると、気分は確かに

極楽かもしれない。まあ、オストドの場合、どう転んでも極楽生きはないだろうから、これでヨシ!

「ミーのサービス良かったろ?チップくれよ・・・」

「そうだな・・・」

オストドのポリシーのひとつなのだが、チップを強要されると、チップの額が極端に少なくなる。

更衣室で着替え終わり、おっさんにチプウを渡す。おっさんが要求しなきゃ10TLくらいやっても良いと

思っていたのだが、手持ちも小銭が3TLしかないので、3TLしかやらなかった・・・

「あっ!メストドにチップ分渡すの忘れてた・・・・」

レディースオンリーの入り口の手前のちょっとした休憩場所まで行く。

中庭があり、そこではタバコが吸えるらしい。












男子禁制なので入れない・・・





メストド1号にチップを渡すべく、飲み物でも飲んで、崩さねばならない。コーラが一本7TL。高い!



やっとメストド1号が出てきたので、尋ねるとチップ攻勢はなかったらしい。まあ、オストドの前を

おばちゃん軍団や若い金髪のお姉さんが通り過ぎて行ったので、チップをねだるヒマがなかったそうだ。

「まあ!いいか!帰ろうか?」

「そうねえ~ちょっと・・期待外れかな?」

「そう?」

「うん!健康ランドの方いいわね!」

どうもメストド1号は期待が大きく外れたらしい。

外へ出るとうだる様な暑さだ。折角さっぱりしたはずなのに、汗が噴き出して止まらない。

メストド1号の水分補給をしなければならないので、カフェでSUIを購入することに・・・・

「信じられない!全部飲み干すかな?」

「だから・・言ったでしょ?何か冷たいモノ飲むかって・・・」

「ったく・・・」

オストドは温くなった水を飲み干しただけだ。しかも、底に残ったわずかな水だけだけど・・・

冷たいSUIが売っているのを確認した。確認はしたのだけど、痛恨のエラーは、メストド1号が

外に出てくるタイミングに間に合わなかっただけだ・・・・

「さてと・・SUI買ったしどうする?どこか見学する?それとも・・・そういや・・腹減ったな・・・」

「次回にしましょ!一日一か所くらいかな・・・当分来るのよね?」

「まあね。」

「タクシー以外で帰れる方法ある?」

「そうねえ~トラムに乗って終点で地下ケーブルカーかな?それでタクシム広場まではね・・・」

「一度帰って、ティータイムして、お買い物に行きましょうか?」

「だねっ・・土産仕入れなきゃ・・・・」

「バザールは?」

「明日かな・・・」

スルタンアフメット駅からトラムに乗りこむ。全線1・5TLの均一料金。

チャイが安いのか?公共交通機関が高いのか?謎だけれど100円足らずである。



終点のカバタシュまで乗る。終点から少々後戻りするとフニュキレルの乗り場へ降りる階段がある。

ジュトンを買うのも慣れてきた。一人分1.5TLを払い、乗り場へ行く。



問題はタクシム広場から、どう戻るか?であった。

「歩くの?」

「当たり前でしょ?」

「やっぱりね・・・」

手持ちのSUIは底をつく。炎天下の中をトコトコとオアシス(=ホテル)目指して歩いてゆく。

しかし、誘惑と言うべきなのか?悪魔のささやきと言えばいいのか?

それともである。足が悲鳴を上げて歩けなくなったと言うべきなのか?

喉が渇いて死にそうになったと言うべきなのか?

多分・・全部だろう。重い足を引き摺っていたのが、まるで嘘の様にスタバを見つけると、

オストドはメストド1号の腕をひき、飛び込んだのである。勿論、タバコが吸えるのを確認と言う

オマケは既に済ませてからではあるのだが・・・・・


第9章 イスタンブールの街を歩く。スタバの猫と変なトルコの人へ続く。





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飛んで!飛んで!飛んで!飛んで!イスタンブール! ⑩ [2010 夏 イスタンブールの旅]

第9章 イスタンブールの街を歩く。スタバの猫と変なトルコ人

「何がいいかな?やっぱり・・SUIかな?」

「あたしは・・・SUIね!外がいいんでしょう?タバコ吸えるし・・・」

「まあね!」

メストド1号がなるべく日陰でなおかつ、風通りのいい場所を確保している間に、SUIを2本購入する。

街中のスタンドに比べると高い。しかし、俗に言う“背に腹は代えられない”?なので、

「高ぇ~」と言いながらも、大人しく対価を支払う。

渇ききった喉を程良く冷えたSUIが胃袋めがけて流れ込んでゆく。

それまで・・・「くそぉ~もう歩かねえぞ!」と弱音を吐いていたオストド。

みるみるうちに生気を取り戻してゆくのが感じられ、赤みを帯びていたメストド1号の顔色も

優しい風と冷たいSUIによって、いつものメストド1号に戻ってゆく。

「んっ?なんだ・・・お前・・・」

どこへ行ってもそうなのだが、動物にだけは相性がいいオストド。

スタバの看板猫?がすり寄ってくる。







「どこへ行ってもそうね?」

「でしょ?動物だけだな・・最近

「ん?何か言った?」

「いえいえ・・・」

墓穴を掘りそうなので、語尾を濁す。メストド1号を促して、一旦ホテルへ戻る。

ピンポンゲートを抜ける。どうやら本人は自覚すらしてないのだが、人畜無害と言うべきか?

親日国家のおかげなのか?良く解らないけど、顔馴染みになったガードウーマン。

ノーチェックで通してくれる。ナンチャッテゴールドだからなのか?

それとも、障らぬ神(この場合、疫病神)に祟りなしと言う言葉が、トルコにもあるのか?

よく判らないけど・・・好意はありがたく受けておく。

部屋に戻ると、昨日のウエルカムフルーツの桃は消え失せ、代わりにバナナが用意されていた。


(勿論、すぐオストドの胃袋の中に収まったのだが・・・)

ラウンジへ行き、軽食を頂きながらティータイム。勿論、エグゼクティブラウンジへのアクセス権がある。

従って、どれだけ喰おうが、コーラをはじめ手あたり次第、胃袋に流し込もうが、無料。

「しかし・・いいのかね?」

「良いのではなんでしょうか?」

「だよねえ~そのために年会費払って、ゴールドキープしてるもんね!」

ブルー会員から、シルバーにアップグレードされ、ついつい・・VISAカードをもう一枚。

それもゴールドカードを作った。それでなんちゃってゴールドになったわけだ。

「さてと・・・エネルギー充填完了!」

「夕食は外で食べる?」

「まあね!マックの味を調査しなきゃ・・・」

足にはたっぷり消炎剤を塗りこんだおかげで、大分具合が良い。

また、痛むだろうけど・・ホテルのショップで価格を調査して外へ飛び出してゆく。

タクシム広場へ向かうべく、信号待ちをしていたら変なトルコ人に声を掛けられた。

「アーユーフロムアジア?」

「イエス!」

「ウ~ン!日本人ですね?」

「だけど?」

「日本のどこからですか?」

どうも変なトルコ人である。オストドの頭の中では、警戒モードに突入した。

「さて・・どこでしょう?」

東京?」

「まあ・・そんな所」

「私・・・日本に住んでました!」

「どこよ?」

「横浜ね・・何と言ったっけ?動物園・・・」

「野毛山?」

「そうそう・・・あと・・中野・・・」

「はあ?留学でもしてたのか?」

「いいえ・・日本人の女性と結婚してました。」

「してました?」

「そう・・離婚した・・違うね。何と言うのかな?追い出されました。」

「離婚させられたでしょ?」

「そうそう・・・彼女、会社の社長でね・・・」

ず~っとタクシム広場までついてくる。カモにでも見えたのだろうか?

「ごはんですか?」

「いいや・・お土産・・・」

「それだったら・・ワタシの勤めているショップ覗いてください。見るだけタダね!」

そう言いながら、名刺をくれる。よく見ればガイドブックにも載っているお店“SAKURA”だ。

まあ、見るのはタダである。それに覗こうと思っていた店だったので、案内してもらうことにした。

「あのぉ~」

「あん?」

「だれか・・日本の女性紹介してくれませんか?」

「はあ?どんなのがいい?」

「働き者でお給料一杯稼ぐ人・・・・」

「顔は?」

美人がいいいけど・・全然モテナイ女の人がいいな・・・」

「なんで?」

「奥さん働く。ワタシ遊ぶ・・・」

「いいねえ~それ!・・・痛っ!」

「どうしました?」

「何でも・・・」

メストド1号の爪がオストドのオシリに喰いこみ、思い切り抓られたのだ。





「ところで・・日本語上手いじゃん!」

テレビで覚えました!ええと・・・水戸・・なんだっけ?」

「水戸黄門!渋いの観てたね・・・」

「奥さん働きに行くとヒマでしょ?テレビで覚えた・・ええと・・なんだっけ・・」

「何が?」

「最後の・・・何か出すでしょ?」

「印籠か?」

「そうそう・・・ええと・・控えおろう!この・・・・・」

「それから?」

全部セリフを言わせるオストド&メストド1号。

店の中に入ると奥の椅子に案内され、冷たいチャイ(アップルティー)を頂くことに。


日本語の上手い社長さん・・・いいモノを安く売るのが信条らしい。お母さんの教えだそうだ。


只今!日本人のお嫁さん募集中の変なトルコ人!

トルコ絨毯等、高価なモノを買う気はない。小物を漁ることにした。

値段はホテルインショップの価格より安いし、昼間“涼”を求めて飛び込んだ店より安い。

小物を大量にゲット。ウインドウディスプレーのものまで、買い漁る。

「ごはんは?良いお店ありますよ・・・」

「どんな?」

「バンドショー入るし・・・」

「う~ん!残念だけどね・・・約束してんだよね・・・」

それでなくても・・・重量も確かめず、買いまくったお土産。ずっしりときている。

変なトルコ人と多分、日本人の大半より流暢で丁寧な日本語を話す。

そんな社長に見送られ、店を後にする。

「あ~あ!面白かった!だけど・・・重てぇ~」

「重量オーバーにならない?」

「なるわけないじゃん!後は・・軽いモノ選んで・・・」

タクシム広場近くのお店でピタリと歩みを止める。メストド1号。

「ねえ!ピュアシルクよ・・・」

「あん?ピュアシルク?」

「シルク100%・・・」

「ああ・・・なるほど・・・じゃあ・・適当に従姉達の分も・・・」

「了解っ!」

ガイドブックによると値段が付いているモノは値切ってはいけない。そう書いてあった。

「何本?」

数えれば判るだろうと思うが、これがトルコ人らしいところだ。

「10本だけど・・・」

「そう!10ピースね・・・じゃあ・・おまけしましょ!」

「へっ?」

勿論、やりとりは互いの拙い英語だ。おっちゃんは一杯買ってくれたのが嬉しいのか?

