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僕と“う”と“な”の物語 -まえがきに代えてー [僕と“う”と“な”の物語]

― まえがきに代えて ―

昔、昔あるところに・・・・・

「ナンセンス!なり。」

「ったく・・・成長しないなりね。」

「はあ?うるせーこのクソ狐ども!大体だな!大人しくしてろ!さもなきゃ・・」

「また。始まったなり。馬鹿の一つ覚えが・・・」

「そうなりね。たぶん尻尾を結んでやると言うんなり。ナンセンスなりね。」

「うるせーこのクソ2頭!」

僕以外にも見えるはず。いや、敢えて見えないフリをしているのだろうか?

人というものは、おかしいほど既成概念とやらに囚われている。

まあ、科学がこれだけ進化してくると、解明できないモノは信じないらしい。

こんなことをほざいている僕だって、昔はそうだったはずだ。

いや、あの日あの出来事を境に、僕は自分でも驚くほど変わってしまった。

それまでの僕は、利己主義で自分勝手で手の付けられないほどの悪党で、

もし、僕が神様や仏様だったとしても、相当前に見放していることだろう。

「あん?こいつ・・・おかしくなったなりか?」

「うるせーぞ!“う”いや・・・お前は“な”の方か?」

「どっちでしょうなり。」

「あのな・・・その“なり”はやめろ!“なり”は・・・・そうしないと・・肉喰わせねえぞ!」

「汚いなり。兵糧攻めとは汚いなり!」

「うるせ~な!・・・あっ!肉まんがあったんだ!喰うか?」

二頭の見分けはなかなか出来ない。唯一、“好物”の肉を目の前に出せば、

そのうれしそうな顔で見分けることができる。

元々、最初から僕のところにいるのが、”う”。これとの付き合いは、もう30年を超え、

軽く人生の大半を一緒にいる。“う”は嬉しそうな顔をすると右側の目尻が下がる。

もう一頭、僕のところにやってきたのは、“な”と名付けた。

最初のは、「元々うちの子だからねえ~」と“う”と名付けられ、後から来たのは

某T県のNという所から、“勝手についてきた”ので、地名をとって、“な”と名付けた。

“な”は、“う”とは対照的に嬉しい顔をすると、左側の目尻が下がるのだ。

「食べるなり!」

「食べるなり!」

「はて・・・・」

「さっさと出せなり!」

「そうなり!」

「そうじゃないだろ!出してください!だろ?」

「噛み付くぞぉ~なり。」

「そうなり。」

「い・・痛いっ!どっちの馬鹿だ右足噛んだのは!」

2頭は揃って首を横に振った。

「はあ?お前らしかいねえだろ・・・」

「もう・・・一頭いるなり。」

「はあっ?も・・もしかして・・・また?」

「そうなり。宜しく頼むなり。」

「困るよ!いいか・・・僕と“う”と“な”の物語なんだぞ!」

「おまけでいいなり・・・・」

「そうねえ~い・・痛いっつうの!」

「新入りなりよ!仕方ないなり!」

「あのな・・・・教育しておけっての!だから・・・噛むな!」

「居ても良いなりか?」

「わ・・わかった!だから、足を噛むな!肉まんやるから・・・・」

僕が差し出した肉まんをそれぞれがタッチすると、不思議なことに“彼ら”三頭・・・

いや、性別は元メスだったらしいから、“彼女等”はそれぞれ肉まんを食べ始めた。

「う、う~ん!こいつの名前どうするかな・・・・お前はIから来たから“い”でいいか・・・」

“い”と名付けられたもう一頭は、嬉しそうに両方の目尻が下がった笑顔を浮かべ、

コクンと頷いたのだった。

僕の机の前にちょこんと座り、耳が計6個目も6個・・・ただ、尻尾だけは数えると合計で

27本になる。

「ったく・・・九尾の狐が三頭になっちゃった・・・・おい!“う”ちょっと・・・」

「なんなりか?肉まんもう一個呉れるのかなり。」

「だ・か・ら・・・“なり”はやめろ!なり・・・あちゃ・・うつっちゃったぞ・・・」

「なんなり?」

「いいか!お前は先輩なんだから面倒みるんだぞ!」

「タダでなりか?」

「あたりまえだろ?」

「“地獄の沙汰も金次第”なり。」

「あのな・・・エサ代・・・あっそうかお前らは実際には喰ってないのか・・・」

「そうなり。」

「お姉さん!として、面倒みろ!」

「あたしの子分なりか?」

「ああそうなり・・じゃなかった。そうだ!簡単に言えばな!ただし!」

「なんなりか?」

「エサは平等!同じだけ喰え!あとは・・・・」

「なんなりか?」

「おいおい話すけど・・・はああああああっ・・・・」

「どうしたなり?」

「告知しちゃったんだぞ!どうする?”い”も入れるか?あ~あ・・・・」

「あっ・・・忘れてたなり。」

「何が?」

「モデル料寄越せなり。」

「なんで!」

「肖像権なり・・・」

「だ・か・ら・・・お前らは霊魂だろ!神様に言いつけるぞ!」

「ケチなり。」

「ったく・・・肉まん。もう一個ずつだ。」

「ハンバーグでもいいなり。」

「この前!松坂牛喰わせてやったろ?ハンバーグもだ!」

「毎日喰わせるなり。」

「俺が大変になるだろ・・・」

「お金ならあるなり。働かなくてもはいってくるなり。」

「わかったっての・・・くそ狐!」

こうなると主従関係?さえ怪しくなってくる。

「仕方ねえな・・・・」

「なんなり?言いつけは守っているなり。」

僕は僕の大切な人を守る様に命じていた。だから、僕のところから出かけていくときは、

一緒に手?いや足か・・前足を振って見せるのだ。

「分かった!高級肉は偶にな・・・そうしないと、俺のコレステロールが・・・」

「安心するなり。」

「何がだ?」

「お前はまだ死なないなり。」

「どうして分かる?」

「逝くときは一緒なり・・・・」

「やだなぁ~お前らが道案内役か?」

僕はふと”ある事”が気になった。

「なあ!も・・もしかして・・・あのくそ・・・」

「じじいなりか?お前をいじめてたあのくそじじい・・・」

「そうだ!俺が会社を辞めてすぐくたばったんだが・・・」

「地獄ツアーへ送っておいたなり。」

「げっ!」

「なんなり?」

「お前らが居るの忘れてたわ・・・あはは」

「何を笑うなり?」

「笑うしかねえだろ・・・」

「まあこれからも宜しくなり。」

「ああ!こっちこそな!た・だ・し!」

「分かっているなり。」

「いいか!俺の行先は決まっているんだから邪魔するなよ!」

僕はくたばったら、地獄めぐりのツアーコンダクターになるつもりだ。

間違えても天国に行けるわけはない。そうだと言って浮遊する霊魂も嫌だ。

「まあ、お前らが一緒なら寂しくはねえな・・・きっと」

「そうなり。」

「でもな・・・あんまり、人前で話しかけてくるな!いいな!」

「分かったなり!」

以前、あまり僕がぶつぶつと“う”と話していたら、気が狂ったのでは?と

危うく精神科送りになるところだった。

まあ、僕が医者からもらう処方箋には、ちゃんと向精神薬処方加算が付いているが・・・

「しかし・・・お前らは悪霊だったはずだよな?」

「そっちの方がいいなりか?」

「いや・・・今のお前らが面白いからそのままでいいや!」

僕は今日現在で今年3回も伊勢神宮に参拝に出かけた。

そのたびに、“う”と“な”は同行する。まあ、僕の大切な人が一緒ではないときは、

分身の術と言えばいいのだろうか?分身が僕に同行する。

まあ、その道中の途中で新入りの“い”も憑いてきてしまったのだが・・・

いつもは4本足で歩き、時にはポケットや鞄やリュックに潜り込むやつらであるが、

参拝のときは、しずしずと後ろ足だけで僕の前を歩いてゆき、お手水も上手だ。

「しかし・・・お前はケチなり。」

「なんで?」

「お賽銭ケチっているなり。」

「あのな!ご縁があります様にって知っているか?」

「知っているなり!」

「ちゃんとそのほかにも毎回遷宮の寄付もさせてもらっているし・・・」

「知っているなり!」

「じゃあ!何がケチなんだ?」

「うち等の分忘れているなり!」

「あっ!まあ・・・その・・なんだ。儲かってから御礼参りで・・・・」

「そうするなりよ!」

「分かった!但し!今度は温泉も松坂牛も鮑も牡蠣もすべて無し!」

「いやなり!」

「だろ?お前らのためにいい所に泊まって、旨いもの喰って・・・・」

「今度もそうするなり!」

「考えておく!」

どうやら、子供の喧嘩になりかけている。

こんな文章を書いている間にも、三頭になってしまった居候は、僕の大切な人と

一緒にお風呂に入り、海猿ごっこをしているのだろう。

この先どんな話が待っているのだろうか?

