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「トラブルコンダクター ものがたり」 ① [暴露ばなし]

~ まえがき ~
私は「親の縁」が薄い星に生まれて来てしまったらしい。
私には都合「三人の父親」と「四人の母親」らしきものが存在する。
その事実を知るまでは、ご近所からは「天使の様な子供」と言われていたほど、
「純粋で無垢」な幼少時代であった。確かに、「アルバム」の古びた写真を見ると、生まれてすぐの頃の写真は一枚もない。そこに「存在」するのは、2歳くらいからの写真しかないのだ。海辺のパラソルの下で「ビールのジョッキ」を抱えて、泡を舐めている写真や、大雪の降ったあとに雪を舐めている子供。大好きな社員のお兄さんに抱かれ、水割りのグラスを舐めている姿、幼稚園の頃「モグラの電車」を演じている姿や、日本舞踊で「藤娘」を演じている姿など多くの写真がセピア色に変わっているのだが、その頃の姿からは、「悪魔の片鱗」なんぞ見つけ出すことはできない。
私には「3人の父親」がいると書いた。その3人とは、「血の繫がりだけの父」、「養父」そして、「義理の父」である。
この3人の父のうち、一番大好きな「父」は「義理の父」といっても過言ではない。
冬になると「お揃いのただ色が違うセーター」なんぞ着ている仲であるし、私のくだらない「質問」にも熱心に答えてくれる「父」である。
次に「養父」。この父は厳格な性格の持ち主で仕事の鬼である。確かに仕事の上においては、100点満点かもしれないが、子供に対する愛情表現が不得意の人。
確かにこの「父」に育てられた「お・か・げ」で、餓えることなく、人並み以上の生活(表面上だけだが・・・)を送らせてもらった。しかし、子供にとって必要なのは、衣食住よりも「親の愛情」である。自分の引いたレールを走らせなければ気の済まない人。
「血の繫がりだけの父」は、2、3度程、顔を見た程度。話しかけられても「無視」をしていたし、「殴りたい」衝動を抑えるのに精一杯である。私は人を呪うことは好きではないが、この人物は「地獄に落ちろ!」と言いたい」ほどである。
次に「母」について少し書かねばならないだろう。
私には「贅沢?」にも4人の母が存在する。
1人目は「生みの母」。私を身ごもっている最中に、「父」の不貞により離婚。
「女手1人で子供を育てるのは大変」とのことで、私を実の姉夫婦に引き渡した張本人。何度「殺してくれたほうが楽だった」とか、「コインロッカーにでも捨ててくれれば」と幼心に思ったほど。今考えれば、本人を前にしては言いたくもないが、「生んでくれてありがとう」と言いたい気もする。まあ、この「母」も辛かったろう。我が子である私に、「おばさん」と呼ばれていたわけだし、その後、「再婚」して子供を二人生んだのだが、その子らの成長につい「私」の姿を見てしまったと後日聞いたことがある。
その時、私は「本当の家族」を持った頃で、「祝福の電話」をいただいたのだが、我が子に「私のことは気になさらず、お身体を大事に長生きしてください」と言われた時は
どんなに辛かったのだろうか?「恨みつらみ」をぶつけられると思って掛けてきたらいいのだが、私は話しをする気にもなれなかったのである。
2人目は「養母」である。この人は日本舞踊の師範で、今で言う「教育ママ」の走り。
歩き出すとすぐに日本舞踊を始めさせられた私。多分この「母」と縁が切れていなければ、「たらしの師範」になっていたと妻の一言。この「母」との生活は9年ほどだった。まあこの人の「見得」でピアノ・習字・柔道・剣道・・・と通わされ、挙句の果てには私立の小学校(その当時は女子校の付属小学校)に通わされていた。
入学試験の前だから、幼稚園の頃には、「なまえを漢字で書けなければ、小学校にいけないのよ」とか、「たし算・引き算が出来なければ・・・」など脅かされたり、宥められたり、叩かれたりしながら勉強させられた。入学試験の際も「ママとお出かけしましょう。帰りにおもちゃ買ってあげる」と騙され、入学試験を受けさせられたほどだ。
まあ、この人の「お・か・げ」で、剣道は初段。柔道も「受身」くらいは、できる様になった。
3人目は「養父の再婚相手」である。この人を母とは呼びたくもないし、呼ばない。
高校生の頃に「家政婦」として家に来たのだが、食事は「外食」洗濯は「コインランドリー」を義務付けられていた私には「関係ない」人である。但し、この人がやるのはただ一つ。「掃除」と位置づけた「アラ探し」である。下町育ち故だろうか?ちょっと近所を女の子と歩いていようものなら、ご近所からの「ご注進」でバレるし、耳鼻科の看護婦とデートしようものなら、大変であった。まあ「スパイ」と私は呼んでいたし、私の友人は「ブルドック」と呼んでいたのも解る気がする。
4人目は「義理の母」である。この人を呼ぶときは「お母さん!」である。妻との会話の際は、「お母さん」か「トミちゃん」。結構、気難しい人らしいが、自然体で接すればいいので気が楽である。妻などは「もう少し大事にしてあげなさい」と私に気を掛けてくれている。義理の父とのお揃いもこの人のコーディネートによるものである。

このように超複雑な環境に育ち、現在に至っているわけで本編に突入する。
あえてここに記しておくのだが、この「ものがたり」は、99.99%の真実と0.01%の脚色により構成されているのである。


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「トラブルコンダクターものがたり」② 天使と悪魔の顔 [暴露ばなし]

~ 第一章 天使が悪魔に魅入られるとき ~

幼稚園から小学校低学年の頃は「多忙極めるスケジュール」を消化していた。
また、死にかけたことも2度ほどあるし、身体の弱い子だったのだろう。
「日本舞踊」を踊ることは、私に課せられた「義務」であった。
会社社長の「父」と日本舞踊師範の「母」に育てられた私なのだが、この頃の「父」の記憶はほとんどない。ただいつも父の布団の中で寝ていたことぐらいだろうか?
日本舞踊の世界では、「母」は姉弟子になる。師範は自分の子供を、「お師匠さん」に預けるのが慣わしだったらしい。週に1度のお師匠さんのお稽古と、週に3度の姉弟子のお稽古を延々と繰り返される日々。その他週に2度のピアノの稽古や習字。
そして、柔道や剣道・・・私は「母」の操り人形だったに違いない。
普段着も洋服より、和服の着用が多かった。この和服も「呉服屋」にてのお誂えであった。日本舞踊で言えば「筋がよかった」らしく、「藤娘」はことのほか好評であり、母の姉妹弟子の発表会にも、「ゲスト出演」をするほどだった。(今ではその片鱗もないのだが・・)
今思えば残念な気もしないわけでもない。あの頃は「親睦旅行」と言えば女性用の大浴場に入り、父の会社の飲み会と言えばきれいなホステスさんの膝の上が私の定位置だった。もし、戻れることができるなら「あの頃」に戻りたいと思うのは、根っからの助平オヤジだからだろうか・・・・。
因みに毎日の入浴もお手伝い(行儀見習い)の若いお姉さんと一緒だったことも付け加えねばならないだろう。
私の幼少の頃の「貧富の差」は今より凄かった。今では自分の生活を「下流」と認識する人は少ないだろうが、あの頃はそれなりに多かった。
幸い「衣食住」には事欠かなかったし、どちらかと言えば「上流家庭」だったので、おやつは頂き物のお菓子が山積み状態だった。
そのお菓子を近所の子供達と一緒に食べたり、おもちゃを貸してあげたり・・・
また、ご近所の人に会うと必ず挨拶のする「天使」だったはずの、私が悪魔に魅入られたのは、小学校4年生の春のことだった。
母が出かけていったきり、家に戻ることがなくなったのである。
それまで、「碌に口を利いたことのない父」との父子家庭のはじまりでもある。
まあ普通なら「お父さんがいるんだからいいじゃないか」とか、「何甘ったれているんだ」とかお叱りを頂くわけだが、私には特殊の事情が存在したのである。
「父」には大勢の兄や姉妹がいる。その叔父うあ叔母には「わけ隔てなく」可愛がられていたのだが、一人だけ例外が存在した。それは父の末妹であり、「何かにつれ」私は怒られていたし、嫌われていた。この叔母の子供とケンカをした際も、私だけ怒られ、「この貰われッ子が!」と言われたのが、「悪魔との契約」を結んだ瞬間かもしれない。他の叔父や叔母はそんなことの発覚後も、私を可愛がってくれたしほっとけば良かっただけかもしれないが、「全ての真実」を知ったというより、無理やり知らされた私は、事態の大きさを理解するにはその「小さな心」は、耐え切れずに「ズタズタに切り裂かれた」のである。

-「死んだら、楽になれるのかな?」と考えたこと-
その頃から私は「ただ死ぬ事」を考える陰鬱な子供になっていたのだろう。
外面では「いい子にしなければ・・・」と考え、いい子を装っていたのだが、その内面はすっかり悪魔によりその心を奪われていた。
「ココから飛んだら、死んじゃうかな?」と思った瞬間、落ちてゆく私。その姿を上空から見ている私の記憶がある。
だが、その瞬間金色の光が私を包み込み、ほとんどケガなく着地。
「養母」が、「眠れない」と言って飲んでいた薬。睡眠薬の瓶を隠し持っていたときもあったが、その薬を飲むことなく・・と言うよりいつの間にか没収されていたし、川に入水を図った際も散歩中の人に救い出された。
きっと神様が「まだこっちに来るのは早い」とでも言っているかのようだった。
でも、「救いの手」は私の心のわだかまりを取り除いてはくれない。
「完全に悪魔に支配された心」は、人との交流や友情さえも拒絶反応するようにしたのである。それは、クラスメートの母親がその子に言った言葉。
「片親の子と遊んじゃいけない」だった。
私はそれ以来、「人を傷つけること」を平気に思うようになったし、「人の不幸が喜び」に感じるようになった。そう自分でも言うのが何だが、「嫌なやつ」に成り下がっていったのである。

-「嫌な奴」の処世術-
すっかり「現世の悪魔」の見習いになった。
「死ぬ事」よりも「人を傷つけること」に生きがいを見出したのである。
「表面上は普通の・・どこにでもいる子供」を演じる。だが、裏に廻れば「大人も想像のつかないワル」になっていたわけだ。
最もその「口車」に乗った奴が未熟なだけだったのだが・・・・
そんな未熟な奴の「考え」を支配するのは「悪魔の申し子」には簡単なこと。ただ、「煽る」ことさえすればいいだけのことだ。その結果「争い」が生まれ、人々が傷ついてゆく。そんな毎日を送ればいいだけのこと。私の「心」を覗けるのは「神様」ぐらいだったろうが、「単純・明解」な教師連は「不憫」が先にあったのか?そんな「心」を見抜けるはずもない。
あのまま・・・・そう、あのまま続けば・・・・・今の私は存在すらしていなかったろう。


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トラブルコンダクター ものがたり」③宿命 [暴露ばなし]

第2章 宿命



「悪魔」との契約をして数年が経過したときのこと。
かろうじて「入学」した都内の私立高校。クラスメートに「Y」という「変わった奴」がいた。今でも付き合いがあるので、かれこれ20数年。人生の半分以上の付き合い。
奴とは「友人」と言うより、「腐れ縁」と言ったほうが正しいだろうし、このYも「お前なんか友達でも親友でもないよ。腐れ縁・腐れ縁。」と言う。
すっかり荒んだ私だったのだが、この「Y」のおかげで「人間」に生まれ変われたのも事実かもしれない。決して強いわけでもない「ケンカ」に明け暮れ、奴の目には「死に急いでいる奴」としか写らなかったらしい。
毎日、学校への通学の際、同じ駅からの乗車だったせいもあるが、どちらかともなく「相手を待つ」という生活が始まった。
ある日のことこの「Y」が「これ聞いてみないか?」と差し出した一本のカセットテープ。擦り切れるまで聞き続けたテープ。その中には、今では「心のバイブル」となっている曲。「遠くで汽笛を聴きながら」が入っていたのである。
この曲を聴いていると何気なく頬を大粒の雨のごとく、涙が流れていったのである。
3日3晩ほど泣き続けた私。「悪魔に支配された心」にかすかな光が差し込んだ瞬間でもあった。ここで少し歌詞を紹介することをお許しいただきたい。
もしも、今悩んでいる人々や死を考えている人々の救いになれば・・・と思う。

-遠くで汽笛を聴きながら- 
作詞 谷村新司 作曲 堀内孝雄 歌 アリス

なやみ続けた日々が まるで嘘のように 忘れられる時がくるまで
心を閉じたまま 暮らして行こう 遠くで汽笛を聴きながら
何もいいことがなかったこの街で

俺を見捨てた人を 恨んで生きるより 幼い心に秘めたむなしい
涙の捨て場所を 探してみたい 遠くで汽笛を聴きながら
何もいいことがなかったこの街で

せめて一夜の夢と 泣いて泣き明かして 自分の言葉に嘘はつくまい
人を裏切るまい 生きていきたい 遠くで汽笛を聴きながら
何もいいことがなかったこの街で

この曲との出会い。そしてそれを齎してくれた「Y」との出会い。
きっと神様が与えてくれた「宿命」を断ち切り「運命」への扉のカギだったのだろう。
その「カギ」の存在がなければ、このものがたりはここで終っていたに違いない。

-18歳のクリスマスプレゼント
生まれて初めてサンタクロースに願いを祈る。「本当の家族を与えてください。」
私の願いは夜空に輝く星空を、星たちの煌きによって支えられながらサンタクロースに届いたのだろう。
そのプレゼントが届いたのは、8ヶ月後、「本来の予定より少し早く」私に届けられたのだが・・・・・
こうして私はこの愛すべき娘を手に入れ、「オママゴト」のようなちっぽけだけど、温かい「本当の家族」を手にすることができた。
「この子のためなら・・・・なんでも出来るさ」それはどこの父親でも最初は思うことだろう。悲しいかな「その想い」はどこかに消え去るケースが最近少なくないのだが・・・

-「稼がねば・・・・」で始まるトラブルコンダクター誕生!-
まあ人並みの就職口を探したのだが、折りしも「就職難」。学歴もコネもない。
ましてや、「安い給料」では養う事ができない。
ある知人に「どや~。旅行社の添乗員でもならへんか?」と誘いを受けた。
「まあ、ワシの頼みもあんで・・・・」後が悪かったのだが、目の前に提示された副収入は「生活の為」の・・・所謂ところの「毒喰らわば・・・皿まで」である。
はじめて飛び込んだ「旅行業界」の片隅は、「添乗員の派遣会社」である。
その頃はどこの旅行社も人手と言うより「プロのツアコン」が足らない時代。
そのくせ、「ツアーコン同行」なんてツアーを大量に組む。
まあ、「プロ」ツアコンの仲間入りをしたのである。
1日5000円足らずの日当を貰い今日は○△トラベルで北海道。明日は○×旅行の修学旅行で、京都・奈良なんていう日々が始まったのである。


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「トラブルコンダクター ものがたり」④ 天職・・・ [暴露ばなし]

~ 第3章 天職 ~

-ご旅行を打ち切らせていただきます。-

私が「ツアコン」とは言われず、「トラコン」つまりトラブルコンダクターと言われたのは、一番最初の「日帰り旅行」の添乗からである。
ある一組の男性1名・女性2名のお客様が参加されていたのだが、このお客様「相当たちが悪い」。各見学先の集合時間では、10~20分遅れるのは「当たり前」だったので、「注意」「警告」と進み「通告」処分と同時に「ブラックリスト記載」を宣言。
つまり、旅行業法で言う「公俗良俗違反」(他のお客様に迷惑を掛ける)ことを繰り返し行っていたために、「旅行の続行をキャンセル」及び「今後のツアー参加お断り」を宣言し、確か鎌倉・鶴岡八幡宮でバスから降ろしたことがある。
この事は即座に「緊急連絡係」に連絡し、会社のお客様相談室に報告された。
このお客様。「ご自身の非」を認めないので、更に取引先旅行社全社に通告された。
その後、このお客様はしばらく「ツアー参加」は出来なかったそうだが、その真偽は定かではない。

-バスガイドも降ろしてしまう「トラコン」-
ツアコンつまり添乗員は「旅程管理者」と言う資格でその「仕事」をこなしている。
つまり、最初の集合地に「時間通り」に集まった「優秀なお客様」を無事目的地にご案内して、観光を楽しんでもらい。会社の定めた契約を履行し、最終解散地に予定通り「無事帰着」をしなければならない。
もちろん。ツアー中は「時間配分表」に従い、渋滞や混雑状況を勘案しながら予定の見学場所をこなすのはもちろんのこと「会社の指定休憩所」と言われる「指定土産店」に立ち寄り、会社の利益も追求せねばいけないのだが・・・・・。
ある北海道ツアーの出来事である。朝一番のフライトで羽田→千歳と飛び、苫小牧-十勝(昼)-阿寒湖(遊覧船乗船後、宿泊)
阿寒湖-摩周湖-川湯-原生花園-層雲峡(泊)
層雲峡-旭川-小樽散策-札幌-洞爺湖(泊)
洞爺湖-昭和新山-五稜郭-函館-羽田。の3泊4日のツアーに出かけたときのこと。ツアータイトルは「緑の大地北海道」だったと記憶している。
大体、1日500~600キロ走らされる北海道のツアー。しかも、バスは古く(最近は違うようだが・・・本州ではエアコンは当たり前なのに・・エアコンがない)は「許容範囲」として・・・一番許せないのがバスガイドならぬ「ババァ-ガイド」。
確かに走行範囲が広いため「若いガイド」では無理なコースなのは、重々承知はしている。承知はしているのだが、とっくに退役した・・ハズの「オババ」が乗り込んでくるケースがある。運転手が若いと「オババ」の独断場に近いものがある。
普通、空港の到着ロビーに迎えにくる。そのところまで「旗」をひらめかせ誘導するツアコンはいつもながらの空港でのひとコマ。「お疲れさまでしたぁ~」との挨拶に「宜しくお願いしますねぇ~」と挨拶を返すのだが、少々不機嫌の様。
実は3日ほど前に遡る。私が「バス会社」に確認の電話をした際、「出来れば親子熊がいいなぁ~」と口走ったことから始まる。
私のその頃の仕事に「査察」も入っていたので、バス会社は「こりゃ大変」とスケジュールを組みなおし、本来は「車庫」に1週間ぶりに帰れるはずの「親子熊」を配車したらしい。おかげで、バスガイドの「オババ」も仕事が延長されてしまったわけである。
この事実を出発前にドライバーさんに聞かされた私。まあドライバーさんは「指名」が入ればいい車に乗り換えできるんでと言ってくれたのだが、「オババ」はふくれ面のまま。だから、この「オババ」の八つ当たりには私は耐えねばいけない。と自分に言い聞かせていたのだが・・・・。
夏の北海道ツアーは高い。その頃でたしか1人10万円ほど。そんな高額のお金を払って参加されたお客様を馬鹿にする言動が目立ったので、最初の宿泊地からバス会社に「ガイドを代えろ。」とオーダー。しかし、「今人手が・・・」と渋るので、警告を発し「これ以上、お客様を馬鹿にする発言したら・・・・対処する」と通告。
案の定、翌日「やれここはこんなに時間いらない」「ここで休憩しましょ」とかうるさい。
うるさいどころか、また「お客様を馬鹿呼ばわり」したので、途中の山の中でドライバーにバスを止めさせ、ガイドを叩き出した。この後このガイドの消息は不明である。
熊に食われたのか知らないが、仮に無事でもこのガイドを使うバス会社はなかった。

その後、お客様の「喝采」を浴び、層雲峡へ。勿論マイクは私が握る。このコースは走りなれているので、何の問題もいらない。
層雲峡に派遣されてきた「新しいガイド」はピカピカの新人とまではいかないが、まあ、車で言えば「慣らし運転の終った。熟成に入ったところ」。5年生とのことだから、私と同じ年のガイドだった。


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「トラブルコンダクター ものがたり」⑤天誅を下す・・・(1) [暴露ばなし]