勝手に値引きをしてくれた。

「こんなものかな?」

「まあねえ~あとは・・会社のバラ撒きお菓子か・・・」

「今買う?」

「答えはノー。だな・・腹減った!」

タクシム広場のマックへ行く。帰国後の強制ダイエットが恐ろしいので、オストドはビックマック。

メストド1号はフィレオフィッシュ。共に“ミール”である。ポテトと飲み物のセットだ。





ケチャップとマヨネーズの袋が大量についてくる。お値段はチャイに比べると随分高い。

「う~ん!イスタンブールの物価が判らなくなったぁ~」

「えっ?」

「だってさ・・ビックマックのセットで何杯チャイが飲める?」

「そうよねえ~乗り物の値段と比べると・・・」

「でしょ?」

「私までこんがらがっちゃった・・・フィレオフィッシュ少し食べる?」

「食べる・・・」

メストド1号のフィレオフィッシュを半分貰い・・食べながら考えた。

「そうか!ここはアジアとヨーロッパの文化が混ざるところだから・・・」

「だから?」

「物価がごちゃごちゃなの・・・そういうことにしておく!メンドーだし・・・」

ピュアシルクのスカーフ1枚でビックマックのセットが一食しか食べられない。

オストドが購入してある日本への往復航空券。それもビジネスクラスでさえ、400食しか食べられない。

「ねっ!物価がめちゃくちゃでしょ?」

「どっちが・・めちゃくちゃなんだか・・・オストド頭疲れているでしょ?」

「多分・・・そうかも!旅立ち前に色々あったし・・・」

「だから、会社の携帯はオンにしているわけね?」

「まあねえ~自分の携帯に電話されたら・・・いくら払わされるか・・・」

「バンコクへ向かう時は娘からだったし・・・シンガポールの時はお取引先だったけ?」

「まあ・・・会社の携帯しか受信しなかったから・・あの時は・・・」

このときは、また・・“故障”騒ぎになることなんぞ誰が判るのだろう。いや、賢明な方はちゃんと

説明書を読んでいるはずだが、オストドの場合、読むより慣れろである。

持って行く時は自動ローミングになるのだが、会社から貸与されているのは、ワンフォーン。

会社の中では、トイレに隠れてマンガを読んでいようが、倉庫の片隅でぶっ倒れていても、

会社中に張り巡らしたオストド追跡装置(100万以上の経費が掛った)により、たちまち・・・

居留守も使えない首からぶら下げた“内線電話”にもなるし、FOMAの着信は電源さえ、

オンになっていることを条件に、オストドの出没しそうなエリアを全て網羅している。

そこに時と場合によっては、衛星電話を携帯させられることがある。

従って、逃げ道は海底の奥底に潜るか、洞窟にでも籠るしかないのである。

正しく、見えない首輪と鎖を付けられた気分だけど、しがない零細企業だが、役員であるので、

これもまた仕方がない現実と受け止めねばならない。

「それさあ~シンガポール・コロンボ・ドバイって使えた?」

「使えるみたい・・・ちゃんと・・発信音鳴るもの・・・」

「鳴らないこと祈ってるわ!」

「そりゃどうも・・・まあ、鳴っても無駄なんだけどね!成る様にしかならないし・・・」

「よね・・・明日は?」

「オストドプレゼンツ!イスタンブール放浪ツアー!」

「どんなことになるのやら・・・」

「俺も知らない・・・・」

ホテルへ戻りながら必死に頭の中でプランを再構築する。出来ればアジアサイドにも渡りたい。

プールも覗かねばならない気がする。バラ撒きのお菓子も買わねばならない。

ホテルに戻り、ゆっくりと考える。メストド1号はバスルームへ消えてゆく。

「まあ・・なる様にしかならないでしょ!それが人生だし・・旅だもの!」

そう呟いた途端、オストドの携帯電話が着信を告げた。

第10章イスタンブールの街を歩く。ニャンコパラダイスへようこそ!へ続く・・・
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飛んで!飛んで!飛んで!飛んで!イスタンブール! ⑪ [2010 夏 イスタンブールの旅]

第10章イスタンブールの街を歩く

― ニャンコパラダイスへようこそ -

16,AUG 泣いても、笑っても、ついでにひっくり返って喚き散らしても・・・・最終日は最終日。

まあ、実際は明日イスタンブールを出発するわけだが、事実上今日が放浪する最後の日。

荷造りをして明日の朝には空港へ行き、また、一年間の“旅の途中”の生活を送ることになる。

「いい加減にしやがれ!馬鹿」と言われても、直行便のエコノミークラスに乗ることはない。

「一番安いルートは?勿論、最低ビジネスクラスでね。」

そうほざいて買ったチケットが、イスタンブール/カイロ/成田エジプト航空だった。

「お酒出ませんよ?」

「いいんだ!飲まないし・・・」

昔、浴びる様に飲んでいた報いなのか?それとも呪いなのか?もしくは、一生分飲んだのか?

いずれかの理由であるだろう。オストドは1年間の“断酒生活”を経て、自らは欲しない身体に

生まれ変わったのである。まあ、「人間辞めるか?酒辞めるか?」と言われた事がある。

それで・・「酒辞めます!自分からはね!」と答えたのである。

さて、そういうオストドとメストド1号が乗る飛行機の出発まで残すところ、30時間余り・・・

「そんじゃあ~行きますかね?」

行きあたりばったり・・聴こえ良く言えば、“オストドプレゼンツ!放浪ツアー”に出ることにした。

まずは、“腹が減っては戦が出来ぬ!”とばかりに、ラウンジへ行くことに・・・





「あっ!アレ乗りたい!」

「何?」

「アレ!見えないの?」

「見えない・・・」

オストドが指さしたのは、眼下に拡がる公園の中をゆく空中ケーブル。

どうやらメストド1号には見えないらしい。

「ねえ!」

「あん?」

「今日のご予定は?」

「決まってるじゃん!行きあたりばっ旅!」

「はあ?」

「強いてあげれば・・・午後、お茶してプール行って、ベリーダンスは決めているけど・・・」

「それだけ?」

「それだけ・・まあ、予約が取れればだけどね・・ベリーダンス!」

ホテルを出発して、通りを右へいく。左へ行けばタクシム広場方面だが、あえて軍事博物館の方へ

「ここ見るの?」

「見学?しないよ・・ジェット機か何か乗っけてくれるなら観るけど・・・散歩タイム!」

「良かった・・・」

「でしょ?興味ないでしょ・・・おっ!HIS発見!」





「公園の中行こうか?登るのは嫌だけど・・降りるんだからさ・・・」

「だ・か・ら・・・」

「体重減らせ!でしょ?」

さっさと公園へ降りてゆく。銅像が沢山並んでいる。







「何なのかな?この銅像・・・」

「そうねえ~歴史好きじゃなくて良かったわ・・とりあえず全部撮ったけどね・・・」

この時、既にオストドのレーダーは反応を示していた。

「あっち行こう!どうせ・・海まで降りるんだから・・・」

「そうね!」

そこに・・ニャンコのそれも子猫の群れが現れた。

「おっ!ニャンコ発見!ほい!こっち向いて!」















夢中でニャンコたちを撮りまくるオストド。

「しまったな・・・」

「何が?」

「やっぱ・・一眼持ってくりゃ良かった・・・ついでにネコ缶とネコじゃらし・・・」

「コラ!と言いたいところだけど。そうよねえ~人懐っこいし・・・可愛いし・・・」

「だよねえ~はぁ~イスタンブール来て良かったわ・・はぁぁぁぁ~癒される・・・」

常に何匹かの子猫たちがオストドの足にじゃれつく。

カメラを向ければ、自然とポーズを取ってくれる。

「来年はネコじゃらしのおもちゃ買って来るかな・・・」

正しく、イスタンブールはニャンコパラダイスに違いない。子猫たちに別れを告げて、

ひたすら阪や階段を降りてゆく。

「こんな公園がウチの近くにでもあればね・・・」

「ダイエットにもなるでしょ?登る?」

「やだ!海目指しているの・・・」





「しかし・・銅像が多いな・・・なんだここ・・・」

「ガイドブックには?」

「残念ながら・・・・」

日差しが高くなるにつれ、喉が渇くし、暑い。

「また・・SUI持ってくるの忘れてた・・どこかないかな・・売店!」

「そうねえ~喉渇いたわよね・・・」



公園を下り終えるも売店はなかった。少しでも可能性のある次の公園へ入ってゆくことに



「う~散水の水じゃ飲めないしな・・・あっ!」

「えっ?」

「奥様!チャイなんぞいかがでございましょう?」

「宜しいですわね・・・・」

歩道の横にちょっとしたオープンテラスのカフェを見つけたオストド。

丁度、ニコチンも切れかかっているし、どうやら顔にも書いてあるらしい。

「やっぱり・・チャイかな?」

「うん!」

チャイを2杯注文する。

お値段は少々お高めだが、多分、公園内の出店料が掛っているのかもしれない。



砂糖をしこたまぶち込むオストド。相変わらずノンシュガーを貫くメストド1号。




オストドたちの泊まっているヒルトンが・・・・





「あんなに歩いたのに・・・あそこだよ・・ヒルトン・・・」

「もしかして遠廻りしてた?」

「かも・・・まあ、散歩だし・・・」

「あっ!あれ?さっき言ってたの?」

「そう・・あれ!」



乗り場らしき所へ行く。しかし、料金をどうやって払うのだろうとしばし考えていると、

係員の男性が出てきて、説明してくれたのだが、生憎英語ではない。

どうやら、乗り終えた場所でジュトンを購入して、改札を出る仕組みになっているらしい。

そう勝手に解釈することにした。何せ、しきりに乗りこめと手招きしている。

「ねえ!大丈夫かなこれ?」

「さあねえ~俺がメンテナンスしているわけじゃないから・・・さっきまで動いていたし・・・」

「途中で停まったら?」

「面白いかも・・・」

「墜ちない?」

「多分・・・大丈夫じゃない?」

いい加減なものである。まあ、オストドに言わせれば、スキー場のリフトよりマシである。

途中で停まっても凍える心配はない。まあ・・困るのはトイレくらい。



カプセル式で中は暑い。わざわざ飛び降りないから、ドアを開けておいてくれると風が入るのだが、

運転前に閉め切られる。

「ちぇっ!閉められちゃった・・眺め良かったのに・・・」



閉められてしまったら、視界が悪く、蒸し暑くなる。終点になるにつれ、オストドは後悔した。

何しろ、せっせと下ったのが無駄になるわけだ。

「あちゃ・・・反対から乗れば良かった!」

「ニャンコには会えなかったと思うけど・・・」

「まあ・・いいか!」

乗車時間わずか数分。一人1.5TL払ったけど、多少見渡した景色代と思えば納得のお値段。





丘の上は眺めが良い。ヒルトンSA方面へ坂道を降りてゆくことにした。

オストド&メストド1号の宿泊しているヒルトンホテルが見える。




もうひとつのヒルトン。あとはコンラッドがあるので、ヒルトン系列はイスタンブールに3軒ある。



せっせと長い下り坂を降りてゆく。ただ、ひとつSUIを売っているスタンドがない。

「オアシスは何処だ?」

「そうよねえ~あっ!あそこにないかしら?」

「えっ?ああ・・・あそこか・・・」

Bayldm cadを降りてきたのだ。

メストド1号が指さすのは、ガイドブックによれば、イノニュ・スタジアムだ。

「どうかな?何かのグッズ屋みたいなのはオープンしているけど・・・」

ドルマパフチェ通りへ出る。宮殿入り口のスタンドでSUIを2本購入する。

ここは銘柄が違うので、1本0.75TLだ。


ドルマバフチェ・ジャミイ


潮風に当たりながら・・・小休止


ドルマバフチェ宮殿



「海水浴したいの?」

「何で?」

「海に帰りたいのかなぁ~と思って・・・」

「ご・・・ご冗談でしょ?」

「良かった!もうちょっとで落とすところだった・・・」

これ以上、ここに居るとメストド1号に海へ放り込まれそうだったので、カバタシュへ向かう。

途中、外からドルマバフチェ・ジャミイの中を覗き、前にあるベンチで足に消炎クリームを塗る。

「ねえ!船に乗ってアジアサイドに渡ってみる?」

「何で?」

「もしかしたらだけど・・ドルマバフチェ宮殿が綺麗にみえるかも・・・」

「いいわね・・・」

ここで、時計を睨み行程を組み立てる。カバタシュからウスキュダルへ渡り、黒海方面へ行っても

面白そうなのだが、時間がない。バラ撒きのお菓子にもこだわりがあるらしいし、プールもある。

ついでに言えば、まだ、ベリーダンスの予約を取っていない。

夕食付にするか?それともドリンク付きにするか?悩んでいる。

「どうする?グランドバザール行く?」

「1日かかりそうよね・・・」

「まあねえ~迷子になりそうだし・・折角なら時間かけたいしね。」

「エジプシャンバザールでもお菓子は買えそうだし・・・」

「じゃあ・・決まり!」

窓口で乗船券を買う。一人1.5TL支払う。

「ホラ!出るよ!」

オストドはまたもや痛恨のミスを冒したのだ。乗船券売り場でSUIの補充ができたのだ。

しかし、出港しそうな船に飛び乗ってしまったので、オストドのボトルはほぼカラ状態。

「あっちにもあるんじゃない・・・きっと・・・」

その一言で、またオアシスを探し求め、彷徨う民になるとは想像しなかったのである。

第11章 イスタンブールの街を歩く。ショートトリップ気分で・・・へ続く















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飛んで!飛んで!飛んで!飛んで!イスタンブール! ⑫ [2010 夏 イスタンブールの旅]