僕はその出会いから書かねばならないのかもしれない。

― 僕と“う”と“な”の物語第一章に続く -
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僕と“う”と“な”の物語 -第一章 第一話 ー  [僕と“う”と“な”の物語]

ー 第一章 僕と“う”の出会い ―

僕と”う”が出会ったのは、僕がまだ高校1年生でひょんな事。いや違う。

運命のいたずらとでも言うべきか、それとも普段の行いの悪さと言えばよいのだろうか?

その頃の僕は、突き上げられる衝動のままに行動していた報いなのか、

何しろ、高校入学時点で“退学候補ナンバーワン”に数えられていた。

制服を着なければならない式典である入学式も、私服で出かけて式にも出して貰えず、

ついでに他校の生徒との喧嘩は日常茶飯事だった。

僕の身体の中に流れる血は、日本オオカミの野生の血が流れているとさえ、

本気で信じていたくらいだ。

自分でも、「一体どうして?」と思えるくらいに“本能のまま”にその日を送っていたし、

よく言われたのが、「類は友を呼ぶ!」と言われるくらいに、仲間達と群れを形成し、

悪行三昧の日々で、鑑別所や少年院に放り込まれなかったのが、不思議なくらい

自由奔放な日々を送っていた。

停学処分なんざ僕や仲間達にとって、“特別なお休み”とさえ自負していたくらいだし、

僕や仲間達が学校の近くの商店街を歩けば、いきなりシャッターを下ろされる店さえ、

あったくらいだ。それだけ、ちょっとした有名人の僕達だったわけだが、気まぐれか

それとも、神様の思し召しなのか?僕達一味は、夏休み直前の期末試験休みに学校に

呼び出され、もしかすると“永遠の夏休み”をもらえるのでは?と期待に胸を躍らされて

学校の中にある。一般生徒の間では、“恐怖部屋”とも“矯正施設”とも言われる生活指導室。

まあ、僕達にとっては、他の生徒たちより遥かに少ない1学期の出席日数のうち、

大半を過ごしていた。“指定席のある部屋”に鞄を投げ込み、その真ん前にある高等部の

職員室に出頭したわけだ。

「ったく・・・お前らは・・・・」

「はい?」

「しかも、委員長のお前は他の模範にならなきゃいけないんだぞ!」

「ですから・・・他の模範となるべくしてですね・・・・」

「はあ?ど・・・どこがだ!このバカチン!」

そもそも・・・そうだ。僕は委員長になりたかったわけではない。

ただ単に、早く学校から帰りたかった。いや、ここは正確に記さねばなるまい。

僕が帰るところはどこにもなかった。

あるのは、ポケットに中にあるキャッシュカードだけで繋がっているだけの

世間体と自分の保身しか考えない僕の養父と呼んでいいのか?

よくわからないけど、とにかく僕の“保護者面”をして、僕の気持ちや人格などすべてを

否定し、あたかも“モノ”扱いする人と、水商売上がりで、後日、僕の仲間になったY曰く、

「ブルドックだなあれは・・・」

確かにそう言われればそう言う気がする。

僕は“おやじ”が珍しく家にいるときは、冷凍食品の食事を与えられ、居ないときは、

食事の代わりにお金を貰って、外食するのが当たり前になっていたし、家の風呂にも入れず

「お前は小さい頃から銭湯が好きだったな!」

そう言われ、病気の時でも、銭湯に通い、コインランドリーで洗濯をしながら、過ごしてきていた。

いつごろからっだったろう。僕は家に寄り付かなくなり、どんどん現実から逃避をする様になった。

家に行くのは、お金を貰いに行くか、一応、生存報告に行くくらいだった。

ひょんな事からスナックのママに拾われ、僕は温かい食事と洗濯をしなくなって済み、ついでに

暖かい寝床も手に入れていた。

だから、帰るは間違いであり、ただ刺激を求めるために街に繰り出したかった。

「いいか!だれかが立候補するまで誰も帰さん!いいな!」

うんざりしたけだるい時間がただ過ぎていくだけだったので、“行動”を起こしただけだ。

「ったく・・・俺の立場にもなってみろ!いいか!全クラスの中で委員長が・・・・」

そもそもの原因は、夏休みに彼女が居ないとなぁ~とせっせとナンパして、

今で言う合コンまでこぎつけたのはいいのだけど、仲間である大岩クンが早まって

いや、湧き上がる劣情を抑えきれなくなり、事もあろうにいきなり押し倒したのが、

原因と言えば原因だった。

「いいか!お前ら・・・・発情中のネコじゃあるまいし・・・」

僕達の頭には、雨あられのごとく、竹刀が降ってきていた。

「そこでだ・・・お前らを停学にしても、特別な休みと誤解している様だし・・・」

「はあ・・・」

「いいか!学年主任先生の特別なご配慮で2週間!」

「えっ!2週間もお休み・・・」

「馬鹿モン!話は最後まで聞け!2週間先生の実家で強制労働の刑とする!」

「はあああああ・・・・・」

「いいか!明日!朝8時に登校すること!バスで・・・・」

「バス?護送車の間違えでは・・・・」

こうして、僕は仲間たちと本当に些細な“ひょんな事”から、宿敵である学年主任の実家へ

護送されてゆき、炎天下の中、屋根の修理をさせられたり、畑の雑草取りをさせられたり、

元スケ番の巫女さんが住む鎮守の森こと別名魔女の森で監視下におかれていた。

そう・・・ひょんな事がさらに重なり続けて、時が流れ僕は神主見習いとして、鎮守の森で唯一

生息を許された人間の姿をしているオスオオカミになっていった。

他のオスと言えば、鶏の“委員長”と鯉の“委員長”だけだった。

いつの間にか元スケ番の巫女さんと結ばれた僕はこれから始まるとんでもない・・・・

いや、退屈しない未来を生きることになるとは、まだ過去の僕は知る由はなかった。

― 第一章 僕と“う”の出会い 第二話へ続く -
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僕と“う”と“な”の物語 -第一章 第二話 ー  [僕と“う”と“な”の物語]

ー 僕と“う”の出会い 第二話 -

「なあ!”う”!僕との出会いを覚えているか?」

「わ・忘れたなりよ・・・・」

僕の大切な人のそばで肉まんを頬張りながら、“う”は、すっとぼけているに違いない。

“う”も僕と同じで、都合が悪いとすっ呆ける癖がある。

「嘘だね!覚えているくせに・・・クソ狐!」

「お・・・覚えてないなりよ!聞くななり!」

「ふ~ん!もうババアだから物忘れ激しくなったのかな?」

「ババアではないなり!」

「じゃあ!覚えているよな?俺・・・記憶の糸が絡み合っちゃって・・・」

「仕方ないなりね~ちゃんと覚えておくなり。」

「覚えておくからさ!お前ちょっと書くの代わってくれないか?」

「高いなりよ~」

「じゃあ!お前だけクリスマスのチキンはなし・・と・・・・」

「汚いなりよ・・・仕方がないなり・・・・」

「じゃあ!任せるかな?」

「あたちの生まれた頃から、書くなりか?」

「それじゃあ~大変だからやめておけ!読む方も大変だし・・・・」

「じゃあ!どこからなりか?」

「そうねえ~そもそもお前は何故?九尾になったんだっけ?」

「子供を殺され続けたなりよ・・・」

「そうだったな・・・ええとぉ~次はと・・・」

「代わるなりよ!答えるの面倒なり!」

「最初から素直に言えばいいものを・・・・」

僕は筆を“う”に任せることにした。

「あたちは・・・打てないなりよ!」

「鉛筆咥えてキーを押したらどうだ?」

「無理なり!ちょっと・・失礼するなり!」

「お・・おい!」

僕の身体の中は“う”で満たされてゆく。僕は慌ててセーフティーロックをかける事にした。

「皆様!“う”なりよ!よろしくなり。あたちは・・・・元、怨霊とも悪霊とも言われたなりよ!」

(うんうん。その調子だぞ!“う”)

「昔。今からずーっと昔。あたちは母親狐だったなりよ!普通の・・・・」

(うんうん。)

「あたちの子供達は全て人間に殺されたなり。毛皮にされたり・・・・」

(そうだったのか・・・)

「あたちは人間は元々嫌いだったけど、恨んだなりよ・・・・」

(だろうなぁ~)

「あたちも殺されて・・・あたちは怨霊になったなり!」

(ふむふむ・・・)

「散々、人間を苦しめたり、呪い殺したりしたなりよ。」

(おー怖っ・・・)

「それから・・しばらくしてなり。小さな祠に封印されたなりよ!」

(俺じゃねえ~ぞ!)