~レイプ未遂犯に天誅を下す。~
「ツアコン」いや「トラコン」になって2~3年が経過しようとしている頃だった。
その頃、私は「普段の業務態度」が著しく認められ、(単に口うるさいので、「口封じ」とも言うべきだろう)「主任」に任ぜられ、部下を持つ身になっていた。
私の「配下?」は、男性5名。女性4名。さらにその都度、「下請ツアコン」も組み込まれる。一応、「関東事業部」部長直轄セクションを束ねていた頃のはなし。
その配下のうちの1名の女性添乗員について「その事件」は起こったのである。
その子の名前は「T子」旅行専門学校を卒業し、「入社」してきた女性である。
この「T子」に私が割振りをした仕事が、「日帰り3本」その後、○北地方へ2泊3日のツアー。「その2泊3日のツアー」で事件は勃発したのである。
初めての宿泊を伴うツアーで、しかも1人ですべてをこなさなければならない。
私にも「記憶」と言うか「苦い思い出」も勿論あるので、「T子」と打合せに同行し、
「バスの座席割りの仕方」とか、「列車移動時の注意事項」「クーポンの取り扱い」など様々なレクチャーを行い、出発当日の朝は上野駅での「センディング」業務を行い出発させたわけだが・・・・・・。
ここで、私は「一つミス」を犯していたのである。それは「団券」の取り扱いである。
キップには「個札」と言われる通常一般に使用される切符と団券と言われる切符が存在していた。この「団券」とは、一枚の紙に乗車日、乗車列車・・・乗車人数・・・・など様々な情報が網羅されており、全行程が「一枚の切符」に書かれている。この切符の取り扱いくらい「知っているだろう・・・」とレクチャーしなかったのである。
「T子」に社旗・クーポン・送客確認書(手数料請求書と言ったほうがいいだろう)・添乗金・腕章・ネームバッチ・その他添乗道具と共に都区内下車用の個札を確認させ出発させてしまったのである。
T子は少々不安を抱えながら、盛岡駅でお客様を改札口まで誘導し、改札係員に「団券」を渡した・・・・ここまでは、レクチャーどおりなのだが、係員もよく団券の取り扱いを知らなかったのである。この団券をT子に返していればこのような事件は勃発しなかったのだが・・・・・・
2日目の夜のこと。自宅の電話が鳴り響く。T子からである。
その日は三陸の○山崎近くにあるホテル○賀荘に宿泊の予定である。
このホテルは私も「よく知っている」ホテル。こともあろうにここのホテルの「支配人」(当時)がこの事件の犯人である。
「もしもし・・」と電話に出る私。
「も・もしもし・・・T・・・です。」(おや、泣いているようだ・・・)
「どうした。何かあったのか?」
「だ・団券無くしてしまった・・みたいで・・・」
「無くした?団券・・・・」と絶句。
「ど・どうすればいいのでしょう?」
「明日。朝出社したら・・・JRに連絡入れるから、大丈夫!」
と慰めていたのだが・・・・・。
その電話の後、「悲劇」はあったのである。
このホテルの支配人は「女癖」の悪い奴である。こいつが「T子」の弱みに付け込み、
「大丈夫。担当さん(旅行社)よく知っているから、起こられない様にしてあげる」とか言いながらT子を押し倒したらしい。驚いたT子は手近くにあった灰皿をぶつけ、廊下に逃げ出したそうだ。幸いバス乗務員も同じホテルに宿泊が幸いし、バスガイドの部屋に逃げ込んだそうだ。
翌日、無事帰京したT子を迎えに上野駅へ行く。「事情聴収」しなければならない。
まあ「あの事件」が起こらなければ、「単純ミス」で処理される「ハズ」だったのだが・・・
T子に報告を聞く。もちろん事件の詳細も確認する。バス会社にも確認とお礼の為にガイドに事情を確認。「だんだん怒り心頭」になる私がそこにいたのである。
2日後、私は急遽予定されていた添乗員を別の仕事にアサインし、現地に乗り込むべくT子と同じルートを辿る。勿論「バス会社」の全面協力でドライバー・ガイドも同じ人間にしてもらう。
前泊さきの十和田湖のホテルより、「宿泊確認」と称した電話をこの事件のあったホテルに掛ける。
「もしもし・・・・K社のオストドですけど・・・・宿泊確認願います。」
「お疲れ様でございます。只今予約にお廻しいたします。」
・・・・・・
「予約の○○です。お疲れ様でございます。」
「お世話になります。K社のオストドです。明日の宿泊なんですが・・・」
「はい。何名様でしょう?」
「45名+1+2でお願いします。ルームはお客様○ルームお願いします。」
「はい。予定通りですね。お部屋番号申し上げます。チャートはお持ちですか?」
「ええ。あります。ルームナンバーお願いします。」
「○階、○○○号室○名・・・・・・オストド様は○階○○○号室、ドライバーさん・・・」
「ありがとうございます。ところで、支配人さんは明日いらっしゃいますか?」
「少々お待ちください。・・・はい。在席しております。」
「そうですか、打合せをしたいので、いらっしゃってくださる様おっしゃってください。」
「はい。それでは、明日のお越しお待ちしております」
さて、これで「攻撃対象の存在」と「攻撃スケジュール」も確認されたわけである。
その夜、ドライバー及びガイドと「綿密な打合せ」を実施し、夜は更けていったのである。 天誅(2)へ続く。


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「トラブルコンダクター ものがたり」⑥天誅を下す・・・(2) [暴露ばなし]

~「手出しちゃ負けよ・・・・」~
ガイドドライバーに諭されているので、「手は出さない」ことにした。
本来なら、「女性の弱み」を利用して「自分の思いのまま」にしようとした「極悪非道人」は、簀巻きにするか、全身に切れ目を負わせ、サメのえさとして三陸の海に投げ込むべきなのだが・・・・。
「何事もなかった様に・・・」ツアーは進んで行く。北○崎の遊覧船に乗り込み、「着々と時間が経つ」のを待ちわびる。
いよいよホテルに乗り込む時間である。
「皆様、大変お疲れ様でございました。まもなくホテル羅○荘到着でございます。」とガイドの案内。代りにマイクを握る。
「皆様お疲れ様でございました。本日のご夕食は午後6時30分。○○へお越しください。ご朝食は午前7時。出発は8時30分を予定しております。それでは只今より本日のお部屋割りを配らせていただきます」ここまでは、通常の業務である。
ホテルの玄関では予め「到着予定時間」を伝えているので、支配人以下の迎えが待っている。
「オストドさん。しばらく振りです。お疲れ様でした」と支配人H。
「お、支配人さん。お世話になりますね」とその後の「攻撃」を悟らせないようにいつもの挨拶を交わす。
フロントでチェックインの手続を行い、部屋割りを提出する。
その後「恒例の打合せ」を行う。
部屋に入り電話で支配人を呼び出す。予め「打合せ」と称して連絡してあるので、Hは何も知らずにやってくる。
「失礼します」と支配人Hが入室してくる。
「どうぞ。」と私。
「大変お疲れ様でした。しかし、オストドさんが来るのは久しぶりですね・・・」とH
「ええ。そうですね。本当は来たくもないホテルなんだけど・・・・」と私。
「・・・・」
「座ってください。」と私。私は窓際のイスに腰掛けている。
「失礼します。」と反対側に座ろうとするH。
「どこに座るんですか?畳の上。畳。」と私。
「はい。」と少し訝しげに胡坐を掻こうとするH。
「普通。正座でしょ。正座。まったく若造の私にこんなこと言わせなくても・・・」
「はぁ。し失礼しました」と正座するH。
「何で私に呼ばれたのか?何で私がこんな胸糞悪いホテルに来たのかご存知ですか?」
「い・いえ知りません。」
「先日は、私の部下であるT子がお世話になったらしいので・・・。うちの担当とも大変仲がいいと聞きましたが?」
「ええ。オストドさんよりは私のほうが永いつきあいですから・・・」
「ふ~ん。なるほど。それで?」
「それでとはなんなんですか?一体人を呼び出しておいて、私忙しいのですから」
「そうですね。私が電話を一本すればすぐ警察も来ますし、その前に辞表を書かなくてはいけませんからね。」
「何で警察なんですか?何で辞表を書かなければならないんですか?」
「胸に手を当てて考えてください。」
「このこと本社の担当さんに言いますよ。そうすれば貴方はツアコンできなくなる」
「そうでしょうか?」
「そうですとも・・・大体貴方は一体・・・・」
「そうしますと、支配人さんは”何も思い当たるフシはない”と言われるのですね」
「ええ。」
「そうですか。そこまで重症いや自己中心的とは・・・」とため息をつく。
「一体なんですか?」と怒り出すH
「なるべく穏便に済ませようとしたのです、止む得ないですね。全国の旅行社に回状を廻させていただいて・・・・」
「一体何の話をなさっているのですか?」
「支配人さんはご家庭もお子さんもおありでしょう?」
「ええ。それが何か?」
「可哀想に・・・明日からこの街いやどこに行っても、犯罪者の家族とレッテルを・・」
「一体、何を言ってるんだ。いい加減にしろ。この若造!」とH
「おやぁ?正体あらわしましたね。私は”大事なお客様ですよお客様”ねえ。雇われ支配人さん!」
「んぐ。・・・」
「今の発言だけでもクビに出来るんですよ。クビ!」
「し・失礼しました。」
「まあ、それは置いといて・・・・本当に思い当たる事ないんですね。」
「ええ。」
「じゃぁお帰りいただいて結構ですよ。但し、明朝には警察のお迎えが来るし、知人のマスコミ各社にも情報流しますから・・・・」と少々はったりをかます。
「T子だけでお分かりにならないんですか?」
「T子・・・T子ねぇ」
「ほんの数日前ですよ。その節は大変お世話になったそうで・・・」
「あっ!」
「どうかしましたか?」
「い・いえ・・何も・・・・」と顔色の少々悪くなる支配人H
「T子がお世話になったときの話を聞かせていただけませんか?」
「あの・・日は・・確か・・・・いきなり泣かれていたので・・・」
「それだけですか。私が確認したところによると・・・・・・・・レイプしようとしたらしいではないですか?」
「そ・そんなことありません。しょ・証拠あるんですか?」
「証拠はありませんね。残念ながら・・・」
「でしょ!」
「でも、親告罪ですので・・・証拠はいりませんよね。それに・・・」
「それになんですか?」
「今回のドライバー・ガイドご存知じゃないですか?」
「し・知りません」
「そうですか、この間のドライバー・ガイドに来てもらっているのですがね。彼等は証言するそうですが・・・・」
「で・・・・でも・・・何も・・・なかったわけだし・・・」
「何もなかった・・ですか?充分事件は存在しますが?」
「私にどうしろ。とおっしゃるのですか?」
「ご自分でお考えになったらいかがですか?」
「ええ。そうですね。その対処方法を拝見させていただいてから、会社としての処遇。
そうですね。警察への告訴まど法的な対応などとらせていただくのですが・・・」
「そうなれば私はお終いです。なんとかなりませんか?それに家族のことも考えてください。」と泣きながら土下座しながら言うH。
「はぁ?お子さんは男の子ですか女の子ですか?」
「お・女の子です。」
「そうですか、もし、お子さんが成長されて同じような目に遭ったらいかがされます?」
「か・考えたくもありません。」
「そうですか・・・・。とりあえず詫び文を書いてください。明日の朝までにその際
私の目の前で印鑑ではなく、貴方の指印を押していただきます。」
「それでよろしいのですか?」
「それともう一つ。彼女から休職願いが出されています。相当ショックだったみたいです。当面の彼女の生活費は、貴方が支払うべきでしょう」・・・・・
翌日、朝6時半に部屋へ来るよう言い渡す。
しかし待っても来ない。7時半にフロントから連絡させる。8時に姿を現す。一応詫び文を持ってきたので、フロントで指印を押させる。Hが「これを・・・」といって封筒を渡してくる。
「なんですか?これ。」
「と・とりあえず10万入っています。」
「10万・・・・10万。これで済ますおつもりですか?」
「いえ。とりあえずで・・・」
「東京に一度いらっしゃってください。そのときに彼女の意向をお伝えしましょう。これは、お預かりしてお渡しいたしましょう。」
「よ・・・宜しくお願いします。」
こうして私はホテルを出発したのだが、「事件」はまだ終らない。
(3)へ続く。


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「トラブルコンダクター ものがたり」⑦天誅を下す・・・(3) [暴露ばなし]

~待てど暮らせど鳴らない電話~
東京に戻った私は「T子」を訪ねることにした。
Hから預かった10万を渡すためだ。
「こんなものいらない。」とT子
「一応、受け取っておきなさい。とりあえずの生活費は取ってあげるし・・・」
「そうですか・・・・」
「うん。まあ、こう言うのもなんだけど・・・・もう少し女である自覚持たないと・・・・」
「はい・・・・」
「こういうケースがこれからもないとは言えないし・・・・」
「はい・・・」
「とにかく、隙をみせないことが一番大事だよ。まあとにかく無事でよかったけど」
「はい。」
「会社の処分が決まったから、・・・・厳重注意。」
「はい。」
「いつごろから仕事できるかな?」
「もう。添乗は・・・・」
「そうか、じゃあ僕の補佐で内勤はどうかな?」
「内勤ですか?」
「うん。僕も席にいることは殆どないから・・・・代わりにアサインや打合せしてくれる?」
「私に出来ますか?」
「多分。大丈夫。僕もチェックするし・・・・」
「はい。」
「じゃあ。この件が片付くまで・・一応自己謹慎で・・・・」
「わかりました」
こうしてT子は自ら「謹慎」を申し出た形となり、「上司判断」でその謹慎を明けさせ、
内勤とすることになったのだが・・・・。
帰京から1週間たち・・・・2週間たち・・・・一ヶ月たっても電話が鳴らない。
ホテルに電話をするが明らかにHは居留守を使っているようだ。
こうなればいいいよ「天誅」を下す日がやってきたようだ。
ホテルの仲居より「反Hの急先鋒」であるマネージャーの名前を聞いていたので、そのマネージャーに連絡を入れ、Hの予定を聞きだす。
なんでも軽井沢プリンスホテルに「研修」で滞在とのこと。
軽井沢プリンスに電話を掛けるのだが、本人が出ない。
完全に頭に来た私は、知り合いの「○-さん」に連絡を入れ、T子・私・そして知り合いの○-さん。とその舎弟3名でホテルへ乗り込むことにしたのである。
それと同時にHの勤務していたホテルに事情を連絡・詫び文をFAXする。
「なるべく穏便な処置を・・・」と口にするのだが、「解雇」は間違いないと考えていた。
その後ホテル経営責任者より電話。
しかし、ツアー担当者にも詫び文をFAXし、状況も伝えてあったのだが・・・・。
ホテルより部屋番号を聞きだしていたので、コテージ棟に宿泊している支配人を連れ出し、ロビーへ行く。勿論プリンスホテルにも事情説明はしてあるので、協力こそ得ないが「黙認」とのこと。
この「H」往生際が悪い。フロントに「警察を呼んでくれ」と言う始末。しかしフロント氏の「他のお客様の安眠妨害になるので、お呼びできません。それに呼ばれてこまるのは、お客様ですよね」との声に自分の「味方」はいないことを悟った様子。
さんざん「あれっぽちのことで、10万呉れてやったのに・・」とか「大騒ぎしやがって・・・」とか喚いていたが、さうが「本職」ドスの聞いた声で「あんたの奥さんや娘が同じことされても・・・・」と言う。(脅したわけではない)
この後、このHは無事開放されたわけだが・・・・・ホテルからは一応「自主退職」として扱われ、その退職金とホテルからの見舞金(これはHの借金で自宅を処分したらしい)また小さな町にその安住の地はないのは当然だが・・・・・
このはなしはまだ続きがあるのだが、これ以上は書くわけにはいかない。
まあ・・・T子が受け取ったとされる「慰謝料」の大半は・・・・・・である。
T子のその後と言うと、暫く私の補佐を勤めていた(私が先に退職)・・・。
その後、何処かの街で幸せな結婚生活を送っていると風の便りに聞いたのだが・・・


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「トラブルコンダクター ものがたり」⑧お見送り・・・・ [暴露ばなし]

~お酒はほどほどに・・・・~
私が多く携わった業務の一つが「老人会」の旅行
例えば「農協」さんとか「信用金庫」さんでやっているもの・・・・・。
この類の「ツアー」に添乗する際に、カバンの奥深く仕舞いこむものがある。
それは、「黒いネクタイ」と「数珠」である。
大体、この手のツアーの場合には、お互いが「顔見知り」だから、バスに乗り込むや否や「酒」を酌み交わすのが慣わしみたいだ。
ここに、とある農協さんの1泊2日の招待旅行の全貌を記すことにするが、農協名や温泉名・ホテル名は架空の団体とさせていただく。なにしろご迷惑をかけるわけにはいかない。
ここは東京神奈川の境にある街が舞台である。T旅行○宿支店の営業課長の強い依頼により、年数回この街にある農協主催の「親睦旅行」の世話をさせられていた。今度の目的地は関東の北の方角にあるとある温泉。
私は今回チーフとしてバス6台をサブコント2名で引っ張らねばならない。
農協本店前からバス5台を1人で引っ張ってゆく。もう1人はとある支店から1台が担当である。
出発前に5台のバス全部にご挨拶廻りをしなければならない。
「皆様。おはようございます。毎度変わらない顔で恐縮ではございます。このたびは○○農協様を通じまして、私どもT旅行をご利用いただき誠にありがとうございます。添乗員のオストドでございます。お世話役としてご一緒させていただきます。
なお、ご出発に先立ちまして皆様にご協力のお願いがございます。
ご旅行中のご飲酒は結構でございますが、お飲みになられた後のご入浴は、必ず私共が大浴場に控えておりますお時間内にお済ませくださいませ。それでは、狭い車中ではございますが、ごゆっくりおくつろぎください。」
こんな挨拶をすると・・・「オウ!任せとけ!」とグラスを突きつけられる。各バスで出されるこの一杯の冷酒・・・・毎度思うことだが、「さっさとお逝きなさいとばかりに、差し入れをする息子やその嫁。カンベンしてもらいたいものである。
1号車に乗り込むと、もう農協の男性職員は「酒くさい」。大体昼食場所に着く前に冷酒・・・5合~1升。ウィスキーにビール焼酎と飲まされるのが常である。
汚いはなしをするようだが、休憩場所では必ず「トイレ」に駆け込む。指を口に突っ込んで吐き出さねばならない。添乗員が潰れるわけにはいかない。
大量の水を摂取し、体内のアルコールも吐き出す。つらい・・・・・・のだ。
我々添乗員が待機するのは、大浴場の前である。ここに夕方4時~6時に待機する。6時から宴会開始、午後8時~農協職員の慰労会。我々添乗員の食事は大体11時くらいである。
その後、大浴場に巡回を交替で行うのだが・・・・・
夜遅く入浴をしようと大浴場へ行ったときのことである。
「お酒を召し上がった後は1人でお風呂に入らないでください。ご婦人でもご一緒しますから・・・・」と言っていたのにその事故はまたもや起きたのである。
あるおじいちゃんが大浴場のお湯の中で寝ているとばかりに揺り動かしたらのだが、既に呼吸は停止していたのである。病院に運んだのだが、「死亡確認」のみ。
死体安置所に運ばれてゆく。ホテルのスタッフに依頼して運んでもらったアタッシュケースから、黒いネクタイと数珠を取り出し身につける。
ご家族が到着するまで何時間か付き添わねばならない。
ご家族が到着すると、搬送の手続やらを行う。本来ならご自宅までお見送りしなければならないのだが、病院の「搬出口」で看護婦や医師と共に頭を下げ、見送る。
病院からホテルに戻る頃,夜は少しずつ明けてゆくのである。
ほぼ毎年のように「お見送り」を経験する。このときばかりは自分の力不足が悔やまれてならない時である。


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「トラブルコンダクター ものがたり」⑨釧路の夜・・・・ [暴露ばなし]

~新聞販売店ご一行様 ご案内!~
ある新聞社系の旅行社の北海道ツアーでの出来事である。
千歳IN千歳OUT。釧路・天人峡宿泊の2泊3日のツアーへの添乗依頼があった。
打合せに事務所に赴くと、
「オストドくん。今回のツアー。うちの系列店の慰安旅行が乗っているから~宜しく。」
「はぁ。」
「一応、別宴取ってあるけど・・色々面倒かけるかもしれないけど・・・・」
「はぁ。」嫌な予感と言うものは、「よく当たる!」ものなのだが・・・・・。
ツアーの一泊目は釧路市内のビジネスホテル宿泊。2箇所に分けられている食事会場をコマメに廻らなければならない。
特に別宴のグループ15名は全て男性。コンパニオンも頼んでいない・・・大丈夫なのか・・・・。
別宴の会場に行く。「お疲れ様でした。明日の出発は朝8時30分ですから・・・」
しかし、そこの空気は重たい。幹事でもある社長より「オイ。オストドくん。まさかこれで終わりなんてことないだろうな?」
「はぁ。ツアーとしてはこれで・・・・」
「どこか遊びに行くところないのか?勿論君も同行するよな?」
「はい。では少々確認してまいりますので・・・・」
フロントに確認しに行く。
「ねえ。どこか遊びにいけるとこない?」
「遊びといいますと・・・・」
「一通り情報くれる?」
「はい。・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ありがとう。あとタクシーは大丈夫かな?」
「ええ。大丈夫です。」
宴会場に戻り打合せを行う。「最初はキャバレー」とのリクエスト。
タクシーを6台呼び、キャバレーへ向かう。2時間ほどいただろうか?
お客さんは「アフターの約束」をしているみたいである。
その間にキャバレーのマネージャー氏に呼び出され事務所へ行く。
私は「腕章」をつけているのだ。
「添乗さん。ご苦労様です。お会計が十○万なので、これ・・」と言って封筒を寄越す。「R」である。
「3万ほど入れときましたので、またお願いします。」
「ええ。こちらこそ宜しく」である。
次にスナックに出掛ける。このキャバレーのマネジャーの奥さんがやっている店。
マネージャーの紹介で「貸切」状態。ここからも3万円を「R」として頂戴する。
だから、ツアコンはやめられない。僅か3~4時間のお供でお小遣いをいただけるのだから・・・・。
お客様と一緒に「カラオケ」で盛り上がる。そのうちの1人がこう切り出したのである。
「キャバレーのお姉ちゃんとこのあと約束してるけど・・・・○○出来る保障ないし、ソープのほうが手っ取り早いんじゃないか?」その一言に皆「賛成!」の合唱。
「添乗員!手配しろよ!」との声にママさんと相談。
ママの推薦する店に電話をしてもらう。勿論ママにも「紹介料」が入る仕組み。
タクシーを呼んでもらいそのお店にゆく。「お1人様2万円」はリーズナブル!?
「では、私はここでお待ちいたします。皆さんこの後ママに頼んでありますので、各自タクシーでお帰りいただきます。」と告げる。このときまでは『本当に』待つつもりだった。誓って嘘ではない。人は努々疑ってはならない。
このとき社長が「ご苦労様。しかし、1人潔癖は許さないぞォー。ほれ、これでお前も遊べ!」と2万円頂く。
皆さんを「ご案内!」して暫く「ママ」と話し込む。この「ママ」オストドと地元が一緒。
地元の話題に盛り上がり・・・・「もうすぐ、一番若い子上がってくるから・・もう少し待て」と「こたつでみかん」のご相伴。
その子に案内され、「ひと風呂!」浴びるとお客様は全て帰ったと言う。
「ママ」が美味しいもの食べさせるから・・・と小料理屋へ一緒に行く。もちろん女の子も一緒。そういえばこの女の子お金を受け取らないのは何故?
美味しい魚をご馳走になり、美酒に酔った私の記憶はそこで途切れている。
目が醒めたときは、ホテルの部屋ではなかった。私がホテルに帰り付いたのは、「出発の1時間前」。目の下にた~っぷりとクマをつくってのご帰還であったのだが・・・。