第11章イスタンブールの街を歩く。ショートトリップ気分で



カバタシュのフェリー乗り場を出港した船。

オストドの読みが正しければ、左舷にドルマバフチェジャミイや宮殿が見えるはず。

「どうかな?」

「あんたの読みは外れてるからねえ~」

「んっぐ・・・」

でも、オストドの読み通りであった。





「どう?乗って良かったでしょ?観光船に乗るより安いし・・・」

「まあね・・・きれい・・・」

メストド1号は少しずつ遠ざかっていくドルマバフチェ宮殿をいつまでも眺めている。



オストド&メストド1号を乗せたフェリーは、速度を落とす。

乗船してわずか、数分。先行で着岸するフェリーや離岸するフェリーの合間を抜ける様に岸を目指す。

さっき乗ったカバタシュの乗り場はヨーロッパサイド。こちらウスキュダルは、アジアサイドだ。

「う~ん!何か違う街にショートトリップしてきた気分・・」

「よねえ~」


ウスキュダルのカバタシュ行きフェリー乗り場。


ヨーロッパサイドとは違う一面が見える気が・・・


エミノミュ行きのフェリー乗り場 


ヒルトンから眺めていた海峡の対岸にある建物群・・・


フェリー乗り場から、各地へ向かう路線バス。



滞在時間はグルリと見渡しただけだから、大した時間ではない。

「SUIは・・・売ってないな」

スタンドを覗いてもそれらしきものはない。チャイの出来そうなところも見当たらない。

「うっ・・SUI補充しておけば良かった・・・」

「だから言ったでしょ!それなのにさっさと乗りこんじゃうだもの・・・」

「探しているときに売ってないんだよな・・・」

とっくに飲み干したペットボトルを恨めし気に眺めるオストド。

しかし、いくら眺めていても湧き出る気配はない。

「くそぉ~こんな思いは、モヘンジョダロの遺跡で頭をフル回転させた時か、槍に登った時以来・・・」

「しょうがになぁ~あと・・コレだけなんだからね!」

メストド1号が差し出すペットボトルんは、半分以下に減ったSUIが・・・

「全部飲んじゃだめだからね!次売っているところ探すまでは・・・」

「ういっす・・・」

持っていると飲み干してしまいそうだったので、一口だけ飲んで返す。

「カラキョイとエミノミュどっちがいいかな?」

新市街側にするか旧市街へ渡るか?次に目指すべきは旧市街に位置している。

「そうねえ~時間的にはどう?」

「エミノミュに渡って、オープンカフェでお茶して、買い物かな・・・」

「プールも入りたいしね!でも、喉渇いたからってプールの水飲まないでよ・・・」

「判ってるって・・・あんなに飲めません!あっ!出港しそうだ・・」

慌ててジュトンを購入して、改札機をすり抜ける様にして船に駆けこむ。

もやい綱が今にも外されそうになったのだが、オストド&メストド1号の後からも数名乗りこむ。

「間に合った・・・」

「ねえ!これどこ行き?」

「エミノニュじゃなかった・・エミノミュだと思うけど・・・」

まあ、エミノミュ行きの改札を抜けたのだから、行き先に間違いはないと思う。

乗り間違えても、ガラタ橋を渡れば済む。


ヨーロッパサイド・・・


外を眺めつづけている・・・少女?


いつの日か?ゆっくりとクルージング出来る日が来るのかな?


海上から眺めるガラタ塔。一際目立つ・・・







フェリーは間違いなくエミノミュに着岸する。歩道橋を人波に紛れこんで上がる。

「さてと・・・」

「場所判っているのよね?」

「あのねえ~少々壊れかけているけどね。昔取った杵柄はそう簡単には・・・」

そう言いながらも写真を撮りながら、ランドマークを確認する。

幾ら昔取った杵柄と言う奴で、方向感覚は狂いがないし、一度歩いた道は忘れないはずとはいえ、

少々、健忘気味のオストド。偶に通勤のために車を走らせ、ふと考えることがある。

「アレ?ここまでどうやって運転してきた?」

記憶がすっぽりと抜ける事が、時たま発生する。まあ、これはオストドが飲んでいる薬の副作用の

一種らしいけど、家の鍵掛けたかな?とかパスポートどうしたっけ?とか・・・

こうなれば確認、確認また確認の日々を過ごさねばならない。

特に、異国の地では命取りにもなりかねない。


ガラタ橋方面・・・・


シルケジ駅方面・・・

「さてと・・行きますか?場所判ったし・・・」

「その前にお水飲んでいいよ・・・あと・・どれくらい?」

「そうねえ~5分ってところかな?昨日のところでいいでしょ?チャイタイム!」

「うん。」

そう言いながら、オストドの腹の肉を掴むメストド1号。言わんとしていることは判っている。

あんまり、砂糖を入れるな!いや・・入れない方が好ましいと無言の圧力を込めている。

「言っておくけど・・1個は入れるからね!迷子になったら困るでしょ?」

「何で?」

「だって言うでしょ?砂糖は脳みそのごはん。ホテルの場所忘れたらどうする?」

「もう!」

半分以上脅しである。いくらボケが始まりかけたとはいえ、ちゃんと地図も持っているし、

尋ねることも出来る。更に、オストドのオンボロバックは、まるでドラエモンのポケットみたいに、

必要な、いや、必要と思われるモノ。不必要なモノ等が各種取り揃えている。

メストド1号を促して、“オアシス”目指して歩いてゆく。日陰を歩くと当たる風も心地良いが、

相変わらず、日陰から出れば、直接及び、照り返しの日差しと当たる風も暑い。

「ホイ!オアシス到着!昨日のところだよ・・・」


カフェから見たエミノミュのトラム乗り場


カフェ・・・外は喫煙OK・・・

「ツーチャイ!プリーズ!」

熱々の紅茶が、ガラス製のチャイグラスに入れられ運ばれてくる。

せわしなくここまで歩いてきたが、時折休憩するカフェには、まるで、そこだけが異次元空間の様。

何しろ、ゆったりとした時間の流れがそこには感じられる。

会計を済ませ、イェニ・ジャミイを抜けて、エジプシャンバザールへ向かう。

「SUIは?」

「帰りでいいじゃん!温くなるし・・・」

昨日、歩いたエジプシャンバザールへ再び闖入することにした。

「う~ん!何にしようかな?」

石鹸でいいじゃん・・」

「誰が持って帰るのかしら?」

「あっ!俺だ・・・やっぱり・・軽くて嵩張らないものがいいな・・・」

色々なお店を見て回る。メストド1号のバラ撒き用のお土産は、数が重要となる。

「いいじゃん!当たらない人が居たって・・・」

「そう言う訳には行かないのよ・・女性が多いでしょ?コレ何ピース入っているのかな?」

オストドが拙い英語で尋ねてみるが、意味が通じないのか?英語を理解しないのか?

お店の人は困った顔をしているのもいれば、全員に一箱ずつ配れ!と言うおっさんもいる。

持って帰るのはオストドである。全員分と言えば、ダンボール箱を担いで帰る羽目になる。

「困ったなぁ~」

「そうね!」

「スパイスは?軽いけど・・・」

「貰っても困る人がいるでしょ?」

「そりゃそうだ・・う~ん・・・じゃあ!面倒だからスカーフにする?」

「一体、いくつ必要だと思っているのよ・・・」

そんな時、何げなく通り過ぎた店の前を再び通り過ぎ様としていた時に、ふいに日本語が聴こえた。

「試食してみませんかぁ~美味しいよ!」

その声に吊られて、オストド&メストド1号の足は、立ち止まり振りかえったのであった。

第12章 イスタンブールの街を歩く。空腹に勝るおやつなし!・・・に続く。
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飛んで!飛んで!飛んで!飛んで!イスタンブール! ⑬ [2010 夏 イスタンブールの旅]

第12章 イスタンブールの街を歩く。空腹に勝るおやつなし!