「あたちはそこで何百年間か知らないなりが、寝ていたなりよ!」

(やはり・・・ババアじゃねえか・・・)

「あたちの祠が、人間に壊されて、あたちは目覚めたなりよ・・・」

(ふんふん・・・記憶が蘇ってきたぞ!)

「目覚めた…あたちはまた、人間に復讐を始めたなりよ!」

(へえ~放っておけばよかったかな?)

「最初に憑りついたのが、目覚めてから最初で最後だったなりが・・・」

(どんくさい奴だったんだな・・・・)

「運が悪かったなりよ!まさか、コレとぶつかるなりとは・・・」

(うんうん。大変だったな!死闘までにはならなかったけど・・・・)

「もういいなりか?」

“う”は僕の身体を抜け出して呟いた。

「そうねえ~思い出したぞ!」

「やれやれなり・・・・肉まん。もう一個いいなりか?」

「ああ!仲良く1個ずつな・・・ここからは引き取るから・・・」

僕と“う”は最初は対峙する間柄だった。

その頃の僕は、小さな・・・そう、鎮守の森の中にある神社で、“ひょん”な事から、

そう“ひょん”な事から・・・・僕は、エセ神主としてお祓いをしていた頃だった。

その頃のことは、僕たちのシリーズで書いてあるので、詳しくは書かない。

気になる方はそっちを読んでいただくことをお勧めする。(時間はかかるけど・・・)

僕は最初にも書いたけど、日本狼の末裔。僕の身体の中には、その血が流れている。

だから、怯まない。大麻を振り回し、九尾の狐の動きを封じてしまったわけだ。

「お腹減ったなりよ!」

「はい?肉まん喰っただろ?」

「あれは朝ごはんなりよ・・・・お昼は?」

「化けモンのくせに・・・いや、霊のくせに三食喰うのか・・・・」

「この世は体力がいるなりよ!お腹減ったら力だせないなり!」

「はいはい・・・冷蔵庫にから揚げ入っているぞ!俺のじゃないけど・・・」

「揚げたてがいいなり!」

「ゼータク言うと・・・・喰うな!」

「じゃあ!我慢するなり!」

三頭は仲良く冷蔵庫からから揚げを取出して食べている。

話を戻さねばなるまい。僕は九尾の狐の動きを封じたのだが、トンデモナイ約束をした。

九頭の子供・・・つまり、オオカミの血を引き継ぐ子供を約束したのだが、まだその約束を

果たせずにいる。“う”は行き場がないので、僕のそばに居ついてから、もう30年を超える。

ちょっと時空をさかのぼると、僕が引き取らないとトンデモナイ事が起きそうだったし、

“う”の願いでもあった。おかげで僕は窮地を脱出したこともあったし、僕にも解らない事も

乗り越えて来てしまったのは、きっと・・・“う”のおかげなんだろうか・・・・


僕と“う”と“な”の物語 -第一章 第三話 ー に続く。

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僕と“う”と“な”の物語 -第一章 第三話 ー  [僕と“う”と“な”の物語]

― 第三話 奇妙な・・・・ ―

僕の長所なのか?それとも短所なのか?良くわからないけど、

モットーは、来る者はどんなモノでも拒まないし、去る者もどんなものにしろ、

追わないことにしている。

まあ、追いかけても無駄なことと悟ったのは、つい最近のことであるけど・・・

元祖“無責任男”と自他共に認めるけど、僕の本質を見抜けるのは、僕の大切な人か

背後霊?のごとく、僕のそばをウロウロしている“う”とその友達?いや仲間である

“な”と最近くっついてきた“い”ぐらいと、数少ない仲間たちぐらいだろう。

特に“う”や仲間たちとの付き合いは、もう三十数年に遡る。

「なあ!“う”」

「なんなり?今、食べるのに忙しいなりよ!」

相変わらず、“う”は肉まんを食べるのが、冬の楽しみの様で、僕の机の前にあるソファーに

ちょこんと座り、起用に前足で肉まんを持って食べているのだ。

「そもそも・・・いや・・・お前なんで俺の所にいるんだっけ?」

「行くところがないなり!ま、偶にしか美味しいものは食べれないなりが・・・」

「大きなお世話だ!ノラのくせに・・・・」

「前は違うなりよ!ちゃんとお供えがあった頃もあったなりよ!」

「そうそう・・そうだったな」

“う”は封じ込められて祀られてた祠を壊され、行くところがなかったので、僕の所に

居候?しているわけだ。

それからず~っと僕のそばをウロウロしていたわけだが、僕はその存在も記憶も

長い間封印してきた。いや、違う“変人扱い”されたくなくて、無視してきたのか、

それとも忘れた振りをしてきたのだ。

「なあ!俺が危機を乗り越えてきたのは、お前のおかげかな?それとも・・・」

「なんなり?」

「いや・・・そもそも危機を迎えたのは、お前のせいかな?」

「ど・・・どっちでもいいなりよ!そんなこと・・・・」

「まあなあ~どっちでもいいか!でもな・・・・」

「なんなり?」

「あのな・・・ひとつ頼みがあるんだけどな?」

「お金と力はないなりよ!」

「あのな!そんなこと頼まないよ!」

「じゃあ!なんなり?」

「あのな!人前で俺を笑わせ様とするな!」

「なんでなり?気にするななり!」

「気にするっての!おとなしくしてろよ・・・そうじゃなきゃ・・・」

「や・・止めるなりよ!尻尾結ぶななり!」

「おや?懲りてきたかな?」

「こ・・懲りたなりよ!」

僕のディスクの上の一角に、“あらいぐまラスカル”のぬいぐるみが置いてある。

この間、UFOキャッチャーでわずか100円で家にやってきたのだ。

「しかし・・・こいつの顔お前らそっくりだぞ!」

「そんなマヌケの顔していないなり!」

「そうか?こうやると・・・・」

僕はぬいぐるみを取り上げると前かがみをさせ、前足をお腹に当ててみせた。

「それがなんなり?」

「いいか・・・こう言うんだよ!」

「???」

「あたち・・おなかが空いたなり!」

「なんなり・・・それ!」

「お前らがいつもおなかが空いたときにやるポーズ。顔がそっくりだぞ・・・あはは・・・」

「し・・失礼なりね・・・レディーなりよ!あたちたち・・・」

「そうか?だったら温泉で男湯には入ってくるなよ!」

「なんでなり?」

「お前ら・・・メスだろうが・・・・」

「人間のメスならいいなりか?」

「はあ?」

「混浴好きなり!」

「誰が?」

三頭は一斉に僕を前足で指さし?をした。

「そりゃあ・・・・」

「なんなり?」

「嫌いじゃない・・・けど・・・」

「じゃあ!良いなりね!」

「か・・・勝手にしろ!た・だ・し!」

「なんなり?」

「他人が入っている時は大人しく入っていろ!俺を笑わせ様とするな!いいな!」

昨年のことだ。某県にある○ケ湯にセミナーで行ったときも、確かに混浴だった。

男性専用時間なんざ存在しないし、小さい風呂より、大きい風呂が好きだから、

混浴だろうが、なんだろうが・・・まあ、女性専用時間以外は、僕は入浴したい時間に

入浴する。

その時のことを言っているに違いない。

「あのな・・それから・・・」

「まだあるなりか?」

「俺の上で寝るな!」

「なんでなり?暖かいなりよ!」

「俺が悪夢に魘される。それに予知夢なんざ・・・・」

「見たくないなりか?それで教えているなりよ!少しは感謝するなりよ!」

「はいはい・・・・」

「そうそう!神様からに宿題があるなりよ!」

「はい?しゅ・・宿題?」

「そうなり!」

「きっと・・・お前らを封印しろとかか?」

「違うなり!コレなりよ・・・・・」

僕はトンデモナイ量の宿題を負わされることになった。

僕と“う”と“な”の物語 -第一章 第四話 ー に続く・・・・


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僕と“う”と“な”の物語 -第一章 第四話 ー   [僕と“う”と“な”の物語]