~ガイドの白い目~
その日は最悪のコンデション。普通バスに乗り込むと「寝る」のが日課であったのだが、「うつらうつら」しようものなら、ガイドに起される始末。どうやら、昨夜の行状はお見通しらしい。
なにせ、カップル参加者以外の男性陣はみな「酒くさく」寝不足の顔を晒していたのだから・・・・
最終日のこと。急に天候が崩れる。ガイド曰く「ツアコンと一部のお客様の行いが悪かったせいでしょうか・・・・」とやるものだから、しょうがないのでマイクを握る。
「え-。私のツアーで飛行機の欠航は一度もありません。事故もありません。何故なら私は日本一・・厚かましい・・ラッキ-な添乗員だからであります。」
勿論飛行機も多少の遅れはあったが、ちゃんと飛んだので、「無罪放免」である。


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「トラブルコンダクター ものがたり」⑪ 毛皮いかがですか? [暴露ばなし]

~オストドは優秀?な毛皮販売員~
添乗員の商売は傍から見るほど楽な商売ではない。
お客様が「ぐっすりお休み」になっている時間も、スッチーを口説いたり、電話番号を聞きだしたり・・・と忙しい。その上、出入国書類や税関申告書の作成を行ったり、清算書を作成したり、ギャレーに行き、カップめんを頂いたり、チーパーのグチを聞いたり、新人スッチーの実験台になったりお大忙しである。
ここに面白い統計がある。「お客様が添乗員の言う事をどれだけ従うか?」である。
国内と海外を比べてみると、海外のほうがダントツでほぼ100%に近い数字になる。
まあ普段日本で威張っている『社長さん』も海外では「ねこのようにおとなしくなる」ものだ。「迷いぱなしの子羊」を柵に集める(無事帰国させる)のが、私たちの仕事の根幹になるわけだ。
「時差ぼけ」と言った言葉は添乗員の辞書には存在しない。存在こそしないのだが、
12時間の時差(つまり、昼夜逆転)の仕事は辛い。
例えば成田集合10時出発12時でシカゴトロントを経由してナイアガラホテルに入る場合には、添乗員のスタンバイは大体お客様集合の2時間前の8時。遅くとも5時には起きなければいけない。寝れるのが大体その25時間後くらいになる。
まあ、飛行機の中で「うたた寝」状態にはなるが、それも1~2時間程度にすぎない。
夕食を終え、翌日の行程確認。バスタブにたっぷりとお湯を張る頃、フロントからの電話。お客様がバスタブのお湯を溢れさせ、「階下」に漏れさせたという。
早速、「状況を確認」しに飛んでゆく。どうやら疲れのあまり寝てしまったのが原因。
過失度100%で弁解の余地もない。幸いお客様の「海外旅行傷害保険」を調べてみると、「損害賠償」も付帯されているので、保険会社とホテル間の『協議』に任せることにする。
ヘロヘロ状態で部屋へたどり着く。入浴を済ませベッドに潜り込む。
それと同時に「毛皮屋」の社長からの電話が鳴り響く。
「アロー」少々不機嫌な声になるのは仕方ないこと。
「もしもし。オストドさん。ジェ-ムスです。お疲れ様でした・・・・。」
「ああ?社長か・・・・・・ご無沙汰です。」
「明日、寄ってくれるでしょう?」
「やだ。」
「お願いしますよ。10・・・いや15.は最低出しますから・・・」
「行程にはないんだけど・・・・・。担当とケンカしたの?」
「ええ。Rでちょっと・・・・」
「道理でね。・・・寄らなくていいと言われてるんだけど・・・」
「そこをなんとか・・・。」
「バスもないし・・・・。ガイドも知らないしね。」
「送迎はうちのほうでやりますから・・・・・」
「リムジンなら・・・行ってもいいかもしれないけど・・・ついでに夜のトロント観光もつけてくれる?」
「ええ。1時間ほどナイトスポットめぐりでどうですか?」
「ん-。解ったけど強制はできないよ?」
「それでいいですから・・・・。とりあえず5台用意します。」
「それじゃ、値段はいつもどおり・・と言うことで、夕食は・・・・・」
「○△レストランですよね。そちらまでお迎えに・・・」
「それでは・・・おやすみ」
結局、5時間ほどの睡眠で起床。
ガイド嬢に朝食ビュッフェ券を与えたので、いつもの「2.99」のカフェに行く。
朝の冷気の中を歩けば目が醒める。コーヒーにオレンジジュース。トースト2枚。卵2個のスクランブル。を平らげ、ホテルへ戻る。
各部屋から「バッゲージダウン」された荷物の個数を調べるのも、朝の大事な仕事。
ナイアガラ観光を行い、展望レストランでの昼食。
「いいですか?窓の外の景色を覚えておいてください。一周したら各自1階にエレベーターで降りてください。」と告げる。ここでは集合時間を言ってもムダである。
「1周したら降りろ」で正味1時間の食事時間だ。
ガイドと共にビュッフェへ降りてゆく。おしきせの食事では量も少ないし、食べる気にもならない。好きなものを好きなだけ食べるのが性に合っているのだ。
「ガイド嬢と夜の観光」について打合せをする。顔見知り?だから話は早いのだ。
ナイアガラからトロント市内へ向かう。市庁舎などの観光。
ホテルに向かう途中、マイクを握る。
「大変お疲れ様でございました。これより本日のホテル。ウ○スティンに向かいます。夕食は市内のレストランでロブスターをご用意しております。また今回のお客様は皆さんとても素晴らしい方ばかりでございますので、サプライズといたしまして、本来の行程にはないリムジンで巡るトロント夜の観光へご案内いたします。またご希望のお客様がいらっしゃいましたら、CNタワーからご覧いただくトロント夜景一望へご案内いたします。ご夕食は徒歩で散策をしながら迎いますので、6時にロビーへご集合ください。」
添乗員のサプライズほど怪しいものはない。つまり「お小遣い稼がせてね!」と言うものなのだが、日本人ほど貪欲な人種はいない。折角だから・・・の声で全員参加。
まあ、CNタワーの入場券は社長に払わせればいいこと。
ホテルでチェックインを済ませる。このホテル私にはいつもビジネススィートをあてがってくれる。バスは帰してしまうので「とりあえず」ガイドの荷物も私の部屋へ運ぶ。
夜送っていけばいいこと。
明日の行程をコーヒーコーナーで打合せ。夕食もご招待する。これも毎度おなじみ。
レストランに一緒に確認にでかけ、1名追加をする。
「待望の時間」は刻一刻とやってくる。「ツアコンの奢り」と称してワインを振舞う。もちろんこれは、社長が払うのだが・・・・。約束の時間少し前に社長が現れる。
トロント在住の店のスタッフを1名ずつ乗り込ませ、「夜の観光」が始まる。
その後、毛皮屋へいく。毛皮の加工場のスタッフから、ミンクの毛皮で作った「小物」をプレゼントされ、加工過程のミンクを肩に掛けられた女性陣は、その瞳をまるで童心に返ったように輝かせ、その魅力に取り付かれてゆくのだ。
一通り・・・・つまり、一匹いや多数匹のミンクが飼育場から一枚・いや多数の毛皮になって工場に運ばれてくる。
その『命の代償』ともいえる毛皮が美しく女性を彩っていくわけである。
その加工場において数匹のミンクが縫い合わされ毛皮製品になっていくわけだが、
工場を抜けたところにあるのが、『本日のメーンイベント』毛皮の即売会場というわけだ。ここでは、ホストクラブのホスト。まあ今で言う「イケメン」の巧みな話術により、女性陣を陥落し、男性はここに存在するこれまた「どこのクラブ?」と言いたくなるようなホステス・・いや女性売り子によって『撃墜』される仕組み。
彼等の巧みな戦術に白旗を揚げそうになりながらも、『理性』を保とうとしているお客様の最後の牙城を崩すのが、オストドの仕事になるわけだ。
女性陣には、背中を冷たいモノが流れるのをガマンしながら、「奥様のためにデザインされたようなもので、・・・」とわざと絶句。「どうしたの?」と聞かれればしめたモノ。
「いや・・あまりにお似合いなので・・・・つい見とれて・・・」なんて言おうものなら、99.9%の確率で陥落する。
また、「現実の世界」に引き戻そうとする「哀れな子羊・・・いや旦那様を説得するのも、私の仕事。「これが日本だったら・・・・倍は行きますよ。帰国後買われたら大変ですね。」とさりげなくフォロー。「でも・・・税金が」とか「持ち合わせが・・・」とかの最後の抵抗も計算済み。「大丈夫。日本の税関は値打ちなんか・・・・それに、カナダ政府公認の領収書を・・・」とか、「日本へ持ち込ませますので、その際にお支払い・・」とか、「ご帰国後のご送金で・・・」などで打破してゆく。
「少々・・・お高いわねぇ~。」これいただきたいのだけど・・・・」とおっしゃるご婦人。
要は「値引きしろ」の合図なので、社長を呼ぶ。
「社長。私の大切なお客様をご案内したので、特別値引きしてくれませんか?」と私
この言葉には「裏」がある。全てこの店の定価に戻せ!と言う合図。
「しょうがありませんねぇ。お客様がたはラッキーですね。ツアコンがオストドさんで・・・今回だけ特別にお値引きしましょう・・・・」
旦那様方は若い女性店員に「結婚するならこういう優しいご主人みたいな人・・・」と言われ、鼻の下を伸ばし、奥様方は若いイケメンの「甘~い!」言葉に踊らされ、半狂乱の夜は終る。でも、ここからもう一押しが私である。社長から『手土産』として渡されたミンクやブルーフォックス等のショールやミンクで作った犬のぬいぐるみをこれ見よがしに見せる。ミンク素材の犬のぬいぐるみが当時3000円だったのだが、これまた競って買っている姿は滑稽・・・・いや、ありがたいことである。
その後、CNタワーにご案内をする。トロント随一の高さから見る夜景はお客様の心にどのように映ったのであろうか・・・・・。


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「トラブルコンダクター ものがたり」⑫トロントの夜・・・ [暴露ばなし]

トロントの夜は眠らない?~
お客様をホテルへお連れして明朝の朝食・出発時間を告げて解散。
私はまだやる事が残っている。社長ガイド嬢と連れ立って、とある市内のクラブへ行く。ガイド嬢が「化粧室」に消えたとき、社長より今回の「報酬」を受け取るわけだ。
大体、少ないときでも50万。多ければ100万を超えるときもある。もちろん脱税はしない。ちゃんと、カナダ政府に所得税を納める。ただこの所得税がオストドのサイフから出たのか?ご想像にお任せする・・・・。
1時間ほどでガイド嬢と部屋に戻る。そう彼女の荷物が部屋にあるからだ。
彼女も「社長からお小遣い貰った~」とご機嫌。
ウ○スティンのスィートから見る夜景は美しい。
とりあえず乾杯とルームサービスで差しいれられた(社長からである)ワイングラスを片手に窓の外の景色を眺める彼女。背後に廻りこみ社長から貰ったショールを彼女の肩に掛ける・・・・・・。
その後の記憶は、残念ながら残っていない。どうなったのか?と聞かれても答えようがない。
ただ、朝食を一緒に食べたことだけは、覚えているのだが・・・・
少々お酒を飲みすぎたようだ。カナディアンクラブやナイアガラ産のワインを飲みすぎたようだ。本来ワインを好まない私はその甘い香りに包まれた至極の時間を過ごしたのだろうか?

~ 「えっ?予約入ってないの?そんな馬鹿な・・・・・」~
甘いワインの残り香に酔いしれながら、トロント空港のカウンターでのひとコマ。
一遍に現実に引き戻される。
私とお客様1名の予約が抜け落ちている事実が判明したのである。
「なんとかならないか?」と私
「申し訳けございません・・・。1名様のお席は確保できるのですが・・・・・」
「それ、キープ!」早速、お客様の席としてリザーブする。
「私の席も何とかならない?」
「ソーリー。その便は既に予約で満席でして・・・・」
「ジャンプシートでも構わない。お客様と違う便というわけにはいかない。」
結局、「じゃあ、ジャンプで・・・・・」と無理やり乗り込むオストド。
客室乗務員に「あんた日本語のアナウンスしなさいよ」と救命具の付け方をアナウンスする。「はい。これ・・・」と10ドル分のチェック(空港売店でしか使い道がない)を貰う。幸いキャプテンの「粋なはからい」でファーストクラスに席を確保してもらうことができたのだけど・・・・・。


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「トラブルコンダクター ものがたり」⑬ 僕も添乗員に・・・ [暴露ばなし]

~「僕も添乗員になれるかな?」~
あるご家族連れの中学生の男の子のはなし。
いつものようにCA(「スッチーと言うな!」とお叱りをいただいたので・・・)、チーパー
に挨拶を受け、ダンヒルのタバコ(免税)を離陸前に依頼していたときのことだ。
ご存知のとおり、B747のエコノミーは3-4-3のシート配列。4名様でご参加いただいたお客様の中学生の男の子から、話しかけられた。
「ねえ。添乗員さん。僕も添乗員になれるかなぁ~」
「添乗員になりたいの?」と私。
「だって、添乗員さんは色んなところに行けるのでしょう?」
「そうだね。でも・・・・」と親の顔を見ると母親が目配せをしてくる。
「僕たちみたいに海外の添乗員になるのは、大変なんだよ~。」
「大変って?」
「そうだね。まず社会・・・地理とか歴史を覚えなきゃいけないし・・・・。」
「地理と歴史?」
「うん。だってどこにお客様をお連れするのか、解らないと・・・・」
「ふ~ん。」
「大体、地理とか歴史の試験があるから・・・そうだね。中学校の成績で言えば最低80点は取っていないと・・・」
「それだけ?」
「それに、英語は得意かな?大人になるまでそう・・・高校生までで、英検1級は取らないと・・・・それに、他にドイツ語とか最低日本語を除いて・・・2か国語以上、しゃべれないといけないんだ。」
「そうなの・・・・・大変だな。」
「一生懸命勉強して、試験に受からないといけないんだから・・・・君もやる気があれば大丈夫かもね。」
これは嘘八百である。そんな秀才なら添乗員なんて安月給でしかも重労働で、失敗の許されない『過酷な仕事』をやるわけがない。英語が満足にしゃべれなくても「困るのは自分」。私などあいさつ程度・・しかも酷いときは「モアスロリープリーズ!」とか「パードン」と繰り返している。
『歴史』の知識も必要はない。ただ、『調べる』と言う能力があればいい話。
添乗員も傍から見れば、「ただで旅行出来ていいね」とか、「うらやましい」とか言われるのだが・・・・・。
ここではっきり言わせてもらえば、「確かにそこに行った事がある」程度しか覚えていない。どんな景色の良い場所を通っても、「この後の行程は・・・」とか、「飛行機間に合うかな?」とか最悪のシナリオも考えねばいけないし、決して楽な商売ではない。
まあ偶に「どうやってあのガイド口説こうかな?」とか「あのCAかわいいな」とか考える時間がないわけでもない。「うたた寝」しているときも「夢の中」ではお仕事をしている。
結局、この中学生ずっ~っと私の後を付いて歩くので、正直やりずらかったのを覚えている。

~エーブル・ベーカー・チャーリー・・・・・・・~
「エーブル・ベーカー・チャーリー」とか「アメリカ・ブリティッシュ・クラウン・・・・」と言って解るだろうか?
これは「A・B・C・・・・」を相手に的確に伝えるためである。
例えば私「オストド」と相手に伝えるには、「オーバー・シュガー・アンクル・タイガーオーバー・ドック・オーバー」(OSUTODO)となる。
鈴木陽一さんなら、「ミスター・ヨーク・オーバー・(ハウ)・アイテム・タイガー・チャーリー・ハウ・アイテム・シュガー・アンクル・ゼブラ・アンクル・キング・アイテム」
木村拓也さんなら、「ミスター・タイガー・エーブル・キングアンクル・ヨーク・エーブル・キング・アイテム・マイク・アンクル・」となるわけだ。
これは覚えておいて「ソン」はない話。未だ「リコンファーム」をしなければいけないエアーラインもある。
一昔前には、団体搭乗の場合には、前日の夕方に航空会社に電話すると、
「42~45のエーブル~キング。46のエーブル~チャーリ。43席。」なんて言われたものである。なるべくなら、お客様の構成にあわせた席を確保したいもの。
仮に全てのお客様の構成が偶数参加ならば、B747の3-4-3のシートは命取りになりかねない。そこで、「42~45のチャーリーとハウは返却するので、46・47の
ドッグ~ジョージまでくれないか?」と交渉していたのである。
まあ、今ではそんな芸当もできないのだが・・・・。
当時、この交渉は早い者勝ち。つまり他の団体用の席もブロック取りすることもしばしばあった。飛行機の中であっちこっちで『つるし上げ』を喰う「どんちゃん」つまりどんくさい添乗員も見られたのだが・・・・人の事などどうでもいいこと。
一番大事なのは、自分のお客様が不愉快にならなければいいことだ。


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「トラブルコンダクター ものがたり」⑭「ねえ。遊べる子いる?」 [暴露ばなし]

~「遊びたきゃご自分で・・・・」~
誤解して欲しくないのだが、ツアコンの中には「清廉潔白」な人間もいる(はず)。
ただ、私の場合「既に悟りきっている」人間。つまり、「金のためなら・・・エンヤコラ」だった。まあ、武器や麻薬には手を出さなかったので、最低限のルールは守ったつもりである。こんな「世の中をナナメに渡る」性格だったのか、使い勝手のいいツアコン。もとい、トラコンだったのか知らないが、「汚れ役」をいつも押し付けられていた。
「フルムーン」の添乗が入ったと思ったら、「実は・・乗継列車のグリーン取れなくて」とか、様々な「要望」が付帯事項として付いてくる。それらを「ツアー中に処理し、クレーム上げさせるな!」が私に課せられた大きな課題でもあったわけだが・・・・。
大体の「手配旅行」と言われる『単発仕事』は、男性のしかも『汚れ役』もしくは、担当営業が勤めることが多い。しかし、自分の『経歴』に傷をつけたくないエリートや、自分の大事な部下を守ることから、私に仕事を発注する営業所長。まあ、『汚れ役』=トカゲのしっぽ。この地位は仕事には困らないし、稼ぎもいい。
ある建材メーカーさんの「招待旅行」でのひとコマである。
行き先はT県K温泉の1泊2日。何事もなく過ぎる日程。でも、『汚れ役」が来るには訳がある。そう宴会の席でその一件が発生する。
散々と言うより「ほとんど正体」をなくした旅行幹事に呼ばれる。
「あのさぁ~。オストドくん。」
「はい。なんでしょうか?」と廊下に待機する私。
「いやぁ。この後2次会なんだけどさぁ~」
「はい。ショークラブを貸切でご用意しましたが・・・」
「うん。あのね。・・社長が聞いて来い!って言うものだからさぁ~」
「はい?」
「うん。芸者さんやコンパニオンなんだけど・・・・」
「はぁ。何人お入れしますか?」
「うん。そうなんだけど・・・・遊べる子ってわかるかなぁ~?」
普通のツアコンなら「ご勝手に!」と言うところだろうが・・・・
「はぁ。確認する方法もありますが・・・・多少掛かってもいいですか?」
「うん。どのぐらい?」
「そうですね。仲居頭に少し握らせば聞きだせると思いますが・・・」
「じゃあ。頼むね。」
仕方ないので、パントリーにいる仲居頭のところへ行く。
「あのさ~。どっか遊べるとこないよね。」と私。ないことなど既に知っている。
「そうですねぇ~。この辺にはトルコ(現ソープランド)ガ1軒あるけど・・・・暴力団が絡んでいるとの噂もありますし~」
「まいったな。なんとかならない?」
「そうですねぇ~・・・・」(さっさと出すものだせ!という雰囲気)
「頼むよ。この通り!」と拝むまねをして折りたたんだ『寸志』を渡す。
「ちょっと、こっちへ・・・」と仲居頭に宴会場に連れられてゆく。
「あの子とあの子・・・・あの子も大丈夫。あの子はだめ・・・・」
「ふ~ん。あの子とあの子か・・・・・ところで、相場は?」
「○○で・・・○万・・その他、もちろん花代加算。あたしにウィスキー1本」
「了解。付けといて・・・持ってっていいからね。」と伝票にサインする。
宴会場に戻り、幹事に耳打ちする。
「じゃあ、それで宜しく」とのことなので、「姫」の頭を呼び出し耳打ちする。
この頭は「その手」ではないのだが、「頭」は残さねばならないのが、『掟』であるので、私が最後まで確約することにする。
結局この日の『艶会』は深夜3時まで・・・・勿論、私も最後までお付き合い。ただし自分の部屋・・・・。
翌朝の請求は「凄い額」になっている。用意した『花』以外の伝票もある。きっと勝手に客引きをしていた『花』を摘んだ人間がいたらしい。
その他。クラブの貸切料や『訳のわからない』作文された請求書(ツアコンの取り分)など総額400万円を超える請求。青ざめる幹事・・・。
業務クーポンを切る。因みに会社の手数料はこの分だけでも10%・・・・・・
帰りのバスの中では、御通夜状態の幹事と社長を除けば、皆行きのバスよりお顔の色艶がいいのは錯覚だろうか・・・・・・。