オストドとメストド1号が買う。通称バラ撒き用お土産はいつも“消え物”である。

大体、碌な・・いや最近は餞別も貰った試しはないし、「ホレ!旅行の小遣い!」なんてことも

随分貰っていない。オストドが初めて海外へ“自らの意思”ででかけたのは、小学校4年生と

5年生の間の春休みに、国際親善友好団なるもので、グアムにキャンプに出かけた。

そのときは、トイレシャワーも共用のバンガロー式のキャンプ場に宿泊したのだ。

今では、完全に願い下げをする。まあ、それから何度かグアムに出かけ、その都度探したのだが、

探し方が悪かったのか?それとも“塵の如く飛ばされた”のか?よく解らない。

結構広かったキャンプ場での生活は面白かったと記憶している。

ヤシの木陰で気さくな現地のおじさんに習い、ヤシの葉で帽子を編んだり、あちらこちらに隠された

色とりどりに着色された卵を探し、一個しかない金色の卵を見つけた時は嬉しかったものだ。

確か記憶によれば、横井ケープにもハイキングに出かけたこともあるし、

アメリカ空軍の基地に招待され、B29爆撃機の前で写真を撮って貰った記憶もある。

その旅行に出発する際、確かに“餞別”と書かれた“のし袋”を貰った記憶がある。

「大体さ・・あいつら、餞別も寄越さないくせに、土産にケチつけるんだよな・・・」

「うちもそう・・・表だっては言わないけど!」

まあ殆ど試食なしで“ご予算の範囲”でバラ撒きの土産をチョイスするのも難しいものだ。

「温泉なら・・温泉まんじゅうでいいんだけど・・・」

「ウチは人数多いから、大量に入っているお菓子だけど・・・」

「だよねえ~ところで、何個あればいい?」

「そうねえ~最低でも30個・・・じゃ足りないか・・・ええと・・・」

エジプシャンバザールをうろつきながら、お菓子を物色していたのだ。

「いつもなら・・スーパーで現地のお菓子とかおつまみ系で誤魔化すんだけど・・・」

「なければ・・空港の免税店で買うしかないわね・・高く付くけど・・・」

「まあね!休みもぎ取ると大変だよな・・・強制休暇にしてくれないかな・・・」

「でも・・どっちかが合わせないといけないしね・・・はぁぁぁぁ」

そんな時にふいに日本語で呼びとめられたのだ。

「ねえ!初めてじゃない?日本人と認識されたの・・・」

「そうよねえ~」

オストドとメストド1号は差し出された“試食”を受け取ることにした。

勿論、毒見係りはオストドの役目である。オストドは大体何を食べても、腹を壊さない。

「そんじゃまあ・~頂きますかね・・・」

これが密室であり、一目がなければ口にしないのが、海外での鉄則である。

それに取られて困るものは何もない。パスポートも各種カードも、大目に持ってきている日本円すら、

ホテルのセキュリティーボックスの中で、明日の帰国を待っている。

「ん~!」

「どうなのよ?」

「ん~ん~・・・・」

「どうですか?おいしい・・ね!」

「ん~!ん~!んっまい!」

「はあ?」

「じゃなくて・・美味しいよ!これ・・」

正直に言えば、後は値段が付いてくるわけだ。高ければ美味しいのは当たり前としても、

これなら、うるさいヤロー共も納得するはず。

「食べてみ!美味しいから・・まあ、空腹だから何食っても美味いんだけど・・・」

恐る恐る口に運ぶメストド1号。それを覗きこむ店員とオストド。

「どう?」

「ん~まあまあかな・・・これなら・・・」

「覗いて見る?」

「そうね!」

日本語をある程度巧みに操る店員に誘われ、お店の中へ入る。勿論、逃げ口?である入り口に

ドアもなければ、障害になる物もないのを確認を怠らない。

「さっきの・・コレね・・・もう一度食べて見て!」

売り物である商品の山から、次々に一個ずつ取っては半分に切り、オストドとメストド1号に試食を

勧める。勿論、こっちは願ったりかなったりで、“おやつ”をいただくことにした。


ハチミツで作ったお菓子・・・

「チャイいかが?」

「いいねえ~」

「冷たいのがいいでしょ?暑いから・・・」

渡されたチャイグラスに口を運ぶ。口の中でリンゴの甘酸っぱい香りが拡がってゆく。

「んっ!美味い!甘いけど・・・アップルティーでしょ?」

「そう!コレがそう・・・」

顆粒になっているものを溶かすだけだと言う。事務所に置いておくには良い。

「それじゃあ~大箱をふたつと小箱をひとつと・・・アップルティーを500g一袋ね!」

「真空パックにしますね・・・」

「そうして!」

お会計をするとまた何か言いたげである。もうオストド&メストド1号は、これ以上荷物を増やしたくない。

「カラスミいらない?美味しいよ!」

「キライだからいらない・・・」

「えっ?日本人みんな買っていくよ?」

「同類項で括るな!」

「今何て言ったの?」

「あのね!好き嫌い解る?ライクとドントライク・・・」

「解ります」

「だからね・・アイ・ドントライク・カラスミなの・・・」

「うちのは美味しいんですよ・・そうだコレ見て!」

「あん?」

「日本のアナウンサーでしょ?買ってくれたんだよ・・・」

「だから?」

「大勢買ってくれたの・・・」

「あっそう・・・じゃあ・・・来年来る時考えるわ!」

「来年も来るの?」

「当分ね!チケットがイスタンブール発券だから・・・」

「はっけん?」

説明が面倒になってきた。航空券の話なんぞしなければ良かったのだが、延々と説明する。

「解った!名刺くれない?」

「はあ?」

「名刺持ってないの?」

「あるけど・・どっちがいい?」

またもや・・余計な一言を吐いたらしい・・

「両方!」

まんまとオストドは2枚の名刺を差し出す羽目になった。



「その代わり・・・写真撮らせてね!ブログにアップするからさ・・・」

「どっちが本業なんですか?」

そりゃそうである。一枚は建設業界の片隅の会社の名刺で、オストドの本名が載っているもの。

もう一枚は、トラベルライターと記された名刺。

「ええとねえ~生活の糧はこっち・・・でも、本業はこっちかな?どうだろ?」

「さあねえ~あなたの場合、解らないわ!」

解らないでは困るのだ。一応、お給料を頂いているわけである。

「そうねえ~」

腕を組み、考え込むメストド1号。

「多分、こっち!お仕事はこっちだけどね・・・あはは・・・」

まあ、エジプシャンバザールへもし行く機会があれば、探して欲しいものだ。

壁の隅っこにオストドの名刺が数多くの日本人たちの名刺の中にある。



まあ、品物は間違いない。「お前にしてはまともなもの買ってきたな!」と言われたくらいだからだ。

店をでて、トラムの駅に向かうことにした。今帰れば、ホテルのティータイムに間に合うし、

ベリーダンスのリザベーションも取らねばならない。おまけに“プール”に観賞?に出かけねば

多分、後悔が残るはずだからだ。

エミノミュの駅からトラムに乗る。終点のカバタシュからは、タクシム広場まで地下を走るケーブルカー。

多分、これが一番確かなルートなはずだ。タクシム広場に地下から上がる。

「ふう~これで・・あとは・・・」

「ねえ!ベリーダンス観れるの?」

「リザベーション出来ればね!」

「今回は観ない気かと思ったけど・・・」

「観ないわけないでしょ?ホテルのそばでいいよね?帰り面倒だし・・・」

「荷造りもあるしね・・・」

「でもさ・・・ガイドブックによれば、老舗でイスタンブールでも有名なダンサーが出演するんだって・・」

「予約取れればいいわよねぇ~」

「だね・・・その後、お茶して・・プール!」

ヒルトンホテルの入り口を過ぎ、ケルヴァンサライ・ナイトクラブへ行く。

「予約したいんだけどさ・・・」

入り口を塞ぐ、おっさんに話しかける。丁重に案内された先には、重厚な机に陣取りながらも、

笑顔でマネージャー氏が迎えてくれる。

「サー!ディナー付きと付かないのとどちらがいいですか?」

オストドはためらうことなく、ディナー無しを選択する。お仕着せの食事はご免蒙るのが、

オストドのオストド流である。

「畏まりました!サー&マーム!7時30分ごろにお越しください。お席をご用意いたします。」

直接予約に行ったからなのだろうか?食事なしだったから、小さいテーブルでも良かったからなのか?

“かぶりつき席”を用意されたのは、その時はまだ知らなかったのである。

第13章 イスタンブールの街を歩く。イスタンブールの夜は激しく・・・に続く。







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飛んで!飛んで!飛んで!飛んで!イスタンブール! ⑭  [2010 夏 イスタンブールの旅]