-神様の宿題 -

「ほい!コレなりよ・・・・」

僕は神様が寄越したという宿題の量を見てウンザリした。

何しろ、到底こなせる様な代物・・・ついでに言えば、量でもない。

「こ・・・こんなに出来るわけねえじゃん!」

「でも・・・やるなりよ!」

「ちょ・・ちょっと待て!今、記憶の糸を引き摺ってみるから・・・」

前に一度・・いや、何度か出された事が、その“宿題”の中に混ざっている。

「なあ!ちょっと・・・聞いてもいいか?」

「なんなり?あたち忙しいなりよ!」

「肉まん喰っているだけだろうが・・・」

「食べるのに忙しいなり!」

「あっそ・・・じゃなくて、増えてねえか?これ・・・」

「そりゃあ~増えるなりよ!」

「なんで?」

「先送りにした罰なりよ!」

「げっ!そういや・・昔!宿題忘れて・・・いや、やらなかったら倍にされたっけ・・・」

「そうなり!だから・・・やらなきゃ増えるなりよ!」

そう言い放つと“う”は、合図を送り、僕は居候を含め、3匹いや3頭にグルグルと

“見えない鎖”を僕の身体に巻きつけてゆく。

「お・・おいっ!ちょ・・・ちょっと・・待てっ!この薄情もの・・・」

「いいのかなり?記録するなりよ?」

「はい?なんだ・・・その手帳みたいなの・・・」

「コレなりか?お前の記録帳なりよ!」

「き・・記録?」

「閻魔帳なりね!」

「閻魔帳・・・どこかで・・・あっ!学生の頃。センコーの持ってた!」

「あれより数倍効き目あるなりよ!いや・・もっとなりか・・・」

「はあ?なんだそれ?」

「コレはなりね!神様への報告書なりよ・・・ええとぉ~悪口をほざいたと・・・」

“う”はペンをどこからか取出し、記入を始めた。

「ちょ・・ちょっと待て!くそ・・いや・・お狐様!」

「なんなり?待てじゃなくて待ってくださいなりよ!」

「そう・・・それ!待ってください。」(コレでいいんだろうが!クソ狐!)

「今回は勘弁するなりよ!」

「そ・・そうしていただけると・・・・」(覚えてろ!クソ狐!)

「じゃあ!ちゃんとやるなりよ!」

「あ・・あの・・・し・・質問がありますが!」

「なんなり?」

「どこからやれば・・・ガイドブックかスタートアップ教本みたいなものは・・・」

「あるなりよ!ハイ!コレ・・・」

“う”は僕に1冊の百科事典みたいな厚みのある本を差し出した。

いや、差し出したは適切な表現ではない。何しろ、僕の頭の中でしか読むことができない。

「ええとぉ~まずは・・・敬天愛人?なんだ・・これ?」

「それはなりね!“天を敬い人を愛する”と読むなりよ!」

「はいはい・・・・」(くそ・・・狐!)

「はいは一回でいいなり!分かったなりか?」

「はい。」(お・・・覚えてろっ!クソ狐・・・)

「天を敬い?ええと・・・これはやっているよな・・・最近、いやここ数年はちゃんと・・・」

僕はちゃんと・・・かどうかは別として、参拝しているし、僕は自分のためには祈らない。

毎日、神棚に向い、ちゃんとかどうかは疑わしいけど、自宅にいる限りは参拝している。

「なあ!敬天はOKだよな?」

「ぎりぎりなりね!問題は・・・・」

「そう。問題はその次だよなあ~愛人。sつまり、人を愛するか・・・」

「そこは出来てないなりね!」

「余計なお世話っ!俺・・・好き嫌い激しいからな・・・・」

「つまり、調和が取れないなりね!」

「はいはい・・なんとでも言ってくださいませ。」(大きなお世話だっ~の!クソ狐)

「大体なりね!辛抱が・・・・」

「足らないって言うんだろ?散々言われてここまで来たわ!」

「出る杭は打たれるなりが・・・・」

「いいか!出過ぎた杭は打たれることはない!」

「これからは・・・・」

「はいはい・・・あっ!そうだ!」

「話を逸らすのも悪い癖なりよ!」

「あのな・・・これ、この言葉。いただきぃ~」

「何にするなり?」

「会社の経営方針!」

「具体的にはどうするなりか?」

「お前らだって好き嫌いあるだろ?だから、俺も改めない!」

「変な理屈なりね!」

「だ・か・ら・・・支援を必要とする人に、会社の利益から支援をする。」

「まあ・・・及第点なり。」

神様の宿題で、ひとつ悩みが解決したのだから、宿題も悪くないものだ。

何しろ、会社の経営方針という骨格を授かることができた。

「さてと・・・次かぁ~厄介だな…」

僕はぶつぶつと言いながら、神様からの宿題を片づけ始めることにした。


僕と“う”と“な”の物語 -第一章 第五話 ー に続く
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僕と“う”と“な”の物語 -番外編 雀の恩返しはあるのかな?ー [僕と“う”と“な”の物語]

-番外編 雀の恩返しはあるのかな?ー

「み・・・見るなりよ!」

「何を?」

僕は“う”が指?指した方をみた。僕の執務室というべきか、書斎でもあるし、会社法人登記を

済ませている立派かどうかは、この際置いておいて、事務所に使っている部屋は、

南向きのベランダを有するところで、ここに引っ越してきたのは、“う”の縄張りでもあるし、

使い勝手もいいからだけど、何よりも家賃は廉価なのだ。

しかも、地盤はしっかりしているらしく、付近には多くの企業のデーターセンターらしきものが

存在しているので、地震には強いのかもしれない。

そのベランダには、鳥よけのネットが張ってある。本来なら、入居時に撤去するところだが、

すっかり居候を決めている3匹いや3頭の“悪さ”を警戒してそのままにしたどころか、

3か所もあるすべてのベランダのうち、設置してあったところで不備だったところは、

補修をして、なかった所には、わざわざ。そう、わざわざネットなるものを購入してきて、

ベランダをすっぽりと覆ってしまっていたのだが、よく見ると“う”以外の居候2頭が、

何やら追い掛け回している。

「あん?何だあれ・・・・」

「雀なりよ!美味しいなりか?」

「知らん!雀なんか喰ったことはない。」

「それより・・・放っておいて良いなりか?」

「ヤバイよなぁ~お前等が、いたずらできない様にしてあったのに・・・・」

「どこから入ったなりか?」

「し・・知るか!でも、救出しないと・・・お前はそこから動くなよ!」

「あたちも追いかけるなりよ!」

「いいから!おとなしくしてろ・・・さもなきゃ・・・」

「や・・やめるなり!大人しくしているなりよ!」

僕はベランダにでると、2匹・・いや2頭の動きを封じ、雀の救出を始めた。

でも、雀は人間の姿をしている僕を見ると、また興奮してベランダ中を羽ばたき、横を

すり抜けてゆく。

「困ったなぁ~このままにしておくと・・・あっそうだ!」

僕は神棚にお供えしておいたお米を数粒神様に分けていただき、それを逃げれる様に

ネットの下部を持ち上げた所に置いて様子を見ることにした。

「どうなったなりか?」

「どうもこうも・・・」

窓越しに雀の様子を覗う3頭と一緒に僕は雀を見つめてた。

お米をついばみやがて、雀はネットの下から自由な空へ羽ばたいていった。

「よ・・良かったなりね!」

「そうだな・・・ところでどこから入ったんだろう?あっ!」

どうやら壁とネットの隙間から入ったみたいだった。ある程度の大きさの鳩やカラスは、

侵入してこれない様になっているのだが、雀くらいなら侵入してこれるみたいなのだ。

「どうするなり?」

「何をだ?」

「直すなりか?」

「そうだな・・・いや、止めておくか」

「なんでなり?」

「雀が恩返しに来るかもしれないだろ?」

僕はネットをそのままにしておくことに決めた。メンドーなのもある。でも、

もしかしたら?と思いたくもなる。

「また・・・遊びに来いよ!恩返しはいいから・・・・でもあると嬉しいけどな・・・」

僕は雀が飛んで行ったあの自由な空に向かってぽつりとつぶやいた。

-番外編 雀の恩返しはあるのかな?終ー
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僕と“う”と“な”の物語 -第一章 第五話 ー   [僕と“う”と“な”の物語]

-神様の宿題 2-

「う~ん・・・・・」

僕は頭を抱え込んでいた。別に頭が痛いわけでも体調が悪いわけでもなく、強いて言えば、

正確が悪いのと頭が悪いのと、顔が悪いぐらい。血圧だけを取り上げれば、

「健康優良中年」と医者が言うくらいだから、多分、その点は信じてもよさそうだ。

まあ、偶に“血液検査”するからと言われても、生活態度を改めることは一切しないで、

逆に暴食に走ることもあり、検査に引っ掛かり・・・・高い高脂血症の薬を処方される羽目に

陥ることもあるぐらいだ。

「どうしたなり?」

「いつ・・・終わるのかなぁ~この・・・宿題の山」

「終わるときは、終えるときなりよ!」

「はい?」(何を言いたいんだ?クソ狐)