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「トラブルコンダクター ものがたり」⑮「九州のガイドには・・・・」 [暴露ばなし]

~「九州ガイドには手を出すな!」が合言葉!~
九州生まれの女性を軽視しているわけでも、べっ視しているわけでもない。
九州の女性は「情け」に厚く・・・・・男にとっては最高のパ-トナなので、誤解しないでほしい。
「男の下半身」には『人格はない』と言われるくらい、すぐでろ~っとしてしまうのが、男の悪いくせ。男の遊びグセは「死んでもなおらない」と言われている。
ご存知だろうか?最も古くから存在する『商い』は、所謂『風俗産業』である。
昔は「貧しさゆえ」に家族のために身を売ったり、または売られたりしたのだが、現在の世界ではどうだろう。先進国以外では、やはり「生活のお金のため」が最も多いのだが、先進国ほど「遊ぶため」とか「ブランド品」が欲しいから・・・・そんな理由でこの業界に自ら飛び込む娘が多いという。
先日、会社近くのマ○ドナルドで昼食のハンバーガーを齧っていたら、何人かの女子高生の群れがこちらを「チラチラ」見ながらしゃべっている。「どうせ、変なオッサン。1人でマックなんか食べて・・・・」と思われているのだろうと思っていたのだが、
そのうちの1人が声を掛けてくる。「おじさん。あの娘初めてなんだけどさぁ~遊んでくれない。彼女お金なくて困ってるんだ・・・・」と言う。世にも末の話である。
はっきり言って私も「スケベ」な人種。正直「心動かされなかった」と言ったら『嘘』になる。しかし、残念ながらと言うか助かったと言うべきか、その後『お仕事』のある身では、遊ぶ事など出来ないし、ましてや自分の娘の年齢より下では・・・・・神様・仏様・奥様に顔向け出来なくなるではないか・・・・・・。
最近では、一応「理性」が働くのだが、若い頃は「やりたい盛り」だったと言っても過言ではない。要は「据え膳喰わぬは・・・・・・」で、その後の「据え膳喰うも・・・・」は考えなかったのだが・・・・。
自分で言うのも何だが、『昔はもてたのである。』今では女性ではなく荷物が『持てた』・・・・がここ数年であるが。
私が18~20歳位のときの写真を見ながら、娘が「これ誰?」と言ったことがある。
妻は「昔はジャニーズ系で可愛かったんだけどねぇ~。騙された気分」と言うほどにその変貌は凄まじいものがあると言う。
そんな『ジャニーズ系』のツアコンがもてないはずはない。
ある時のこと。『陽光あふれる南九州一周。空の旅」と名づけられたツアーでの出来事。まだ若干20歳のツアコンと珍しく若い19歳のガイド。二人並んで歩いていると、「お似合いよ~ォ」とお客様にからかわれるほどだった。
確か1日目の午後だったと記憶している。ガイドから「今日、同じホテル宿泊なんで、飲みに連れて行ってください」と言われ、「いいよ!」と答えたのを、ドライバーのおじちゃんにしっかり聞かれていたらしい・・・・・。
「オストドさん。今日うちのガイドと飲みに行くんだって?」
「ええ。お借りします。そうだ、ドライバーさんも行きます?」
「いや、俺はいいよ。」
「あのウワサ聞いたことあるだろ」
「あのウワサ・・・・ああ、宮○のガイド。ええしてますよ。相手うちの上司だから・・・」
「あの一件以来、うちの若い子みんな添乗さん狙いだから気をつけないと・・・」
「ええ。先輩からも”九州のガイドに手を出すな!”と言われていますから・・・」
「解ってりゃいいけど・・・・まあ、気をつけてな!」
その「ウワサ」とは、遡ること数ヶ月前のことである。私の当時『上司』だったT氏は、
ドタキャンをしたツアコンの代りに九州へ飛ぶはめになり・・・・・
ガイド嬢に「飲みに行きませんか?」と言われ、酒の勢いと言うか、東京では誰も相手する人間がいなかったのか、定かではないが・・・・・・最後の一線を越えたらしい。
その後、このガイド嬢は会社を辞め、東京へ出てきてしまい。ウチの会社に来てしまったのである。結局このT氏は逃れる事が出来なくなり、人生の墓場・・・・結婚することになったのである。
幸いなことに「ドライバーさんの忠告」が頭の中から、「こぼれずに」済んだので、このガイド嬢とは、軽く飲んだだけ・・・・・・
しかし、何回も言うようだが、「下半身に人格」が形成されない・・つまりやりたい盛り
結局「ほぼ出撃体制」だったので、確かこの日は・・・・・・・・・書くわけにいかないので、察して欲しいのだが、このホテルを利用したツアーは全部で10本。男性添乗員は私を入れて2名だけ・・・しかも、1人はおじいちゃんであったことは書き添えておく。


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「トラブルコンダクター ものがたり」⑯「地獄の沙汰も・・・」(1) [暴露ばなし]

~「ワイロ」~
今でも・・・・通用するのであろうか?
先進国ではない「P」という国へ行った時のはなし。
「イスラム」の国なので、特に「お酒」の持ち込みはご法度である。
しかし、人間「ダメ」と言われれば「やりたくなる」のが、人の常である。
例えば「覚せい剤」とか「大麻」なんてのも、『地域』限定でやらせても面白いかもしれない。もちろんその『地域』は完全に下界とは隔離した上でのことだが・・・・
ついでに「暴力団の抗争」もその「塀の中」でやらせても面白いかもしれない。
まあこの続きについては、後日述べさせていただくとして本題に戻ろう。
お隣の大国の北○を経由して、P国のイスラマ○-ド空港に降り立ったオストド以下、男性4名。女性5名の一風変わったツアーご一行様。
入国管理官の『指示』(ワイロを出せ!か?)に従い、全員のパスポートを揃えて出す。その際10ドル紙幣を一枚挟んでおく。
この入国審査管の前で「知らん顔」をしてそっぽを向いておくと「OK!」と全員のパスポートにペタペタとハンコを押してくれる。勿論10ドルは無くなっている。
姉妹で参加された妙齢の「いやぁ~」との小さい悲鳴に荷物検査台を振り向く。
止せばいいのに「ランジェリーを入れたケースに小分けしたウィスキーを隠しているらしい。」慌てて検査台にいく。
「サー。礼儀を知らないもので・・・失礼しました。ツア-コンのオストドです。」と握手を求める。勿論小さく折った10ドル紙幣を忍ばせておく。
「サー。申し訳けないのですが、そこは女性の・・・ランジェリ-ケースですので・・・」
「オオ。ソリー。」で無事通過させてもらう。
まあ、荷物いじられたくなかったら「マネー!」のウワサは本当だったみたいだ。
今回のツアーは「ガンダーラ美術とインダス文明・・・・」というツアータイトル
もちろん見学は「遺跡」と「博物館」「美術館」めぐりと、市場や寺院が主である。

~「ピクチャ-OK!テンダラー。・・・・・・」~
日本人ほど「写真好き」もめずらしい。写真撮影禁止!と書かれていても撮影したいらしい。管理人?も擦れたモノで、「ピクチャーテンダラー。」と要求してくる始末。
お客様に事情を説明して、一人50ドルほど預かることにする。これだけあれば、
「数々の難関」にも太刀打ちできるだろう。ここは「ワイロの国」なのだから・・・・
美術館や博物館でもストロボなしの場合で、10ドル。ストロボを焚いた場合にはもう10ドル。う~ん。「テンダラーしか知らないのか?」と思ったほど・・・・。
まあ、両者とも得をしたのでいいのだろうが、文化財保護の観点から言えば・・・・・。

~役にたった100円ライターと小袋菓子
オストドはこの旅に100円ライターを30個ほど持ってきていた。
レストランのウェイターやポーターに『差し上げる』のだが、彼等の恐縮する態度はこちらが恥ずかしくなるほどである。
そういえば空港職員にも上げたときなどは、荷物検査もボディーチェックもなかったほどだったと記憶している。
現地に到着してガイドの青年アズマットに「小銭を用意したほうがいい」と言われた。
特に田舎の村では外国人が珍しいので、大勢の人に囲まれるとのこと。
そうなれば、お客様の安全を守れない。そのときに「小銭を撒け」というらしい。
「そうか!」とばかりに10ドルほどコインを用意させる。
P国は暑いいや暑すぎる。いくらエアコン付のマイクロバスでも喉はむしょうに渇くもの。村々や町を廻る。雑貨店では必ずバスを止め、各自ジュースを買う。
缶入りは一本20ルピー。瓶入りなら7ルピー。たちまち売り物を飲みつくして歩く人々の群れ。ガイドが「お金・撒いて・・・危ない!」と言うので、ウエストポーチに入れた小銭を一掴み取り出し撒く。そのお金を拾おうと大騒ぎしている間にバスにお客様を誘導するのだ。
小さな子供達に囲まれたときは、お菓子を与える。「どこかで見た光景だなぁ~」と思ったら、戦後の日本「ギブミー・チョコレート」のP国バージョン。
日本のお菓子を貰い、口に早速入れる子供。その子の口からお菓子を取り上げて食べる大人。後味の悪い思いである。勿論その可哀想な子供はバスに呼び寄せ、お菓子を食べさせたのだが・・・・・。




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「トラブルコンダクター ものがたり」⑰「地獄の沙汰も・・・」(2) [暴露ばなし]

パンストとビキニ・Gパンのはなし~
これもまた昔のはなし。
お客様の「ご指名」で今は体制崩してしまった「S国」へ行ったときのことだ。
このツアーが決まった時は「食い物は不味そうだし・・・寒そうだし・・・行きたくない」と言うのが本音で、廻りの先輩に「行かないで済む方法ありませんかね?」等と質問していた「若き日」のオストド。
先輩方からのアドバイスは、「パンスト・ビキニ・Gパン持っていけば面白いよ!」とレクチャーを受ける。
「あのさぁ~。安いのでいいからパンストとビキニ・Gパン用意してくれる?」と妻に頼むオストド。
「アンタ。頭大丈夫?まさか、女装に目覚めたとか?」と妻の弁。
「いやさ、ちょっとしたワイロなんで宜しく!」
パンストを30足・ビキニ5着・Gパン3本を荷物に押し込む。
腹を決めてS国へ飛び立ったのだが、早速『税関』で荷物検査。
ここで『持参』のパンストを男性職員2名に一足ずつプレゼントする。
その後の荷物検査は全て『簡素化』された。やはり『地獄の沙汰も・・・・』である。
到着口にちょっと眼つきの悪い・・・・男性と、思わずため息をつきたくなるようなブロンドの髪。服の上からでも解るほどの「ボン・キュー・ボン!」。おまけにこれまたむしゃぶりつきたくなるような美女のお迎え。まるで『美女と野獣』みたいである。
男性の方は、その地域だけの担当。女性の方は全行程の担当。思わず『良からぬこと』を考えたのだが、出発前に「女は気をつけろ!」とレクチャーされていたので、
「まずいよな!」と思い返す。まるで、ご馳走を目前に晒されお預けを喰った犬の心境である。
早速、市内観光。その後、ホテルへ案内される。
この国のホテルには、各階に「関所」が存在する。重厚などっしりとしたデスクには、
まるでブルドッグのごとくの「オバちゃま。」監視のためにいるのだろう。
このオバちゃまのご機嫌を損ねると、お客様は大丈夫だとして、もしかしたら「北の未開地」に幽閉され強制労働させられるかもしれないので、オバちゃまに「パンスト2足」をプレゼントする。あんまりにも嬉しかったのだろう「熱い抱擁」を受けてしまった。部屋へ戻るとガイド2名が「打合せ」と称してやってくる。
まあ「行動」すべてが「現地旅行社」という隠れ蓑の下の監視に置かれているので、
どうしようもない。まあ「まな板の鯉」といったところだろう。
早速「チップ」としてパンストを両名にプレゼントする。
試しに男性ガイドに「それどうするのか?」と聞いたところ「彼女へのプレゼント」とのこと。男性ガイドの「仕事」は今日で終わりとのこと。1人で帰ってゆく。
翌日からの行程をガイド嬢と打合せをする。ここで少しt「先輩のレクチャー」を試してみることにした。
「あのさ・・・・これ・・穿けたら上げるけど」とスーツケースから、Gパンを取り出す。
目の前でいきなり着替えだすガイド嬢・・・・・・思わず・・つばを飲み込む。
「ね?穿けたでしょ!貰っていいよね」と言われ、我に返る。
「いいよ。似合うね!」ともちろんプレゼント。
また、思いつくスケベ根性丸出しのオストド。
「あのさ、これも持ってきたんだけど・・・・とビキニの水着を取り出す。」
(まさか・・多分・・・バスルームで着替えてくるだろうけど・・・・・)と思っていたのだが、
これまた・・・・・ここで、この話を読んでいる方に告げておく。これは妄想でも夢でもない現実にあった話。
絶世の美女が目の前で・・・・・ビキニを着用を始めたのである。あの時の光景はオストドの許容量少ない記憶装置(脳みそと言うらしいが)に今でも鮮明に焼きつくほど。ここで聡明な男性諸氏でもいかにオストドの涎がMAX状態になり、頭の中の「オオカミ」と「理性」が戦っていたのか?想像していただきたい。
寒い大地・・・暖かい部屋・・・・ベッドもある・・・・・傍らには水着に着替えた美女。
いきなり抱きつかれ、「サンキューオストド。」とキスの嵐・・・・。もちろん彼女の体温はオストドに伝わり・・・・もちろんプニュプニュ・・・失礼!
まあ、男性なら一度は・・・・の世界。味わったものでしかわからない「幸福感」。
頭の中は様々な思いがグルグル廻る。幸いというか残念と言うか「理性」が打ち勝ったので、・・・・「そ・・そろそろ・・・夕食の時間だよね・・・」とかろうじてその彼女の香りの束縛から逃げ出す。
「そうね。そろそろだわね。私の部屋。隣だから・・・・」とウインクをする美女!
「へたに踏み込まれたら・・・」とか「もしかしてスパイにされるのでは?」と一生懸命に本能を押さえ込む。
夕食を終え、部屋に戻る。勿論、施錠をしチェーンも掛け、ドアに「椅子」を積上げ、スーツケースもおく。
こんな日はさっさとシャワーを浴び寝るに限る。
ベッドへ潜り込むのだが、彼女の残り香がまだかすかに匂っている。その匂いをかぎながら、目をつむるのだが、彼女の一糸まとわない姿が走馬灯のようにグルグル廻る。「ワォーン!」と北の大地にあるホテルの一室から、「獲物」を逃した哀れなオオカミの遠吠えが鳴り響いたのは言うまでもないことである。
その後は一体どうなったのであろうか?
何故か解らぬが・・・ガイドが2回も代わり・・・・ブロンド・黒髪・赤毛全て美女。
全部・・・記憶にあるのは・・・・・・である。
まあ、手持ちのパンスト・ビキニ・Gパンは全て北の大地の人々にプレゼントをし、
帰国の途についたのである。
「まもなく、成田・・・・」のアナウンスを聞いたとたん。「ホッ!」とため息がこぼれた。


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「トラブルコンダクター ものがたり」⑱「研修・・・・」(1) [暴露ばなし]

~「あいさつ」ははっきりと~
「皆様おはようございます。(深々とあたまを下げる)
このたびは私共○×ツーリスト主催の秘境○△×の旅にご参加賜りまして、誠にありがとうございます。
お世話役としてお供をさせていただきます。添乗員のオストドでございます。まだ若輩者でございますので、何かとご不自由やご迷惑をおかけする事もあるかと思いますが、精一杯努めさせていただきますので、何卒よろしくお願い申し上げます。(深々と頭を下げる)」
多分、ツアコンをやめた今でもこのような挨拶は当たり前に出来る。何故なら、恐れ多くも・・・自分で言ってどうする・・・・私は「ツアコン教官」だったことがあるのだ。
ツアコンの研修は「あいさつの始まり、あいさつに終る」つまり、まず座学の際にも、
「1人ずつ」このように挨拶の練習からスタートする。そして、待ちに待った「OJT」に移る。今はどうか知らないが・・・・2~3泊ほどのツアーに行く。
大型バスを借り切り、10~20名程度の生徒を引き連れ、教官が数名。勿論「審査」も兼ねるので、会社のお偉いさんも一緒に行く。
まず、朝の『発声」から練習させるわけだ。
研修室では声がでるようになっても、いざ、マイクを握り、バスの揺れにその身を預けての「朝のおしゃべりタイム」は難しいものである。早口になってしまう者、どもる者。声が小さい者。ツアー名や旅行社名を間違える者など様々いる。
もちろん「こいつを添乗に出して大丈夫か?」との会社の審査もあるわけだから、審査を受ける人間も大変だが、そのクラスを受け持つ「教官役」も大変である。
「生徒」の中には自分より年上もいるし、可愛い女の子もいるのだが、心を鬼にしなければならない。「やる気あるのか~!」は当たり前の言葉。「やめてしまえ!」「バカヤロー」は日常茶飯事。これも、「プロ」としての自覚は勿論のことであるが、「お客様に快適な旅」を楽しんでいただき、「安全」にご自宅へお戻りいただくためでもある。
だから、例え可愛い女の子でも『罵詈雑言』の攻撃を浴びることになる。

~地獄のOJT~
可哀想なのだが、研修費用は実費。つまり研修中のお給料はない。
そのくせ、あの資料この資料と購入する資料は山のようにある。
勿論、会社にくる交通費や資格取得に関する費用も実費。
まあ、一流の添乗員(フリー)になれば、1日20000円は最低稼げる。
一応、「特A」を与えられていた私の場合には、今から10数年ほど前で、1日20000円の日当だった。(今ではそんな稼ぎはないのだが・・・)
2週間ほどの座学と資格を取得する事が出来た者(ここまでは全員通る)は、地獄のOJTへの『参加命令』が発令される。
意気揚々と集合場所である『都内のとある駅のとある場所」に集まってくる。
我々「教官」の集合時間は午前5時。(もちろん近くのホテル宿泊している)生徒・・・いや、資格えお取得しているので、訓練生はの集合は午前8時・・・・。
ここに落とし穴がある。座学の1時間目で「集合時間の遅くとも2時間前には・・・・・」と教えてある。どこの旅行社も「T/Cスタンバイ時間」は設定していない。設定されているのは、お客様の集合時間だけである。
つまり、訓練生の「やる気」を見るための第一関門なのだ。
意外だったのが、一番乗りは「劣等生のK」である。彼のスタンバイ時間は5時20分。
早速、「服装チェック」「持ち物チェック」を行う。
服装は「自由」と伝えてあるのだが、会社の訓練なのだから、スーツ着用が当たり前のこと。我々教官は全て「制服」を着用し、腕章・ネームタッグ・バインダー・社旗を持っている。
ここで「減点」を受けたものは・・・・恐ろしい罰が宿舎で待っているのである。
ここで当時の添乗員スタンバイ時間を記しておくことにする。
国内・・・・バスの場合、1時間前。列車の場合、1時間前。飛行機の場合、2時間前。
海外・・・・大体、2時間前。だがなるべく集合時間の3時間前にはスタンバイ。
今では悲しいかな先に来て待っているのは『お客様』のほうみたいだが・・・・。
早速、ここでちょっと「コーヒータイム」ならぬ、「トイレタイム」と称して訓練生の動向をチェックする。教えのとおりに行動するなら、バス配車場所にバスの確認に走り・・・
会社にスタンバイ・集合完了の電話連絡をしなければならない。
会社では、「審査」にあたるお偉いさんが電話の前で待機している・・・・・・
わざと隠れる教官役もいる。つまり、迷子をどのように探し出すか?も大事な役目になるからだ。探しにいかせた「女性訓練生」が真っ赤な顔をしながら、『迷子』を捜し出してきた。どうやら、男子トイレに隠れていたSを「トイレの中」まで捜し出してきたらしい・・・・・「うん。いい添乗員になれるぞ」と一応褒めておく。
『休憩』を終え、訓練生全員に確認を取る。「バスを確認してきた者」「配車はどこだ」
「会社に連絡したか」大体ここでほぼ全員に「X」マークが1個はつく。
「全員。バスに乗車!」「あの~お偉いさんが・・・」「ああ、いいからほっとけ!」と全員バスに乗り込む。会社に立ち寄り、お偉いさんが乗り込む。「電話連絡」をしなかった数名が「喚き倒される」・・・まあ、自業自得。
ウォーミングアップが終ったのでこれからが、「地獄」がスタートするのである。