第13章 イスタンブールの街を歩く。

― イスタンブールの夜は激しく ①-

無事にリザベーションが終った。泣いても笑っても最後の晩。明日は朝食を終えたら、

空港行きのリムジンバスに乗って、イスタンブールから、カイロを経由して日本へ。

“出稼ぎ”に戻らなければならない。

オストドとメストド1号のチケットは、イスタンブール発券になっているわけだから、

航空券上では、成田でストップオーバー。つまり、滞在中になっているのである。

「しかし・・・どんどん遠くなっていくわね。発券地が・・・・」

「まあね。当分はイスタンブール発券かな?エジプト航空に何度乗ることやら・・・」

「聴きたかったんだけどね?何で・・エジプト航空なわけ?」

「極論から言えば、安いから・・・あと、スタアラだしね!」

オストド&メストド1号は、なんちゃって“☆G”(☆ゴールドメンバー)。

そう言えば、ANAにせっせとマイルを貯めているけど、国内線以外は、最近ANAには乗って居ない。

予算には限りあるしね。財務省としましては,安い方がありがたいわね。」

「でしょ?コスト&パフォーマンス。パフォマンスは置いておいても、マイルはがっちり稼ぐ!」

「いいのかな?ANAには乗ってないのに・・・」

「いいんじゃない?ルールは守っているもの・・・」

部屋の鍵を開ける。一旦、部屋に戻り、プールへ行くために着替えることにしたのである。

水着の上にTシャツを着て、サンダル履きでラウンジへ出かける。

まあ、ちゃんとチェックは済んでいる。西洋人に許されるのなら、トドの暴挙?も許される。

「サー&マーム!何を飲まれます?」

すっかり顔なじみになったウエイター氏が尋ねてくる。

飲み物をオーダーして、ケーキ等を物色する。優雅とは程遠い格好はしているけど、

ボスフォラス海峡を眼下に眺めながらのティータイムは格別なものである。

「さてと・・・腹一杯になったしね・・・」

「そうね・・・泳ぐのよ!解っているわよね?」

「も・・・勿論!」

プールサイドへ行き、カウンターでタオルを2枚借りる。

「何か飲む?」

「今はいいわね・・・」

「あっそう・・・」

木陰にデッキチェアーを確保して、メストド1号は読書をはじめ、オストドはヒューマンウォッチング。

「ちくしょー」

「何か言った?」

「いや・・別に・・・泳いで来よう!」

オストドは深~く後悔していたのだ。毎日ちゃんとプールに通えばよかった。

多分、こう書けば、大概の男性陣なら解っていただけるはずである。思わず、帰りのフライトが

延々とキャンセルにならないか?と思ったくらいである。

あちらこちらにぶつかりながら、プールサイドへ歩いてゆく。何故だか理由は書かないけど、

大体、そんなものである。幸いプールに落ちずに済んだのは、運よく?と言った方がいいのか、

オストドのすぐ眼の前を歩いている・・とあるモノに見とれていたおかげで、目の中に段差が入って

きたからでしかない。

未だに謎が解明されない事がある。これは後輩連中に謎ときを依頼しているのだが、

一向に答えが返って来ない。

「何故!ロシア系の女性は若い時と、年を重ねてからの体型がこうも変わるのか?」である。

プールである程度泳ぎ、そう・・ある程度である。プールの浮力はたかが知れている。

オストドが溺れるのが早いか?それともプールの水を飲み干すのが早いか?だ。

それでもある程度の距離を、障害物の美女やら、将来美人になるよなぁ~と思いたくなる女の子やら、

ここで水泳教室するなよ!と言いたくなる親子とかを避けながら泳ぐ。

メストド1号はもっと泳げと言うが、夜に備えて体力を温存せねばならない。

まあ、これ以上、プールサイドに居ると、日本への帰国を延ばしたくなるので、ほどほどにしておく。

メストド1号を促し、足早に部屋へ戻ることにした。

多分、あと1時間も目の保養?をしていれば、帰りたくなくなる症候群になりかねない。

「さてと・・晩飯はラウンジでいいか?メンドーだし。」

「タダだしねえ~の間違いじゃ・・・」

「まあね!それにホテルの入り口だしね。次の目的地は・・・」

まあ、夕食を摂らねばならないほど、お腹は減っていない。

いや、正しく言えば、秋口には強制ダイエットが待っているわけだから、今から準備をしておいた方が

良いと、身体がそう訴えているのかもしれない。

意地汚い話になるのだが、ダイエットをせねばならない。そんな事は嫌と言うほど承知はしている。

承知はしているのだが、特に“対価を払って”のビュッフェとなると、承知していることさえ忘れてしまう。

「喰わなきゃ損だよな・・・」とか、「喰うアホウ!に観るアホウ!同じアホなら喰わなきゃ損!」とか

年々、食べる総量は減っては来ているのだが、どうも喰い意地だけは一向に治る気配はない。

「まあ、オストドの場合、あんまり空腹になると、我を忘れるのよねぇ~」と言いながら、

ほどほどにエサを与えるのが、飼育係の仕事らしい。

いくら、プールでせっせと泳いだと言っても、目の保養?をしながらである。

たかだか・・100いや・・200メートルほど潜水をしていたに過ぎない。

「あんまり腹減ってない・・・」

「おや?珍しい事もあるわね?」

「そう?水飲み過ぎたかな・・・」

この辺で切り上げておくのがベターであり、ベストである。何しろ、息を吸いこまねばならない所で、

目は水中でのハプニングを凝視していて、間違えてプール水をたらふく飲む羽目になったとは、

言う訳にはいかないのである。

「いい傾向だこと・・・これを機に本格的ダイエットする気になったのね?」

首をブンブンと横に振りたい衝動に駆られたが、しぶしぶ頷くしかないのである。

「まあね・・ちょっと・・体重落とさないと、足が・・・」

「悲鳴を上げているんでしょ?」

「そういうことかな・・」 

取りあえず、ラウンジへ行く。勿論そのままナイトクラブへ出かける算段をしているので、

メストドもナイトクラブ用に持ってきた・・・もとい、トランクに投げ入れたままのドレスアップをし、

オストドもTシャツに水着とか、カジュアルシャツにズボンといった服装ではなく、それなりの

服装に着替え、暑いのを承知でサマージャケットなんぞに袖を通している。

数時間前とは、全然雰囲気が変わったオストド&メストド1号に、ウエイター氏は尤も眺めの良い

窓際ノテーブルに案内してくれた。

「サー&マーム!お飲み物はいかがいたします?」

本来なら、ハッピーアワーだから、何を飲んでも良い。飲めるだけ飲んで、喰えるだけ喰っても良い。

「いいのかなぁ~オストド。」

「何が?」

オストドはキンキンに冷えたグラス。レモンが浮かんでいるコーラが注がれたグラスを手に持っている。

「だってね!一番安いレートで入れたんでしょ?予約・・・」

「まあね!ガーデンビューの格安レート。つまり、最低宿泊料金だけど・・・」

「それが・・まず、ボスフォラスビューにエグゼクティブフロアーだし・・・」

「まあねぇ~ヒルトンの罠に嵌って良かったでしょ?」

「うん。」

オストドはなんちゃって“GVIP”なのだ。そもそも・・年に数泊しかしないオストド&メストド1号。

泊まらない年もある。一番ランクの下の会員だったのだが、毎回の様にヒルトンに宿泊する際は、

エグゼクティブフロアーに宿泊予約を入れていたからだろうか?それとも、バンコクのコンラッドで、

生意気にもリバビュースィートなんぞを2度ほど利用し、更には空港⇔ホテル間を、リムジンの

オーダーを入れているせいなのか?いきなり、シルバーVIPにランクアップを勝手にされた。

その際に“なんちゃってG”へのオファーがあったので、罠に嵌ってみようと言う気になったのだ。

「元取れたわよねえ~」

「まあね・・・コロンボヒルトン覚えている?」

「勿論、前回はシティービューだったけど、ウエルカムフルーツにチョコレート、お寿司・・・」

「うん。その前はコーナースィートにアップグレードされたしね・・・」

「今回も凄いわよね。毎日違うフルーツあるんだもの・・・」

「まあね。桃でしょ・・バナナに今日はリンゴ・・・」

「そう言えば・・エレベーターの前にあったリンゴ。誰か持って行って食べているのかな?」

「えっ?」

「だって・・朝うず高く積んであったのが、少なくなっているもの・・・」

「そうか!あのリンゴ喰い放題だったのか・・・おっ!そろそろ・・行かないと!」

「そうね!何時くらいになるのかしら?」

「結構・・遅くまでやっているらしいけど。バンドショーとかはパス!荷造りもあるし・・・」

「やっていただけるのかしら?」

「やりません!じゃなかった・・やらない。ぐちゃぐちゃに詰め込むのは出来るけど・・・」

「そうよねえ~昔からそうだった。あっ!」

「何?」

「思い出したわ!カナダへ添乗で行った時、メープルシロップの瓶を洋服でグルグルと・・・」

「ああ!そんなこともあったな・・・」

「一瓶割れてて大変だったんだぞ!」

「その節は・・お手数おかけいたしまして!」

「どういたしまして・・・」

「それじゃあ~行きますか?奥様!」

腕を差し出すオストド。日本では素知らぬ顔をして歩くのだが、異国の地では俄かジェントルマンに

変貌するのである。まあ、日本で腕を組んだり、手をつないで歩くのは、メストド1号が“所有権”を

暗に示している時とか迷子になりそうな時、もしくは、メストド1号が疲れた時等である。

まあ、偶にオストドが足を怪我して以来、オストドの杖の代わりになるときぐらいだ。

「痛む?」

「大丈夫・・・一応、痛み止めのクリーム塗って、飲み薬飲んだし・・」

顔見知りになったホテルの従業員と挨拶を交わしながら、玄関を出る。

ものの数分。しかも、ガードマンが守るホテルの敷地を出て、わずか1分。

微笑みを浮かべたウエイター氏に迎え入れられる。

「サー。ご予約は?」

「勿論あるよ。オストドだけど・・・」

「オストド様・・・ハイ。それではこちらへ・・・」

この時までは、ま・さ・かステージ正面。遮る群衆の頭がない席に案内されるとは、夢にも・・・

そう、夢にも思わなかったのである。お食事付きではなく、ドリンクにフルーツ盛り合わせ付き

そうオーダーしてあったからかもしれない。こじんまりとしたテーブルだが、ステージ真正面。

それもカブリ付きの席に案内される。

「おっ!日本人の団体さんがいるわ!あれ・・ツアーかな?」

「いいのかな?」

「何で?」

「後ろの席の人の視線が痛いんだけど・・・」

「それはね。きっと食事付きより、利益率が良いからかも・・・それとも親日国家だからかな?」

「真相は?」

「そんなもん知らないよ!あれ・・・」

「えっ?」

「ま・・まさか・・・うちらのテーブル用かな?あの国旗・・・」

オストドとメストド1号の座ったテーブルには、日の丸とトルコの国旗が仲良く並んだのだ。

「ああ・・・・」

「何か仰いました?」

「何でも・・・」

そう、一応、日本国籍を有しているわけだから、ここは羽目を外すことなく、大人しくせねばと

心に誓う。まあ、後で、代わりにメストド1号がステージ上に引っ張り上げられる羽目になる。


第14章 イスタンブールの街を歩く。イスタンブールの夜は激しく ②へ続く・・・


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飛んで!飛んで!飛んで!飛んで!イスタンブール! ⑮  [2010 夏 イスタンブールの旅]

― イスタンブールの夜は激しく ②-

「お行儀よくね!解っているわよねえ~」

「あのね・・・」

「何か仰いました?日本まで空腹で帰る?」

「ご・・ご冗談はヨシコさん。」

わざわざ・・ナイトクラブへやってきて、2ドリンクセット。メニューから勝手に頼めば良いのだが、

自制心を働かさねばならないらしい。それでなくても、散々?プールで目の保養?をし、

ついでに言えば、溺れるか?と言うほど、息継ぎに失敗して大量の水を飲んでいるのである。

まあ、ここは羽目を外したい部分もあるが、同行者はメストド1号である。

「一生・・言われるよな・・・」

「あれ?何か仰いました?」

「ううん・・何も、何飲もうかな・・・面倒だし、明日帰るんだし・・コーラでいいか・・」

「それがいいかもね・・・」

バンドが演奏をしているので、多少小声なら悪態をついても大丈夫そうである。

「ヤローはいいから・・・」

「あのね・・・あの方たちもお仕事なんだから・・・」

「もうちょっと・・上手ければねえ~」

「まあ・・それは・・・一理あるかしら」

「でしょ?」

カットされたフルーツとオーダー通りのドリンクが運ばれてくる。

「おっ!」

「えっ?」

メストド1号はフォークでカットされたフルーツを調べていた。その時、ステージがせり上がり始めた。

「ノンフラッシュだよなあ~妨げになるといけないし・・・」

いつの間にかバンドは演奏を終えている。



「だ・か・ら・・ヤローは要らないって・・・」

ボソっと言うオストド。それに頷くメストド1号。ベリーダンスを観にきたのであって、

ヤローのダンスなんぞどうでもよい。まあ・・カメラテストのためと言われれば、頷くしかない。

「もしかして・・・延々と・・・」

「ツアコン時代も観たでしょ?」

「観ない!」

「何で?」

「メンドーだったから・・・バスの中で寝てた!」

「遊覧船とかは結構乗ったでしょ?」

「最初の一回は乗るけど・・あとは、乗らない!」

「何してたの?」

「寝てた!それか確認作業だわな・・あとは・・ひ・み・つ!」

「えっ?」

「おっ!いよいよだぁ~」

ここで誤魔化しておかなければ話がややっこしくなる。口が裂けてもお客様と一緒にずぶ濡れ

覚悟で霧の乙女号に乗るより、ガイド嬢を口説いていたとは言えない。

ついでに、もっと言えば、唯一の自由時間でもあるわけで、暗ちょこを眺めたり、どうやって

リベートを稼ぐか?とかも考えねばならないし、おまけと言ってはなんではあるが、

ファミリーやらカップルのお守より、一時くらいゆっくりする時間が欲しかったのである。















「う~ん!期待は・・・・・あっ!ヤバ・・・」

「えっ?」

こちらにリズムに乗りながらやってくるダンサー。つまり、チップのおねだりと、記念写真である。

「細かいのないんだよなあ~チクショー」

チップをあげる。つまり、衣装の好きな所に挟めると言うべきか、ドサクサに触れるのである。

オストド&メストド1号の間に立つダンサー。手を伸ばすことも出来ないわけではないが、

最悪の場合、日本にたどりつくまで、絶食を言い渡される恐れもある。

それでは、空飛ぶ食欲魔人のメンボクが丸潰れとなる。

一緒に記念写真に収まる。これは出口で販売される寸法になっている。

10TLもしくは、日本円なら1000円である。

10TLで鼻を伸ばしている写真を消滅させることが出来るのなら、安いものである。

だが、そうは問屋が降ろさないのが、我が家のルールなのを忘却の彼方に置き忘れていた。

「顔のリフトアップしたら?」

「あん?」

「鼻の下伸びてますけど・・・」

「えっ?」

顔は笑っているけど・・その途端思い切りオストドの横腹には、メストド1号の爪が突き刺さっていた。

ダンサーが別の客席に行った途端。オストドを激痛が襲ってきたことになる。

「たっくもう・・・」

「えへへ・・・」

ステージでは、ベリーダンサーが引っ込む。次はどうやら・・・民族舞踊とでも言うのだろうか?



「おや?」

「どうしたの?」

「記憶によれば・・・誰かが生贄になるはずだったような・・・」

「えっ?」

「そう!記憶によれば、観客がステージに上げられるの!」

「へえ~」

するとダンサーがオストド&メストド1号のテーブルにやってきた。勿論、拉致されるのはメストド1号だ。

オストドは牙をむき出し、如何にも「暴れるぞぉ~」とか「良い子にしているわけないじゃん!」と

テレパシーを送っていたのだ。

「あ・・あたし?」

「みたいだね!ホレ行って来い!」



「ああ・・面白かった!」

「何で私が引っ張り上げられるのかな?」

「テrパシー送っておいたからかな?」

「スカポンタン!」

「記念にはなったでしょ・・あはは面白かった!」

「もしかして企んで・・・いないわよね?」

「その件につきましては、ノーコメントとさせていただきます。」

メストド1号にはナイショなのだが、観客が踊らされる?と言うコーナーがあるのは、知っていた。

知っていたとなれば・・・「旅の記念だよねえ~」と企むのが、トラブルコンダクターである。

さっき、予約を入れに店に訪れた際、小声でマネジャー氏に頼んであったかどうかは、ここで

明かすわけにはいかない。何故ならば、秘密の一個くらい墓場まで持って行ったほうがよさそうだからだ。

「何か企んだわね?」

「いいえ・・滅相もございません。」

「そんで・・そんなに撮りまくっているけどどうするわけ?」

「だよねえ~考えてみれば・・・もう800枚近く撮っているもんね・・この旅行でさ・・・」

「またyoutubeとか?」

「いいねえ~その案いただき!ヤローは省くけど・・・」

「また・・旅行記?」

「まあねえ~書く?代わりに・・・」

「ヒマないもん!」

「でしょ?」

「で・・タイトルは?」

「飛んで!飛んで!飛んで!飛んで!イスタンブール」

「何それ?」

「数えてみなよ!成田~シンガポール~コロンボ~ドバイ~イスタンブールでしょ?」

「あっ!4回も乗ったんだよね・・・」

「まあね。あっ!曲は飛んでイスタンブールにしよう・・・」


ヤロー関係は時間の関係で省かせていただきましたが・・・・

どうやら、もう終わりらしい。後は・・おっさんのショーに付き合ってはいられない。

これから、部屋に戻り大量に買い込んだ土産の山と洗濯物の山を収納するのを眺めねばならない。

ついでに・・お風呂に入って睡眠を取らねばならない。

明日はもう・・日本へ向けて、出稼ぎの旅を始めねばならないからだ。

飛んで!飛んで!飛んで!飛んで!イスタンブール! ⑯へ続く


予約投稿で・・・[ふらふら]


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飛んで!飛んで!飛んで!飛んで!イスタンブール! ⑯  [2010 夏 イスタンブールの旅]