「終わるときは終えるときなりよ!わかるなりか?」

「解らん・・・・」(だ・か・ら・・・何を言いたいんだ!クソ狐)

「その宿題の山を片づけたとき・・・」

「それで?」

「お前は俗世から解放され・・・・」

「続きは?」

「その時に解るなりよ!その時に・・・・」

「俗世ねえ~まあ、俺の場合はさしずめ・・・・賊世かな?」

「結構・・・・お世話になったなりしね。マッポ・・・だったなりか?」

「まっぽ?ああ・・・警察かぁ~そういえば、よく鬼ごっこしてたな・・・」

「どじって捕まることもあったなりね。」

「余計な事思い出させんじゃねえよ!」

僕は相当のワルだった。いや、不良とのレッテルを貼られていたこともある。

ただ、一言だけ弁明させてもらうなら、誰も好き好んで“ワル”の道へ進むわけではない。

僕はある一時期いや、生まれてから、“ヒト”として扱われたことはなかった。

特に僕は望まれてこの世に生を受けたわけではないと思う。

本当の両親と言えばいいのか?そもなければ、唯の遺伝子上の両親は、

酷い人たちだった。種だった人は、女癖が悪く。他の女性の所へ行っていたし、

僕をこの残酷いや、暗闇に閉ざされた世界に、産み落としすぐ、別の男性の元へ

走って行ったヒトではなく、鬼がいた。

僕は生まれる前から、すでに“モノ”とされ、生まれると同時に、僕は遺伝子上の父親の

上司だった義父と遺伝子上の生みの母の姉である義母夫婦に“モノ”として、贈呈されたのだ。

今、考えてみても僕はヒトではなかった。モノだった。

あれは、確か幼稚園の頃、僕は自転車に乗っていて、自動車にはねられた。

僕を無謀な運転ではねた運転手は、親父さんの地盤を引き継ぎ、今では某区の区議。

まあ、そんなことはどうでもいい話で、僕は半年もの間。ギブスを填められ、寝たきり生活を

余儀なくされていたある日のことだ。

僕は“見舞い”と称してやってきた遺伝子上でも本当の祖母にひどい言葉を投げかけたらしい。

まあ、そのおかげ?で、祖母からその発言をいいつけられた。義母に殴る蹴るの暴行を受けた。

慌てたお手伝いさんが、近所に住む僕のだいすきだった“近所のおばあちゃん”の捨身の守りや、

近所のおじさんたちの制止がなければ、僕はそれこそ生死の境を彷徨っていたに違いない。

そんな鬼が義父を裏切り、別の男の元に走ったのは、小学校4年生くらいだった。

僕がヒトではなく、モノだと思い知らされたのは、確かこのころだった。

義父の末妹に僕は出生の秘密を教えられ、僕はヒトではない。モノなのだと悟らされたわけだ。

僕は生まれたから、モノ”扱いだったのだ。だから、水は低きに流れる如く、その場に留まることなく、

ひたすら低き方へ流れて行った。確かに自分自身が悪いのかもしれないが、

その“引き金”を引いたのは、“大人たちの身勝手”だったのは、間違いない事実だ。

「でもな!鑑別所にも年少にも送られたことはねえぞ!お目玉はくらったけど・・・」

「家庭裁判所には送られたなりが・・・」

「大きなお世話っ!敵討ちしただけだし・・・」

「半殺しにしたなりが・・・」

「あのな!人聞き悪いこと言うな!相手がエモノ持ってたから・・・正当防衛!」

「政党?ってあの選挙・・・」

「そっちじゃなくて、正当。つまりだ自らに降りかかる災難を避けるための手段・・・」

「上手いこと言うなりねぇ~そう仕向けたのは知っているなりよ!」

「家庭裁判所かぁ~あの時は正直、良くて鑑別所。悪けりゃ年少か刑務所覚悟したけど・・」

「運がいいなり!まあ!あたちのお蔭だけど・・・・」

「だったら!捕まらない様に逃がせば良かっただろう?」

「全員は無理だったなりよ!全員ボロボロだったもの」

「違いないなぁ~何しろ、一人あたり5~10人。しかも相手は・・・・」

「オートバイに鉄パイプだったものなりね」

「よく覚えてやがるな!もう一個肉まん喰うか?」

「食べるなり・・・」

僕はその頃、死を恐れていなかった。いや、逆に望んでいた気がする。

自ら、死を“とある理由”により、選べなくなってしまった。だから、他人に委ねるしかないと、

考えていたところへ、運命の悪戯というべきか、数奇な宿命と言えばいいのか?

とある事件が起きた。そして、とある事件が起き、僕は敵討ちに立ち上がった。

本当は僕一人でやるつもりだったのだけど、仲間たちも巻き込んでしまったのだ。

僕や仲間たちは、その“ツケ”を払わされることになったのだが、それはどうでもいい話で、

その事件のために、自ら命を絶った一人の女の子と、一人で復讐に出かけ、その時の傷が

基になり、死んでしまった仲間の一人を僕は忘れることができそうもない。

「なあ!あの事件って防ぎ様が無かったのかな?」

「そうなりね・・・それは定められた運命としか言えないなりよ!」

「そうすると・・・あいつらは定められた運命で、刑務所に送られたわけか・・・」

「そうなるなりね。タマ潰されてムショ送りとは・・・」

「可哀そうか?」

「自業自得なりよ!」

「自業自得かぁ~あいつらはオカマになっちゃったけど・・・・あっ!」

「なんなり?」

「宿題の答えのヒントが解った気がする」

「ヒントなりか?」

「自業自得・・・つまり、自分で造り出してきたモノ・・・・つまり、負の遺産」

「そうなりよ!負の遺産を返さないといけないなり。」

「なるほどね・・・」

僕は腕組をして“負の遺産”を思い出しはじめていた。でも、思い出せば思い出すほど

頭は見えない力に締め付けられ強烈な頭痛に悩まされることになった。

「頭痛ぇ~」

「風邪なりか?」

「違うわ!」

「じゃあ・・・知恵熱?」

「そんなところかもしれないけど・・・・」

どうやら僕は途方もない宿題という負の遺産を片づけねばならないらしい。

「そもそも・・・あの時からだよな!今は慣れたけど・・・」

「なんなり?」

「ヒトではなくモノ扱いさ・・・」

「主はオオカミなりよ!それも誇り高き日本オオカミの血が流れる」

「まあな・・・」

僕は自分の生き方に後悔はしない。

モノにはモノの意地があるからだ。

僕と“う”と“な”の物語 -第一章 第六話 ーに続く。
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僕と“う”と“な”の物語 -第一章 第六話 ー   [僕と“う”と“な”の物語]