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「トラブルコンダクター ものがたり」⑲「研修・・・・」(2) [暴露ばなし]

~「ここは地獄の1丁目」~
会社を出発するや否や「地獄の1丁目」が始まる。
今回の総指揮者は私の役目である。マイクを握りこんなごあいさつ。
「皆様お早うございます。いよいよ待望の地獄・・・じゃなかった天国へのパスポート楽しいOJTと名を借りた研修旅行の始まりです。・・・・と、言いたいところですが、
皆様の成績は悪すぎるので、趣向を変えまして「ザ・サバイバルここは地獄の1丁目をこれより開始いたします。
呼ばれた訓練生はこの箱の中から、1枚抜き出して、エンドレスロープレを始めます」
私たちの会社は「ツアコン派遣会社」つまり「プロ」のツアコンを色々な会社に派遣する会社。社長は元J○Lのスッチー・・じゃんかったCA。独身の怖いおば・・・いやお姉さま。
今回は「特別参加」で来ている・・・・・・餌食は誰だろう・・・・・。
このエンドレスロープレは、「回を追うごと」につまり・・・採点基準が厳しくなる。
1回目で受かる人間は・・・・「クソ度胸」のある人間くらいだろう。
延々・・・3時間以上も同じような話と「罵声の嵐」で運転するドライバーさんが気の毒
なのだが、仕方がない。我々としても「1人の欠員」を出す事も許されず、全員をある一定のレベルにしなければならない。
昼食の後、全員「トレーニングウェアー」に着替えさせる。
「これから何が始まるんだろう・・・・・」との心配をしている訓練生。
「皆様。地獄・・じゃなかったエンドレスロープレ。大変お疲れ様でした。まあ全員合格で少し・・・・ほっとしてますが、我々添乗員は1に体力。2に体力。3・4がなくて5に体力と言うわけで、皆様にはチーム対抗オリエンテーリングを行っていただきます。
名づけて・・・天国か地獄?気力・体力・時の運・・地獄二丁目マッチ。
なお、勝者チームにはご褒美が・・・・敗者チームにもご褒美があります。」
ここはY県某休暇村。特設のオリエンテーリングコースがある。この研修の目的は「地図を読めるか?方向感覚は?」を意味するもので決してムダではない。
無論、担任教官でもあるSともう1人Hにも参加させる。
何故だか女子チームの勝利。女子チームには、ワインのお土産を1本ずつ。男子チームには、「ご褒美」として、マラソン3キロを課す。
「気を良くした社長」の奢りで豪華な夕食を頂く。勿論全員同じモノを食べる。
夕食後は「スライド上映」による「もし・・・事故が起きたら・・・」を再履修する。
しかし、あちらこちらから「いびき」が聴こえてくるのも無理はない・・・・
10時に解散。しかし、我々は寝るわけには行かない・・・明日・・そう0時過ぎの企みの用意をしなければならない。

~「あんたら鬼か?」~
草木も眠るうし三つ時・・・・・・なんて始まったら「怪談?」と思われるだろう。
しかし、我々も「人の子」である。深夜1時過ぎに「ちょっとしたパーティー」を決行するだけである。各部屋に「電話」を入れる。
「災害が発生いたしました。訓練生は速やかに教官部屋に集合!」と起す。
この企み・・いや訓練は「どんなときにも迅速に対応すること」の訓練で、決してイジメではない。例えば夜中に宿泊している旅館が火事になったとする。自分ひとりなら助かるが、お客様1名残され焼死したら、「業務上過失・・・」になる。全ては訓練生の明るい明日の為の訓練である。
全員予期していたのか、7つ道具を抱え部屋に飛び込んでくる。浴衣の紐が解けたまま半分眠っているような男性訓練生もいる。
「明日は朝7時に起床して・・・・・・」と言いかけたとき、「あんたら鬼か?」と1人の男性訓練生が言う。残念ながら彼は添乗員向きではない。今後の彼の訓練成績次第では、「失格」の烙印を誰かが押さねばなるまい。

~訓練2日目は「バスの事故!?」~
今日は全員「スーツ姿」。もちろん腕章・ネームタッグをつけさせておく。
朝食の席で「今日の訓練」について話しておく。
「皆様おはようございます。ゆうべはよくお休みになれましたでしょうか?
本日は2日目。楽しい本格訓練の始まりです。本日の訓練はバス事故を想定した訓練になります。昨日再履修していただいた内容の実地訓練となりますが、実際にバスを事故らせるわけにはまいりませんので、とある地点で訓練を開始いたします。その際、本来は旅行社への連絡は、本日の宿泊地に先回りしているお偉いさんに連絡していただくことになります。では、出発は10時です。」
バスの事故は避けては通れない。でも我々添乗員の宿命は「お客様の安全を守ること」である。この訓練を通じて・・その意味を解ってもらえればいいのだが・・・・。
訓練内容は・・・・割愛させていただく。まあそれなりに緊張を持ってもらえばそれでいいはなし。それに今の添乗員に求めてもムダ。多分彼等は逃げ出すだろう。
これが最終訓練である。あとはゆっくり温泉に入って・・・旨いもの食べて・・・・
訓練生から新人添乗員誕生を祝う祝宴をすればいいこと。
今日までは教官と生徒であったが、明日からは同僚の誕生なのだから・・・・・。


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「トラブルコンダクター ものがたり」⑳「お疲れ様・・・・」 [暴露ばなし]

~ニセモノの持込はご法度です。~
「お疲れ様です。」と税関の検査台に並ぶ。
胸には「旅行会社名の入ったネームタッグ」首からは「外務員証」がぶら下がっている。
「お疲れ様。今日はどちらからの帰国ですか?」
韓国ソウルです。」
「申告する・・・まあないですよね」
「ええ。」
「お疲れでした~。」
「お疲れ様です。お先です。」と税関を抜ける。
手にはパイロットケースとぶら下げたビニール袋。会社の女の子に頼まれた代物。
「オストドさん。明日からソウルですか?」
「うん。今日前泊で明日から・・・・何かあるの?」
「ええ。イミテ・・買ってきてくれませんか?」
「税関で没収されなきゃねえ。」
一昔前の「ソウル」と言えば、「男性天国」とか「ニセモノ天国」と言われていたほど。
現にこの厳密に言えば「手配旅行」と言うツアーも何本乗っているだろうか?
「昔、ソウルに行くのにVISA必要だったんだよ~」と言えば、「へぇ。結構おじさんなんですね。」と言われるだろう。
確かVISAもマルチとシングルがあって、マルはよほどの事がないともらえない代物。シングルも取得に24時間は必要だった。
私のパスポートにはマルチのVISAが押してある。
このツアーの目玉は「イーテウォンでのお買い物」である。
とあるビルの地下室につながるドア。しかも、通常の観光客なら知らずに通り過ぎる「看板もなにもない」裏通り。お客様の入店が終るとドアには鍵が掛けられる。
ここには「ダンヒル・・ニセモノ安いよ!ヴィトンニセモノ・・・」と流暢な日本語が飛び交う。
「ねえ。このダンヒル・・・中身は?」時計のムーブメントのはなしである。
「香港製・・・・・こっちはセイコーね。」と言う。セイコーの中身で表はダンヒルもどき。
こんな時計が8000円で買える。
でも、買いすぎは良くない。ほとんどが成田の税関で摘発を受けるからだ。
運よくすり抜けたのは、当時で2~3割ほどである。まあ、添乗員もこの件に関しては「知らぬ存ぜぬ」で通すのが関の山だ。

~「今日帰国して・・・また行くの?」~
最盛期は年間300日ホテル暮らしの日々であった。
ある時など朝、成田に到着。会社から派遣されてきた女の子と空港近くのホテルへ行く。別にやましいことをするわけでない。デイユースしてある部屋で、添乗金の清算・ドキュメントの返却をし、新たなツアーの添乗金やドキュメント・航空券の束を受け取るだけの話。会社の女の子を「用件が終ればすぐに帰社する」のだ。
ほとんど同時に妻がホテルにやってくる。スーツケースをぶら下げている。
娘が休みのときは一緒に来ることもあるのだが、大体1人でやってくる。
そこで、お土産やら「洗濯物」の詰まったスーツケースを引き取って帰って行くのだ。
一緒に昼食を摂り、部屋へ戻る。シャワーを浴びて着ていたものも全て持って帰る。
妻の報告を聞きながら、マッサージさんに身体をほぐしてもらうこともある。
妻が荷物を持って帰るのを見送り、お昼寝タイム。少し寝なければ疲れが取れない。「これ、娘から・・・」との差し入れはいつも栄養ドリンク。
なんでも、薬局の前を通りかかると「お父さんにアレ買わなきゃ」とおじいちゃんやおばあちゃんに貰ったお小遣いで買ってくれることもあった。
スタンバイの時間が迫り、つかの間の休息の終わりを告げる目覚ましが鳴り響く。
いつものようにセンディング業務を行い、出国審査へ向かう。
「今日帰ってきたのにまた行くの?」と出国係員。
「ええ。人使いの荒い会社でして・・・」とパスポートを受け取りつぶやく。
まだまだ家に帰るのは先のことである。


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「トラブルコンダクター ものがたり」21話「欠航・結構・もうけっこう」 [暴露ばなし]

~「泣いてもどうにもならないよ~」~
年がら年中飛行機に乗っていると・・・・・そう年間で100フライト以上。
「欠航」つまりフライト・キャンセル!なんてのにも遭遇することがある。
一番恐れるのは、「三大ピークシーズン」のツアーである。
例えば、「J○L同士の乗継」とか「A○A同士の乗継」なら、「何とかせい!」と怒鳴る前に何とかなる。しかし、「他社エアーライン同士」の乗継は「何とかしろ!」と怒鳴らねばなんともならない。まあ今なら「同じアライアンス同士」なら何とかなるのだろうか?
オストドとそのご一行様が「直撃」を受けたのは、「ど・ピーク」の8月の所謂ところの「お盆休み」のときのことである。
JALのシカゴ便で出発して、アメリカンに乗継ぎトロントへ、2日後にトロントからカナダ・エドモントンに飛び、カナディアン・ロッキーを周遊し、カルガリーからバンクバーへ飛ぶときの事だった。翌日にはバンクーバーから成田へ「満席のJAL」で飛ばねばならない。
いつもどおり、チェックインを行いガイド嬢に別れを告げ、国内線ゲート近くから外を見ているときのこと。
「ああ、俺の荷物が一番上にあるぞ・・・・もうすぐ出発だな。」とぼんやり考えているオストド。
・・・・この後はバンク-バーで中華の昼食。市内観光ではビデオ撮影・・・そんでフェアウェルパーティーを市内で日本食・・・・夜は遊びにいくかな・・・・・・
と一日の行程を「頭の中」で組み立て始めるのは、毎度おなじみ。
「おやぁ~?荷物が降ろされ始めてるけど・・・・なんでだ?」とカウンターへ行く。
「ちょっといいかな?」
「はい。なんでしょうか?」
「飛行機に積み込んだ荷物が降ろされているのだけど・・・シップ・チェンジ?」
「いいえ。そんな・・・・」とキーを叩く音と顔色の変わる・・・・・係員。
「少々お待ちいただけますか?放送でお知らせいたしますので・・・・・」
暫くすると各社のツアコンが呼び出される。
「フライトがキャンセルになりました。」
「はあ?理由は?」
「実は・・エンジンの調子が良くないとのことで・・・・機長判断でキャンセルで・・・」
「振り替え便は?」
「本日の便はこの後全て満席のご予約を・・・・・」
「それで・・?」他社のツアコンは全て(と言っても2名だが)女性ツアコン。目には涙が・・・・泣いても現実は変えられないのを習ってないのかな?
「それでですね。明日も満席なんですが・・・・臨時便を用意・・・・」
「あのさ、こっちは。明日のJALで昼過ぎにはバンク-バ-から出発なんだよ!」
「と、おっしゃられても・・・・当社の責任範囲は・・・・バンク-バ-までお運びすれば・・・いいわけでして、その後のことは知りま・・・・」途中でさえぎるオストド。
「ああそうかい。」何故かここから日本語に切り替えるオストド。
「ふざけんじゃねぇ~ぞ。こちとら日本の新聞社・・しかも大手3社の合同ツアー。
日本に帰ったらタップリ反○ーキャンのキャンペーン打ってやる。」とオストド。
他の女の子は「鳩が豆鉄砲喰らった」ように、一瞬びっくりしてすぐに泣きだす。
「責任者だしてもらおうか?」オストドの気迫なのか、女の子の涙がそうさせたのか?定かではないのだが、責任者が走ってやってくる。
「他の便をキャンセルしてでも・・・・こっちに飛行機廻せ!」とか、「バンク-バ-から飛行機もってこい!」とか喚き倒すオストド。
「1時間ほど猶予いただきたい」との責任者からの申し出に頷く。
こちらも「現地受入ラウンド」やら、本社に連絡しなければならない。またお客様にも「説明」をしなければならない。しかし、女性のツアコンは「泣いてばかり」なので、しょうがなく私が全部のお客様を集合させ、「事の経緯」を説明し、しばしの猶予をいただく。まあ「無理して飛ばして、ロッキーの山中に落ちるよりは・・・・」と半分脅かしが入ったが・・・・もし、あの時のお客様がこれを読んでいたら「お許しいただきたい。」なにせ、頭に血が上った若造だったので・・・・・・。今なら、「ラッキーでした。機長の決断に感謝します。何故なら事故を未然に防いでくれたのですから・・・」とでも言おう。
結局、バンクーバーから新しい飛行機を持ってくるから、3時間ほど待て!とのこと。
「昼食をだせ!」と言うオストドの要求に「1人10ドル!」の声。「1人10ドルでなにが食える。20ドル。」「いや15・・・・嫌なら出さない。」の交渉で15ドルのクーポンを各自に配る。「食事」と言ってもハンバーガーやホットドックくらいしかここにはないけど・・・・・。

~「お前がアナウンスしろ!」~
「新しい飛行機」が届き、責任者と握手を交わして乗り込もうとした瞬間。
「あのさ。日本語出来る奴帰したから・・・・・お前アナウンスしろ!」
「はぁ?冗談じゃナイ。」
「でも・・・折角用意してやって・・・・後で文句言われたくないから、・・・お前が謝っておいてくれ・・・・」
「タダで人に頭下げさすのか?それにアナウンスまで・・・・・」
「50ドルのクーポンやるから・・・・・」
「100ならいいけど」
「オッケーじゃあ・・これ」と100ドルクーポンを貰う。
しょうがないので、ジャンプシートに座り、パーサーからマイクを渡される。
「まず、シートベルト&ライフベストの着用アナウンスだな?」と確認する。
もちろん、英語が先・・その後、日本語アナウンス。
「・・・シートベルトは必ずお締めいただき・・・・。・・・・・ふくらみの足らないときは・・・」
とお決まりのアナウンス。「人使いのあらいエアーラインだ・・・・」と思った瞬間、滑走路に正対するや否や機はグングン加速してゆく、ある程度の高度に達したのだろう。
機長からの挨拶。「ソリー」だけなんだけど・・・と思いながら、「お客様にご案内いたします。当機の機長からの挨拶によりますと・・・・・・本日はエンジントラブルのため、出発が遅れ、お急ぎのところ誠に申し訳けありません。○ーキャン社員一同になりかわりまして・・・深くお詫びいたします。またカナダへお越しいただいた折には、当航空のご利用をお待ちして・・・・・・」とアナウンスする。
さあ、これで「仕事」は終わり・・・と席を立つ。
しかし、100ドルの仕事は終らない。最終着陸態勢の前にパ-サーが呼びに来る。
また「お仕事」しなければならない。
「お客様にご案内申し上げます。当機はまもなく目的地バンク-バ-国際空港へ向け、最終着陸態勢に入ります。お使いのリクライニング・テーブルは元の・・・・・」とやらされ、ジャンプシートに「縛り付けられる」オストド。もう席に戻る暇はない。
軽い接地のショックと共に急減速に身体が飛ばされそうになるほど。
パサーの英語挨拶に続き、「当機は只今バンク-バ-国際空港に・・・・・」ついでに、「○○ツアーのお客様にご案内いたします。各自おトイレを済まされたら、ターンテーブルのところにご集合ください。」と業務連絡をする。
お客様の降機が終わり、荷物を取りに席へ戻る。パ-サ-から、熱い・・・祝福をいただく。「アンタさあ・・・うちで一緒に飛ぼうよ。アナウンス上手かったよ!」
あわてて頬をぬぐいながら、「欠航・結構・・・もう結構!」とくだらないダジャレを飛ばし、一目散に逃げ出すオストドの姿がそこにあったのは言うまでもない。


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「トラブルコンダクター ものがたり」22話 「大雪に戸惑う・・・・」 [暴露ばなし]

~「さっぽろ雪祭りの思い出・・・・」~
まだ、私が「ど・新人」のころのはなし。
昔の日本の空は、「日○航空・全○空。東○国内航空」の三社がほぼ独占していたとき、我々ツアコンの間では、「J○Lが高級・A○Aは普通・T○Aは最低!」と言われていたことがある。これは別に「J○Lが安全で、T○Aが危ない」と言うはなしではない。北海道の場合、デラックスツアーがJ○Lで、ちょっと質が下がるのがA○A。最も安いツアーがT○Aを利用するのが当たり前だったのだ。
従って、「ヤッターJ○Lだ」とか「なんだ。A○Aか・・」とか、「やっぱり・・・・T○A」かと一喜一憂していたのである。宿の設備も全然違うし、バスも心なしか見劣り・・・・昼食も1品・・・差が・・・・・なんて事も日常茶飯事だった気がする。
ある日のこと。
「オストドくん。明日から雪祭り・・・・・」とアサイン担当。
「えっ?本当ですか?先輩じゃないんですか?」
「うん。J○Lに乗るAさんが、アレで・・・・代りにA○AのBさんが繰り上がって・・・・」
「つまり、繰上げ・最下位・・ですね。」
「行きたくなければ、D君に行ってもらうけど・・・・・」
「いや、行きたい。是非。行かせて下さい!」と言うわけでの出発になったのである。
オストド一行が「会場」入りするのは、最終日である。そのまま、最終のT○Aで帰京するのだ。
「雪まつり」の会場に着くと・・・・雪が大量に降っている。ドライバーガイド嬢が「もしかしたら・・・オストドさん。吹雪くかも?」と言う。
見学時間を30分ほど繰り上げ、一路千歳へ向かう事にした。
ドライバーとガイド嬢と「相談」をするオストド。
・・・もし万一の際の足の確保をする。
T○Aのカウンターへガイド嬢と急ぎ足で向かう。お客様はバスにいてもらう。
「あの・・・東京行き・・・・・どうですか?」
「ダ・・メかもしれませんね。ちょっと待ってください・・・・」と無線機に手を延ばす。
「はい。はい。滑走路・・・・閉鎖。フライト・・・キャンセル・・はい。解りました。」
「やっぱり・・だめですか・・・・?」
「ええ。だめらしいです・・・・。」
「と・・いうことは・・・JもAもだめ・・・・・」
「明日は?」
「明日は天候回復するみたいで・・・・臨時便飛ばす予定ですが・・・」
「とりあえず、確保できますか?」
「ええ。お取り出来きます・・・・」
「じゃあ、それで、お願いします。それと急いで帰らなければならないお客様が・・」
「明日お並びいただくしか・・・・」
ホテルは・・・・・なんとかなりませんか?」
「ちょっとお待ちください。・・・・・・Aホテル○ルーム・・・Bホテル・・○ルーム。」
宿泊料金はお幾らですか?・・・・」
「お1人・・・・円ですね」
「ありがとう。じゃあそれいただきます。」
バスへ戻る。バス会社へバスの延長を頼む。料金がかかるが仕方ないこと。
「お客様へご案内申し上げます。千歳空港は午後4時より吹雪のため、全面閉鎖となりました。つきましては・・・・・約款に基づき本日のお宿を手配いたしました。
お1人さまAホテル・・・・・円、Bホテル・・・・円でご用意いたしました。
つきましては、これからご希望をお伺いいたします。なお、現金にて添乗員にお支払いください。なお、明日のバス代としてお1人別途・・・・円ご集金させていただきます。」
オストドはラッキーだったのかもしれない。T○Aだったために、ホテルを航空会社が確保してくれた。先輩たちのJやAは、ホテルの手配をしてくれないらしい。
JのA先輩やAのB先輩は今にも泣きそうである。A先輩やB先輩はバスを帰してしまっている。バス会社に連絡(幸い同じ会社だった)して、1台だけ戻してくれるらしい。とりあえず、自分のお客様を札幌市内のホテルへお送りし、空港へ戻る事にする。この際ピストン輸送するしかない。(3人とも同じ旅行社ツアーだったし・・・)
全てのお客様を輸送し・・・・・Bさんは空港カウンター前で泊り込み・・・・Aさんと一緒に札幌・円山界隈の・・・・・ホテルと言うか旅館と言うか・・・・まあ「連れ込み」と言われるラブ・・・・にようやくたどり着いたのは、午前0時を廻っていた・・・・・・。
後日談、私ことオストドは全てのお客様を翌日には帰京させ自分も帰京。
A先輩もT○Aの情けで帰京。B先輩の帰京はその翌日であった・・・・。
この一件以来、私は「雪まつり」にいっていない。
もう大雪に悩まされるのは懲々である。