第15章 出稼ぎへの旅立ち・・・



17,AUG,AM07:00 ベッドサイドにあるテーブルにおいた。携帯の目覚ましが鳴る。

毎度おなじみの光景ではあるけど、メストド1号を叩き起すオストドがそこには居る。

多分、オストドが叩き起されることはまずない。あるとすれば、くたばりかけている時ぐらいだろう。

それか、この世とオサラバしている時しかねえだろうなと思いながらも、叩き起こす。

ほんのわずかな滞在時間であったが、やはりイスタンブールはオストドが子供の時に抱いた

イメージ通りの街である。ゆったりとした時間の流れがそこにはある。

まあ、しばらくは毎年訪れることになる。残された時間、自由になる時間の制約はあるのだけど、

来年の夏もまたこの地に帰ってくることになる。

「ホレ!いいかげんに起きろ!」

うだうだしているメストド1号をベッドから引っ張り降ろすのもいつもの光景そのままだ。

「ねえ!空港までどれくらい?」

「そうねえ~バスで1時間見ておけばいいんんじゃないかな・・・」

朝・夕は混むかもしれないと事前の情報は入手していた。

「何時のフライトだっけ?」

「14時だけど・・・そうだな・・遅くても11時。出来れば10時半発のバスに乗りたいな・・・」

1時間と言ったけど、空港への移動ほど神経を使うものはない。

昔のことが昨日の様に脳裏に浮かぶ。

その昔、オストドがまだジャニーズ系だった頃、ツアーコンの駆けだしの頃だった。

群馬県のとある農協の団体さんを金毘羅様参拝に連れて行くときだった。

朝、群馬を出発して、羽田までバス移動をして飛行機に百数十名の団体を押しこむ。

この行程が問題だったのだ。

「間に合いますかねえ~」

「ひよっこが偉そうな事言うな!」

「都内混みますよぉ~」

オストドの悪い予想は的中したのだ。まあ、この時は航空会社の計らいで約1時間ほど遅らせて

貰った苦い過去がある。

「あの時は団体だったから,待ってくれたけどねえ~」

これがオストドの口癖にもなったし、空港へ移動する際の教訓にもなったのだ。

「まあ・・いずれにせよ!日本へ予定通り出稼ぎに行くには、これが最終便ってか・・・」

メストド1号は休みを多めに取っているのだが、オストドは日程分しかお休みを入れていない。

つまり、やむを得ない事情。例えば天災とか紛争とかがあれば別なのだが、一日出稼ぎに

遅れれば、それだけ割を喰うヒトが発生することもある。

だから、国際線での出発なら3時間前。国内線なら2時間前には、空港の中をウロウロしている。

最初の頃は散々文句を言われ続けたけど、最近は文句を言うのが面倒になったみたいだ。

「朝ごはんはゆっくり食べれるのよねえ~」

「奥様の仕度次第でございますが・・・」

さっさと着替え終わったオストドはベランダでタバコを咥えていた。

「閉めだしてやろうかしら・・・」

「やれるもんならやってみな!乗り遅れても知らないからな・・・」

「ホラ!早く!朝食に行くわよ!」

オストドの胃袋にはもうリンゴは収まっていたのだが、この先を考えると喰っておいたほうが良さそうだ。

これ以上、からかうと取って喰われそうだから、この辺でやめておいて、一緒にエグゼクティブラウンジへ

向かい朝食を摂る。

「相変わらずの食欲ですこと・・・・」

「喰えるときに喰っておかないと・・・日本へ帰ったら、ダイエットでしょ?」

「そうなるわねえ~」

ボスフォラス海峡を眺める窓際の席で朝食を摂りながら、外の景色を眺める。

「ここでいいかな?来年も・・・」

「そうね・・・いいんじゃない。気にいったし・・・」

朝食を終え、部屋に戻る。

「ええとぉ~計算によれば、丁度24時間後かな・・家に着くの!」

「うわぁ~遠くまで来たものねえ~」

「まあね!直行便は手が出る金額じゃないし・・・ロンドン経由も面白かったけど・・・」

「値段は?」

「チケットだけならねぇ~ロンドン経由が安かったけど・・空港使用税がね・・・」

「まあ・・いずれやる気でしょ?」

「かも・・・当分はやらない。と思うよ!アライアンスの問題もあるし・・・」

「ったく・・・油断しない様にしないと・・気が付いたらココはドコ?になりかねないわ」

「そこまではしないけどね・・・アフリカとか南米は出没するけどね!」

「さてと・・準備出来たわよ!」

「おや?早い・・・まあ・・いいか!早く行っちゃえ~」

オストドの記憶によれば、ベルボーイは居るのかもしれないけど、到着時も運んで貰えなかった。

従って、ベルボーイなんぞに頼む必要性はない。どうせタクシム広場までは、自力で運ぶのだ。

チェックアウトを済ませると、当初予約していたレートより安い。

まあ、部屋の冷蔵庫なんぞ手は付けていないのだから、サインをして終わりである。

スーツケースをオストドが引き摺り、キャリーをメストド1号が引き摺っていると、タクシードライバー

声を掛けてくるのだが、ノーサンクスと答える。石畳の上をガラガラと引っ張って歩けばいいだけだ。

「この分だと・・10時半発に乗れるね!」

「ねえ・・このバスかな?」

「どうやらそうみたい。」

オストドがたむろしているドライバーに聞くと、閉めていたトランクを開ける。

車内で料金を徴収される。

「へえ・・早く出てきて良かったね。10時半発で・・・うわっ!」

「なんで動くわけ?」

「あはは・・判った!10時のバスに乗れちゃったみたい。」

バスは順調に空港に向かって走る。よく考えて見れば通勤ラッシュは終っているのだ。







順調に飛ばしてきたバス。最初に停まるのは国内線ターミナル。まあ、いずれ利用する機会もある。

しっかり場所を把握だけしておく。

「出発に着くのかな?」

「どうだろ?ありゃ・・デッパチには着かないみたい。アライバルに行くもの・・・」

バスはアライバル・・つまり、到着客が出てくる階下に着く。まあ、オストドにしてみれば、

神の思し召しである。屋外の灰皿に向かって、荷物をカートに放り込み、歩きだした。






第16章 国内線並みのチェックイン時間と貸し切り?へ続く・・・・



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飛んで!飛んで!飛んで!飛んで!イスタンブール! ⑰ [2010 夏 イスタンブールの旅]

第16章 国内線並みのチェックイン時間と貸し切り?

「ええと・・エジプト航空は何処かいな・・・」

「調べてなかったの?」

「まあねえ~」

インフォメーションボードを眺めながら、ため息をひとつ吐く。

オストドとメストド1号を乗せ、イスタンブールを飛び立つエジプト航空の出発時間は、14:00発。

遅くても3時間前にはカウンターオープンになると踏んでいたのだが、

「おかしいなぁ~後の便はもうカウンターオープンしているのに・・・・」

「まさかとは思うけど・・飛ぶわよねえ~」

「どうだろ?ここまでくれば・・・ケ・セラ・セラだな・・・」

「何便だっけ?」

「MS738便。ったくぅ~一服したいな・・・」

「してくれば?」

「いいの?」

「機嫌が悪くなるよりわねえ~」

メストド1号に荷物を預けると、パスポートとE-チケットを握りしめ、外へ飛び出す。

まさか・・それが繰り返されることになろうとは、夢にも思わなかった。

結局、カウンターがオープンされたのが、11時45分。

「やっと・・かよ・・・・」

「もう1時間寝れたわよねえ~」

「だね・・今度は11時のバスで充分だな・・・」

イスタンブール~カイロ間とカイロ~成田間の2枚のビジネスクラスのボーディングパスと

ラウンジのインビテーションカードを、それぞれ受け取る。

預け入れるのは、スーツケースのみ。一応、万一に備えて1泊分の着替えを入れ、少々重い

キャリーを引っ張って歩くのは、オストドの旅のスタイルである。

「さてと・・・ラウンジでも行こうか!それとも免税品でも見る?」

「いいわ!娘の出国税は買ってあるし・・・」

「でした・・じゃあ・・・」





「さてと・・・・」

「えっ?」

「喰えるうちに喰っておく・・・」



「どうせ・・2時間10分のフライトなんだよ!まともなモン出るとは思えないし・・・」

「そうかな?」

「ミールリクエスト入れてないしね・・・・どんなもん喰わされるか・・・」

止せばよかったのである。どうせまともなミールなんぞ出ないと勝手に判断してしまったのだ。

まあ、出発前にエジプト航空に確認したのだが、よく判らないとの回答だったのもあるのだが、

スイーツを手当たり次第、2頭ノトドは胃袋に押し込んでしまったわけだ。

「さてと・・ゲートに行こうか?」

「そうねえ~」

「スモーキングルームあるかな・・・」

柱に貼ってある見取り図が悪いのか?それともオストドの鼻が利かなくなったのか?