- “モノ”と言われた子 1-

「なあ~」

「なんなり?あたちも忙しいなりよ!」

「何がだ?また勝手に肉まん持ってきやがって喰っているだけだろうが?」

「人間界はパワーが必要なりよ!パワーを得るためになりね・・・」

「はいはい・・・好きなだけ喰えっ!」

「主!」

「なんだ?」

「もうちょっと主の子供の頃を教えるなりよ!主は母親に抱かれたことは・・・」

「ない!記憶の片隅にもない!」

「そうなりか?母乳で育ったのではないなりか・・・」

「記憶によればだが・・・母乳ではない。粉ミルクだったらしいが・・・」

「じゃあ・・・ウシが主の母親なりか?」

「そんなところだろ・・強いて言えば」

「強いて言えばなんなり?」

「粉ミルクを作ってくれたり、おしめを代えてくれたヒトだろ・・・多分」

「じゃあその引き取ったってヒト・・じゃなかった鬼ババなりか?」

「ちょっと違うなぁ~メンドーだからいいだろ?その話は・・・」

「ケチなこと言うななりよ!」

「記憶には朧げでしかないが・・・」

僕の記憶の片隅にあるのは、義父の妹夫婦に育てられていた。その確証はその叔母にも、

そして、その妹の子供達、姉弟から聞いたのだからほぼ間違いはないはずだ。

「Kは確かにウチに居たのよ?」

Kと言うのは僕の俗世の名前だ。僕の居ないところでは“アレ”とか言われていたし、

現にも僕の妻でさえ、岐阜が他人に紹介するときは、“アレのアレ”と言われるくらいだ。

「アンタはねえ~ウチの両親が育てたのよ!」

「なんでかな?クソ親父と母親だったヒトが居たはずだけど・・・」

「おじさんやその奥さんだったヒトを悪くは言いたくはないんだけど・・・」

「知っているさ・・俺は単なる“モノ”だったんだろ・・・」

「K・・・そこまで知っているの?」

「答えはYES!かな・・・ただ・・どういう風に育ったのか知りたい。」

「そうね・・・K!あなたにはその権利がある。」

“姉ちゃん!”と呼ばれるその人は静かにそして、言葉を選びながら僕に話を始めた。

「いい?何を聞いても・・・KはKなのよ?」

僕はただ解っていると頷いてみせた。僕は僕であるし、過ぎ去った過去は過去だ。

いくら悔やんでも、やり直そうとしても出来るものではない。

僕の前にはただ常に“二つの道”があり、間違った道を選び進むと、僕の命ではなく、

大切に思う人の命がこの俗世から消え去ってゆく・・・ただそれだけなのだ。

「本当に大丈夫ね?間違えても・・・」

「間違えても?」

「そう・・早まったことをしてはダメ!いいわね?あんたはあたしの弟みたいなものなのだから」

「解っている」

僕はウソをついた。解ってなんかいない。いや、解りたくもない。

僕は単なる“モノ”にしか過ぎない。モノは唯・・・そこに存在すればいいだけだ。

まあ、“モノ”でもそれなりの教育なるものを受けたので、出来損ないのロボットか?

はたまた、出来損ないのアンドロイドくらいにはなったのかもしれないけど・・・

「あたしや・・弟が聞いたことがあるの・・・・ウチのお母さんに・・・」

「何を?」

「何でって・・・K・・・あなたがウチに居るのかって・・・・だってそうでしょう?」

「まあねえ~そうかもしれないね・・・オバさんが産んでくれたわけじゃないしね・・・」

“姉ちゃん”の話は、僕の想定内だった。いや、想定内だけではない。

僕が何かやらかして、“一族会議”が開かれると、僕を必ずと言っていいほど擁護し、

時には親以上に僕を叱りつけた叔母ともう他界してしまった叔父が思い出される。

「いいかい!K!あたしは喧嘩はするなとは言わない。だけど・・・」

「だけど?」

「いいかい!お天道様に顔を背けなければいけない生き方はするんじゃない!」

「何で?」

「お前は男だろ!」

「だろうねえ~」

「茶化すんじゃない!いいかい!そんな生き方をしたら・・・・」

「したら?」

「あたしが眼の黒いうちは、あたしが許さないいいね!」

突然、僕の頭の中では走馬灯の様に記憶がフラッシュバックされはじめたのだ。

“姉ちゃん”たちには、「この子には、お父さんもお母さんもいないの!」と叔母は言ったらしい。

そのうえで、このことは“秘密”とまで言ったらしい。

まあ、僕は“モノ”だったけど、自分で飲み食いして育つわけでもなく、ましてや自分で、

用を足したり、風呂には入らない。言い換えれば、手間だけ係る“お荷物”な“モノ”だったのだ。

「だからか・・・」

「何が?だからって何んなの?K」

「いや・・・おじちゃんやおばちゃんがやけに俺の肩を持ってくれたわけだ。」

「そうなの?」

「うん。まあ、俺にしてみればコインロッカーに捨ててくれるかゴミ箱の方が楽だったけど・・・」

「な・・何て言うことを言うの?」

「だってそうでしょう?少なくとも“モノ”ではなかったはずだから・・・」

「あのね!」

「少なくとも、俺はそう思うよ!そこには確かに自由があったはずだから・・・・」

「Kっ!」

「考え込んで、悩みぬいて、苦しんで、嘆いたり、悲しんだりすることもなかった。」

「Kっ!」

「俺は“モノ”なんだから、そんな感情すら持っちゃいけなかったのかもしれないけど・・・」

僕は捨て台詞を吐き捨てると、涙をいっぱい溜めた“姉ちゃん”を尻目に歩き出した。

「俺は・・・“モノ”なんかじゃない。オオカミだ。オオカミなんだ。」と自分に言い聞かせる様に

その場からの歩みを早め、まるで風の様に走り始めたのだった。

「主・・・・」

「何だ?」

「苦しいなりか?」

「苦しい?」

「そうなり・・・もしそうなら・・・」

「心配するな!俺は苦しくもなんともない。感情すら持っちゃいけない“モノ”だから・・・・」

「主・・・・」

「冗談だ!俺は“モノ”として扱ってくれた礼をしなきゃならないだけさ・・・」

「御礼に行くなりか?」

「ちょっと違うけど・・まっ!そんなところだ。お礼はお礼でもちょっと違う」

「オンなりか?」

「オン?ああ・・・恩じゃねえけどな・・・・」

「それはいけないなりよ!神様にまた怒られるなり。」

「怒られる?」

「そうなり・・・・」

「まあ・・それでもいいんだよ。俺の行先は決まっている。」

「どこに行くなり?」

「そうだな・・くたばったら・・・いや、くたばることが出来たのなら・・・」

「なら?なりか・・・」

「ああ・・・地獄めぐりのガイドでもやるさ・・・それがお似合いだと思う。」

「でも・・・弱い者いじめは良くないなり。それを教えてくれたのは主なりよ!」

「そうだったか?」

「そうなり・・・・」

僕は目を外へ向けた。窓の外いや・・・ベランダから見下ろすとそこには満開の桜が咲いている。

「桜の様に潔く・・・・」

「なんなり?」

「いや・・・どうせ咲いてしまったのなら、桜の花の様に散りたいものだな・・・」

「なあ!主っ!」

「何だ?」

「もう一個肉まん食べていいなりか?」

「好きなだけ喰えっ!心置きなく・・・な・・・」

何も復讐することだけが、怨念を晴らすことではないと、僕は”う”を導いたのだった。

きっと”う”も僕にそう言いたかったに違いない。

そうだ。“モノ”でもいい。僕は“オノ”だけど、熱く走る血はオオカミの血だ。

僕は復讐ではなく、見返すことを成し遂げればいいのではないだろうか?

僕と“う”と“な”の物語 -第一章 第七話 ー に続く。




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僕と“う”と“な”の物語 -第一章 第七話 ー   [僕と“う”と“な”の物語]

- モノと言われた子 2-

「主・・・・」

「なんだ?大人しく肉まんでも喰ってろっ!確か冷凍庫に残っているから・・・」

「もう・・夏なりよ!暑いなり・・・」

「じゃあ!毛皮脱げば良いだけだろうが…バリカンで刈ってやるか?」

「大きなお世話なりよ!体温はコントロールできるなり・・・」

「そいつは便利だな・・・今、忙しいんだ。」

ふと、僕が書類から目を上げると、そこには“う”だけではなく、二番目にやってきた。

“な”と新参者の“い”の三頭が僕の方に、匍匐前進?しながら、にじり寄ってきていた。

「もうちょっと・・・教えるなりよ!」

「何を?」(また・・メンドーになりそうな気が・・・)

僕は、身構える事にした。三頭が揃うと碌な事にはならない。まあ、たまに役に立つとすれば、

その辺に佇んでいる地縛霊の集合体は、僕の手には少々厄介なのだが、三頭はそれを

いとも簡単に遠ざけてくれる事もある。事もあるのだが、「可哀そうなりよ!」とか言って

連れてきてしまう事もある。まあ、お祓いをして、あの世に旅立ってもらう様に説得をする。

まあ、説得を聞こうが、聞くまいが僕はあずかり知らないけど、この世に未練があるのは、

浮遊霊の道を選択するのだろうし、成仏しても天国にいけるとは限らない。

まあ、僕の行先は地獄なのhいいとしても、この三頭がまた、僕に何かやらせ様とするのは、

明白な事だ。

「主・・・主の子供の頃をもっと知るなりよ!」

「メンドーだし・・・思い出したくもない!」

「仕方ないなりね・・・・」

「・・・・・」(な・・なんだ?)