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「トラブルコンダクター ものがたり」23話「one to one」 [暴露ばなし]

~「ねえ。頼みあるんだけど・・・・」~
20歳台前半。いちばん生意気盛りだったかもしれない。
まだ、20歳をわずかに超えた頃で当時の年収で1000万円近く・・・・
でもこの稼ぎ・・・・家庭を犠牲にしての稼ぎ・・・・。
まだ、正式な入籍をしていない。つまり、妻と娘は「母子家庭」扱い。
だから、いくばくかのパート収入と生活保護を受けている状態。何故このような結果になったのか?と言うと、「麻薬や武器」には手を染めていないのだが、「買春あっせん」もどきも「業務」の一環。となれば・・・・いつお縄になってもおかしくないだろう。
愛娘も妻も「カヤの外」に置いて置きたかったのかもしれない。
多分、その頃の私の「交際費」は500万円を超えていたに違いない。
「アサイン担当」やうるさいお局さんに「せっせと貢物」をし、「いいツアー」つまり稼げるツアーにアサインしてもらわねばならない。
また、その当時の私の上客は「お姫様」と言われるひとたち。
つまり、風俗嬢をはじめお水系で働く女性が「ターゲット」である。重ねて言わせていただくが、今でこそその面影は「全く!」と言ってないのだが、ジャニーズ系。先輩に乞われて2週間ほど「ホスト稼業」なんぞもやっていたので、このような「お姫様」の扱いには慣れていたのである。
「上流な生活ほど・・・上客を掴める」と言う先輩の教え。その頃、飲みに行くと言えばほとんど銀座かホテルのラウンジ。全く若造のクセにとんでもない奴。
初めて「銀座のクラブ」に足を踏み入れたのは、20歳の頃。会社の上司に「自分達だけ良い思いをして・・・・・」とか、「バラそうかな?」とか言って、私の班10名を連れて行く羽目になった上司・・・・その請求は100万とも200万とも言っていたがどうでもいいこと。そりゃそうだろう。私1人でレミーを1本半開けてしまったし・・・・・。
その後、この店にはちょくちょく顔を出し・・・・「座れば5万。飲めば10万」と言われる店で確か・・・・1回2万くらいで飲ませて頂いていた。ママ曰く、「おじいちゃんばかりじゃ・・・・若いエキス・・・・・」このままには、後輩を献上しておいたが・・・・。
何回か店に行けばすっかり「お馴染みさん。」この店で知り合った「オ-さん」は、某不動産会社の社長。この社長の会社だけでも年間2000万円くらい・・・私は仲介料として50万円ほどだが・・・・ご利用いただいた。
ある日のことである。ママからの電話で「開店前に来い!」と言われ、お店へいく。
そこには、ママの双子の妹。・・やはり、お水系。
ママ曰く。「この子パリに行きたいらしいのだけど・・・」
「はあ、ツアーに参加されるのが一番かと・・・」
そんなことで呼び出されたのか?と思いながら・・・・
「ねえ。頼みあるんだけどォ~」といきなり、ママの「勧誘」。
「はい。なんでしょう?ママには普段安く飲ませてもらってるので・・・」
「この子、パリに連れてってくんない?」
「はぁ。」
「お客1人で添乗員1名で幾らかかるの?」
「one to one.ですか?そうですね。単純に言えば2名分の交通費・・・宿泊費・・・ラウンド・・・それに私の日当が正規料金ですので1日25000円・・・・・・およそですけど、150万は下らないかと・・・・・」
「なんだ、そんなもの・・・・ハイ。とりあえず200万。預けておくから・・・・」
こうして初めての「one to one」に出かけることになったのである。
大体、「お水系」の人たちは、団体行動を嫌う人が多い。このお店の女の子とは全て「one to one」で飛んだほど・・・・まあ、私からすれば朝早くから夜遅くまで引きずり廻されなくて済むし、日当も同じ。お客様が1人でけ・・しかも、ご婦人となれば・・・・・
大体が、「お買い物旅行」なので、通訳1名を付け私は荷物持ち・・・・
まあ、旅行の詳細は書くと、「アノヤロー・・1人だけいい思いしやがって・・・」と、悪友から小突き回されるので、この辺にしておく。まあ、楽しい「お仕事」だったのは言うまでもない。

~悲しみは消えない~
またもや、ママからのお呼び出しで店へ行く。いろんなお客様を紹介くださるので、
「貞操の危機!?」と感じた事もある。ママは「あはは・・・冗談でしょ?アンタはそうねぇ~出来の悪い弟みたいなものだから・・・・・」と笑い飛ばされる。-ごもっとも-
だから、私も「ママ」ではなく「お姉さ~ま。」とやる。まあ、このママ。手数料も取らないので、P国で貰った「ダイヤ」やミンクなどのショールを献上しているのだが・・・
「ねぇ。弟!頼みあんだけど・・・・・」
「お姉さまの頼みでしたら・・・・・男はもう献上できないけど・・・・・」
「馬鹿ねぇ。あのおじいちゃんなんだけど・・・・」
「ああ、Hさんね。それが?」
「あのHさん。南のとある島へ連れてってあげてくんない?」
「へ?」
「あの方のお子さん・・・・そこで、戦死されて・・・・」
「慰霊?」
「うん。そうなんだけど・・・」
「慰霊団にでも参加されればいいのに・・・」
「そうなんだけど・・・・あの方、人前で泣くわけいかん!ってタイプで・・・」
「ふ~ん。いいよ。でも・・・・・」
「解ってるわよ。私からも特別にお小遣いあげるから・・・・」
「お小遣いより・・・いいお客さん紹介して欲しいんだけど・・・・・」
このおじいさんをどこの島へお連れしたかは、内緒である。
ただ、このおじいさんのお子さんが亡くなった場所に佇む姿を、私は何故か涙が溢れてきて直視できなかったのを今でも覚えている。
このおじいさんとの約束がある、「どこへ行ったかはナイショで・・・・また、訪れたいがわしゃもう無理だろう・・・・添乗さん。もしまた訪れることがあれば・・・・頼みます。」
この旅から、1ヵ月後に「訃報」が届く。Hさんのご冥福をお祈りする。
まだ・・・あの島へ再訪する機会はない。行けば行けるのだが・・・・・何故か足が前に行こうとしないのは何故なのだろうか・・・・・。


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「トラブルコンダクター ものがたり」24話「添乗禁止処分!?」 [暴露ばなし]

~「添乗したらいけません」~
別に「悪行三昧」がバレたわけでもなんでもない。
「あいつ、アホだからなぁ~。いつかはこうなるのでは?」と期待?していた方の悪いが、その頃は「ダーティー・オストド」とその悪名?は幅広く伝わっていたためでもない。そんなことで「いちいち添乗禁止!」なんてやった日には、安い給料で「お仕事」する人間はいなくなってしまう。
オストドの場合は、「TKO」つまり、「テクニカル・KO負け」。平たく言えば「酒の飲みすぎで胃潰瘍寸前」になったわけだ。
元々、病弱でひ弱な「お坊ちゃま」育ち。物心がついた時から、晩酌のお付き合いを始めており、中1の頃には「大先輩」の高校生(中高一環教育)に連れられ、スナックでコークハイを飲んでいた。勿論、部屋にはウィスキーのポケット瓶が隠されていた。また、父親も「タバコ」だけはうるさかったが、カゼを引いたオストドに「コレ飲んで早く寝ろ!」とウィスキーのお湯割りに蜂蜜トレモンを入れて運んでくる。
まあ廻りを「ノンベ」に囲まれて育ったオストド。酒は飲むものではなく、浴びるものだったから、始末に悪い。
昔のCMに「どんどん飲め飲め客の酒!」と言うのがあったのを覚えてらっしゃるだろうか?会社も「手配旅行」の場合には、宴会のお酒の売り上げも大事な手数料収入だったので、我々に課せられた「任務」は「死んでもいいから、飲め!」だった。
ほとんど毎日のように日本酒2升以上、ビールなら1ケース・・・・なんて無茶をやる。
勿論、トイレで吐きまくる日々。胃に良いわけがない。
ツアコン時代は「身体が資本」だったので、定期的に診察を受けていたのだが・・・。
ある日のこと。久しぶりの休日。妻が好物のフライを山のように作る。
いつもなら・・・・・「ひょい・ぱく!ひょい・ぱく!」と食べ・・・いや飲み込むのだが、「胃が悲鳴」を上げている。かかりつけのドクターの元へ飛び込む。
「何か拾い喰いしたのかな?」このドクター口が悪いので近所でも「評判」なのだが、
「拾い飲みはしたけど・・・・・」とここ最近の「行状」を告白。
「そりゃ・・胃潰瘍だわ。そうだね。1年くらいは禁酒。もちろん添乗禁止。」
「はぁ。陸に上がった河童になっちゃうんですけど・・・・」
「まあ、自業自得。長生きしたければ禁酒&添乗禁止。子供のためにもね。」
おかげで「お仕事」全部キャンセル。しばらくは蓄えを食いつぶすしかない。

~捨てる神あれば拾う神?あり~
「休養宣言!」をして自宅療養の日々。知り合いのホテル経営者より電話。
「オストドくん。身体壊したんだって?再起不能説が飛び交ってるけど・・・・」
「はぁ。面目ないです。」
「どうやって生活してるの?」
「少しの蓄えありますから・・・・」
・・・・・しばし無言・・・・・
「あのさ、うち手伝わない?」
「私に・・ホテルマン・・ですか?」
「うん。うちの東案の営業やらない?」
「そうですね・・・・・・」考え込む。
「裏方を勉強するのもプラスになるよ。それに再起のときはうち辞めればいいから」
「じゃあ・・・・お世話になります。」
こうして裏方修行がスタートすることになったのである。
最初の1ヶ月は「現地ホテル」での研修。フロント・宴会係・クラブ・・喫茶ありとあらゆる職種を経験する。
幸い・・私には「広い人脈」があるので、与えられた「予算」は軽々クリアーできる。
渋る人間は「過去」を脅し、着実に数字を上げる。
結局、1年ちょっとお世話になった。その後、「お仕事を選ぶ!」と言う添乗スタイルになったのは言うまでもないことである。
この後、「ダーティー・オストド」の影は潜め、「万能ツアコン」として生まれ変わった瞬間でもある。


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「トラブルコンダクター ものがたり」 「中書き・・・」 [暴露ばなし]

~「中書き」~


一応
ここで「トラブルコンダクターものがたり」の筆を置く。
まだまだ書かねばならないことや懺悔しなければならないことが沢山ある。
「何故修学旅行の費用は高い!?」だとか「バイ菌」扱いされたはなし・・・・
勿論、艶っぽいはなしも沢山ある。
ここまで、暴露ばなしを書いていて「続き」はまた今度!では「ムシが良すぎる」とお叱りを受けることもあるだろう。
でも、もし「手の内」を全部書ききってしまったら、もう誰もブログに訪問してくれなくなるのでは?と考えここに中書きとするものである。
いつの日にかまたこの「はなし」はほぼエンドレスに書き続けられるのだろうが、
私は次の旅の準備もしなければならないし、今・唯一のお客様「妻」の専属ツアコンいや、トラコンとして、旅を続けねばならない。
トラコンになったキッカケは、「娘」の誕生であったのだが、その娘も「親の贔屓目」だろうか、美しく大きく成長し、小さなそう極ちっぽけな「巣」から、自らの翼で羽ばたいてゆくのも近いことだろう。
空に憧れ、空に挫折した私ことオストドの無念・・その思いを我が愛する娘は受け取ってくれたらしい。
彼女がCAとしてデビューできるのかどうかは、「神のみぞ知る」なのだが、夢の実現にむけその羽ばく練習を積み重ねる彼女。
彼女の「夢」という名の世界へ羽ばたく日が待ち遠しく、そして少しの寂しさもある。
「この娘のためなら、何でも出来る。死んでも構わない。」と誓ったあの日。
空を流れる雲に娘の成長を祈り、夜空に煌く星たちに彼女を思う心を託し、私は私なりの「愛情全て」を注いできた。
無論、彼女にはその愛情が重すぎると感じた反抗期もあったのだが、多少の紆余曲折がなければ人生はつまらない時の流れである。
多少の「紆余曲折」によりその人生の土台となる幹はその太さを増し、たくましくそして優しく。そして何事にも動じない芯の強い娘に成長してくれた。
いつの日にか・・・・彼女の乗務するであろうその「夢行き」のフライトに、「妻」と言うお客様を連れて乗る事が出来れば・・・私の夢は叶うのだが・・・・・。
このブログの10万HITが先か?それとも娘の巣立ちの日が先か?定かではないが、また暴露はなしを書ける日が来る事を願いつつ、ここまで駄文にお付き合いいただいた皆様の益々のご健勝とご多幸をご祈念する。
ここまでのおつきあいありがとうございました。
まだまだ、「旅」に関することや「日々の事」は読者の方が1人でもいる限り、続けますので、今後共宜しくお願いいたします。
ありがとうございました。


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オストドのため息。「ちょっと・・無意味かもしれません!それより・・」 [暴露ばなし]



建設業界の片隅にひっそりと生息しているオストドでございます。

はっきり言わせて貰いますけど・・・

防災頭巾は・・・無駄でしょうねえ~そんなものより・・・ヘルメットの方がいいと思います。

ここに・・多く採用されているヘルメット(当社でも採用しているメーカーです)のリンクを貼っておきます。

ヘルメットのタニザワ→試験の動画サイト

児童手当を支給するより・・・まずはコレ!を支給して欲しいものです。その名も・・・

防災キッズメット

でも・・これだけでは、不十分なんです。

実は・・・

日本全国で広域避難場所に指定されている(ハズ・・・)の“学校”の建物自体が危ない。

とあるところでは・・・現存する学校の半分以上が、“新耐震基準”を満たしていないどころか・・・

“耐震補強工事”を施しても・・・倒壊の危険性があります。

まあ・・新耐震基準で建て替えたほうが安心出来るんですけど・・・・

何せ・・・民主党曰く、公共工事削減ですから・・・

建て替えはその自治体の“財政力”次第になります。

ですから・・・校舎が倒壊すれば皆さんの大切なお子さんの命はどうなるのでしょうか?

記憶に新しいと思いますが、中国の四川では、学校が崩壊しました。

それで、何よりも尊い命。将来の祖国を担う子供たちが大勢亡くなりました。

官製談合は本当に悪なのでしょうか?

身勝手ないい方ですので、お気に障った方はこちらからご退場ください→EXIT

ここからは、建設業に携わる一人の親として書きます。

1.“官製談合は必要悪であると思います。”

(理由)確かに皆さんの血税を多く出費することになると思います。でも、価格面だけの過当競争は、“品質”の劣化を招きます。(所謂・・・“手抜き工事”)です。
建設業者に課せられている“重大かし担保”は10年です。従って、「10年以上経てば壊れたっていいじゃん!」と言う考え方で建物が建てられたとすると・・・今度は、それらの建て替えや大規模補修が必要になります。
そうなると・・・コストは何倍にも膨れ上がる計算になります。
例えば、「本当は耐震性から言ってもA工法なんだけど・・・予算の関係上、Bしかないよな!」こんなことが日常茶飯事になっているのが、現状です。部品ひとつだって・・・「Aが優れているのは理解しているけど・・高くて!」
こんな風にただ・・建設時の“価格コスト”を引き下げるより、その担当部局が弾きだした金額で、確かな施工能力そして・・・最低、50年は持つ安心して子供たちを通わせられる学校。そして地域の方々の防災拠点になる建物づくりが急務です。そのためには、価格より、確かな施工能力で選ばれた会社に適正価格で、責任施工させ、ただ“名ばかりの監理”ではなく、その“品質”確保を隅々まで行うことが必要です。

2.学校の選び方に“新耐震基準”で建てられているかチェックしてください。

(理由)昔から“災害は忘れた頃にやってくる!”と言われております。阪神大震災に被災経験者のオストドですが、「神戸にはでっかい地震なんか来ない!」そう思っておりました。古い文献では200年以上前にあったそうですが、“誰も予期してなかった”のが、現状です。強固な岩盤とそれに続く軟弱な地盤。その狭間に居たオストドは、襲って来る地震の波と岩盤によりはじき返された反射の波をモロに受けました。
「どっちを借りようか?」と悩んだテラスハウスは、潰れてしまってました。そっちの方が“借りる条件”は良かったのですが、多分・・神様のちょっとした気配りを頂いたのでしょう。
それよりも・・・“地元”(神戸9を知り尽くしているある人物の紹介で、借りたマンションは幸い倒壊もせず・・
家財の損失だけで済んだのです。多分、皆さんの大多数の方は、こう思われていませんか?
「自分の住んでいる場所に大震災は起こらない!」
そう思われるのも無理はありません。オストドだって・・・信じたくありませんが、いつ・・災害が起こるか解らないのが現状なんです。
もし・・これを読んで頂いている皆さんのお子さんが通う学校が、昭和54年以上前に建てられた建物なら要注意です。“耐震診断の実施の有無”“耐震補強工事は終わっているのか?”是非・・・確認してください。
ただ・・“進学率”とか“先生の教え方”も重要ですけど、何よりも大切なのは、そこへ通うお子さんの“安全”なんですから・・・・

最後に・・・はっきり言っておきますが・・・

“公共工事”で儲かったのは昔の話です。今は・・・満額で仮に受けたとしても・・・

様々な法律の縛りがありまして・・・利益なんて・・・1%くらいしかありません。

でも・・公共工事が増えれば、世間にお金が“循環”します。

まず・・資材を購入するには、代理店やメーカーと交渉して購入します。メーカーはそれらを製造するため、

部品を発注します。そうなると・・・商社とかがその原材料を仕入れることになるわけです。

次に・・労務費です。ブルーカラーと言われる私たちには、FXとか投資とかよく解りません。

好きなもんを食べたり、飲んだり・・・車を買い替えたり、家電を買ったりとかして使っちゃいます。

そうなると・・そこにも“需要”が生まれ、そして様々な“供給”があるわけです。

こうして世の中・・停滞している景気は、その投資額の何倍もの“需要”“供給”を生み出すわけです。

超簡単な経済学です。

ただ・・その“利権”に群がる政治屋だけは撲滅しなければなりません。

多分・・今回の選挙で落選した“元政治屋”には厳しい道が待っていると思います。

いずれ・・逮捕者も出るかもしれません。そして・・その情報源がいつの間にか・・・・

行方不明者リストに載るんでしょう・・・


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オストドのないしょ話。「へえ~そういうことがねえ~」 [暴露ばなし]

空飛ぶ食欲魔人ことオストドでございます!

連日、大勢の方々にご訪問頂きましてありがとうございます!