スモーキングルームを見つける事が出来なかった。

まあ、この旅にはJTから発売されているゼロスタイルと言うおしゃぶりを持ってきているので、

さっきから、咥えっぱなしになってはいるのだけれど、儀式が出来ない分。少々、不安がある。

「まあ、我慢するのね!」

「う~う。カイロに着いたら思い切り吸ってやる。」

「はいはい・・お好きなだけどうぞ!」

「インシャラーこれも神の思し召しかな・・・」

まあ、嘆いていても仕方がない。カイロまでわずかあと・・3時間。長くても4時間我慢すればいい。

「きっと・・カイロにはあるよ!豪勢なスモーキングラウンジ・・・・」

そう自分に言い聞かせると、ゲートへ向かう事にした。

「んっ?おかしいな・・・」

「何が?」

「さっきから・・インフォメーションボード見ているんだけど・・ゲートが見るたびに違う。」

「えっ?」

「ボーディングには、208と書いてあるでしょ?ボードには・・おや、また変わった。」

208→210→208・・・めまぐるしく変わり、最終的には210になった。

ゲートのそばの椅子に腰かけ、ゲートオープンを待っていると、日本語が聴こえてくる。

「ったく・・・あいつら・・ビジネスクラスじゃねえだろうな・・・」

「機嫌悪いわねえ~」

「まあね。あんなにでかいモン持ち込むのか?ハタ迷惑な・・・」

「ホラ!おしゃぶり咥えてなさい!いい子だから・・・」

まあ、今更思い出すと赤面することも、ツアコン時代にはやってきているので、オストドに彼等を

責める資格はない。資格はないのだけれど、そういう輩がいると、同じ日本人として、

酷い仕打ちを受けるケースがある。エアーカナダでは、CAにボーディングパスをひったくられたし、

その昔では、イエローだのジャップだの言われると、カ~ッとして殴りかかったものである。

「やれやれ・・・とばっちりを受けない様にしねえと・・・」

ひとりごとをポツンと呟くと、優先搭乗でB732-800の機内へさっさと避難することにした。







「おかしいなぁ~」

「何がかしら?」

「どう見渡しても・・・ビジネスクラス。俺らだけだけど・・・・・」

「あらら・・本当!貸し切ったの?」

「まさか・・・」



ウエルカム・ドリンク(アルコールは積んでいない。)を飲みながら、エコノミーへ進んでいく人々の

ちょっと痛い視線を感じる。

「ありゃりゃ・・ドア閉めちゃった。道理で・・カウンターも専用だったのか・・・」

「えっ?」

「後ろ誰も居なかったでしょ?貸し切りだぁ~ただし、ビジネスクラスだけだけど・・・・」

14:00 ドアクローズ。エコノミークラスはほぼ満席なのだろう。振り返るとごちゃごちゃしている。

何やら、収めきれない荷物をビジネスクラスに入れさせろとでも交渉しているみたいだ。

「どうするのかな?」

「入れさせてあげればいいのにねえ~」

「まあね・・難しいけど・・・神の思し召し次第じゃないかな・・・」

結局、荷物は収納させて貰えなかったみたいだったけど、オストドには関係がない。

14:08 プッシュバックが開始され、ソロソロと行くのか?と思いきや36Lに向かって

「おいおい!いいのか?」と言いたくなるスピードで突っ走ってゆく。

ウエルカムドリンクのお代りは?と尋ねられるが、ノンサンクス!と答えておく。

もしかすると、グラスの中身を飲み干す前に離陸しそうだからだ。



離陸の瞬間。オストドは気絶していた。メストド1号も気絶していたから知らないけど、

気が付けばイスタンブールの街並みが小さく眼下に見える。

「あれ?行き先間違えて乗ったかな?」と思いたくなるのだが、このまま飛んでいくと、黒海の上空

そして、ロシアへ向かう羽目になる。

機体は黒海寸前で右へ大きく旋回し、本来の目的地であるカイロへ向かいだした。

そのまま、放っておいてくれれば寝て入れば済む距離だし、お腹も一杯なのだが、







CAがトレーを2個運んできた。デザートが2種類。メストド1号はチョコレートケーキを選択したので、

オストドの前には残ったもう一方が置かれる。

「誰よ!碌なもん出ないって言ったの?」

「俺?俺は喰うけど・・・」

「あたしは・・チョコレートケーキだけでいいかな・・・」

ここでもオストドの勘は狂ったのである。これぐらいなら二人分は行けるな!と判断したのだ。

メインデッシュなんぞないと過去の短時間路線の搭乗の記憶からそう思ったわけだ。

メストド1号はチョコレートケーキだけを食べ、オストドが残りを平らげたのだ。

「んっ?」

「どうしたの?」

「何やら・・・悪い予感と言うか、得体の知れない匂いが漂っている・・・」

「ま・さ・か・・・メインディッシュあるの?」

「そうだとしても・・・ウップ!もう入らない!」

メインディッシュは固辞することにした。きっとクルーの誰かが食べるのだろう。

まさか、たかだか2時間ちょっとのフライトで、フルコースがあるとは、恐るべしである。

まあ、それは来年の教訓にすればよいことである。





食後のコーヒーを優雅?な気分とラウンジで、あれだけ喰わなきゃ良かったと後悔しながら、

啜っていると眼下には茶色い世界が拡がりはじめ、機体は静かに高度を下げ始めていた。





15:08 カイロ国際空港にランディング。

「あれ?ターミナルはあっちなんだけど・・・」

「ターミナルに着かないのかしら?」

「みたいだねえ~久しぶりにタラップかな・・・」

機体は沖止めにされた。タラップが横付けされるのを見ていると、どうやらバス移動らしい。

CAがカーテンを閉め、エコノミークラスからの乗客をブロックしている。

真っ先にタラップを降りると、誘導されたバスに乗りこむ。バスはオストドとメストド1号だけを乗せると、

ドライバー氏はバスをターミナルへ向け走らせ始めた。

「勿体ないオバケが出るよぉ~」

「そうよねえ~いいのかしら?」

「だよねえ~こっちは二人で1台のバス。残りは1台にギュウギュウ詰めかぁ~」





バスを降り、トランスファーカウンターへ向かう。パスポートとカイロ~成田間のボーディングパスを

カウンターで差し出す。

「ハウメニバッゲージ?」聞かれたのはこれだけだった。

「わん!」確かにオストドはそう言ったのである。何しろ、ニコチンの補充がまだなので、少々

いや・・大分、気が立っているのである。犬が啼く様に、「わん!」と答えたのだ。

係員からパスポートとそして、スタンプの押されたボーディングパスとラウンジのインビカードを

受け取ると、まっしぐらにスモーキングルーム目指して小走りに走るオストドと、

苦笑しながらも置いていかれて溜まるか!というメストド1号の姿がそこにはあったのだ。


第17章 “デレイしやがるんなら・・・もっとせんかい!”へ続く・・・・






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飛んで!飛んで!飛んで!飛んで!イスタンブール! ⑱ [2010 夏 イスタンブールの旅]

第17章 “デレイしやがるんなら・・・もっとせんかい!”











通りかかた係員?にスモーキングラウンジを尋ね、ついでに鼻をヒクヒクさせながら、

スモーキングルームに飛び込む。

まずは、地中海の奥底に沈まないですんだことを感謝して、一服。

次に、砂漠で砂まみれにならないで済んだ事に対して、また一本。

やっと・・生きた心地になる。まあ、ノンベもそうだが、ヘビースモーカーであるオストドは、

何らかの理由を付け、せっせとニコチンとタールを供給する。

あきれ顔のメストド1号もまた始まったか!と言う顔をしながらも、そんなオストドに付き合わされる。

意外だったのは、スモーキングルームにおける。日本人の占有率の高さである。

さすがのオストドもスモーキングルームで喰いモノを口に運ぶことはない。

だが、オバチャマパワーは凄まじいものだ。

そこへ、やはり日本人カップルが中に入ってきて、オバチャマたちにデレイを告げたのだ。

どうもオバチャマたちのパワーは凄い。廻りの客の迷惑なんざ返り見ない大声でしゃべる。

同じ日本の地の隅っこに住むオストドとメストド1号は、その場を逃げだし、F5ゲートへ行ってみる。

一番信用してはいけないのが、他人の会話である。自分の目で確認し、係員をとっ捕まえて

デレイが本当なのか?確かめねばならない。

「どうやら・・本当みたいだな!」

「どうする?確か1時間25分の乗継時間だったわよねえ~」

「まあね!まあ、成田行きだし、乗り継ぐ必要もないし・・・乗り遅れだけ気を付ければ・・・」

「ラウンジにでも行く?」

「免税店はいい?」

「まあね・・欲しいモノはないし・・・」

そこでまた来た通路を戻ることにした。ラウンジで吸えないと嫌なので、もう一服したのは

もはや言わないでも先刻ご承知のこと。

ラウンジへ飛び込む。偶然と言うのだろうか?それとも、神の思し召しなのか知らないが、

スモーキングラウンジへ飛び込んだわけだ。

「へえ~ここは全面吸えるのね?」

「みたいだな・・エジプトバンザイ!」

「おおげさな・・・・」

「いいの・・・さてと・・腹ごしらえしようかな・・・」

「まだ・・・食べるの?まるで・・・」

「パブロフの犬で結構でございますよ!奥様・・・」









「さてと・・どれだけ遅れるのかな?聞いてくるわ!」

「うん!」

受付カウンターへ行き、尋ねて見る。あっちこっち電話を掛けていたが、帰ってきた答えは・・・

「今のところ判りません!アナウンスをお待ちになってください。」

「あっそう・・・」

ドリンクを飲みながら、読書をしているメストド1号のところへ戻る。

間違えても、カウンター嬢を口説いてはいない。世間話をしたくらいである。

「どうだって?」

「さあねえ~要領得ないな・・遅れるだけは確実だけど・・・・」

「ねえ!アレ使えない?」

「やってみるか・・・・」

備え付けのPCを使い、日本のエジプト航空のサイトに繋いでみることに・・・



「判ったよ・・・なんで出発地で判らないのか?良く判らないけど・・・」

「何時だった?19時半になってたな・・日本のサイトでは・・・・」

「何分遅れかしら・・ええと・・・」

「2時間45分。中途半端だよなあ~どうせなら翌朝までデレイしやがれ!」

「そうなると・・どうなるの?」

「そうねえ~天候のせいでもないし、紛争でもないし・・・ホテル提供あったんじゃない?」

「そうすると?」

「まあ・・思いがけない機中泊はなくなり、ホテルで寝て早朝出発かな・・・」

「そっちの方が良かった・・・」

「だねえ~寝不足は機中でも補えるし・・・」

「何か食べよう・・安心したら、腹へったぁ~」

「そうして・・・俺!ラウンジの中徘徊しているから・・・・」















また・・・遅れた・・・




コレなら・・判る!

「そろそろ・・ゲートオープンらしいよ!」

「そうなの?」

「うん。」

メストド1号が最後になるかもしれないコーヒーを飲み干し、オストドは紅茶を飲み干す。

「さてと・・行きますかねえ~」

「出発の儀式は?」

「散々・・吸ったけど、スモーキングルームで一服しておくか・・・長旅だし!」

「そうね・・そうして貰った方がいいわ!」

オストドはズタボロのダンヒルのレポーターバックを下げ、ポロのキャリーを引っ張り歩く。

その後ろからメストド1号が二人分のチケットやらパスポートを入れたリュックを背負って

後に続いた。

「思い切りデレイしてくれればよかったのに・・・」

「これも神様の思し召しよ!」

「だね・・・」

F5ゲートに入ると、自分が今エジプト・カイロの空港に居ることすら、信じられないくらい

日本人が多い。聴こえてくるのは、日本語の嵐だ・・・・

「ねえ・・・なんでこんあに日本人多いのかな?」

「それはね・・・クオリティーの割りには安いからじゃない?」

「そうなの?」

「うん。予約した時は130度だったかな・背もたれが倒れる角度・・・それがさ・・・」

「それが?」

「うん。フルフラットだってさ・・・ぐっすり眠って居ると、日本に着いているって計算かな・・・」

「エコじゃなくて良かった!」

「もう・・・無理だね・・・帰ったら来年の予約入れなきゃ・・・」

搭乗口では長い列ができている。勿論、オストド&メストド1号は優先搭乗。

係員がエジプトのビザをチェックしているらしい。オストドとメストド1号はビザを持っていない。

「ねえ・・・」

「あん?」

「ビザチェックらしいけど・・・」

「大丈夫!ボーディングパスにスタンプあるもん!」

「本当?アナタの勘外れっぱなしなんですけど・・・」

「インシャラー!全ては神の思し召しのままに・・さ・・・」

問題なく機中の人(トド)となる。ここから、成田までは、9604Km。11時間余りのフライトだ。


最終章 カイロ~成田のフライトとちょっと・・ムッとした話へ続く。



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飛んで!飛んで!飛んで!飛んで!イスタンブール! ⑲ [2010 夏 イスタンブールの旅]

最終章 カイロ~成田のフライトとちょと・・ムッとした話

まず、最初に断わっておかなければならない。

オストドは独裁者ではない。(仕事上では、やむを得ず・・・そう!やむを得ず威張りくさっている)

ましてや、奴隷制度も完全否定者だし(仕事上では、奴隷以下の様にコキ使うこともあるけど・・)