「ちょっくら・・失礼するなりね!」

そう“う”が呟くと僕の頭によじ登り始めた。

「く・・くそ狐っ!何をする気だ?」

「頭の中を覗くだけなりよ・・・痛くないなり!」

「痛くないなら・・・って、冗談じゃない!覗かれて溜まるかっ!」

「主とは長い付き合いなりよ!奥さんより長いなり!」

「そ・・それがどうしたクソ狐っ!頭から降りろ・・バカっ!」

「バカ?馬鹿じゃないなりよ!少なくとも主よりは・・・・じゃあ!ちょっくら失礼するなり!」

「失礼するなっ!ばか!」

「いいからケチな事言うななりよ・・・・」

「や・・やめろ・・バカっ!」

「押さえるなりよ!いいなりか・・・」

“う”は残りの居候・・・2頭に命令した。何しろ“う”は長い付き合いだから、お姉さん?格で、

その他にも2頭も居るのだ。三匹・・いや、三頭も九尾の狐が揃うと、物騒というより、

我が家は増々“物の怪の棲家”になっている。

そういえば、昔からそうだった。僕は普通ではなかったらしい。

らしいと言うのは、僕は見えて当たり前、聞こえて当たり前に思っているのだ。

こんな話を世間では、“頭のおかしい奴”と片づけてしまうらしい。大体、科学で証明されなければ、

その存在すら無視をするのが、ヒトと言う生き物らしい。僕に言わせれば科学で証明されるのは、

この世の中に存在する極々僅かなことで、大体0.0001%くらいしか解明されていないと

僕は思っている。

あれは、確か小学校2~3年生の頃だった。初めて“日記帳”なるモノを買ってもらった。

その日記帳は“星日記”と呼ばれるモノで、その当時僕の母親だったヒトが、買って寄越した。

その記念すべき第一日目の日記に僕が記したのは、“ニワトリが先か?卵が先か?これは

なぞだ!”と書いた。

僕は、ただ、疑問に思ったことを書いただけだったのだが、それがトンデモナイ騒動に発展し、

“二度と日記なんざ書かない!”と心に決めた。

何しろ、その文章が原因で酔っ払って帰ってきた。その当時の父親というヒトと母親というヒトは、

夫婦喧嘩を始めたのだ。

僕にしてはどっちでもいいことだったのだが、理科の授業で先生に習ったことを疑問に思い、

書いておいただけだったのだから、こんなちっぽけなことさえ科学は証明されていなかったのか、

それとも僕の“両親”と言い放っていたヒトたちは、理解すらできなかったにちがいない。

「こ・・こらっ!や・・やめろ!」

突然、僕の頭の中を古い映画の如く、僕の子供時代の映像が映りはじめた。

「主は・・・踊りを習っていたなりか?」

「わ・・悪いか!俺が好きで始めたんじゃない!強制されたんだ・・・・」

「そうなりか?へえ~言葉は便利なりね!」

日本舞踊を僕は強制的に習わされていた。何しろ、育ての母親という人が、日本舞踊の

お師匠さんと呼ばれる人で、僕はそのヒトから習ったのでなく、ソノヒトのお師匠さんに

強制的に習わされていたのだ。だから、育ての母親とは、日本舞踊の世界では、姉弟弟子に

なる。まあ、そのお稽古は半端なものではなかった。何しろ、お稽古に行くときは、着物を

無理やり着せられ、電車に乗ってゆかねばならなかった。それが精神的苦痛でもあったし、

お稽古の前には、着物を着換えねばならない。特に、発表会が近づけば近づくほど、僕は

憂鬱を通り越して、線路に身を投げ出したくなるほどだった。

お稽古では、教えられたとおりに踊れないと、まずはお師匠さんから扇子で散々ひっぱたかれ、

自宅に戻ったら戻ったで、さらに自宅にあった舞台で散々練習させられ、ついでに扇子なんぞ

ではなく、殴られたり、蹴られたりもしたことがある。

まあ、育ての母親に恥をかかせたというのが、主な理由だったのだろうが、気に食わなければ

僕は人間なく、ロボットいや・・モノ・・いや、モノですらなく、ただのゴミみたいな存在だったのだろう。

だけど、今考えると悪いことばかりではなかった。

子供だったおかげ?もあるだろう。余り、威張って言えることではないのだけど、時間帯によっては、

綺麗なお姉さんたちと、遭遇して、同じ部屋で着換えることになるわけで、生着がえをほぼ毎日の

様に眺めることになる。これは、育ての父親を始め、その父というヒトが経営する会社で働いている

職人さんたちからは、羨ましがられた。

また、上手く踊れれば、育ての母親というヒトの機嫌がよく、おもちゃを買ってもらったり、

お弟子さんのお姉さんたちも一緒にサウナに出没することになる。

サウナに出没しても、僕は男だから男湯ではなく、お子様の一人入浴は危険とのことで、

女湯に入る羽目?いや、今思えば、たいそうなご褒美だったのかもしれないが、僕にとっては、

その当時はどうでもいいことだった。何故なら、花嫁修業という名のもと、住み込みで働いている

お手伝いのお姉さんと毎日。いや、ほぼ毎日だ。運よく?いや、素直に書けば、運悪く育ての父親

が、自宅に居る場合は、一緒に入っていたので、それでも、年間350日以上は、一緒に入浴をして、

身体中を洗ってもらっていたのだから、その一緒に入る若いお姉さんが増えただけだ。

まあ、おかげ?で、僕はその成長過程において、大事な時期にトンデモナイ光景を毎日眺めていたし、

身体を洗ってもらうクセは、大人になってもしばらく抜けてくれず?困ったわけだ。

「あんまり悪い子供時代じゃなかったなりよ・・・・」

「そうかぁ~この他にも大変だったんだぞ!」

「何がなり?」

「ええとぉ~習い事だけで言えば、習字だろ・・・・」

「字は汚いなりが・・・」

「ほっとけ!」

「あとは何を習っていたなり?」

「あとは・・ピアノに柔道に剣道。それからええとぉ~」

「お坊ちゃんなりね・・・役立ったのはピアノだけなりか・・・・」

「悪かったな!どうせダンスは出来ないし・・まあ、やりたくないのもあるけど・・・」

「柔道と剣道は役立ったなりか?その割には、礼儀は重んじないなりが・・・」

「ほっとけ!柔道は喧嘩の時に相手を投げ飛ばすことぐらいだし・・・」

「剣道は鉄パイプを振るうときに役に立っているなりよ!」

「人聞きの悪いことを言うんじゃない!正当防衛だろ?」

「あれは・・・過剰正当防衛・・・いや、わざとなり!」

「解ったのか?」

「何年付き合っていると思うなりよ!それより・・・ピアノは役だったなりね!」

「まあ・・・あの・・・時はな・・・」

そう、確かに一時。僕の人生で言えば、ほんのひととき。それでも、それなりに稼げた。

鉄パイプの一件は、僕がもう生きているのが少々メンドーになったので、盛り場で

チンピラを相手に大立ち回りをした時か、高校生の時に巻き込まれたフリをして、

仲間をやられた仕返しに、暴走族を相手にした時のことを言っているのだろう。

まあ、いずれかであるが、いずれにしろ立派な正当防衛だと思っていたが、チンピラ相手の

時は、正当防衛だったけど、もう一つの方はやり過ぎで、過剰正当防衛とされ、僕と仲間たちは

児童相談所ではなく、家庭裁判所まで送られた。

まあ、それなりの人数の大事な部分をそれなりの方法で、ぶっ潰した事も事実な訳だから、

僕たちは“鑑別所”は仕方ないと思っていたのだが、保護観察処分を受けたのも否定はしない。

一部の仲間は、鑑別所に送られたので、僕たちは、毎月1回出頭しなければいけない保護司を

完全に無視して、最初と最後だけ行った。

まあ、これは僕たちが出来る。大人達への抗議でもあった。

何しろ、片親、それも母子家庭の仲間だけが、鑑別所に送られたわけだから、納得がいかなかった。

「ピアノっ?」

「そうなりよ!主はピアノが弾けたなり」

「昔の話だ。そんなもん・・・・」

「そういえば・・・主?」

「何だ?」(また・・・悪い予感というより、記憶の封印を剥がされそうな気がする・・・・)