ここで・・・まだ・・オストドがブログを書く前に仕入れたネタを・・・・

都内の某所で、悪たれ連の一員であり、今でもお互い電話をしても、「元気?」とかも聞かない間柄

そして・・某悪徳弱小プロダクションの社長をやっているYクンと暇を持て余していたオストド。

Yクンのオフィスと駅を挟んで反対側にお客様がいらっしゃったので・・・・

「お~い!暇?」 と電話を掛けたオストド。

まあ・・これ・・半分、脅し・・・・

「おめえほど暇じゃねえよ・・・・」

「そうかぁ~近くにいるんだわ!出てこいよ!こなきゃ・・・あの写真・・・」

「解った!」

そう・・・Yクンが全部洋服強制的に脱がされ、

ロープでぐるぐる巻きにされた写真です。(今でも隠し場所はオストドしか知りませんが・・・・あはは)

とある場所のとある喫茶店の前で待ち合わせる事・・・数分。

それでなくてもオストドには借りがタ~ップリあるYクン。すぐ飛んできまして・・・・

「なんだよ!俺・・このあと・・・○○○TVに行かなきゃならないんだが・・・」

「あっそ!俺さぁ~暇でね。時間間違えちゃったから・・・あはは・・・」

取りとめない話が・・・尽きません。

そこで・・・Yクンがポロっとオストドに漏らしちゃった“とある芸能人夫婦の会話”

「ふんふん・・・それで・・・」

「いいか?絶対黙ってろよ!さもなきゃ・・・」

「あん?」

「お前も俺も・・明日には仲良くコンクリ詰で海へドボンになりかねない!」

「解った!」

それから・・・数年。オストドがブログを書いていることを知ったYクン。

「絶対に・・書くなよ!」

「解ってるって・・・メシ奢れよな・・・フランス料理イタリア料理」

「何で?」

「だって・・赤ワイン飲みたくなったもん・・・」

ここまで書けばもお解りですよね・・・最近、そういえばお見かけしませんけど・・・お二人お元気かな?

この内容の続きはまた・・いつの日か・・・海外逃亡生活に突入したら書きます。

どうか世間の男性の既婚者の皆様!女性問題を抱えるのは、

勝手でございますが、あからさまに全部喋られないほうがお利口な生き方かと・・・・

特に奥様にだけは・・・あはは・・・(*^。^*)

う~ん。何故かあの曲が聴きたくなったな・・・毎度、お世話になっている(勝手に)youtubeから、

頂いてきましょうかね・・・

皆さんも想像して・・・引張ってご覧くださいね!

ご内密にしていただける方はメールでお問い合わせください。曲名はお教えしますので・・・・


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オストドの暴露話 「修学旅行費用は何故高いのか?」 ① [暴露ばなし]

まえがきに代えて・・・

今・・この様なことがあるかどうかはオストドにとってどうでもいい話である。

何しろ・・・隠し子はいないし、(自信のほどは・・・聞かないで欲しい。<(_ _)>)

我が家の一粒しか授からなかった娘は、社会人である。

したがって、オストドにはどうでもいい話である。

それに・・・当時の方々は多分隠居じゃなかった・・第二の人生を歩まれているハズなので・・・

誤解のない様にもう一度申し上げておくことにしましょう。

今がどうだか解らない!

ちゃんと二度言いましたからね!そうでないと・・・すぐ旅行社のアホ営業とか、

バレたら困る教職員をはじめ、学校関係者からすぐ苦情

来るんだから・・・・・


<旅行社が修学旅行に群がる謎を追え・・・1>

昔、昔の話しでございます。
そこにはまだ若くて活きの良い一人のツアコンじゃなかったトラコンがおりました。
一人、東北新幹線のホームに佇む男。
彼の手には一枚の新幹線の乗車券と、ギリギリの荷物を押し込んだパイロットケース。
彼の上着は某旅行社の制服である。ブレザー。エンブレムは旅行社のものが縫い込んであります。

「ふう・・・じょうだんじゃねえよ!」

彼はひとりごとを呟きました。

「ったく!やってられるか・・・こんな商売!」

なにしろ、出るのは交通費と微々たる出張日当だけ、その日当だって、朝ごはんとお昼ごはんを食べたら、アシが出てしまうのです。本来ならツアコンじゃなくてトラコンの彼がこんな仕事をしているのは、おかしいのですが、まだ、彼はツアコンとトラコンの間を彷徨っている時の話でございます。
彼はこれからわざわざ・・・仙台まで新幹線で移動して、そこから在来線に乗り込んでM県K市まで行かねばなりません。

「ったくぅ~Mのヤロー。今度会ったら絞め殺してやる!」

彼は相当怒り心頭の様です。本来なら、彼は違う場所から、愛する妻と子供の待つ所へ、沢山のお土産を抱えニコニコ顔をしながら、久しぶりに家族団欒を楽しむために、その手にはパスポートとエアーチケットが握られているはずだったのですから・・・・

「絶対・・ボコボコにして・・ついでに3本目の足潰してやる!もともとそれが原因だし・・」

そうなんです。彼はこの休暇を得るために2か月間馬車馬の様に働いていたのです。本来だったらMクンがするお仕事だったんですが、理由あって“階段落ち”で病院へ入院しているわけで、悪魔の微笑みを湛えた。すくなくとも彼はそう見えたそうでございます。アサイン担当のY女史に“借り”のある彼は嫌とは言えず、それはそうです何しろ彼はAD8エージェントディスカウント)チケットをY女史を騙くらかして“ついで”に頂いたわけで、それも毎回行き先は一緒。バレないはずがありません。

「まあ・・いいか!休暇は1週間プラスしてくれたし、ファーストクラスに交換してもらえるんだから・・・」

彼はやつれた顔をしていました。それはそうです。一晩一睡もしていません。
彼はせっせと“交渉”を行い、その見返りにY女史が航空会社と交渉してくれたのです。勿論、追加料金は係るのですが、Mクンの手元に入るお給料から差っ引かれるわけでございます。
まあ・・それは当然の報いでございます。よせばいいのに大切なお客様に手を出しちゃった報いなんでしょうね・・・しっかり、同棲中の彼女にばっちり見られて、酔っぱらって帰宅したところ、足元にあった割れた鏡の上を黒猫さんが横切ったところ、そのまま・・・・アパートの階段を転げ落ちることになったのでございます。

「しかし・・あいつよく死ななかったわ!あはは・・・」

ツアコンとトラコンの間に居る彼はそう呟き、入選してきた始発の新幹線に乗り込みました。
唯一、神様からの贈り物なのか、Y女史がそうなる様に手配してくれたのか定かではありませんが、仙台行きの新幹線。ぐっすり寝込んでいても起してもらえるのです。

「しかし・・・体力持つかな?俺・・・・」

彼は一人ごとを言うと、指定席券に書かれた番号の席に座ると、黒いパイロットケースの蓋を開けると、そこからあるモノが入った紙袋を取りだし、窓際の席に着くともう何年も前から愛飲している栄養ドリンクを2本取りだすと
手なれた手つきでアンプル剤をポキンと折り、ごく細いストローを指し込みチュウチュウと音を立てながら飲み、
もう一本のキャップをクルンと外すと・・ゴコゴク飲み干し、抜けがらとなったビン類を紙袋へ押し込み、足元に置いたパイロットケースに仕舞い込むと、そのまま眠りの世界へ誘われていきました・

「お客さん・・もうすぐ着きますよ」
「えっ!もう・・・ありがとう車掌さん」

彼は窓を流れゆく景色の流れゆくスピードがグングンと減速をしていることに気がつき、それと同時に聞きなれた音楽と共に「次は終着仙台~」のアナウンスを聞く事になったのです。
彼が座っていたのは、グリーン車。乗り込み早々検札を受けて仙台の手前で起して貰える様に車掌さんに頼んでいたのです。

「大変だね添乗さんも・・これからお迎えかい?」
「ええ・・しごとですからねえ~」
「どこまで?これから乗り換えてK市までです。明日、中学の修旅引っ張るんで・・・」
「ご苦労なこった・・・何時発?」
「ええと・・たしか・・臨便・・・」
「あっ!それ俺も乗務だよ・・・」
「そうですか・・宜しくお願いいたします。」
「こちらこそ・・・」

この後、車掌さんとツアコンとトラコンの間にある彼の口からため息がこぼれ落ちるのを誰も止められないのだ。
何しろ、“車掌さんにとっても彼にとっても“招かざる客”言い換えれば、サルから人間に進化する過程上の、得体も知れない、一応、哺乳類には分類されるヘタをすれば、サルやチンパンジーの方が扱いやすい団体と、それを引率する。これまた、とても人間なんだろうか?と思えるほどの横着でやたら威厳を振りまわし、いばりくさる人間の皮を被った獣といずれそういう風になるんだろうなぁ~と思える下っ端教師と、今で言う所の“草食系”ではなくても“肉食系”でもどっちでも構わない。いや敵えない恐るべき怖いお姉さま教諭と更に言えば、大事に育てたハズの我が子を未知なる世界へ旅立たせる親心という重い思いと、様々な人間と進化しつつあるサルの集団を、車掌さんと彼は面倒をみなければならないのだから・・・・・

「じゃあ・・また明日・・・」
「ええ・・宜しくお願いします」

お互い握手を交わしながら別れるのだが、いずれの腹も“どうやって仮病をつかって休もうか?”それにちかいものが沸々と沸きだすのも、誰も責めることは出来ない。

「ふう・・・・」

彼はホームにカバンを置き、ため息をひとつ吐く。こんな事なら北斗星で行く北海道添乗の仕事を断るんじゃなかったと彼は考えたが全ては手遅れである。何しろ、例え1日1時間の仕事でも22時間働かされ様が、彼が得る給料は日給制。今日は移動日なので、打ち合わせ日当しか貰えない。それに人間様のツアーであれば、心付けやチップと言った類や、Rと呼ばれるリベートが彼の薄い財布に転がり込むわけだが、“おサル様”のご一行では、それすら期待出来るわけでもなく、満足にゆっくり食事を取る暇もなく、“おサル”様ご一行を無理やり調教師の様に振舞い、寝かしつけ、先生方の反省会と称する酒宴の後、おサルさんの見廻りを行い、不届きなおサルさんがいれば、廊下に正座させバインダーと言われる黒いドキュメントホルダーで頭の一発の叩かねばなるまい。まだ、オスのおサル様ならそれでもいい。問題はメスのおサル様たちの部屋へ巡回しなければならないのだ。この時気を抜けば・・・黄色い歓声と共に、浮沈でグルグル巻きにされる場合もある。そして、一番厄介なのは、そのおサルさんたちを引率する助平教師を喜べる場所へ極秘裏にご案内して、欲望を満たしてやらねばならない。明日から3泊4日のツアコンにとっていや、トラコンでさえも避けて通りたい地獄絵図が始まるのだ。

「しょうがない・・・行きますか!」

彼は足元に置いた黒いパイロットケースから、例の紙袋を車内清掃に今まさに乗り込もうとしている清掃スタッフに託すと、重たい足を引きずる様に新幹線のホームから去ってゆくのである。
突然、彼の腰に付けてあるポケットベルが鳴りだす。会社からの呼び出しである。
彼は反射的に黒いパイロットケースを振りまわしながら、公衆電話目指して突進してゆく。
手なれた手つきで会社への業務用フリーダイヤルの電話番号を押す。
電話に出たのはY女史だった。

「あら・・早かったわね!」
「当然でしょ!今仙台に着いたばかりなので・・・」
「解ってるわよ!誰が切符手配したと思ってるのかしら?」
「そうでした・・・それで?」
「そうそう・・・グッドニュースとバッドニュースどちらから聞きたい?」
「出来れば・・グッドだけ・・・・」
「そうよね・・・ファーストクラス押さえてあげたからね。それと・・・」
「それと?」

彼の胸には嫌な思いが走った。彼の同期は次々に退職している。退職と言っても懲戒解雇を喰らった者や、事故に巻き込まれて死んだ者。特に男性の同期で死んだ奴は碌な死に方をしていない。

「Mクン・・亡くなったわ」
「そうですか・・・お通夜も葬式も行けませんね・・・・」
「ええ・・・それが私たちの仕事だもの・・・」
「そうですね。解りました。例のモノ届けてやってください。」

彼らには、彼らなりの仁義ヤルールがある。香典を一日分の日当を包んで持って行くのである。

「解ったわ!お仕事しっかり頼むわね・・・・」
「はい!Mに伝えておいて下さい。」
「何を・・・」
「あの世で待ってろと・・・」
「解ったわ・・・じゃあね。」

彼は電話を切ると構内のトイレに駆け込んでゆく。洗面台で顔を洗い、何事もなかった様な顔をしなければならない。彼は顔を洗い、ポケットからY女史がもたせてくれたアイロンの効いたハンカチを取りだす。それでグショグショに濡れた顔を拭い、鏡に向かい歪んだネクタイを締め直し、作り笑いを浮かべる。
これがプロと言われる者の宿命なのだ。例え、親や家族が危篤状態になろうが、死に目にも会うことが出来なくても、プロである彼らはお客様には笑顔で接し続けねばならないのだ。

「ったく・・Mの馬鹿野郎が・・・さっさとくたばっちまって・・・大馬鹿ヤロウ!」

そう一言つぶやき、彼は何もなかった様に改札口を抜け、乗り換えホームへ急ぐ。この後の連絡を考えれば走らざるを得ない。彼は本来ならMクンが着用している制服というブレザーのエンブレムに手を当てて、必死に乗り換えのホームへ走ってゆくのであった。

オストドの暴露話 「修学旅行費用は何故高いのか?」 ②へ続く・・・・
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オストドの暴露話 「修学旅行費用は何故高いのか?」 ② [暴露ばなし]

<前回までのあらすじ>

彼はツアコンとトラコンの間にいる。本来なら、今頃、妻と子供の元へお土産を沢山抱え、飛行機に乗り込んでいるはずだった。AD(エージェントディスカウント)で手に入れたチケットではあるが、同僚のMクンがアパートの階段から不慮なのか?天罰なのか知らないが、転落し、悪魔のごとく微笑むY女史に“借り”のある彼は、断り切れずに今、M県K市の駅へ向かっているのだ。修学旅行。彼らは、略して「修旅}と言う彼らにとって最悪なお仕事を割り振られたため、2か月も馬車馬のごとく、一日の休日さえもなく、働いてきたのだ。
そのまま入国せず、乗り換えてしまえば良かったのだが、添乗金と言われる預かり金やら、ドキュメントを返却しなければ、休暇に入ることが出来ない。まあ、どっちみち彼は入国せねばならなかったのだが・・・・
Mクンのいや故Mクンと言った方がいいだろう。彼が着るべく制服のブレザーに身を通し、本来。ならそんな部署すらないのだが、本社添乗課の名刺と名札をロッカーから引っ張り出し、仙台の地に降りた途端、腰に付けたポケベルで彼は、同僚でもあり、同期入社の故Mクンの訃報を聞いたのだ。

在来線に駆け込み乗り換えた彼は、「ふうっ~」とひとつため息をついた。
ゆっくり動きだした列車の空いているシートに身を沈めると、窓を流れゆく仙台の街の景色をぼんやり眺めていた。

「Mの馬鹿野郎!なんでくたばっちまったんだ・・」

彼は同期入社で一緒に教官を務めているMを思い出していた。
一緒に添乗に出かけたときの事。農協の婦人部の旅行の宴会場の出来ごとや、一緒に“研修生”をいじめ抜いたこととか次から次へと脳裏をよぎる。

「お前はいいよなぁ~海外の仕事も入ってよ!」
「それを言うのなら、語学勉強しろよ・・・」

そう言いながら、場末のちいさなスナックで飲み明かしたのは、いつのことだったろう。
いつの間にか、彼はまた深い眠りの世界へ誘われてゆく。
ツアコンと呼ばれる中で、“プロコン”と呼ばれる部類に所属している彼らは、移動手段の中ではすぐ眠れる。
いや、眠らなければ身体を壊してしまう。彼らは常に気を張っていなければならない。おかげで、1年目で腰痛
2年で胃潰瘍。3年目で人間を辞めることになる。健康管理は自分の責任なんだが、手配旅行と言われるものにアサインされると、会社の命令で“どんどん飲め飲め客の酒”になる。彼もそれで胃潰瘍になったのだ。
基本、彼らはお客様の食事を終えなければ、自らの食事にありつけない。空腹にどんどん注がれるビールや日本酒、ワインのウイスキー、焼酎の類を流し込む。そして、彼らは限界点に達すると、トイレに駆け込み、自らの指を喉に突っ込み、流し込んだお酒類を逆流させなければならない。
1日1升瓶の一本や二本なら飲める。でも、酔っぱらう事は厳禁である。従って、彼らはその体内には取りこむのだが、それらを嫌でも吐き出さねばならない。いつ、起こるか?最悪の事態に備えていなければならない。

「お客さん・・・終点ですよ」
「あ・・ああ・・・」

彼は車掌さんに促され、黒いパイロットケースを下げ、改札口へ向かう。いよいよ・・今回の仕事が始まるのだ。
本来なら、Mがこなすべき、仕事なんだがこれも仕方がないことだ。
昨夜、妻に電話を入れた。

「ごめん!帰るの遅くなる。」
「そう・・・」
「うん・・・1週間延びるけど、その分1週間余計に休み貰ったから・・・」

彼はホームから改札へ向かう跨線橋の階段を上がり、自らの顔を叩く。気合いを入れねば、ほぼ野性化した“おサル軍団”を相手に太刀打ちが出来ない。

「よし!いっちょうやってやるか!」

跨線橋を早足で歩く、そして階段を駆け降りてゆく。改札口にはお迎えと言う名の“護送人”とその先には、護送人が乗ってきている旅行社の営業車と言う“護送車”が待ち構えている。

「あれ?Fクンじゃないか・・久しぶり!」
「えっ!Tさん?どうしたんですかY支店じゃ・・・」
「ああ・・島流しだよ・・・それより、なんでキミが来たの?Mとか言うのが来るんじゃ・・・」
「ええ・・今朝、くたばっちまいました。」
「なんで・・・」
「さあ?知っているのは、女癖が悪かったことと、階段落ちをして入院してたくらいですが・・・」
「なるほどね・・・」
「それより・・・Tさんがどうしてこんなちっぽけな営業所に・・・」
「まあな!色々と・・・・」
「トカゲの尻尾切りですか?」
「そんなもんだ・・さあ行くか!」
「Tさんがご一緒なんですか?」
「ああ・・悪いね!なんなら・・うちの別嬪さんたちに行ってもらおうか?」
「そこまで面倒見れませんよ!それにツアコン部屋は一部屋しかないもの・・・」
「まあね・・・」

彼はT氏とは面識があったし、何度か“ご指名”をいただき、一緒にお仕事をした仲である。

「大体・・・」
「えっ?Fクン何か言ったかい」

営業車を運転していたT氏が彼に尋ねたのだ。彼は思わず口に出していたのだ。
そもそも、こんな羽目になったのは、ツアコンの部屋が一部屋しか用意されなかったことが全ての原因だったのかもしれない。それで、彼はY女史に睨まれると“ヘビに睨まれたカエル”になってしまうのだ。

「今・・どんな仕事が多いんだ?」
「そうですねえ~昨日の朝帰国したばかりですよ・・・最近、海外の仕事も頂ける様になったので・・・」
「そうか・・・修旅はどれくらい乗ってない?」
「ええと・・去年以来ですねえ~とある女子高のお嬢様方を連れて北海道へ・・・」
「いい仕事じゃないかぁ~」
「そうですか?打ち合わせに前日学校へ行った途端に、病原菌扱いされましたけどねぇ~」
「病原菌?なんだそりゃぁ~」
「なんでも、こちらから生徒の半径2メートル以内に近づくなと・・・」
「そりゃぁ~無理難題だわ・・・」
「でしょう?エイリアンでもあるまいし、近づくだけで妊娠なんかするわけありませんしねえ~」
「なるほど・・酷い仕事だったわけだ・・・」
「ところが違うんですよ・・・」
「えっ?」
「だって・・・こっちからって条件でしょ?」
「そりゃそうだ・・・あはは・・あっそうだ。嫁さんとお子さんはまだ・・あっち?」
「ええ・・まだ。本当の事言いますとね。今日から休みだったんです。こっちへ連れ帰るためにね・・・」
「そうだったの・・・」
「でも、Tさんの仕事ならいいですよ・・・で、どんな内容なんですか・・・」
「ああ・・・そこに封筒あるだろ・・中に重要事項が書いてあるから眼を通しておいてくれる?このまま学校へご挨拶にいくからね」
「了解です・・」

その封筒こそが唯一彼が今のところ知り得る情報だった。大まかな行程はY女史から聞かされてはいるけど、ドキュメントを見なければ、詳細を掴む事が出来ない。
何しろ、その学校から何名のおサルじゃなかったお客様である生徒が参加し、引率教員やその責任者を知ることから始めねばならない。
そして、その封筒には、恐るべき情報あ記載された文章がでてくるときもあるのだ。

「Tさん・・これ!」
「ああ・・・それね・・・」
「いいんですか?俺らにまでこんな情報与えて・・・」
「いや、知ってて貰わなければこまるんだ。これから5年間の契約を結んだんだ・・・その結果さ!」

多分、Mクラス以下のツアコンにはこれらは無理だろう。だから、ツアコンから一歩はみ出しかけたトラコンになりかけの彼にY女史はその仕事を割り当てたのだ。もし、普通クラスのツアコンなら、T氏はこんな情報を与えず、
自らが率先して動き、そして雑務を割り当てるわけだ。
そこには、T氏とT氏の上司、そして本社の一部しか知らない情報まで記載されているのだ。