平和主義者(仕事上では、喧嘩を売る・・だけど、良いモノを造るためだ・・・)である。

もうひとつ言わせていただければ、女性軽視者ではない。

「女性はちょっとねえ~」と言う場合もあるが、それは財政上とか安全上止むを得ず言うのだ。

限られた空間では、女性のための専用更衣室やら、休憩室おまけにシャワーにトイレなんぞ

設けてあげたくても、許される“ご予算”には限りがある。

まあ、「見たきゃ見ればぁ~」と堂々と着替える女性もいるし、「女扱いしないで・・」と言う

うら若き女性も増えてきている。中にはコッチがセクハラを受けているのでは?と思う。

事もしばしば遭遇する様になった。

まあ、いずれにせよ・・・若気の至りという奴だろう。

確かにオストドも、まだガキの頃は、血気盛ん!言いかえれば、15歳では完全に不良であったし、

今思えば、ヤリタイ盛りにはヤリタイ放題の生き様を送ってきた。

従って、他人の迷惑顧みずはオストドの専売特許だったかもしれない。

偶に・・「よくこんなのと結婚したよね?」とメストド1号に尋ねることがある。

返ってくる答えは・・・皆様ご存じの通り・・・ではなく、

「まあ・・いいんじゃない?今も変わってないけどね・・・そんなに・・・」である。

思わず、こんなに温厚で優しい旦那で文句あるのか?と喧嘩を売るところではあるけれど、

子育ての99.9999%をメストド1号に押し付けたオストド。

オシメなんぞ代えた事もないし、節目節目の記念行事さえ、運動会に2回、卒業式に1回しか

行ってはいない。ましてや、少々残念だったのは、娘と一緒の入浴なんざ一回もしていない。

「世界は俺が飛びまわるためにあるんだぁ~」と戯言を言い、年間300日も家を開ける馬鹿

それが、オストドだった。

そんな生活の中ひとつだけ・・そうひとつだけ学んだのは、飛行機と船は同一の言語なのだろう。

機体=シップ。機長=キャプテン=船長。客室=キャビン。様々な言葉が一緒なのだ。

従って、破ってはいけない決まりがある。いかなる理由があろうとそれなりの料金を支払い、

それに対する対サービスを楽しみ、くつろぐ他のお客の気分を害してはいけない。

どうしてもと言うことであれば、キャビンの責任者もしくは、キャプテンの許可を得て、

彼等の責任において、足を踏み入れなければならない。

その事を真っ先に弁明ではないが、申し添えておいて、本文に戻ろう。

文中に女性蔑視の発言も出てくるが、敢えてそのまま掲載することをお詫びするべきだろう。

少々、時間を遡ることになる。

F5ゲートでまず一発目のオストドの暴言から、この話はスタートせねばなるまい。

「ったく・・・どうして女の添乗員は・・・」

「あら?聞き捨てならないわね?女性蔑視かしら・・・」

「いやね・・そんなつもりは・・・」

「ありそうですけど?」

「いや・・一般論。昔から変わらねぇ~な!女性添乗員は・・・頭痛ぇ~」

「そういえば、その女性添乗員たちに、講義をされていたのは・・どこのどなた?」

「えっ?」

オストドは頼まれると嫌と言えない性格が災いしたのか?それとも・・であるけれど、

女性限定という条件付きで、とある専門学校の教壇に立ったことがる。

確か・・生徒の大半を地獄のロールプレイングで泣かせたこともある。

そのせいかもしれないけど、バレンタインデーにカラシがタップリと詰め込まれたチョコレートを、

飲みこむ羽目になったこともある。

「昔はね・・・まったく・・ラベルじゃなかったレベル落ちたよなぁ~」

「そりゃあ~あなたは・・AAAだったっけ?」

「最終的にはAAA+だけど・・・」

「そうでしたわね!それで?」

「ったく・・・相変わらずと言うか・・・あれじゃあ~お客様が可哀そう!」

オストドは昔・昔そのまた昔を思い出していた。カルガリー空港での1コマが鮮明に思い出される。

ナイアガラの滝、トロント観光を終え、エドモントンから、カナディアンロッキーを巡り、

カルガリーから、バンクバーへ飛び、駆け足観光を行い翌朝には、成田へ飛ばねばならなかった。

いつもなら、順調にこなすハズのスケジュールなのだが、運悪くフライトキャンセルを喰らったのだ。

その便には、オストド率いるツアーの他に、もう2団体。それも女性添乗員のツアーが乗りこむことに

なっていたのだ。

「おかしいな・・・」 その頃AAA+の評価を頂くツアコンに成長していたオストドは嫌なモノを感じた。

しばらくすると、アナウンスで呼び出され、カウンターでの攻防戦が始まった。

何しろ、世間一般の夏休み。しかもお盆の最終日に成田へ辿りつくツアー。

翌日のバンクバー~成田間はフル。つまり、満席との情報を得ている。直行以外もそうだ。

全ての便がフル。翌日も空席はない。そんな中でのフライトキャンセルだったわけだ。

「今日の便は全て満席。明日なら空席確保します。」

「冗談じゃない!こっちは明日の今頃は成田へ向かって飛ばなきゃならないんだ!」

顔は平静さを装い、散々悪態を日本語で口走る。他の女性添乗員は突然の出来ごとに泣きだす。

何しろ、想定外の事が起こったのだ。プロならこれを最小限度の被害に押さえねばならない。

「ったく・・・いいよ!俺が交渉するから・・・」

交渉の結果、バンクーバーから飛行機を持ってくることになった。その間のミールクーポンの交渉や、

到着地で待っている現地ラウンド。日本の統括へも連絡しなければならない。

それらを全部やり方を教え、挙句の果てには、機内アナウンスまでオストドがやる羽目になった。

「ったく・・プロなら、こんな間際に説明するなって・・・それともお客が馬鹿だから覚えきれないのかな」

「えっ?」

「だって・・殆ど・・オバタリアンと哀れな同行者・・・」

「もう!いい加減にしなさい!おしゃぶりでも咥えて!」

オストド&メストド1号にアサインされていたのは、Bコンだった。

予約した際は、3クラス運行だったのだが、2クラス制の最新型に代わったのだ。

その連絡が遅かったので、Bコンに割り当てられてしまったわけだ。

「あちゃぁ~嫌な予感がビンビンするわ・・・」

「えっ?」

「まあ・・いざとなれば叩き潰してやる!」

「女性を?」

「いや・・俺は女性に振り下ろす拳はないよ!ヤローならやりかねないけど・・・・」

「いい子にしててよ・・・・」

「奴らがいい子ならね・・・」

そう言いながら、B777-300ERに乗り込んだのだ。


足元は広い・・・



メストド1号はヤバイ!と思ったのだろう。いつもなら、窓際の席はメストド1号の指定席。

「ねえ・・窓際に座らない?」

「えっ?」

「放っておくと何かやらかしかねないから・・・」

そんなわけで、シートをチェンジすることになった。まあ、オストドの目論みはブロックされたのだ。

ちょこまか来やがるものなら、足を引っ掛けて転ばせてやる!と思っていたのだが、そんな企みは

メストド1号には、全てお見通しだったのだ。まあ、以前にもしょっちゅうやっているわけだから、

判らなきゃよっぽど忘れっぽいタチなのか?それとも・・であるけれど・・・・



「やはり・・ツアコンは男の商売だな・・・」

「何で?」

「見てみな!あの男性添乗員。スマートでしょ?ああじゃなきゃ・・・それに比べ・・・」

「まあねえ~」

男性添乗員は殆ど最後に乗りこみ、自分のお客様であろう斜め前に座るご夫婦に、ご挨拶と

機内で困ったことがあれば、客室乗務員(日本人が乗り込んでいる)を通じて、自分へ連絡する様に

伝えているのだ。それが済むと、男性添乗員は後方の自分の席に消える。

「うんうん・・・昔ちゃんと伝えた事が、守られている!それに比べて・・あの馬鹿共・・・」

「もう!女性は荷物が多いんだから仕方がないでしょ?」

「仕方がないねぇ~荷物をヒトにぶつけていって、お詫びすらない・・・」

「ヒト?トドの間違いでしょ・・・」

「まあ・・何とでも言って!まあ、ドサクサに紛れたからいいけど・・・」

オストドはちゃんとその報復はしてあったのだ。無礼な振る舞いには無礼を返す。

これが、オストドのオストド流でもある。まあ、それが何かは口が裂けても言う訳にはいかない。

「しかし・・・落ち着きがねえやっちゃ・・まだ、飛行前だからギリで許すけど・・・」

通路を行ったり来たりする女性添乗員達を見て、ため息をひとつ吐く。

「あいつらの・・・先生は何を教えているんだか・・・」

「はいはい・・トリプルAさん。」

「AAA+だってば・・専門学校の教壇にも立たされたんだよ!」

「だったわねえ~」

「そう!鳥肌は立つし、最悪だったな・・・」







19:50 ドアがクローズされる。どうやら、少しでも遅れを取り戻そうとしているらしい。

19:55 プッシュバクされる。そして、20:00丁度。定刻より、3時間15分遅れてタキシング開始。

ランウエイ05Cより、20:06。カイロの空へテイクオフされ、帰国の途へ着く。







機内食・・多分、夕食。勿論、完食したのは言うまでもない。

腹の川が張れば、眠たくなるのが自然の原理である。



それでなくても東行きは夜が短い。ウトウトしかけた瞬間。睡眠妨害にまた・・あの女性添乗員が、

勝手に超えてはならぬ境界線のカーテンを開け、ビジネスクラスへ闖入してきたのだ。

ギャレーで楽しそうに談笑でもしているのだろう。声が大きくて眠ることなどできない。

「ねえ!やっぱりあいつら・・ぶん殴ってきていいかな?」

「あれ?女性に振りおろす拳は持ってないんじゃなかったっけ?」

「だ・か・ら・・振り下ろすんじゃないの!振り上げるだけ・・かな・・・」

「それでも駄目!でも・・迷惑よね・・・」

帰国後、その旅行社は書きとめておいたので、クレームレターを差し出した。

彼女らに言わせれば、何でも行きの機内でお客様の服を汚されたとか・・・

そんな事はどうでもいい話である。プロならば、その場で対処しなければならない話。

もうひとつ、ビジネスクラス用のチョコレートを山の様に持ちだした事件もあったのだが、

これは同行しているお客様に配ったとのことだが、これも間違いである。

敢えて旅行社の名前は明かさないけど、こんなアホらしい言い訳を尤もだと告げてくる

大手の旅行社は嘆かわしい。

その昔、「VIPがいるから注意と心配りよろしく!」と某テレビ局のお偉いさんと奥様を連れていった時、

運悪くCAがその奥様のお召されていた洋服にワインを掛けてしまったことがある。

それだって、適切な処理をその場で行う。これが添乗員の鉄則である。

「う~ん!やっぱり・・質落ちたなぁ~」

「あのね!あの子たちはアルバイト感覚じゃないの・・・」

「俺はどうだったろう?がむしゃらに働いていたからね!」

「あんたは・・水を得た魚さん!」

まあ、天職と言えばいいのか、世話好きが高じたのか?定かではない。

記憶の片隅に残っているのは、武器と麻薬以外は全て“商売のタネ”だったということだけだ。

もう、自然には眠れそうにないので、いつものお薬を取り出し、半分量だけ飲む事にした。

これで少しは睡眠を摂ることが出来る。

久しぶりにツアコン時代に冷や汗を掻いた時の事を夢でみた。

一度だけ、そう一度だけ・・・寝坊をした事がある。連続勤務85日目くらいの朝だっただろうか?

疲れのせい。そう・・連続勤務の疲れか?それとも朝方にホテルへ戻ってきた報いなのか?

幸い、オストドは出発時間の5分前には何食わぬ顔をして、バスに乗り込んだのだったが・・・

あの時と同じ様に慌てて飛び起きると、ビジネスクラスのシートをフルフラットに倒し、そこに

シートベルトで締めつけられていることに気が付いたのだった。

「ふう!夢か・・・」

窓のシールドを開けると、朝の光が飛び込んで来た。





「そろそろ・・か・・・」

朝食が運ばれてくる。日本時間で言えば、ちょっと早いお昼ご飯の時間だけど、目覚めたばかり。





この旅最後の機内食を食べ終え、ゆっくりとコーヒーを飲んでいると眼下には、懐かしい

日本の景色が拡がっていた。



そして、9604Kmの旅を終え、静かに14:10。最終目的地である成田空港16Lにランディングした。

― あとがきに代えて -

帰国したオストドとメストド1号を待ち受けていたもの。それは心労と仕事の山だった。

ついでに言えば、メストド1号には“転勤辞令”が待ち受けていた。

オストドのお父様である社長は、“表向き”熱中症と言うことにして、病院へ緊急入院させたり、

いろいろな事が怒涛のごとく、オストドとメストド1号を飲みこんでいった。

本来ならば、すぐに完結編まで書くつもりでいたのだが、公私共々、多忙を極めていたし、

お仕事のおつきあいと言う奴で、ヤローだけの旅にも出かけ、「部屋なんかいらなかったな!」と

朝方近くまで、モミジ会の会合が続いた。

年末年始は、万座に緊急退避もした。何故ならば、オストドの数少ない休日は、お父様の件で、

散々メストド1号共々振り回されていたからだ。

「越年はしないだろうな?」と思っては居たのだけれど、寄る年並みには勝てない。

「んっ~オッサンになったのかな・・身体がしんどい・・・」とほざけば、

「そりゃあ~昔みたいには行かないわよ!」とメストド1号が切り返す。

ふと・・・気が付けば、明後日にはまた旅にでる。お伴は相変わらずメストド1号である。

果たしてどんな旅になるのであろうか?更に今年はメストド2号が留学するとほざいている。

何でも、一年ほど行くとのこと。多分、彼女が貯めたお金だけでは足りないはず。

「齧れるだけ・・齧っておけ!今のうちだけだぞ・・・・」

散々齧られた・・“親の脛”を差し出すことになのだろう。

その留学先にも訪ねなければならないし、海外発券の宿命で、また、イスタンブールへも戻る。

おまけに言わせてもらえば、社員旅行もあるし、温泉逃亡の旅もあるだろう。

「なんかさ・・・旅するために働いているわよねえ~」

「まあね・・・これが趣味かな?」

「趣味の域は越えてきた気がするけど?」

「そう?まあ・・・確かに、ソウル発券、シンガポール発券、コロンボ発券そして・・・・」

「最後の旅はいつになるのかしら?」

「そうねえ~多分、使われなかった片道分のEーチケットを握りしめて、あの世行きかな?」

「ねえ!そうなる前に!」

「だよねえ~判っているさ!ファーストクラスでの世界一周だよね?」

「あと・・どれくらい飛べば気が済むのかしら?」

「一生治らないよ!だって・・俺。空飛ぶ食欲魔人辞める気ないもの・・・・」

まだまだ・・メストド1号に見せたい景色がそこにはある。

世界の絶景の実物を見せてあげたい。オストドが旅から旅へと見てきた景色。

これからもまだまだ・・・旅は続くのだろう。

最後までお付き合いをいただきありがとうございます。

オストド&メストド1号はちょっくら・・・マイル消化の旅に出かけます。

「でも・・つくづく馬鹿だよな・・・小龍包食べにだけで行くかね・・普通・・・」

「普通じゃないのが・・・・」

「まあね!」

「どこに行こうかな?懐かしい・・・」

「ひとつ・・お手柔らかに・・・ダイエットは・・・帰ってきてからでいいよね?」

2頭のトドがまた・・次の旅に出るのだ。


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