「前の話は何故続きを書かないなりか・・・」

「前の?」

「主が神主だったころの・・・」

「ああ・・・・あれ。書きたくないから・・・」

「何故なり?」

「お笑いだったはずなんだけどな・・・ちょっと・・・」

「ああ!アレなりね。」

「ったく・・・・そうだよ!お笑いがお涙頂戴になっちまうか、大笑いされるわ。」

「それだけなりか?」

「いや・・な・・・まあ・・色々あるわけだ。色々・・・・」

「いろいろってなんなり?」

「あのな!エロ坊主覚えてんだろ?あいつとか・・」

「とか・・・なりか?」

「そう!ついでに言わせてもらえば、変態小児科とか趣味で産婦人科医やっている・・・」

「ああ!あの・・・よく医者になれたなりね。」

「人生は解らないことだらけだ。まあ、あいつらもバレそうなんで・・・」

「友達思いなりね。」

「違う。まあ・・・あいつらの奥方からもあまり暴露するなとか・・・」

「お願いなりか?」

「そんなもんだ・・・お願いって態度じゃねえけどな・・・今、忙しいんだから・・・」

「暇そうに見えるなりが・・・・」

「はあ?一応・・・社長業だぞ?これでも忙しいの!」

「脱税なりね。」

「そうじゃなくて節税。それに今度物件買うんだよ」

「へっ?どこにお金あるなりか・・・」

「お前等がどこからか持ってきてくれればありがたいけど・・借りるの!」

「誰からなり?青○とか白○とか・・・脅したなりか?」

「じゃなくて、銀行から融資を受けるの!それに・・・」

「なんなり?」

「お前等がドテ~ンと座っているそこは、来客用ソファーなんだから・・・」

「気にするなり!」

「客が来たら大人しくしてろよ!この前みたいに・・・」

「この前・・・なりか?」

「そう!この前みたいに来客中に悪さをするな!いいな!」

三匹・・・いや・・三頭はコクンと頷いた。

「それで何が知りたいんだ?教えてやるよ!この際だからな・・・・」

僕は覚悟を決めた。まあ、モノ扱いは当たり前で、アレ!ソレ!コレ!と呼び名は変われど、

モノ扱いで育ったのだ。この際、脳みそ野中を覗かれ、引っ掻き回されるくらいなら、

教えてやって、大人しくさせておいたほうが利口かも知れない。

何しろ、追い払っても無駄な気がする。

まあ、“う”に関して言えば、帰る場所がないと言っていたので、仕方がなく引き取ったのも

遠い昔の自分であるわけだし、残りの“な”と新参者の“い”もどうやら帰る気はないらしい。

「まあ、枯れ木の山も賑わいというからな!まあ、招き猫くらいの効果はあるかもな・・・」

僕はぽつんと呟くと、不動産業者から送られてくる資料を投げ出した。

僕と“う”と“な”の物語 -第一章 第八話 ー へいずれ続く・・・・多分。



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僕と“う”と“な”の物語 -第一章 第八話 ー [僕と“う”と“な”の物語]

僕と“う”と“な”の物語 -第一章 第八話 ー 「親子って・・・・・」

今日も、三ポコ。いや、三頭が仲良くソファーに座り、肉まんを食べているのを、

僕は茫然として見ていた。

「主っ!元気がないなりね?」 “姉さん格”の“う”が僕に尋ねた。

まあ、本人たちの言い分では、性別はメスなのだから、仮に化けキツネとしても、

レディーとして扱わねばならない。“う”と知り合ったというより、憑りつかれたのか?

それとも、僕が呼んだのか定かではないが、僕の周りを“う”が、チョロチョロとしだして、

もう30年以上の時が流れている。

“昨日の敵は今日の友”とは、よく言ったものだ。

今では、すっかりと居候を決め込み、昔の怨霊の姿はない。いや、彼女等?も進んで、

怨霊の道を選んだわけではない。

全ては、この星つまり、地球上に存在すると言われている。“三毒”なるものの、

犠牲になったのだ。

だから、僕は敢えて”退治”するわけでもなく、邪魔者扱いもしないし、追い払おうとも思っていない。

まあ、一言だけ付け加えるとすれば、僕が現世とオサラバするときに、一緒に昇天するか?

せめて、三途の川くらいまでは送ってほしいものだ。

「そうかな?」

「そうなりよ!」

確かに僕は元気がないのかもしれない。唯一の救いを簡単に述べよ!と言われれば、

父であった人が急逝してしまったからだろう。

生前、最後の面会に呼ばれたときには、既に一言も喋れなくなっていた。

僕の顔を一度だけ大きくその眼を見開き、大粒の涙を一粒だけ流し、静かにまた目を閉じた。

「どうせ!またフェニックスのごとく、蘇る!以前の様に・・・・」

僕は僕にそう言い聞かせていたのだし、そう信じたかったのだろう。

何しろ、僕はその父であった人をある意味では尊敬をし、その大部分においては、憎しみ、

そして、必ず見返してやる!と心に決めて生きてきたのだ。

まるで、枝を折る様な音がして、僕はその時を迎えたのだ。

「なあ!」

「なんなり?」

「人生ってなんなんだろう?あの人は幸せだったのだろうか?」

「そうなりねえ~」

しばらく、彼女等は頭を捻り、ゴチョゴチョと相談をして、僕にこう告げた。

「ある意味とっても幸せだったなり。またある意味ではとっても不幸せだったなり。」

「そう・・・かもな!不幸せの大半は俺の親不孝だよな・・やっぱり・・・」

「違うなりよ!」

「へっ?」

「主はちゃんと反省したなりよ!謝ったなりよ!」

「そうかな?」

「そうなり!そうじゃなきゃ・・・何で家をかったり花を買ったりしているなりよ!」

「家?ああ・・・仏壇かあ~」

僕の住まいはには、仏間はない。仏間がないので、こじつけてしまえ!とばかりに、

「親父・・テレビがすきだったよな・・・」とほざき、仏壇を安置する位置を決め、その寸法を測り、

近くに仏壇仏具の専門店がないことをいいことに、ネットショッピングを利用し、

「こんなのは嫌だなぁ~」と更にほざいきながら、ああでもないこうでもないと言いながら、

家具調モダン仏壇を選び、位牌も「こんなのは嫌だぁ~」とほざきながら、クリスタル調のものと、

何故か我ながら理解に苦しむが、携帯できるものまで、誂え、仏具に至っても、

「親父・・辛気臭いのは嫌だったよな・・・」とクリスタル製のものを取り揃えたのだ。

飾ってある花ですら、仏花を選ばず明るい花のブーケを買い、仏壇の中には、ガラスの棚なので、

そこに一面にクローバーと黄色い名前すら知らない花の造花を敷き詰めてみたりした。

供物台には、メストド1号が送るに送れなかった黄色いバラの籠が置かれ、供物も果物や

お菓子の他に、「親父・・酒が好きだったよな!」とウイスキーの小瓶を2本供え、毎日の様に

お茶と水そして、日本酒を飯盛の代わりに備え、お茶の香りの線香を炊いている。

勿論、仏壇の開眼も父の導師を務めてくださった導師様にお願いして、仏壇の開眼法要と

仏様や位牌(二つ・・・)の入魂法要まで、執り行ってもらっている。

更に言えば、お供えにお金を惜しむこともない。

「まあ、影(影祀り)でしかできないけどな!そういや・・・お前らもお参りしてくれているなぁ~」

「気づいていたなりか?ブツブツ言っているから、気づいていないと思っていたなりが・・・」

「あれだけちょこちょことやってたら気づくって!」

何しろ、仏壇に供える日本酒を例にとってみると、いくらアルコール分が飛んだと考えても、

減り具合が早すぎる様な気がしていた。

「ま・さ・か・・・とは思うけど、親父舐めに出てきたな!」

線香の件でもそうだ。物理上でも科学上でも何でもいいが、灰が不思議な所に落ちていることが、

一度や二度ではない。その都度掃除しているにも関わらず、また・・・すぐに掃除する羽目になる。

「ったく・・・お前ら!おとなしくナムナムできないのか?」

「しているなりよ!でも・・・」

「でも?」

「主や主の父の悔しさを思うと・・つい!」

「つい?」

「あたし等も血が騒ぐなりよ・・・もう止めても遅いなりよ!」

「別に止める気はねえけど・・・ま・さ・か・・・」

「そうなり!」

「あちゃぁ~」

僕は確信した。確かに一度。僕の邪魔をトコトンした人がいたが、突然急逝した。

聞いた話によれば、「具合が悪いので病院へ行く!」と言って、そのまま入院。

3日後には亡くなったのだった。

「あれも・・お前だったか・・」

「なんなり?」

「まあ・・いいか!」

「元気だすなりよ!敵討・・・」

「ああ!親父は死んだんじゃない。殺されたも当然だからな!」

「あたし等も力貸すなり!」

「おいおい・・・あくまでも、合法的に処理するんだから・・・」

「あたし等には、法律は関係ないなりよ・・・」

僕は話をそらすことにした。そうしなければ、僕が合法的な敵討をする前に、永久の旅路に

旅立たされてしまったら、やり場のない怒りだけが残るからだ。

「まあ・・最近、お前らがどんな思いで怨霊になったか・・・わ・・判る気がする。」

「そうなり・・それが、親子なりよ!」

僕は“う”をまじまじと見つめた。まるで、そこには、親子の情を説く、仏様がいるかの様だった。

僕と“う”と“な”の物語 -第一章 第九話 ーに多分続く。
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