「今回はTさんと私だけですか?」
「いや・・・本社と支店からも1名ずつ新人が来るんだ。彼らには内密にな!」
「そうですね・・これはバレたら不味いでしょ・・・」
「ああ・・・仕方ないんだが・・・今夜、一杯やりながら話すよそれでいいかい?」
「ええ・・・”清濁併せ飲め”って奴ですね・・・」
「ああ・・・それからコレ!」

T氏は懐から銀行の封筒に入れられた札束がひとつ収められた袋を彼に渡したのだ。
要は、通常の経費処理が出来ないモノをコレで処理しなければならない。まさか、夜の世界のお姉さま方に、“個人的な領収書”を発行させる訳にもいかないし、また“発行”されることがあっても、ナントカ興業とか得体のしれない領収書になる。そこで、色々“ヤリクリ”こういう現金が必要になるのだ。

「意味解っているよね!いつも通り・・・」
「了解です。Tさんも持っているんですか?」
「ああ・・今回は3束用意してある。」
「確認なんですけど・・・この面子だと10・5・2・2・2・2・2・1・1・1ですね・・・」
「車代はね。後は例のごとく・・・」
「はい!足りなくなったら貰いますんで・・・」
「もうひと束渡しとくか・・今のうちに・・・何しろ・・・」
「そうですよね・・・バレるわけには・・・」
「うんそうなんだ・・・」
「ところで、他の2名の方は?」
「ああ・・明日仙台駅で合流するから・・・」
「じゃあ、そこまで2名で引っ張るわけですね。」

彼が言う10・52・2・2・2・2・・1・1・1とは、隠語である。車代と称して彼はこっそりと旅行会社として用意する先生方の旅行土産に車代と書いた封筒に、引率責任者である校長先生に10万円。学年主任に5万円。
各クラス担当の担任の先生方へ2万円。そして同行される担任以外の先生や養護の方に1万円ずつ包むのである。彼はその旅行会社の社員ではない。つまり、万一発覚しても彼が全ての責任を負わねばならない。
あくまでも、良好会社は“知らぬ存ぜぬ”を通し、彼一人に責任を被せる。まあ、それが派遣されるツアコンとトラコンの間をうろついている彼らの任務の一つでもある。

「さてと・・もうすぐだけど・・まだ時間があるな!メシ喰ったかい?」
「いえ・・そう言えば忘れてました・・朝から何にも食べてません。」
「じゃあ・・メシ喰おう!俺もまだなんだ・・・」
「美味いモノ喰いたいですねえ~」
「この辺はそば屋くらいしかないから・・・夜、ご馳走するよ・・」
「どうせ・・例のごとくでしょ・・」
「まあな・・・あっ!」
「どうしたんです?」
「名刺とバッチあるかい?」
「ええ・・この通り」

彼は黒いパイロットケースに二つの束の現金を仕舞い、代わりにそこから社旗を取り出し、蓋を閉めた。
そして、ポケットから本社添乗課主任添乗員と書かれた嘘の名刺と同じくそう刻印されたネームタッグを取りだした。彼が着用している制服のブレザーの襟元には、社章と“JTCA”と書かれたツアコンでも社員じゃないよ!とお互い解る様なっているバッチがキラリと太陽の光に輝いていたのだ。


オストドの暴露話 「修学旅行費用は何故高いのか?」 ③へ続く・・・・





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オストドの暴露話 「修学旅行費用は何故高いのか?」 ③ [暴露ばなし]

「修学旅行費用は何故高いのか?」 ③

昔・・・♪何にもない何にもない・・全く何もない♪という歌詞のアニメがあったけど・・・
車窓を流れる景色は一面、畑か田んぼしかない道だ。
まあ・・畑や田んぼがあるので、どこかに家はあるのだろうけど、ただ、所何処ろに曲がっている農道といいたくなる様な市道を車は進んでゆく。前方に小さな集落が見え、そして見渡せば外は一面畑か田んぼしか見えないんだろうなと思いたくなる所にポツンと学校の建物が見えてきた。
T氏は故Mクンの代わりに派遣されてきた彼を、営業車と言う名の“護送車”に載せ、ここまで走ってきたのだ。
途中、学校が見えるところで車を停めるT氏。まあ、道の真ん中に車を停めても1時間くらいは車が通る気配すら感じられない。

「見えるかい!あれが“今回”の・・・」
「ああ・・・おサルの学校ですか?」
「まあ、そんなところだな!2時から4時くらいまでかな打ち合わせ・・・・」
「Tさん・・それより、腹減ってきたんですけど・・・その辺の畑から失敬してきていいんですか?」
「おっとごめん!蕎麦くらいしかないけどいいよね?」
「ええ・・・腹に収まれば・・・」

彼は過去を振り返りたくはない事情があるのだが、彼の眼に映る景色は、嫌でも封印を解こうとしている。
この仕事を受けて後悔し始めた雰囲気を察してかは、T氏しか解らないが、無言で“護送車”を発進させ、学校を過ぎると、ちょっとした数軒ある商店街と呼んでいいのかどうか解らないが、そのうちの一軒の蕎麦屋の敷地横に無造作に車を乗り入れた。
彼は車にパイロットケースを置いておくか、それとも持って入店した方がいいのか、迷っていた。

「あはは・・大丈夫だよ。トランクにでも入れておけばいいよ!」
「ドキュメントは・・・」
「そうだな・・喰いながらちょっと打ち合わせしようか・・・何しろ、仙台まで5台二人で引っ張るんだからな」
「そうですね・・・」

彼はT氏にトランクを開けてもらい、そこへ無造作に黒いパイロットケースを投げ込み、そして黒いバインダーと筆記用具を入れたペンケースを取りだすと、パイロットケースを施錠をして、トランクルームをバタンと閉めた。

「じゃあ・・行こうか?ここなかなかの蕎麦喰わせるんだぜ・・・」
「へえ~そうですか?Tさんが言うのなら間違いないですもんね・・・」

二人そろって店へ入ってゆく。まあ、ド平日の昼間だから開店休業みたいなもの、お客は他には居ない。
いや、正確に言えば食べ終えて帰って行ったのか、そもそもまだお客が入っていないのか、皆目、かれには見当がつかなかった。そう追うべきであろう。

「おばちゃ~ん!いつもの二つね!」

T氏は彼にメニューを聞かない。ツアコンは出されたものを食べねばならない。今の時代は、「キミ何がいい?」なんて聴くのが当たり前なんだろうが、彼の時代には、上司や雇い主、とにかく目上の者と同じものを食べるのが、社会の通念上のルールだったのだ。

「いつもありがとね・・・おや・・兄ちゃん。△Ⅹ観光の人だったの・・・知らなかった」
「そうだっけ・・そう言えば俺、制服滅多に着ないからねえ~」
「うちの娘も今度修学旅行でおたくに世話になるんだよ・・・」
「そうなんですか?もしかして・・そこの中学校ですか?」
「そう。もしかして兄ちゃんたちが添乗さんかい?」
「ええ・・まあ・・・何組ですか?」
「5組だ・・・」
「そうなると・・彼が担当しますんで・・・」

T氏はそう言うと彼を指さしたのだ。
世間は広い様で狭い。まあ、学校のそばの蕎麦屋で食べているわけだし、高校生になると半分以上は、下宿したりしながら、高校へ行く地域らしい。

「そうかね・・あのなぁ・・添乗さん」

蕎麦屋のおばちゃんは商売人の顔から、ごく当たり前の母親の顔になっていた。そして彼に尋ねてきた。

「なんでしょう?」
東京ってどんな所だ?なんでも恐ろしいもんが棲んでいると言うことを聴いた事があるけど・・・・」
「恐ろしいもの?」

どう答えていいか、彼には見当がつかなかった。まあ、確かにこの辺とは時間の流れが違うし、好奇心旺盛なオサルさんの群れは、どんな騒ぎを引き起こすかもしれない。

「あはは・・大丈夫ですよ!そのために、東京から彼を呼んだんですから・・・」

T氏は笑いながらそう答えた。まあ、確かに調教師がしっかりしていれば、そんなに危なくはない。
彼は頬えんで蕎麦屋のおばちゃんでもあり、一人の娘の母親でもある。心配そうなおばちゃんにつぶやいた。

「大丈夫だと思いますよ。そのために引率の先生方もいらっしゃるし、私たちも、そして本社の人間も・・・」
「そうそう・・それに東京には沢山の警察官も居ますからね・・・」
「それなら安心して送りだして大丈夫なんだな」
「お任せください。団体行動さえ守ってもらえば大丈夫ですよ。」

そう言いながらも彼は胸の中でこうつぶやいたのだ。

「交通事故とか不慮の事故がなければね・・・」

おばちゃんが厨房へ引っ込むと彼とT氏は顔を見合わせニヤリと笑った。そして彼が封筒から取りだしたドキュメントをチェックしながら、T氏がつぶやく。

「まあ・・こんなもんだよ!Fクン2クラス引っ張ってもらえるかい?」
「2クラスでいいんですね?」
「まあね・・・でも最終的にはキミが3クラス。僕が2クラスになるだろう・・・」
「確か・・応援は?」
「ああ・・ど新人だからね!宜しく頼む!」
「道理で、でも新人クンの面倒は見ませんよ?」
「ああ・・それでいいよ!彼等には期待なんかしてないさ・・員数合わせだ・・・」
「なるほど・・・夢は潰すなですか?」
「そんなところだ!」
「了解です・・」

彼は今回の旅程を念入りにチェックし始めた。旅程の組み方に甘さがあるとそこがネックになる場合がある。
よくありがちなのが、東京周辺の交通渋滞を計算しているかどうか?それが問題になる。

「なるほど・・・河口湖1泊東京2泊ですね・・・問題はココだな・・・」

彼はペンケースから、赤いボールペンを取りだすと、旅程表に次々にチェックを入れ始め、ぶつぶつ言いながら
記憶を辿りはじめてゆく。

「Tさん。ここ出発30分早めましょう!」
「えっ!」
「ゴトウ日ですよ・・・このコースじゃ渋滞こんなものじゃ済まないですし・・・それと・・ここですね・・・」
「えっ!」
「後楽園からなら宿まで歩かせましょう!バス移動より正確ですから・・・」
「引っ張れるかい?」
「ええ・・ここの宿までなら・・2キロちょっとですから・・・」
「例のは?」

急に声のトーンを落とすT氏。勿論、彼も小声で答える。

「そうですねえ~吉か舞伎で・・」
「任せていいかい?」
「そのために呼ばれたんですよね・・・」
「まあ・・そう言うことだがね・・・」

そこへ厨房からホカホカと湯気の立ちあがるおそばの入ったどんぶりと揚げたての天ぷらが出てくる。

「添乗さん大盛りにしておいたからね・・うちの娘お願いしますね!」
「お任せを・・・」

彼の弱みは目の前の喰い物みたいだ。何しろ、朝から何も食べていない。正確に言えば、昨日の夜焼き肉を食べて以来、何も食べてはいない。彼の胃袋に入ったのは、夜明けのコーヒーと栄養ドリンク2本だけだったのだ。

「いただきま~す」

彼、いや彼等と言い換えたほうが正しいのかもしれない。彼等の食べるスピードは早い。何しろ、ドライブインでも15分あれば、乗務員添乗員休憩室でお小遣いを貰い、つでに用意されているお弁当やそばをかきこむ様に胃袋へ収める。ついでに冷蔵庫から栄養ドリンクを数本取りだし、ゴクゴクと飲み干すくらいの芸当が出来なければ、生きてはいけない。そして彼等は特に用がないときは、惰眠を貪り、万一の非常事態にでもすぐ対応できる様に訓練されてきているし、そうでなければこの世界ではすぐ淘汰されてしまう。
ひょいぱくひょいぱくと飲みこんでゆく彼を見て、T氏がため息をひとつ吐く。

「おばちゃ~ん。彼にもう一杯いや2杯持ってきてくれる?」
「いいんですか?」
「ああ・・喰えるうちに喰っとけだもんな!キミタチの世界は・・・」
「まあ・・そうですね・・・」

彼は蕎麦を啜りながら、盛岡を思い出していた。お客さんはセットされた“わんこそば”だったが、お客さんの隣の席に座った彼は、お客さんが冗談半分に、「100杯食べたら五〇〇〇円」の声に117杯を平らげたのだ。
本当はもっと食べれたのかもしればいが、時間がそれを許さなかっただけの話だったのだ。
彼は運ばれてきた残り2杯を食べつくし・・・時計を見た。

「Tさんそろそろ・・・」
「おう!そうだったな・・・」

お会計を済ませ、いらないと言ったけど無理やり支払うT氏。やっと空腹が満たされた彼は、東京とは違い
済みきった青空を眺めていた。

「おい!Mお前の分も喰っておいたからな!」

彼は自分のお腹をさすり、T氏に促され車に乗り込む。
蕎麦屋のおばちゃんは、T氏と彼が乗り込んだ車に手を合わせて見送っていた。

「じゃあ・・・さっきの件。Fクンから校長先生に説明してくれるかな?」
「はい!」

そう言いながらドアミラーを見ると、おばちゃんが頭を下げたまま次第にその姿は見えなくなっていったのだ。


オストドの暴露話 「修学旅行費用は何故高いのか?」 ④





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オストドの暴露話 「修学旅行費用は何故高いのか?」 ④ [暴露ばなし]

オストドの暴露話 「修学旅行費用は何故高いのか?」 ④

彼は同年齢の悪友たちや、また、同じ世代の人間よりも多分、稼いでいるはずである。
基本給はたったの5万円。1日わずか4500円の日当しか貰ってはいないのだが、銀座やホテルのラウンジに偶に酒を飲んでいる。彼には妻や子供がいるのを、一部の人間しか知らない。
いや、彼自身、添乗中は別の顔を持っていることが多いし、「独身ですよ!」と言うこともある。
何しろ、彼はせっせとお金を稼がねばならないので、“多少”いや、大分“危ない橋”も渡らねば、妻子を養えない。彼の平均月収は、馬車馬の様に働いても、月に20万円はない。但し、それは表の顔。つまり、止むを得ず
税金を払うために算出される金額であって、彼の実際の収入は月に100万円は下らない。
何しろ、“キーセン旅行”と呼ばれる“接待”等の手配旅行に行けば、参加人数x宿泊数x1万円が黙っていても
懐に転がり込んでくるのだ。大体、今は高度成長の時代、月に1本はこんな美味しい仕事が廻ってくる。
厳密に言えば、“売春あっせん法”にひっかかるかもしれないが、彼は旅行会社が手配した旅程に忠実に職務を実行しているだけである。まあ、需要があるから供給があるのか?供給があるから、需要が発生するのかは、彼の知った事ではない。何しろ、彼はあくまでも“食事場所”である接待のメイン会場までお伴をして、現地ラウンドに手配させた車で、“お客様とその同伴者”をお見送りするだけである。
因みに、お持ち帰り代だけで、彼の月の基本給が一晩で飛んでしまう。
それを公平に分けるのだ。まずは同伴者が1万円。その置き屋と呼ばれる某国の政府の鑑札を貸与しているところが、1万円。現地ラウンドと呼ばれる。現地旅行会社が1万円。日本の旅行社にも1万円。そして、清濁併せ飲む彼にも1万円。それが暗黙のルールとなる。その他にも彼の懐を潤すものは、もっとある。
“日本人は買い物を好む習性”いや、言いかえれば“お土産”と称して、何処底へ行って来たんだと暗に、いかに自分が偉いのかそして裕福なのかとご近所や知人、友人に自慢しあうのである。
例えば、一般のお客様を連れて、普通のツアー(募集ツアー)に出れば、記念写真は必ず購入してくれるし、
また、景勝地に行けば、近くのお土産店の“勧誘係”が手ぐすねをひいて待ち構えている。
大体、指定休憩店でも、“送客確認書”とは別に、お小遣いと称して、大体1000円から5000円くらい呉れる
店もある。まあ、呉れない店での休憩時間はトイレ休憩だけにする。余った時間でお小遣いもたっぷり呉れ、お客様にもサービスしてくれる店もある。そういう店はバスのドライバーやガイド嬢にも受けがいい。
そこで、ガイド嬢が巧みにお客様の買い物をそちらへ誘導してくれる。

「そう言えば・・・Fクン。奥さんと娘さんにどのくらいお金送っているの?」
「そうですねえ~家賃が日本円で10万円取られますし、モロモロで50万ってところでしょうか・・・」
「海外送金?」
「いいえ・・銀行送金は馬鹿にならないですからね!大体・・休みの度に持って行きますよ。仕事でも行くし・・」
「えっ?そうなの・・・」
「ええ・・最初は高雄に居たんですが、今は台北ですからね・・・」
「じゃあ・・仕事で帰ると自宅に帰るの?」
「まさか・・・帰れるわけないじゃないですか・・その間に何かあっても困るでしょ?」
「まあそうだよな!尤もらしい答えだね。じゃあ・・今度そっち方面の仕事指名いれるからね!」
「ありがとうございます!Rは山分けでえいいですか?」
「ああ・・そうしてくれると助かるな!養育費がきつくてな・・・」
「養育費?まさか・・Tさん・・・」
「ああ・・島流し喰らったら、“三行半”突きつけられたよ!さて、いよいよ・・敵陣に乗り込むぞ!」
「了解っす!」

T氏が学校の通用門に車を乗り入れる間に、彼はその間に胸にネームタッグを付け、ネクタイを締め直す。
校長室に通され、簡単なご挨拶の元、今度は体育館に待機しているおサルじゃなかったお客様である生徒さんたちと対面する。彼は挨拶の後、簡単な注意事項を一点だけ付けくわえた。“修学旅行のしおり”には、雨具が書いていなかったので、折りたたみ傘もしくは、雨合羽を持ってくる様に促す。
その後、鬼門であるPTA役員との面談がある。彼はPTA会長他役員一同に“規律の大切さ”について熱弁を振るう。そして、生徒さんの“安全”つまり、無事に連れ帰るためにh、多少の体罰は止むを得ない旨をPTA側から引き出す。何もこちらから強制したわけではない。ただ、彼の言葉を借りれば「脅すわけではありませんが、最善の努力(調教)はしますが、社会の厳しさをそろそろ教えないと・・・・」に、PTA役員だとは知らなかったが、蕎麦屋のおばちゃんが“偶然”きており、その方が口火を切ってくれたのだ。「言う事を聞かなければ、一・二発殴ってください」と・・・・彼は神妙な顔をして、頷いていたが、胸のうちでは、「これで大義名分が出来た」と内心ほくそえんだのである。

「じゃあ・・明日より宜しくお願いいたします!」

深々とお辞儀をするT氏と彼。目の前に居るのは、人ではない。彼等にしては“お金”にしか見えない。
校長先生を始め諸先生やPTAの方々に見送られ、“護送車”に戻る。まあ・・その時点で“護送車”ではなく
“爆笑車”に生まれ変わった営業車でまずは営業所へ一旦、ご挨拶に行かねばならない。
神妙な顔で乗り込んだ営業車は集落を抜ける頃、大爆笑に変わった。変わったのはいいのだが、畑や田んぼに何度か落ちそうになるくらい愉快だったのだが・・・

「いやぁ~相変わらずやるねえ~」
「まあ・・あんなもんでしょ?校長だって文句言えない様にしてあるんでしょうし・・・」
「まあな・・・」
「で・・・いくら営業経費掛けたんです?」
「2000・・・」
「はぁ?」
「いや・・正直言うとね。5年で2000万。述べ参加者が1000名ちょっとだからな・・・」
「また・・ピアノでも贈ったんですか?」
「ああ・・あの狸は今までで一番阿漕だわ!」
「その様子じゃ・・・2~300やられましたね。」
「いや・・・400かな?まあ・・5年の既得権なら安いもんだけどな!」
「確かに・・・・」
「まあ・・今夜前祝いと行こう!」
「いいですねえ~美味いもん食べさせてくれるんでしょ?」
「ああ・・うちの営業所の別嬪さんの家でな!」
「はぁ?」
「民宿やってるんだよ!その家・・・」
「じゃあ・・・そこ泊まりですか・・・」
「まあな!」

彼はツアコンに夢を抱き、その世界に飛び込んだときに、研修で何度も復唱させられ、そして今も指導教官として新人たちに復唱させている言葉を思い出していた

「お客様は神様ではなく、お金」

お客様は神様ですなんて綺麗ごとだけでは済まないのが、この世界である。
彼は“清濁併せ飲み”今この地位を築いている。人間だと思うから腹が立つこともある。
でも、お金だと思えば、腹がつこともない。プライドではメシが喰えないし、妻子を養うこともできない。

「どうしたんだい?」
「いや・・ちょっと思い出してました」
「何を?」
「ええ・・・先輩に習ったんですけどね。お客様は神様じゃなくてお金と思えって・・・」
「あはは・・違いない!それで俺ら生活してるもんな!」

T氏の運転する“爆笑車”はそろそろ市街地へさしかかってゆく。そろそろ・・・営業所はもうすぐのはずだ。
彼はその後何度、この地を訪れることになるのか?それは神様しか知り得ないのだが・・・・


オストドの暴露話 「修学旅行費用は何故高いのか?」 ⑤へ続く・・・・
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